優等生と劣等生

和希

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LASTSEASON

プロポーズ

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(1)

「じゃあ、冬夜見るぞ……」
「はい……」

達彦先輩が国税庁のHPを開いている。
今日は税理士試験の合格発表の日。
皆が達彦先輩のPCに注目する。
受験番号が羅列される。
一度で5科目取れるほど甘くはないと聞いていた。
だけど手ごたえはあった。
出来るなら合格したい。

「まじかよ……」

達彦先輩がもらう。

「おまえまじすげーよ、5科目全部とってるじゃねーか!」

自分の耳を疑った。
嘘だろ!?
画面を見る。
そこには確かに自分の番号が乗ってあった。

「こんちくしょう!俺3回受けたんだぞ!」

達彦先輩の蹴りが入る。

「これで正真正銘の我が社の新戦力だな」

社長が言う。

「彼女さんに伝えてあげなさい」

社長が言うので外に出て愛莉に電話する。

「愛莉!合格してた!!」
「知ってます。さっき合格証書が届きました。流石です。おめでとうございます」
「愛莉のおかげだよ」
「とったのは冬夜さんの実力ですよ」

愛莉も喜んでいる。

「じゃあ、仕事溜まってるから」
「はい、頑張ってください」

電話を終えると事務所に戻る。

「片桐さん、そろそろ客先に行かないと時間なのでは?」

神木さんが言う。
時計を見ると確かそろそろやばい。
急いで資料を集めて事務所を飛び出す。
12月に入ると月次決算の他に年末調整の仕事も舞い込んでくる。
サラリーマンが年末時期になるとへそくりとして誤魔化すあれだ。
まあ、年末年始になると税理士事務所の仕事は佳境を迎える。
今日は早く帰ってくるように言われているから、合格祝いに飲もうと誘いも断る。
社長も「彼女さんとゆっくり楽しむといいよ」と言ってくれる。
急いで家に帰る。

「おかえりなさい、お疲れ様でした。夕食の準備出来てるので着替えてくださいな」

愛莉に言われて着替えると、愛莉とお祝いの乾杯。

「おめでとうございます」
「ありがとう」

夕食を食べると、愛莉が片付けてる間にお風呂に入る。
お風呂を出ると愛莉が風呂に入る。
その間に寝室に入ってくつろぐ。
くつろいでいると愛莉が酎ハイを持ってくる。
愛莉は家計簿をつけている。
つけ終わると隣に座って一緒にテレビを見ている。
テレビが終るとテレビを消して愛莉とベッドに入る。

「冬夜さんもこれで独立できるんですか?」

愛莉が聞いてきた。
僕は首を振る。

「今独立できたとしてもお客さんいないから路頭に迷うだけだよ。それに税理士の登録をするためには2年間の実務経験が必要なんだ」

愛莉に説明する。
今受け持ってる顧客を持って行くことも法律で禁止されているんだと説明する。

「大変なんですね……」
「でも資格手当はもらえるから」

資格あるだけで待遇も違うしと愛莉に説明する。

「良かったです」

少しでも愛莉に楽させてやらないとな。
そう思いながら愛莉を撫でてやる。
そして愛莉は眠りにつく。
僕も寝ることにした。
僕の準備はできた。
あとは、時が来るのを待つのみ。
カレンダーにはしるしが記されてあった。

(2)

「それじゃ、今日は中島夫妻の結婚を祝って乾杯」

渡辺君が言うと宴の始まり。
今日は中島夫妻の結婚式の二次会だった。
穂乃果さんが仕事なので年末に夢の国に新婚旅行に行くらしい。
二次会ではALICEとますたーどの出し物があった。
僕たちのテーブルには多田夫妻、桐谷夫妻、渡辺夫妻がいた。
とりあえずは中島君に挨拶。

