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「逃げ・・・て」
この記憶は、曖昧なものであって、確かなものではない。
後から分かったことだが、気絶していた俺は剣を握っていたらしい。
そのあと俺は、孤児院に入れられた。この時は、8歳だった。
この後、8年間孤児院で過ごした。
その後、俺を引き取ってくれるという、人が現れた。
16歳の俺をなぜ?
疑問に思っても、仕方ないか。
そのものは名を、『猪熊 荘司』と言った。
「単刀直入にいう、お前には育殲学校へ行ってもらう。」
「は?」
意味がわからん。たしかに、孤児院で中学までの教育は受けたが、今更学校?一体なんで・・・。
「お前は、十字聖剣を抜いた。これは、素人に扱えるものではない。お前は、ダンピールではないが、吸血鬼を殲滅させることが出来るかもしれない。」
吸血鬼を・・・、殲滅?
うっ、頭が痛い。俺の忘れた記憶に、何かあるのか?まぁ、いいか。
「分かった。」
「そうか。お前はもう、俺の息子だ。学費は免除する。その代わり、成果を出せ。この世界から、吸血鬼を殲滅するんだ。」
こうして、俺は育殲学校へ行くことへなった。ただ、心配なことが1つあった。十字聖剣は、持っているのだが・・・、抜けない。
こんなんで、大丈夫か?
~翌日~
「え~、転入してた、狗鷲鴉鵺 大神って、言います。よろしく・・・。」
は~、この8年間あまり人と関わってないし、孤児院では俺が最年長だったし・・・。
なんとかなるか。
「それじゃあ、今回の訓練では実際に聖器を用いてもらう。既に持っているものは、自分のを使い、無いものはこちらで用意する。」
俺は、これを抜けるのか?
と、まぁうまく抜けるわけもなく・・・。
やはり、駄目か・・・。
聖器と言っても、いろんな種類がある。俺が持っている『十字聖剣』、銃の形をした『十字聖銃』、鎌の形をした『十字聖鎌』、槍の形をした『十字聖槍』、小太刀やクナイなどの短刀の形をした『十字聖刀』、斧の形をした、『十字聖斧』、この6つが基本だ。
聖器を扱うには、魔力がいる。しかし、魔力量には個人差があり高校生で扱えたものは今までにほんのわずか、しかいない。
聖器を扱える量の魔力量がないと、それはただの塊にしか過ぎない。
勿論、扱えるものはいるはずも・・・、いた。女の子だ。
『亜多美 奈緒』亜多美家の、次期当主らしい。女の子なのに、すごいな。
彼女が持っているのは、『十字聖鎌』か。あんな大きなものを、軽々と持ち上げている。すごい魔力量なはずだ。
「あら、あなたはこんなものだったの?溟嶋 忠親くん。」
「は!?ふざけんな。今やろうとしてるんだよ!」
そう言ってるが、凄く力んでるし怒ってる。あんな気持ちで扱えるようになるのか?
(ちなみに、聖剣は抜けたら扱える。それ以外は、聖器についている十字架の色が変わったら扱えるようになるよ。)
「やめなさい!!」
どうしたんだ?先生。
「うおおあああああ!!」
変色した、彼の持っていた聖器の十字架が。
「へっ、これでどうよ。」
やはりすごい。聞いたことがある。溟嶋家は、名家だと。そして、『十字聖斧』を扱う流派だということも。
ん?何か、様子がおかしい。
「う、うああああああああああああ!」
!?
溟嶋の姿が、変わった?いや、雰囲気がまるで違う。本当に、溟嶋か?
「まずいです。みなさん逃げてください。魔力暴走です。無理に聖器に魔力を流すと、ああなります。ですので、みなさん気をつけて。」
確か、溟嶋の聖器は持参だ。学校のは、ストッパーがあるかもしれないが、流石に持参の聖器にまではないだろう。
最後の局面で使う、切り札でもあるから。
しかしなぜ?名家なら知っているはず・・・。いや、名家だからか。焦りを感じていたんだきっと。ダンピールの名家なのに、聖器が扱えないとなると、多方面から嫌な目で見られることもある。それが、嫌だったのか。
「やはり、あなたは2流です。ここで、排除してあげましょう。」
魔力暴走を止める方法は、ただ1つ。聖器を、溟嶋の手から離す!
