能覚人

ミライ164

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〜第三章〜

過去

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 僕は、研究区で育った。

 僕は、15になる前から能力研究の実験台モルモットにされたからだ。

 僕の、能力は『世界創造』だった。いわゆる、異世界を作り出せる能力だ。

 研究者たちは、この能力に目をつけた。

 世界創造。つまり、その世界は僕の支配下にあると言うこと。僕の、自由にできると言うことだった。

 研究者たちは、早速実験を始めた。まずは、異世界に物を入れる方法だが、これは扉からだった。
 
 僕の、能力には行き来する方法がある。そのうちの1つが、この扉だ。開けばそこは、野原が広がる別世界。だが、研究者たちは、足を踏み入れなかった。

 もしかすると、死ぬかもしれなかったからだ。

 そこで、研究者たちは精神体融合物質スピリットを入れることにした。

 精神体融合物質スピリットとは、人から精神を抜き取り、特別な装置と融合させることで完成する。この装置は、人間と同じように成長し、生活して、子を生み、そして死ぬ。まるで、人間のように・・・。いや、元々人間の中にあった精神を使ってるんだ。彼らは、歴とした人間だ。僕は、そう思う。でも、研究者たちはやはり実験台モルモットとしか思っていないようだった。

 この実験も、日が経つうちに、不思議なところに走り出していった。

 最初は、死にかけの人間でも精神なら生きられると言う仮説を立てて、それを元に実験を繰り返してきた。

 結果は、失敗。どっちにしろ、死にかけのものはそう長くは持たなかった。

 不思議なところに、走り出したと言ったが、最初からこれが目的だったのかもしれない。

 魔獣の育成。そして、進化。

 魔獣は、人間が作り出した、対魔女用兵器。装置を使って、空中の能素を大量に取り込ませれば、誰でもこうなってしまう。恐ろしい、ものだ。

 魔女は、精神体だから見ることができない。呪縛地を掘り返すわけにもいかないし、装置は肉体があるものにしか使えない。そこで、考えたのが同じ精神体の、移植の存在だった。

 魔女を、恨んでいるものたちがこれを完成させ、呪塔に解き放つと魔女は顔を見せなくなった。

 不老不死の魔女フェードは、楽しそうにはしゃいでいたらしい。さすが、不死なだけあるな。まぁ、精神は食われれば不死関係なく死ぬんだが・・・。どっちでもいいか。どうせ、関係のないことだ。

 遂に、研究者たちは異世界に行くと言い出した。自分たちの、実験台モルモットが、どんどん成長していくのを、まじかで見たくなったらしい。これが、誤算だった。

 研究者たちは、映し出されている映像が倍速みたいに、なっていることには気づいていたが、これが当たり前だと思っていた。ゲームでも、育成に倍速は付きものだからだ。

 僕が作った世界は、こちらの世界とは時間軸が違ったらしい。

 彼らが、帰ってくることはなかった。いや、1人を除いて・・・。

 「ただいま。」

 !?

 「何でいるの?帰ってこれないはずなのに・・・。」

 「いや~、焦った焦った。扉を探すのに、10000年もかかってしまった。いや早、まさか神殿、いや扉殿にあったとは。」

 でも、嬉しかった。この人だけが、僕を実験台モルモットではなく、1人の人間として接してくれていたからだ。そのせいで、他の人からは反感を食らっていたらしい。

 どうやら、そのせいで輪から追い出されたらしい。でも、彼らも馬鹿ではないようだ。子供を作り、子孫に思いを託したらしい。ざっと、1000人ほど・・・。凄いな。あの人数から、よく増やせたものだ。そこだけは、感心しよう。そこだけは。

 だが、問題があった。あの世界は、ループしているらしい。まぁ、正確に言えば僕の隣にいる研究者がそうしたんだとか。時間軸を合わせるために。でも、1度始まったものは止められない。しかも、その後にこちらから行ったものには適応されないと言う難点があった。「これじゃぁ、意味ないよ~。」そう思うのにも、無理はなかった。

 また、研究者の子にも適応されないらしい。でも、精神体融合物質スピリットの子には適応されるとか。しかも、精神体融合物質スピリットとの関わりが強くなっていくうちに彼らもループし始める。このせいで、後世へと託された思いも、どんどんと消え薄れていくのだった。

 僕は、能力の制御を覚えようと必死に、努力した。コツは、だんだん掴んできた。だが、どうにも操作できるのは精神体融合物質スピリットだけだった。こちらから、きた人には適応できなかった。まぁ、宿屋くらいなら作ってあげれるけど・・・。

 僕は、どんどん成長していく。今年で、15だ。やっと、能力者として見栄を生えると思っていたのだが・・・。たまに、僕の能力に引っかかる人がいて、その現場を押さえた人が変な噂をしたせいで、そうは行かなくなった。

 遂に、札律次魔の7伝承の一員となってしまった。これじゃぁ、公に出られないよ~。

 僕の人生は、行き当たりばったりだった。
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