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第5話 ロリ美少女と休日を過ごすだけの話③
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「九十九さーん!はーやーくー!」
「ハアハア……ちょ、ちょっと待ってくり……」
着いた。いつ以来だろうか。U◯J。昔来た時とは全然違うんだな。アトラクションの数も多いし、雰囲気も何か凄いことになってる。人も多いし、小春はめっちゃ元気だし、ていうかジェットコースターもう10回目だし、酔ったし。
四十過ぎのオッサンに、このテンションはキツイ。ここは食べ物で釣って、一旦休憩を挟もう。そしてそのまま帰ろう。うん、それがいい。
「なあ……何か食べないか? お腹空いただろ?」
「えー?!九十九さん聞こえないですー! とにかく、早くこっちへー! もう1回乗りますよお!」
駄目だアイツ。早く何とかしないと。
「オロロロろろろろろろろろろロオ」
俺はとりあえずゲロを吐き(もちろんエアゲロだ。中身は出てない)、気持ち悪さをリセットした。よし、これであと1回くらいなら何とかなるな。オロオロとした足取りで、小春を追う。
俺の姿を見た小春は、屈託のない笑顔を向け嬉しそうに話しかけてきた。
「九十九さん九十九さん、遊園地って楽しいですね! 私、ジェットコースター大好きです!」
「お前、遊園地初めてなのか?」
「はい! 一度行ってみたかったんです! 今日は連れてきてくれてありがとうございます、九十九さん!」
小春って、確か10歳くらいだったよな? その年だったら遊園地くらい行ったことがありそうなもんだけど。まあそういうこともあるか。
「後100回は乗りましょうね。九十九さん♡」
「え?」
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マジで100回乗らされた俺の服は自分で吐いたゲロまみれになっていたが、今日は良しとしよう。道行く奴ら全員に白い目で見られたけど、これも良しとしよう。昔全裸でディ◯ニー◯ンドでパレードに乱入してやった時に比べれば屁でもないやい。やーい!
ようやく閉園時間が来て、受付のゲートまで戻ってきた。長かったが、これでようやく帰れる……。休日を一日潰された訳だからな、今日こそは小春に体で支払ってもらうゾ。これまで何やかんや我慢してきてやったが、もーう堪忍袋の緒が切れちゃったもんね。
帰った後のことを想像して俺の息子くんがお股でテントを張り始めた時だった。受付のゲートの近くで、何やら怒鳴り散らしている声が聞こえてきた。見ると、怒鳴っていたのは高校生くらいの男児ガキ。連れも入れて7~8人の集団だ。
「おいクソガキコラ! 舐めたことしてんじゃねえぞ!」
対して怒鳴られていたのは、小学生の集団だった。こちらも5~6人くらいいるな。高校生にもなって小学生相手に何怒鳴ってんだよ、ダセえな。少しは俺を見習えモブ共。こちらとらゲロまみれになっても小学生と遊んでやってんだぞ。おれえらいっ!
「飲み干した後のエナドリの瓶、俺に当てやがって! 痛えんだよクソが! しかも後頭部に直撃だぞこら! 血がめっちゃ出てんだろ! どうしてくれんだよおい!」
そりゃキレるわ。うん、やって良し。この世の仕組みっていうものをクソガキに分からせてやれ。それが世直しってもんよ。
「……行くぞ」
まあとにかく、ああいう面倒な場面は全力でスルーするに限る←ダジャレ上手すぎん??
「え、あ……待ってください」
「なんだ?」
小春はなぜか、その場で足を止めた。怖くて動けないのか? そう思ったが、小春は何やら前方を指差している。なんかあるのか?
「……あの人たち、私のクラスメイトなんです」
「クラスメイト?」
改めて小学生の集団に目を向ける。しばらく観察して気付いた。こないだ、ド◯キで小春をイジメてた奴らだ! なるほど。休日に小学生だけでこんなところに遊びに来てたわけだな。
「仲いいのか?」
「……いえ、仲良しってわけじゃ」
「ならいいだろ。ほら、早く帰るぞ」
自分のことをイジメてた奴らを助ける必要はないだろう。しかも怒鳴られてる理由も最もだしな。ちょっとは世間の怖さを知るといい。そして小春、お前は早く帰って俺の息子をシゴけ。はよせえ。もう待てんぞ俺は。
「……九十九さん、ちょっとだけ待っててください」
小春はそう言うと、高校生集団のいる元へ駆けていった。おいおい、まさかアイツ……!
