能覚人

ミライ164

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〜第三章〜

自分とは

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 彼らは、強かった。己と戦い、そして勝ったのだ。こんな、訳の分からない世界の中で、自らを鍛え上げそして自分自身を越える。

 僕には、真似できないや。絶対に。

 札律次魔の7伝承と恐れられ、公共の場にすら顔を出さず、異世界ここに閉じこもっている僕には、とうてい・・・。

 「本当に、これでよかったのか?」

 「いいんだよ。どうせ、僕は弱い女だ。皆んなとは、違う生き方してきたんだから、普通はこうなるよね。能力も、まともに扱えない僕が言うのはあれだと思うけど、許してくれ。」

 ぽん、と僕の頭に手が乗った。

 「大丈夫だ。お前には、俺がいる。言っただろう?俺を頼ってもいいと。そのために、ここから帰ってきたんだから。なんでも、1人で抱え込まないで。彼らも、きっとそうだったんだ。助け合って、共に強くなって、そして昔の自分よりも強くなっていく。それが、君と彼らの違いさ。だからさ、手を取ってくれ。一緒に、さらなる高みを目指そうよ。」

 嬉しかった。やっぱり、この人は他の人とは違う。こんな、僕にも手を差し伸べてくれる。

 「さん!ありがとうございます。今回は、貴方の意見に甘えさせていただきます。」

 「敬語は、よしてくれ。どうせ、今更だ。まぁ、君がそう言ってくれたんだ。俺も、頑張らないと。」

 優しい!!

 やっぱり、この人がいい!!

 この人から、教わりたい。この世界の、全てを。この、能力を。

 「そうだね・・・、まずは学校へ行こうか!」

 「へ?」

 「実は、僕の同年代の友達がいるんだけど、彼らも15歳になる前から能力研究に関わっていた人たちなんだ。君なら、すぐに打ち解けられると思うし、頑張ってきて。僕は、用事があって行けないから。よろしく。」

 ・・・。

 僕の思考は、停止していた。

 きっと意図があるはず・・・。そう!そうだよね。多分・・・。

 やっぱり、ちょっと心配だ。今更友達?引きこもりの僕が?無理無理無理無理無理。どうせ、みんなから嫌われるんだ。

 でも、初日は行ってみることにした。大丈夫かな・・・。

 「え~と、転校生の涼木 奈緒すずき なおと言います。よろしくお願いします。」

 「えっ、え~と・・・。」
 
 「ねぇねぇ、どんな能力持ってるの?」

 「どんなところ、にいたの?」

 「どんな人が、タイプ~?」

 いろいろ聞かれる。想定外の、結果だった。自分は、もうどうしようもならないと、思っていた。でも、確信した。変われる。今の僕なら、絶対に。

 僕は、はじめての決心をしたのであった。

 
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