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自分

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 7歳になるまでの2年間で、死ぬほど?トレーニングをした。そのおかげか、ステータスもかなり飛躍している。

 ではここで、この世界について少し教えておこう。

 魔法科とは、魔法適性有りと診断されたものがいける道だ。魔法の中にも、適性があり『火、水、土、風』の基本属性の他に、『光、闇、命、時、創』などの希少属性も有る。でも、この中の『創』だけは酷い扱いを受けている。それ以外が有能すぎるのかは知らないが、創造なんて科学の力で十分とみんなが思っているからだ。さらに、土魔法でもゴーレムくらいは作れる。結局意味のないこの属性は批判を受けるしかないのだ。

 科学科とは、魔法適性がないものがいける道だ。逆に言えば、ここしかもう生きる道はない。どれだけ魔法に秀才でも、適正がないと実現すら無理とされている。ようは、一般人(無能)になってしまうということだ。この世界には、魔物を食す文化がある。科学の力では、どうやっても対抗できない。銃も効かない。電気とかも、結局結果は同じだった。

 この世界は、共存するしかなかった。魔法科は、戦闘面を、科学科は、生活面を支援することしかできなかったからだ。ただし、魔法科の方が圧倒的有利だった。魔物の肉は、火魔法で調理できる。対して、科学科は野菜や米などの、植物を栽培して食べるしかない。もちろん火は使えるにだが、魔法の方が効率が良かった。また、『命』の魔法を使えば植物なんてすぐに栽培できる。市場も独占され、収益はかなり上がっていた。

 ただ、もちろん科学科が勝っている部分もある。生活面だ。日用道具だったり、車などの機械もそうだ。

 この世界には、魔素があるとされている。魔素を使って、魔法を使う。ただ、1日に使える魔素には限りがあり、それを超えると気絶してしまう。

 だから、光魔法で光を保つより電気を使った、電球を使ったほうがコスパがいいのだ。火でも、明るくなるなだがその差は明確だった。また、フライパンなどの鉄を使った道具も科学でしか作れない。創魔法でも作れるのだが、やはり科学の方がコスパがいいのだろう。みんな、こちらを選んでいく。

 今の話を聞けば、この世界がいかに共存を求めているかがわかると思う。つまり、自分の道を信じて生きるのが、大切ということだ。

 そして、俺も今日から1年生だ。もう何年ぶりだろうか。2つも転生を繰り返し、またここに戻ってきた。

 今日から、俺の新しい生活が始める。そして、今回は目立たないように頑張ろう。

 何もありませんように。

 
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