「二人共おめでとう」
「ありがとう、何とかこの日に辿り着いたよ」
「おめでとう穂乃果」
「ありがとう愛莉」

少し話をすると、僕は食べ物を取りに行く。
愛莉はテーブルで飲み物を飲みながら皆と話しているようだ。
テーブルに戻ると皆がにやにやしていた。

「冬夜もいよいよだな」

渡辺君が言う。

「そうだね」
「お前もう子供作ることも考えてるんだって?」

誠が聞いてくる。
むせた。
愛莉が話したんだな。
愛莉は照れている。

「お前の未来はとんとん拍子だな」

渡辺君が言う。

「でもさ、そこまで決めてるのにまだ結婚しないのか?」

桐谷君が言う。

「もう、式の日まで決めてるそうだから」

愛莉が言う。

「愛莉が断れば全部むだになるんだな?」

美嘉さんが言うと「それはないから」と愛莉が言う。

「私も子供が欲しいな~」

亜依さんが言う。

「そうだな、そろそろ作りたいよな」

神奈も言うと美嘉さんも言い出した。
男性陣は咳払いをしている。

「ええ、3次会はいつものカラオケに行くんで」

咲さんが言う。
僕達も行くことにした。
多田夫妻と桐谷夫妻は明日も仕事だからとここでお別れ。
中島夫妻も穂乃果さんが明日仕事らしい。
新婚なのに大変だな。
渡辺夫妻も明日は美嘉さんが仕事だから軽く飲んで帰ると言ってお別れ。
他にも卜部さん達と悠木さん達も渡辺夫妻について行くと言った。
秋吉夫妻とますたーども明日ライブがあるからと帰る。
3次会に行くのは竹本夫妻、西松夫妻、晴斗、白鳥さん、梅本夫妻、佐々木君、小林さん、若宮さん、涼宮君。石原夫妻、酒井夫妻、水島夫妻。北村姉弟、栗林君、松本さん。
カラオケ店に移動する。
僕達の両隣りには水島夫妻と石原夫妻がいた。

「先輩ごめんなさい!」

桜子さんが突然謝る。
バスケ部の事だろう。

「気にする必要は無いよ」

僕は言う。

「この先は、ちぃちゃん達に任せよう。それより桜子さん達の目標見たよ?」

僕は笑って言った。

「日本代表は無理かもしれないけど海外のクラブに入れるような選手に育てたいですね」

桜子さんの意気込みは凄い。

「石原君も副業順調なんだって?」
「どっちが副業なのか分からなくなってきましたけどね」

石原君はそう言って笑う。

「もう少し事業拡大しようと思ってるの、地元に眠ってる逸材を捜してる最中」

恵美さんが言う。
僕達6人で話していると晴斗達がやって来た。

「先輩達も折角なんだからアゲアゲでいくっす!」
「そうですよ、折角なんだから」

梅本君も言う。

「そうだね」

僕はそう言うと愛莉と選曲を始める。
僕達は朝まで飲んで騒いだ。
朝になると皆解散する。
始発のバスに揺られながら帰る。

「冬夜さん、次で降りますよ」

愛莉に言われて、目を覚ます。
ゆっくり歩いて家を目指す。
家に帰ると着替えてシャワーを浴びる。

「冬夜さん先に寝ていてくださいな。私は洗濯して寝ますから」
「愛莉は旦那さんの相手してくれないの?」
「夜の楽しみにとっておきますので」
「……ほどほどにしろよ」
「はい」

ベッドに倒れるとそのまま眠っていた。

(3)