俺はどうする?何もできないのか?また・・・、ん?また?なんでだ?なんで“また”なんだ。俺は前にも、こんなことがあったような気がする。その時は失った。なぜなら、失っていなかったら俺が覚えているはずだからだ。俺の思い出せない過去と、何か関係があるかもしれない。
「鎌術 鎌鼬・速々」
駄目だ、こいつは聖器を離さない。
「うううう、うおおおおおお」
?
まさか、同調している?自分を見下した、亜多美を。
「くっ、これほどやっか・・・」
まずい、速い。魔力量が違いすぎる。暴走状態では、亜多美より溟嶋のほうが何倍も上だ。
「亜多美さん!」
もう駄目なのかな?私。こんなところで死ぬのかな?ごめんね、お父さん。こんな駄目な、娘で。
駄目だ、また俺のせいで殺される。たとえ、俺が関係なくても何かできるのに何もしないのとは、訳が違う。俺はもう、あいつらのクラスメート。仲間だ!俺がやるんだ!
頼む、俺に力を貸してくれ!
私はもう、無理だと悟った。目を瞑り、死を待った。・・・、あれ?死んでない。恐る恐る、目を開けると・・・。
「大丈夫か、亜多美。」
そこには、大神がいた。聖剣を扱いきれてる。
「剣術 刹那一閃」
俺は、聖器を狙った。
見事、聖器は溟嶋の手を離れ地面に突き刺さっていた。
溟嶋は気絶している・・・。
今回の一件で分かったのは、俺が聖剣を抜けたことだ。
でも、俺の過去に一体何があったんだ?やはり、思い出せない。まぁ、ぼちぼちやっていきますか。
「大丈夫ですか、皆さん。」
「先生。」
「すみません、私が聖器を扱えたのは現役の時ですので、今は使えなく皆さんをお守りできませんでした。本当に、すみません。それより、大丈夫ですか?大神くん。君は、魔力暴走してもおかしくなかったのですよ?」
「え!?」
まじで!?てことは、俺もああなってたって、こと!?
でもなんでだろう。今はこの聖剣を抜けない。やはり、何か条件があるのだろうか。
思い出せ、あの時俺は何をした?何もできない、自分に怒った。待てよ?溟嶋は、怒りで暴走した。そして、先生は俺が暴走状態に近かったと、言った。怒ると、心拍数が上がる。これだ!!
俺たちは、空気中から魔力を酸素と一緒に取り込んでいる。そして、酸素と同じく肺から血液の中に入っていく。魔力は有害物質ではないため、廃棄されず溜まっていく。しかし、息を吐くときには二酸化炭素と一緒に体の外へ出て行ってしまう。
聖器には、魔力を一定の速さで送らなければいけない。だから、心拍数が足りないと聖器を使えないんだ。そして、心拍数を上げすぎると一気に魔力が流れ込むようになり、暴走してしまう。
ということは、心拍数に注意すれば抜けるのか・・・、と言っても今は無理。流石にきつい。休ませてくれ。
俺は、家に帰った。猪熊は、仕事で当分戻らない。
俺は、夕食を食べ、風呂に入り、寝た。
「逃げて・・・、あなた・・・だけでも・・・」
ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ
ハッ!?
