ヒーロー:アクアの弟

星龍

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ー水翔の覚悟ー

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俺はヒーロー殺しが暴れていると通報を受け、現場へとやってきたがその場所は酷かった。
建物は全壊し、あっちこっちが火の海になっていた。

「……!?」

人の気配を感じ、上を向くと……

「……氷夜。」

屋根の上に氷夜が立っていた。

「……アクア、
僕と戦ってよ。」

「嫌だ。
弟を傷つけたくない。」

「……なにが、傷つけたくないだ!
6年前、僕の心を散々傷つけたくせに!」

氷夜は氷の槍を作り投げつけてきたが、俺は避けることをせず俺の右頬を掠めた。

「……なんで、避けない。」

「お前になら殺されてもいいから。」

「……なんで、ヒーローなら、ヒーロー殺しを……僕を倒せよ!!」

「嫌だね。
たとえ、ヒーロー殺しだろうと弟を傷つけたくない。
それに俺も6年前、お前に殺されるべき人間だった。
親からの暴力から氷夜を守ってあげられなかった。
いや、見て見ぬふりをしていた。 
ヒーローなのに、1番身近なやつを救い出せなかった。
だから俺を殺してお前の気が晴れるなら俺は死んだって構わない。」

「…………だったら、殺してやるよ!
お前だって、アイツらと同じだ!」

俺はグサッと氷の槍を胸に受け、その場に倒れた。

「たすけて、やれなくて、ごめん、な……?」
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