俺達と悠木先輩と長谷部先輩、神田先生と卜部さんはスナックで飲んでいた。

「皆騒ぐのが好きみたいだね」

悠木先輩が言う。

「そういうグループなんで」

俺が返した。

「でもこういう息抜きも必要なんでしょうね」

悠木先輩が言う。

「大人になると息抜きの仕方すら忘れてしまうからね」

神田先生は言う。
卜部さんも黙ってうなずいていた。

「4人は結婚しないのか?」

美嘉が言うと悠木先輩と神田先生は笑ってた。

「私はいつでもいいんだけどね」と悠木先輩。
「愛海が仕事を覚えるまではと言っているからね」と神田先生。

二組とも共通して言えるのは「勢いだけじゃできなくなっちゃった」と言う事。
職場のことやそれぞれの両家の事、経済事情。色々な事を考えないといけなくなる。
大人になって気づく周りの環境。
がむしゃらになって生きてた学生時代とは違うんだと4人は言う。

「なるほどな~」と美嘉は飲み物を飲み干すとお替りを頼む。

「だからこそこういうグループが必要なのかもな」

神田先生が言う。
仕事に夢中になってないでひたすら遊んでいた時代に戻ろう。
そんな若者の姿を見て自分を振り返る時が必要なのかもしれない。
でも、そんな時間もそれほど残されていない。
いつかそれぞれの家庭を持てばいつか必ず巣立つ時がくる
残る者に全部託して。
それでも尚切れないものを絆と呼ぶのだろうと言う。
だから今のうちにいっぱい刻んでおこう。
楽しかった思い出をたくさん作っておこう。
いつかまた会えた時にあの頃はよかったと笑いあえるように。
窓から流れる景色、変わらないこの街旅立つ。
憧ればかり強くなっていく。

「どれだけ寂しくても自分で決めた道信じて」
「誰かに嘘をつくような人になってくれるな」
「傷ついたって笑い飛ばして傷つけるよりは全然いいね」
「まっすぐにやれ、よそ見はするな、へたくそでいい」
「信じることは簡単な事。疑うよりも気持ちがいいね」

不安と期待を背負って必ず夢を叶えて笑顔で帰るために。
本当の強さ、自由、愛、優しさ。
わからないまま進めないから「自分探す」と心に決めた。
どれだけ寂しくても俺達は歩き続ける。
必ず帰るから想いが風に舞う。あなたの誇りになる。
いざ行こう。
永遠はない、終わりは必ず来る。
その時に良かったと思えるように。

(4)

仕事は終わった。
今日のために残業を増やして前倒しでやって来た。
定時になるとすぐに上がる。

「頑張れよ」

達彦先輩が声をかけてくれた。
みんな笑って送り出してくれた。
愛莉に「今から帰る」と伝えるとまっすぐ家に帰る。

「おかえりなさいませ、お疲れ様でした」
「ただいま」

愛莉は支度が出来てるようだ。
僕も急いで着替えると家を出る。
レストランは予約してあった。
少々高いフレンチの店。
その前に宝石店に寄って指輪を買う。
まだ渡さない。
愛莉は困惑してた。

「とりあえずご飯食べよう」
「はい」

今さらフレンチだからって緊張はしないけど緊張してた。
そんな僕を見てクスクス笑う愛莉。

「もっとリラックスしてください」

分かってるんだけどなかなか出来ない。
料理を食べるとイルミネーションを見ながらバスターミナルに向かって歩く。
始めてデートした時は大げんかしていた通りを歩いていく。
今では昔を思い出して笑いながら。
バスに乗って家に帰る。

「愛莉、ちょっと寄り道したいんだけどいいかな?」
「……はい」

寄ったところは小さな公園。
バスケをやっていた時は毎日通っていた道。
中学生の頃に愛莉に気持ちを打ち明けた公園。
そして小学生の時初めて愛莉が話しかけてくれた場所。
ブランコに腰掛ける。
愛莉も隣に腰掛ける。
思い出話をする。
積もる話は沢山あった。
そんな話をしていると愛莉は立ち上がった。

