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評論『ミロのヴィーナス』を読んで
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『ミロのヴィーナス』は名文だった、と私は思うのである。
不完全な、欠落した部分をもつ「ミロのヴィーナス」という芸術作品のオリジナリティとその魅力を論理的な展開と作者の独特な嗜好によって明かしたよい文章であった。
あの作者が根源的に言いたいことを
端的に述べるならば、「不完全なものというのは、我々に考える余地を与えるからこそ、魅力的である。」ということに他ならない。
そうだとすれば、これはまさしく、
「裸体の哲学」の一種なのではないか。
私はそう考えた。
「裸体の哲学」とは美的センスの本質を突いた非常に面白い考え方の一つだ。
例えば、我々は(男性かそれに準じるジェンダーの視点としては)なぜ、グラビアアイドルのポスターに一瞬でも欲情するのか?欲情とまでは行かなくても、なぜ視線が通うくらいはするのか?
また我々は(女性を中心としたそれに準じるジェンダーの視点、または一部の男性の視点としては)なぜ、アイドルというものを「推して」しまうのか?
これらは全て、ミロのヴィーナスの理論や「裸体の哲学」で説明が可能だろう。
グラビアアイドルの写真というのはその軽薄な衣装ながらに絶対に裸体ではない。そう、裸体を完全ととるとあれは不完全な状態と見ることができる。だからこそ、我々には思考の余地が残される。
だからこそ、一瞬でも目移りするのかもしれない。
はたまた、推しのアイドルがもし、君のもとに実際に毎日日常的に存在したらどうだろうか?そうなると、きっと多くのファンはファンではいられなくなる。
なぜなら、完全にその人自身を知ってしまうというのは、やはり妄想の余地を断つのである。アイドルという限られた情報しかファンに知らされていない状況だからこそ、アイドルはアイドルでいられるのであって、その情報の不完全性が、ファンをファンたらしめるのである。
つまり、不完全な状況下を快く受け入れ、完全を切望しながらもその実情を求めない。完全を深く妄想することに重きを置いているのが、「ミロのヴィーナス」であり、「裸体の哲学」なのである。
ここで、こんな意見があった。
「チラリズム」は「ミロのヴィーナス」と同様に説明ができるのか?
私はこれにはいささか同意しかねる気がする。
「チラリズム」-すなわち、スカート中なんかを見えるか見えないか、ギリギリのところを攻める思考とそれへの挑戦-というのは、これは実は「裸体の哲学」とは似て非なるものだと思う。
「チラリズム」は痴漢の思考回路である。なぜなら、結果ありき、完全性ありきだから。
つまりは、スカートの中を想像することだけにとどまらない。それは結局のところ中身を見えたら見てやろうという完全性の確認という行為が含まれている。ここが圧倒的に「ミロのヴィーナス」とは違うのだ。
だから、完全を切望して、さらにその完全の実情を得ようとするのが、「チラリズム」なのである。これは「裸体の哲学」とは言えない。
やはり、重要なのは見えざるものを見えざるもののままで小宇宙を広げること。
その小宇宙が我々の血となり肉となり、生涯の財産となるであろう。
さて、我々はこの評論『ミロのヴィーナス」を通して無限の夢を手にすることができた。それは「裸体の哲学」という人類共通の最強の妄想原理であり、人生を豊かにする方法だ。
(注:ちなみにこれは筆者が某O先生に対して提出した短い感想とほぼ同内容の文であり、その拡張である。)
不完全な、欠落した部分をもつ「ミロのヴィーナス」という芸術作品のオリジナリティとその魅力を論理的な展開と作者の独特な嗜好によって明かしたよい文章であった。
あの作者が根源的に言いたいことを
端的に述べるならば、「不完全なものというのは、我々に考える余地を与えるからこそ、魅力的である。」ということに他ならない。
そうだとすれば、これはまさしく、
「裸体の哲学」の一種なのではないか。
私はそう考えた。
「裸体の哲学」とは美的センスの本質を突いた非常に面白い考え方の一つだ。
例えば、我々は(男性かそれに準じるジェンダーの視点としては)なぜ、グラビアアイドルのポスターに一瞬でも欲情するのか?欲情とまでは行かなくても、なぜ視線が通うくらいはするのか?
また我々は(女性を中心としたそれに準じるジェンダーの視点、または一部の男性の視点としては)なぜ、アイドルというものを「推して」しまうのか?
これらは全て、ミロのヴィーナスの理論や「裸体の哲学」で説明が可能だろう。
グラビアアイドルの写真というのはその軽薄な衣装ながらに絶対に裸体ではない。そう、裸体を完全ととるとあれは不完全な状態と見ることができる。だからこそ、我々には思考の余地が残される。
だからこそ、一瞬でも目移りするのかもしれない。
はたまた、推しのアイドルがもし、君のもとに実際に毎日日常的に存在したらどうだろうか?そうなると、きっと多くのファンはファンではいられなくなる。
なぜなら、完全にその人自身を知ってしまうというのは、やはり妄想の余地を断つのである。アイドルという限られた情報しかファンに知らされていない状況だからこそ、アイドルはアイドルでいられるのであって、その情報の不完全性が、ファンをファンたらしめるのである。
つまり、不完全な状況下を快く受け入れ、完全を切望しながらもその実情を求めない。完全を深く妄想することに重きを置いているのが、「ミロのヴィーナス」であり、「裸体の哲学」なのである。
ここで、こんな意見があった。
「チラリズム」は「ミロのヴィーナス」と同様に説明ができるのか?
私はこれにはいささか同意しかねる気がする。
「チラリズム」-すなわち、スカート中なんかを見えるか見えないか、ギリギリのところを攻める思考とそれへの挑戦-というのは、これは実は「裸体の哲学」とは似て非なるものだと思う。
「チラリズム」は痴漢の思考回路である。なぜなら、結果ありき、完全性ありきだから。
つまりは、スカートの中を想像することだけにとどまらない。それは結局のところ中身を見えたら見てやろうという完全性の確認という行為が含まれている。ここが圧倒的に「ミロのヴィーナス」とは違うのだ。
だから、完全を切望して、さらにその完全の実情を得ようとするのが、「チラリズム」なのである。これは「裸体の哲学」とは言えない。
やはり、重要なのは見えざるものを見えざるもののままで小宇宙を広げること。
その小宇宙が我々の血となり肉となり、生涯の財産となるであろう。
さて、我々はこの評論『ミロのヴィーナス」を通して無限の夢を手にすることができた。それは「裸体の哲学」という人類共通の最強の妄想原理であり、人生を豊かにする方法だ。
(注:ちなみにこれは筆者が某O先生に対して提出した短い感想とほぼ同内容の文であり、その拡張である。)
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