夢・・・か。やはり思い出せない。何かトラウマがあるのか?ただ1つわかるのは、俺の両親は吸血鬼に殺されたことだけだ。これは、孤児院の先生から聞いた。今になって思うが、子どもそれも両親を亡くしたというのに、よく言えたものだ。まぁ、俺は大丈夫だったが。
おっと、もうこんな時間か。早く支度しないと。
目覚まし時計を止め、階段を駆け下ってリビングへ向かう。
朝食は、自分で作る。昼の弁当も。だから、少し早めに起きないといけない。学校は、8:00までに登校できれば大丈夫。そして、俺の家からかかる距離は5分ほど。つまり、最低でも7:50くらいには家を出ないといけない。まぁ、今日は大丈夫か。
余裕を持って、登校できましたと。
「それじゃぁ、今日の授業だ。今日は吸血鬼の弱点について、復習する。」
吸血鬼、人の血を喰い、闇に紛れその身を隠す。忌々しい存在だ。
「まず、吸血鬼の始祖と呼ばれる存在。わかる人。」
「はい!」
おっ、やっぱ速いな。俺は、分かってもあげる勇気ないわ。
「亜多美さん。」
「吸血鬼の正体は、ウイルスです。1725年までは、生命体にとっては全くの無害でしたが、この年の9月に九州に住んでいた源迅 炾吙という女性が初めて感染しました。彼女は、死んだはずなのですが、死んでから1週間以内に9人が死んだという報告が入っています。そして、そのうちの9人が吸血鬼となりました。しかし、彼らが噛んだ人は吸血鬼になっていないことから、そのウイルスはある特定の人しか感染せず、その人が菌を移すことで感染することだと推測されます。」
す、すごい。さすが、亜多美家の家系。詳しい。俺なんて、ほとんど知らなかったぞ。
「すごいですね。では、溟嶋さん。吸血鬼は、どうやって倒しますか?」
「聖器を使う。そして、心臓を潰す。これだけだ。」
すっごい、単純だな。(説明が)
「まぁ、そうですが・・・。では、大神くん。もう少し詳しくお願いします。」
「はい。吸血鬼には、金でも銅でも鉄でもなく、銀の武器が効果的です。そして、心臓を潰す。と言っても、吸血鬼には2つの心臓があり、1つは人間と同じ血液を送り出すもの。もう1つは、魔力を溜める心臓。そして、魂を格納するものと言ってもいい。この心臓は、血の壁で守られており前者の心臓を潰してからこちらを対処しないと、いけません。そして、片方が潰れてももう片方あれば再生します。つまり、再生する前に同時に切らないといけません。また、日光でも倒せます。ですが、これはあまり現実的ではないため、前者の方が吸血鬼狩りによく使われる手法です。」
説明口調で、喋ってしまった。まぁいいか。
「おっと、もうチャイムがなってしまいましたね。今日の授業はここまでです。ちゃんと、復習しといてくださいよ。」
この後も、似たような授業が続き・・・。
「はぁ、疲れた。座学は疲れる。まぁ、必要なことだし我慢はするが・・・。」
大丈夫か?
疲れたし、帰って寝るか~。
「流石にきついわ、これ。」
愚痴をこぼす俺だった。
この記憶は、曖昧なものであって、確かなものではない。
後から分かったことだが、気絶していた俺は剣を握っていたらしい。
そのあと俺は、孤児院に入れられた。この時は、8歳だった。
この後、8年間孤児院で過ごした。
その後、俺を引き取ってくれるという、人が現れた。
16歳の俺をなぜ?
疑問に思っても、仕方ないか。
そのものは名を、『猪熊 荘司』と言った。
「単刀直入にいう、お前には育殲学校へ行ってもらう。」
「は?」
意味がわからん。たしかに、孤児院で中学までの教育は受けたが、今更学校?一体なんで・・・。
「お前は、十字聖剣を抜いた。これは、素人に扱えるものではない。お前は、ダンピールではないが、吸血鬼を殲滅させることが出来るかもしれない。」
吸血鬼を・・・、殲滅?
うっ、頭が痛い。俺の忘れた記憶に、何かあるのか?まぁ、いいか。
「分かった。」
「そうか。お前はもう、俺の息子だ。学費は免除する。その代わり、成果を出せ。この世界から、吸血鬼を殲滅するんだ。」
こうして、俺は育殲学校へ行くことへなった。ただ、心配なことが1つあった。十字聖剣は、持っているのだが・・・、抜けない。
こんなんで、大丈夫か?
~翌日~
「え~、転入してた、狗鷲鴉鵺 大神って、言います。よろしく・・・。」
は~、この8年間あまり人と関わってないし、孤児院では俺が最年長だったし・・・。
なんとかなるか。
「それじゃあ、今回の訓練では実際に聖器を用いてもらう。既に持っているものは、自分のを使い、無いものはこちらで用意する。」
俺は、これを抜けるのか?