「もう行きましょう?風邪引いたら大変です」

愛莉にあるのは絶望?失望?
約束を果たせない僕に不満を抱いている?
愛、自由、希望、夢。
もう手の届くところにある。

「愛莉!」

先を行く愛莉に声をかける。

「……はい」

愛莉はゆっくりと振り返る。
愛莉の目を見る。
愛莉は待っている。
何て言えば良いか分からない。
たった一言で良いのに言葉が出ない。
今さら躊躇うな。
愛莉に小箱を差し出す。

「結婚しよ……!」

僕の言葉は愛莉の口づけで遮られた。
愛莉はゆっくりと離れると笑っていた。
目は涙で滲んでいたけど。

「約束したはずですよ。『長いセリフはいらない。私がキスで応えるから』って……」
「凄くシンプルに言おうとしたんだけどな」
「じゃあ、もう一度聞かせてください」
「結婚しよう」
「……はい。幸せになりましょうね」

そう言って愛莉は僕を抱きしめる。
粉雪が舞っていた。

(5)

僕達はそのまま愛莉の実家に訪れた。
愛莉の左手の薬指には買ったばかりのダイヤの指輪。

「あら~?今日は二人でゆっくり過ごすとおもっていたのに~」

愛莉ママが出迎える。

「パパさんと話がしたいって冬夜さんが」

愛莉ママは僕の硬くなった表情を見て何か感じたのだろう。

「寒いでしょう~とりあえずあがりなさい~」

そう言って僕達はリビングに通される。

愛莉と二人で並んで座っていると愛莉パパがやって来た。
お風呂に入っていたらしい。
愛莉の両親が向かい合うように座ると愛莉パパが口を開いた。

「話と言うのは何だね?」

愛莉の左手が僕の右手を握っている。

「大丈夫ですよ」

愛莉が小さな声で言う。
いざとなるとなかなか言い出せない。
でも飛び出すときは今だ。
ちょっと飛び出してボールにタッチするだけでいい。
勇気を振り絞る。

「愛莉と結婚させてください!」

僕が叫ぶと僕と愛莉は頭を下げる。
沈黙の時間が流れる。

「梨衣、あれを用意しなさい。片桐さん達にも連絡を」

愛莉パパが言うと愛莉ママが「はい~」と席を立つ。
愛莉ママが電話するとシャンパングラスを6個出す。
そして高そうなシャンパンを用意する。
うちの両親が来た。

「どうしました?」
「片桐さん……冬夜君が……やっと決意してくれました」

その時気づいた。
愛莉パパの目に涙が。

「冬夜、ついに決めたか!」

父さんが叫ぶ。
愛莉ママは黙ってシャンパンを注いでいる。
注ぎ終わると僕達はグラスを持った。
今日の為にとっておいたとっておきのシャンパンらしい。
乾杯すると愛莉パパは一気に飲み干す。
そして僕の手を握る。

「やっと肩の荷が下りた気分だ……これから娘をよろしく頼む」
「任されました……」

愛莉パパと固く握手する。

「愛莉ちゃん、しっかりね~」
「りえちゃん今までお世話になりました」
「そのセリフはまだ早いわよ~。式だって挙げなきゃいけないし~」

愛莉は愛莉ママと話をしている。
少し話をすると愛莉と二人でアパートに帰る。
お酒も手伝っているのか愛莉は上機嫌だ。
部屋に帰ると風呂に入って、のんびりしていた。
一仕事終えた感がすごい。
渡辺班の皆にも伝えた。
お祝いの言葉をたくさんもらった。
中には「墓場にようこそ」なんて言葉もあったけど。まあ桐谷君だが。
愛莉が風呂から戻って来た。
愛莉は僕を見るとすぐに抱き着いてくる。

「やっと夢が叶いました」
「まだだろ?」
「え?」
「ちゃんと式やらないと」
「そうですね!」

今日くらいは愛莉に甘えさせてやろう。
愛莉を幸せな気分にさせてやろう。
それは今日だけじゃダメか。
これから先愛莉をずっと幸せにしてやらないと。
そんな事を考えながら愛莉と幸せを共有していた。
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