能覚人

ミライ164

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〜第五章〜

長蛇

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 やばい、疲れる。想像以上にきつい道のりだったため、俺の体が悲鳴を上げて・・・ない?そうか、減無の呪いで体力は減らないのか。

 俺は、加護を使わずに合流を目指していた。ここが敵の城なら、手の内を晒すのはまずいと思ったからだ。

 しかし、なぜ俺たちを仕留めるために3人しか用意しなかったのか?もっと、大勢いるものだと思ったが・・・仕方ないか、敵にしては奇襲みたいなもんだったし。でも、何で能力警察は動かないんだ?研究者たちは、大人だろ?全部人任せとか、無しだからな。

 そう言いつつも、着々と距離が縮まっていきあと少しで合流するところだった。

 ぎぎぎぎぎ、と。音のなる方向を見てみると、大きな門が開き出していた。

 「入れって、ことなのか?でも今は、小春の方が・・・。」

 な!?

 体が吸い寄せられていく。一体なぜ?能力なのか、機械なのか。全く見当がつかない。

 そして、俺が門を潜ると同時にまた、ぎぎぎぎぎ、と音を立てて門が閉まった。

 くそ!罠か?焦るな。状況を把握しろ。今俺は、閉じ込められた?いや違う。内部に近づいているんだ。そこに行けってことなのか?

 あ~も~わかんね~。こうなったら、ボスに直接会いにいくしかないようだな。

 そう思い、俺は走り出した。

 1時間後・・・。

 全然、見つからない。扉がどこにもない。天眼の加護は、人の心しか読めないし。この壁の、向こうも見えやしない。全方位に、神の気を引く何かがあるのか。

 このままだと、時間が想像以上にかかってしまう。何か作は・・・、そうだ!上に飛べば良いじゃないか。

 って、そんな加護持ってたっけ?俊足の加護じゃ、飛べないし他のも無理。あーもー、また1からかよ~。もう懲り懲りなんですけどー。

 駄々をこねている間に、俺の予知の加護に何かが引っ掛かった。

 しゅん!

 俺の頬を、何かが擦っていった。

 炎だ。さっきから、炎系の能力者が多すぎやしないか?

 一体何で・・・。

 そんなことを考えている暇は、ない!今度は、4体1・・・。おりすぎやしませんかね?

 さっきは、2人。今度は4人。倍になって、帰ってきたー!じゃないよ!困るんだよ、そういうことされると。まぁ、これが次の相手の策であるなら乗ってやるよ。

 4人係でどう倒しにくるのかが、見ものだぜ。あっちから来ないなら、こっちから行かせてもらうぜ!

 俺は、走り出した。相手の攻撃を掻い潜り、1人目のところに俺は立っていた。

 「この俺がお前らを、ボコボコにしてやんよ。覚悟しときな。」

 そう言い放つ、俺であった。

 一方その頃、小春と言うと・・・。

 「まずいわね。1人だけだったから、たやすく片付けられたけど昴と逸れてしまった。どうしよう・・・。」

 その時、私の携帯が鳴り響いた。

 帝からだ。

 私は、電話に出た。

 「何?どうしたの。」

 「急用が入ってね。君にきて欲しいんだ。場所へは、俺が送ろう。安心しろ、昴は俺が見てやる。」

 急用?今の状況よりも、不安定なのね。仕方ない、昴なら大丈夫だろう。

 
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