と、まぁうまく抜けるわけもなく・・・。
やはり、駄目か・・・。
聖器と言っても、いろんな種類がある。俺が持っている『十字聖剣』、銃の形をした『十字聖銃』、鎌の形をした『十字聖鎌』、槍の形をした『十字聖槍』、小太刀やクナイなどの短刀の形をした『十字聖刀』、斧の形をした、『十字聖斧』、この6つが基本だ。
聖器を扱うには、魔力がいる。しかし、魔力量には個人差があり高校生で扱えたものは今までにほんのわずか、しかいない。
聖器を扱える量の魔力量がないと、それはただの塊にしか過ぎない。
勿論、扱えるものはいるはずも・・・、いた。女の子だ。
『亜多美 奈緒』亜多美家の、次期当主らしい。女の子なのに、すごいな。
彼女が持っているのは、『十字聖鎌』か。あんな大きなものを、軽々と持ち上げている。すごい魔力量なはずだ。
「あら、あなたはこんなものだったの?溟嶋 忠親くん。」
「は!?ふざけんな。今やろうとしてるんだよ!」
そう言ってるが、凄く力んでるし怒ってる。あんな気持ちで扱えるようになるのか?
(ちなみに、聖剣は抜けたら扱える。それ以外は、聖器についている十字架の色が変わったら扱えるようになるよ。)
「やめなさい!!」
どうしたんだ?先生。
「うおおあああああ!!」
変色した、彼の持っていた聖器の十字架が。
「へっ、これでどうよ。」
やはりすごい。聞いたことがある。溟嶋家は、名家だと。そして、『十字聖斧』を扱う流派だということも。
ん?何か、様子がおかしい。
「う、うああああああああああああ!」
!?
溟嶋の姿が、変わった?いや、雰囲気がまるで違う。本当に、溟嶋か?
「まずいです。みなさん逃げてください。魔力暴走です。無理に聖器に魔力を流すと、ああなります。ですので、みなさん気をつけて。」
確か、溟嶋の聖器は持参だ。学校のは、ストッパーがあるかもしれないが、流石に持参の聖器にまではないだろう。
最後の局面で使う、切り札でもあるから。
しかしなぜ?名家なら知っているはず・・・。いや、名家だからか。焦りを感じていたんだきっと。ダンピールの名家なのに、聖器が扱えないとなると、多方面から嫌な目で見られることもある。それが、嫌だったのか。
「やはり、あなたは2流です。ここで、排除してあげましょう。」
魔力暴走を止める方法は、ただ1つ。聖器を、溟嶋の手から離す!
俺はどうする?何もできないのか?また・・・、ん?また?なんでだ?なんで“また”なんだ。俺は前にも、こんなことがあったような気がする。その時は失った。なぜなら、失っていなかったら俺が覚えているはずだからだ。俺の思い出せない過去と、何か関係があるかもしれない。
「鎌術 鎌鼬・速々」
駄目だ、こいつは聖器を離さない。
「うううう、うおおおおおお」
?
まさか、同調している?自分を見下した、亜多美を。
「くっ、これほどやっか・・・」
まずい、速い。魔力量が違いすぎる。暴走状態では、亜多美より溟嶋のほうが何倍も上だ。
「亜多美さん!」
もう駄目なのかな?私。こんなところで死ぬのかな?ごめんね、お父さん。こんな駄目な、娘で。
駄目だ、また俺のせいで殺される。たとえ、俺が関係なくても何かできるのに何もしないのとは、訳が違う。俺はもう、あいつらのクラスメート。仲間だ!俺がやるんだ!
頼む、俺に力を貸してくれ!
私はもう、無理だと悟った。目を瞑り、死を待った。・・・、あれ?死んでない。恐る恐る、目を開けると・・・。
「大丈夫か、亜多美。」
そこには、大神がいた。聖剣を扱いきれてる。
「剣術 刹那一閃」
俺は、聖器を狙った。
見事、聖器は溟嶋の手を離れ地面に突き刺さっていた。
溟嶋は気絶している・・・。
今回の一件で分かったのは、俺が聖剣を抜けたことだ。
でも、俺の過去に一体何があったんだ?やはり、思い出せない。まぁ、ぼちぼちやっていきますか。
「大丈夫ですか、皆さん。」
「先生。」
「すみません、私が聖器を扱えたのは現役の時ですので、今は使えなく皆さんをお守りできませんでした。本当に、すみません。それより、大丈夫ですか?大神くん。君は、魔力暴走してもおかしくなかったのですよ?」
「え!?」
まじで!?てことは、俺もああなってたって、こと!?
