能覚人

ミライ164

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〜第七章〜

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 「やっぱりか。だから言っただろ?無理するなって。」

 「どう・・・して・・・。」

 「心を読めるんだ。お前の気持ちなんて、聞かずともわかる。」

 え!?てことは、あの気持ちも筒抜けだったってこと!?

 「ほら、しっかりつかまってろよ。」

 あれ?自然と痛みが消えてる。これも昴君の、能力の一つなのかな?

 そして、私は寮まで連れてきてもらった。

 「もう大丈夫だな。それじゃぁ、まだパーティーは終わってないと思うから。」
 
 「その・・・、あ・・・ありがとう。」

 「別に、困ったことがあったらいつでも頼れよ。」

 そうだ、昴君は誰にでも優しい。助けられる人がいたら、必ず助けるんだろう。

 『そうだよね。』

 !?

 「誰!誰なの?」

 『私は八雲 狛紀やぐも こまき。君は多分、私の兄に会ったことがあるよ。』

 「兄?」

 『札律次神社にいた、人のことだよ。』

 「あっ、あの時の。」

 『実は、私も昴君に助けられてね。でも、お礼が言えなかったから“ありがとう”だけ、代わりに伝えておいてくれないかな。よろしくね。』

 「え、ちょっと。ちょっと待って!」

 はっ、夢?ていうか、なんで部屋にいるの?

 前にも、似たようなことはあったけど・・・。

 あっ!時間に遅れる。早く行かなきゃ。

 走るのは良くないけど、多少の無理は承知だ。

 はぁはぁはぁ、なんとか間に合ったって、誰もいない!?

 私は、裏口から部室に向かって急いだ。

 「あぁ、やっぱりきたか。」

 昴君?

 「ごめん、莉愛には伝えてないと思って。実は、あの後・・・」
_______________________________________

 「あ~、これは明日は無理かな。よし!明日は休みだ!」
 
 「ちょっと待て!だから言ったのに~。はぁ、しょうがない。そのかわり、ちゃんと休ませろよ?」
_______________________________________

 「て、ことがあって。」

 「そうだったんですか。どうりで誰もいないわけですか。」

 ん?ならどうして、昴君はここにいるんだろう。

 「あぁ、それね。いや、知らないのは莉愛だけだと思って。」

 「それだけで、待っててくれたんですか!」

 たったそれだけのために、朝早くからいてくれていただなんて。

 「昨日、辛そうだったから。今日は、また無理するかもと思って。」

 「そんな・・・、別に携帯で連絡してくれれば・・・」

 しまった、アドレス交換していないんだった。

 「そうだね。いざというときに、連絡が取れないのはきついからね。ほら、これが俺のアドレス。」

 初めてだ。異性の人と、交換したのは。でも、嬉しいな。

 「あっ、そうだ。昴君に、伝言があります。“ありがとう”と。」

 「そうか、分かった。ありがとう、莉愛。」

 「いえ、こんなの、ただ伝えただけなので。」

 「それも、君ができることの一つだ。そうやって、見つけていけばいいと思うよ。」

 このあとは、病院に行くことにした。治る手は、もう無くなった。だったら、少しでも生きる確率を高くするしかない。それが、私の今出来ることだ。

 こんな病気、治ればいいのに。
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