能覚人

ミライ164

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〜第五章〜

呪い

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 俺が行きたかった場所は、呪縛地だ。

 「ここか。」

 誰もいないこの場所に、俺の足音が響く。不気味だったが、依頼のために仕方ないと歩き続けた。

 呪縛地の、中心についた。

 「おい、いるんだろ?不老不死の魔女フェード。」

 「もちろん。ここは、私の家だからのう。して、何のようじゃ小童。」

 「簡単な話さ、俺に呪いをかけて欲しい。不老不死っていうだけあるから、体力が減らなくなる呪いもあるんだろう?」

 そうだ。体力さえ減らなければ、ずっと加護を使い続けられる。

 「ふむ・・・、いいじゃろう。お主は気に入った。減無の呪いをかけてやる。」

 減無の呪い・・・、名のとうり減らなくなるなるというわけか。

 「頑張るんじゃぞ。」

 何か、試練のようなものがあるかと思ったが、結局何もなかった。なぜだ?何か企んでいるのだろうか・・・、まぁ良しとしよう。今は、それどころじゃないからな。

 そして翌日。

 「見つけたわよ。研究所。莉愛、教えてあげて。」

 「はい。まず研究区に絞って探したのですが見当たらず、次に組織区を調べましたがこちらもダメ。結果的に、学校区にあると思われます。それも、声律次市に。」

 声律次市か・・・。一度、行ったことはあるのだがそこにあるのか?確かに、山の中央に位置するから隠れてやりやすいが・・・。まぁ、行ってみればわかることだ。

 「いついくんだ?」

 「もちろん、今からよ。」

 マジか・・・。流石は、組織を爆破しようとしただけはあるな。

 「それじゃあ行くわよ!」

 いつも通り、徒歩で向かった。隣の市といっても、1時間はかかる。なんせ、山を越えなきゃいけないからな。これは、長い旅になりそうだ。

 「ついた、ここよ。」

 この廃ビルがそうか?いかにもって感じだけど。

 「入るわよ。」

 どうやら、地下室があるらしい。でも、よくこんなスペースで研究できたよな。

 1番奥の扉を開けたその時、俺たちの視界は光に包まれた。どこかで見たことあるような・・・。

 「転移能力!?」

 「そのとうり、ようこそエデンへ。ですが、君たちは僕たちに取って邪魔な存在。ここで、潰させてもらいますよ。」

 くっ、早々見つかるのは少し厄介だ。て、あれ?早苗がいない。まさか、早苗だけ転移されなかった?一体何で・・・。

 「敵は、3人。対してこちらは2人。どう見ても不利だ。」

 「しかも、遺伝子研究ってことは能力を複数持ち合わせてる。さて、どうしたものかな。」

 勝てるのか?いや、勝ってみせるさ。
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