でもなんでだろう。今はこの聖剣を抜けない。やはり、何か条件があるのだろうか。
思い出せ、あの時俺は何をした?何もできない、自分に怒った。待てよ?溟嶋は、怒りで暴走した。そして、先生は俺が暴走状態に近かったと、言った。怒ると、心拍数が上がる。これだ!!
俺たちは、空気中から魔力を酸素と一緒に取り込んでいる。そして、酸素と同じく肺から血液の中に入っていく。魔力は有害物質ではないため、廃棄されず溜まっていく。しかし、息を吐くときには二酸化炭素と一緒に体の外へ出て行ってしまう。
聖器には、魔力を一定の速さで送らなければいけない。だから、心拍数が足りないと聖器を使えないんだ。そして、心拍数を上げすぎると一気に魔力が流れ込むようになり、暴走してしまう。
ということは、心拍数に注意すれば抜けるのか・・・、と言っても今は無理。流石にきつい。休ませてくれ。
俺は、家に帰った。猪熊は、仕事で当分戻らない。
俺は、夕食を食べ、風呂に入り、寝た。
「逃げて・・・、あなた・・・だけでも・・・」
ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ
ハッ!?
夢・・・か。やはり思い出せない。何かトラウマがあるのか?ただ1つわかるのは、俺の両親は吸血鬼に殺されたことだけだ。これは、孤児院の先生から聞いた。今になって思うが、子どもそれも両親を亡くしたというのに、よく言えたものだ。まぁ、俺は大丈夫だったが。
おっと、もうこんな時間か。早く支度しないと。
目覚まし時計を止め、階段を駆け下ってリビングへ向かう。
朝食は、自分で作る。昼の弁当も。だから、少し早めに起きないといけない。学校は、8:00までに登校できれば大丈夫。そして、俺の家からかかる距離は5分ほど。つまり、最低でも7:50くらいには家を出ないといけない。まぁ、今日は大丈夫か。
余裕を持って、登校できましたと。
「それじゃぁ、今日の授業だ。今日は吸血鬼の弱点について、復習する。」
吸血鬼、人の血を喰い、闇に紛れその身を隠す。忌々しい存在だ。
「まず、吸血鬼の始祖と呼ばれる存在。わかる人。」
「はい!」
おっ、やっぱ速いな。俺は、分かってもあげる勇気ないわ。
「亜多美さん。」
「吸血鬼の正体は、ウイルスです。1725年までは、生命体にとっては全くの無害でしたが、この年の9月に九州に住んでいた源迅 炾吙という女性が初めて感染しました。彼女は、死んだはずなのですが、死んでから1週間以内に9人が死んだという報告が入っています。そして、そのうちの9人が吸血鬼となりました。しかし、彼らが噛んだ人は吸血鬼になっていないことから、そのウイルスはある特定の人しか感染せず、その人が菌を移すことで感染することだと推測されます。」
す、すごい。さすが、亜多美家の家系。詳しい。俺なんて、ほとんど知らなかったぞ。
「すごいですね。では、溟嶋さん。吸血鬼は、どうやって倒しますか?」
「聖器を使う。そして、心臓を潰す。これだけだ。」
すっごい、単純だな。(説明が)
「まぁ、そうですが・・・。では、大神くん。もう少し詳しくお願いします。」
「はい。吸血鬼には、金でも銅でも鉄でもなく、銀の武器が効果的です。そして、心臓を潰す。と言っても、吸血鬼には2つの心臓があり、1つは人間と同じ血液を送り出すもの。もう1つは、魔力を溜める心臓。そして、魂を格納するものと言ってもいい。この心臓は、血の壁で守られており前者の心臓を潰してからこちらを対処しないと、いけません。そして、片方が潰れてももう片方あれば再生します。つまり、再生する前に同時に切らないといけません。また、日光でも倒せます。ですが、これはあまり現実的ではないため、前者の方が吸血鬼狩りによく使われる手法です。」
説明口調で、喋ってしまった。まぁいいか。
「おっと、もうチャイムがなってしまいましたね。今日の授業はここまでです。ちゃんと、復習しといてくださいよ。」
この後も、似たような授業が続き・・・。
「はぁ、疲れた。座学は疲れる。まぁ、必要なことだし我慢はするが・・・。」
大丈夫か?
疲れたし、帰って寝るか~。
「流石にきついわ、これ。」
愚痴をこぼす俺だった。
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