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4.時が止まった青年的幼児

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彼は 不思議な人物である。何を考えているか、何がしたいのか、全く理解できないわけではないが少なからず理解できないことがある。
フワフワとしていて、まるでエルフか何かのような雰囲気だ。一言で端的にに言えば彼は「青年的幼児」だ。その歳に見合わない行動、格好が彼の最大の特徴と言える。


彼のその幼児的格好、最も言うべきはその背の低さ。非常に低いわけではないのだが、そこそこ低い。(歳相応とは言えないくらい)肌はアルビノのような白さだ。純白というと少々美しく感じるかもわからないが、彼の場合そうではなく、もっと不健康な肌の白さである。顔については歯が多少出ている、という特徴がある。肌の白さと相まって、わたしにはこの子が実験用ラットかなにかにしかみえなくなってくる…。(ことがある。)目については細く切れているがしっかり存在感がある。また鼻は顔のなかでの主張が肌の白さに同化してしまって、一段うすくなっている。
彼のシルエットは背丈の割に肉がついているが外見からはあまりわからない。
容姿についてはこんなところだ。


本領発揮となるのは容姿ではなく、やはりその人格と行動である。その幼児側面は底無しのものだ。彼の言動の大半について私は聞き取りにくいと感じる。フガフガと喋ることが多く、歯のない赤子と重なる。話し方と同様に言動の内容も主述の関係がなりたってなかったり、ラ抜き言葉が多いなど会話にも気になる点が多い。(私が日本語に厳しいだけかもしれない。)大体、彼の幼児的知能で知っている語彙なんてたかが知れているのであり、彼の口から美しい日本語が出てくるなんて最初から期待はしないほうがいい。それでも、たまに美しい(日本人として恒常の)言葉が出てくると私は驚きを隠せないのである。


彼の幼稚性は発言の要旨だけでなく、そのタイミングにも現れている。オオカミや猿のような本能的で動物的な悪ノリが多く、それについての周辺の評価は明らかに低く、非常に浅はかでくだらないと思う。(ただ、今思うと、こう言う幼稚で浅はかな人間がいることは楽しいことでもあった。)以上の事実から諸君は分かったと思うが、やはり彼は「青年的幼児」なのである。

果たして彼が大人になるのか、という不安と楽しみが私にはある。
物事の不自然さはその後の未来における
状態のほうが気になるものである。
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