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15.人間らしく、人徳と現実感があるのに評価されない人

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彼について私は今まで会ってきた全ての人物の中で一番強く人間味(悪心も善意も入れた全ての人間性)を感じた人である。その生き方も面白ながら、人格にとてつもない共感を得ることのできた唯一の存在である。(つまり、私に似ているということ。)

彼は非常に紳士的な一面を持った人物だ。頼まれたことはきちんと遂行し、気づいたことをさっさとできる。しかしながら、私が共感するのはそこではなく。
自身のこれらによる成果を自画自賛する点である。

ユーモアについてのセンスも最上級であり、物事の見方の偏向、妙味、多様性はまた素晴らしい。だが、彼は周囲に評価されているかと言ったらそうではない。
評価されるどころか、人格、生き方、ユーモアさえもあまり許容されているとは言えない。なぜだろう?私は大いに認めているが………、。


さて、彼の容姿は特徴がはっきりしている。まず一つは彼の富士の山のように高い背丈。このことについて、彼は「(背が高くたって)良いことも悪いこともある。」と言う。(この点、世の背の高さに喉から手が出るほどの欲望を持った女子衆はよく見習うべきだ。)また顔は何となく、江戸時代の侍を彷彿とさせる骨格である。(目は大きく、鼻ががっしりしている。)彼は冗談で自身をナイスルッキングだとかよく言うが、それもせいぜい冗談の程度である。

さて、彼の容姿の最大の特徴は上記のことではない。それは髪である。頭頂部のハゲを彼はとても気にしている。だがしかし、この負の部分でさえ、ユーモアに取り入れ自虐によって人々を自身の世界に引き込むエサとしている。この点こそ、彼の魅惑の手法である。

さて、やはりここまでの話から彼が不当な評価を受けているように感じる。しかし、理由は簡単な話だ。それはこの社会の中で彼の人間らしさ溢れる性格をさらけ出すことは(特に我が祖国日本では)美徳ではないとされてきたからである。



この世界は不条理だ、、。常識を持って淡々と生きている人も評価されず、ユーモアと多様性のある見方を持っていても評価されない。
 この世で絶対に評価される人種は一種しかない。集団や権力に常に丁寧に尻尾を振っている人種である。
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