「あ、あの!」
「あ? 何だよお前」
小春はあろうことか、高校生たちに声をかけてしまった。案の定、高校生たちは明らかに敵意むき出しの視線を小春に向けている。絶対面倒なことになるじゃんかよ……。
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「九十九さーん!はーやーくー!」
「ハアハア……ちょ、ちょっと待ってくり……」
着いた。いつ以来だろうか。U◯J。昔来た時とは全然違うんだな。アトラクションの数も多いし、雰囲気も何か凄いことになってる。人も多いし、小春はめっちゃ元気だし、ていうかジェットコースターもう10回目だし、酔ったし。
四十過ぎのオッサンに、このテンションはキツイ。ここは食べ物で釣って、一旦休憩を挟もう。そしてそのまま帰ろう。うん、それがいい。
「なあ……何か食べないか? お腹空いただろ?」
「えー?!九十九さん聞こえないですー! とにかく、早くこっちへー! もう1回乗りますよお!」
駄目だアイツ。早く何とかしないと。
「オロロロろろろろろろろろろロオ」
俺はとりあえずゲロを吐き(もちろんエアゲロだ。中身は出てない)、気持ち悪さをリセットした。よし、これであと1回くらいなら何とかなるな。オロオロとした足取りで、小春を追う。
俺の姿を見た小春は、屈託のない笑顔を向け嬉しそうに話しかけてきた。
「九十九さん九十九さん、遊園地って楽しいですね! 私、ジェットコースター大好きです!」
「お前、遊園地初めてなのか?」
「はい! 一度行ってみたかったんです! 今日は連れてきてくれてありがとうございます、九十九さん!」
小春って、確か10歳くらいだったよな? その年だったら遊園地くらい行ったことがありそうなもんだけど。まあそういうこともあるか。
「後100回は乗りましょうね。九十九さん♡」
「え?」
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マジで100回乗らされた俺の服は自分で吐いたゲロまみれになっていたが、今日は良しとしよう。道行く奴ら全員に白い目で見られたけど、これも良しとしよう。昔全裸でディ◯ニー◯ンドでパレードに乱入してやった時に比べれば屁でもないやい。やーい!
ようやく閉園時間が来て、受付のゲートまで戻ってきた。長かったが、これでようやく帰れる……。休日を一日潰された訳だからな、今日こそは小春に体で支払ってもらうゾ。これまで何やかんや我慢してきてやったが、もーう堪忍袋の緒が切れちゃったもんね。
帰った後のことを想像して俺の息子くんがお股でテントを張り始めた時だった。受付のゲートの近くで、何やら怒鳴り散らしている声が聞こえてきた。見ると、怒鳴っていたのは高校生くらいの男児ガキ。連れも入れて7~8人の集団だ。
「おいクソガキコラ! 舐めたことしてんじゃねえぞ!」
対して怒鳴られていたのは、小学生の集団だった。こちらも5~6人くらいいるな。高校生にもなって小学生相手に何怒鳴ってんだよ、ダセえな。少しは俺を見習えモブ共。こちらとらゲロまみれになっても小学生と遊んでやってんだぞ。おれえらいっ!
「飲み干した後のエナドリの瓶、俺に当てやがって! 痛えんだよクソが! しかも後頭部に直撃だぞこら! 血がめっちゃ出てんだろ! どうしてくれんだよおい!」
そりゃキレるわ。うん、やって良し。この世の仕組みっていうものをクソガキに分からせてやれ。それが世直しってもんよ。
「……行くぞ」
まあとにかく、ああいう面倒な場面は全力でスルーするに限る←ダジャレ上手すぎん??
「え、あ……待ってください」
「なんだ?」
小春はなぜか、その場で足を止めた。怖くて動けないのか? そう思ったが、小春は何やら前方を指差している。なんかあるのか?
「……あの人たち、私のクラスメイトなんです」
「クラスメイト?」
改めて小学生の集団に目を向ける。しばらく観察して気付いた。こないだ、ド◯キで小春をイジメてた奴らだ! なるほど。休日に小学生だけでこんなところに遊びに来てたわけだな。
「仲いいのか?」
「……いえ、仲良しってわけじゃ」
「ならいいだろ。ほら、早く帰るぞ」
自分のことをイジメてた奴らを助ける必要はないだろう。しかも怒鳴られてる理由も最もだしな。ちょっとは世間の怖さを知るといい。そして小春、お前は早く帰って俺の息子をシゴけ。はよせえ。もう待てんぞ俺は。
「……九十九さん、ちょっとだけ待っててください」
小春はそう言うと、高校生集団のいる元へ駆けていった。おいおい、まさかアイツ……!
「あ、あの!」
「あ? 何だよお前」
小春はあろうことか、高校生たちに声をかけてしまった。案の定、高校生たちは明らかに敵意むき出しの視線を小春に向けている。絶対面倒なことになるじゃんかよ……。
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