能覚人

ミライ164

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〜第四章〜

組織と俺

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 俺は、黒霧と一緒に黒闇闇の本拠地に来ていた。記憶を失うはずの霧も、黒霧のところだけは晴れていった。さすが、支配者・・・。

 「なぁ、黒霧。何で、邪魔なんてしたんだ?全能祭の時は。危なかったんだぞ?怪我人が、出るところだった。何で道具Redを、使ったんだ?」

 「道具Red?そんなの使ったっけな。それより、昴ってどこまで知ってるの?組織のこと。」

 「え~と、高校生以上からしか入れないところだけかな。(話を逸らしたな。)」

 正直、全く分かっていなかった。

 なぜ、こんなにも親切にしてくれるのか。おっと、脱線した。

 「組織っていうのはね、高校生以上なら能力者でも無能力者でも入ることができる。そして、組織の意向はボスが決めた目的だ。目的を達成したら、ボスは交代となる。そして、目的は黒闇闇の組織員以外には他言厳禁だ。でも、もう昴は黒闇闇の組織員だ。教えてあげる。僕の目的は、君が力を扱えるようになることだ。」

 なるほど、だから今までちょっかいかけてきたのか。真の能力に気づいているかとか、どれくらい使えているかというか。ん?ていうか、なんで知ってるんだ?俺の力。

 「そういえば、なんで知ってるんだ?この力。」

 「ああ、それはね実は知り合いに君の力を封印したっていう人がいてね。その人に頼まれたんだよ。彼の力が、制御できるようになるまで、守ってくれないかってね。まぁ、無理なんだけど・・・。」

 「ん?なんか言った?」

 「いやいや、なんでも。ということで、昴には僕と君自身のために協力してもらうよ。」

 「はいはい・・・。」

 大丈夫かな?どうやって、やるんだろう・・・。まぁ、気にしてても仕方ないか。ここは、乗ってみることにしよう。

 その頃、風制委員会議ビルでは・・・。

 「も~、なんで連絡つかないの?もう1日もたったわよ。自宅にもいないなんて、昴君どこ言ったのかしら。もうすぐ、学園祭があるっていうのに・・・。」

 学園祭は、全能祭と違ってそれぞれの高校で行われる。そして、学園祭の日にちは1日ずつズレているため、10日間の間行われることになる。これは、お客さんが全部を回れるように配慮して作られたシステムだった。

 そんなことも知らずに、昴は黒霧と話をしていた。

 「黒闇闇の本拠地って、思ってたより綺麗な場所だな。闇とかがついてるから、もっときみ悪いところかと思ったぜ。」

 「それは失礼な・・・と言いたいところだが、否定はできない。実は、先代のボスが掃除嫌いでこれよりも酷かったらしい。でも、ボスの座が僕に移ってからは、そんなことはなくなったけど。」

 心の底で、事情があるんだと察した昴は今後このような質問はしないようにと誓った。

 頑張るぞ!力を使いこなすために。

 と言っても・・・、一体どうすればいいんだーーーーーー!!

 考えてもいなかった、誰に教えてもらう?そんなことは、一切考えてなかったーーーー。

 どうしよう、どうしよう、どうしよう。そうだ!黒霧に、頼もう。

 「ごめん、今手が離せなくて。そうだ!彼らに頼もう!きっと、昴の力になると思うよ。」

 彼ら?彼らとは、いったい誰のことだろう・・・。まぁいいや、とりあえずそこを尋ねてみるとするか。
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