19 / 205
第一章 都市伝説と呼ばれて
19 坊主頭はどうだろう?
しおりを挟む
カモフの谷も春分を過ぎると、随分と寒さが緩んできていた。
ンガマト山脈から吹き下ろす寒風もこのところ弱まっているように感じる。あとひと月ほどすれば、谷の人が待ち望んだ春の市が開催される。いつものようにサザンの街は、賑わいを見せることだろう。
そんな春のある日、トゥーレたちはサザンを出て、タステ街道をネアン方面へ北上していた。
風が吹けばまだ凍えるような寒さを感じるが、真冬の頃に比べれば耐えられないほどではない。
シルベストルからは外出することについて、うんざりするほど苦言を呈されていたが、真冬をのぞいて彼らは、相変わらず町の外へと少人数で外出を繰り返していた。
ザオラルが治めるこのカモフは、キンガ湖を利用した水運が発達している。
岩塩は商船を利用してサザンから運ばれていくため、商隊がキャラバンを組んで陸路を使うことはほとんどなかった。それでも個人での旅商人を始め、近郊に住む農夫が収穫した農作物を街へと卸すため、少なくない人数が街道を行き交っている。
街道の左手には、陽光を受けキラキラと輝くキンガ湖が水を湛え、右手は荒涼とした荒れ地が広がっていた。
荒野は所々背の低い灌木が見られるものの、塩湖であるキンガ湖の影響もあって、湖の近くはほとんど植物が育たなかった。
日差しはあるが、湖を渡ってくる風はまだ身を切るような冷たさだ。空は高く澄んでいて、上空では大型の猛禽類が獲物を探して旋回していた。
トゥーレの供は、ユーリを初めとしたかつての暴れ者を中心とした十名である。
まだ騎士に叙任されていないがトゥーレの護衛のため、外出の際にはそれぞれ武器を携行している。しかし護衛とはいえど緊張感はそれほどなく、一行は取り止めない話をしながら街道をのんびり歩いていた。
シルベストルから、耳にタコができるほど釘を刺されているにも関わらず、トゥーレの放浪癖は一向にあらたまる気配はない。寧ろより街の外へと出て行く頻度が増した印象さえ受ける。
シルベストルを中心とする内政官達は、情勢の悪化を理由に少人数での外出を自省するよう事あるごとに要請していたが、トゥーレがあらためる気配はなく、何より父であるザオラルが問題視しないため全く効果がなかった。
彼らが進んでいるタステ街道は、ネアンを始点としてサザンへと至る約四〇キロメートル程の街道だ。旅慣れた者ならのんびりと歩いても一日あれば踏破できる距離だ。
街道の始点となるネアンは、カモフにとってはサザンと並んで重要な拠点だった。
サザンが岩塩の集積地として発展してきたのに対し、ネアンはサザンから運ばれた岩塩を各地へと運んでいく経由地として発展してきた。
氷河が削り取ったU字谷の半ばに位置するサザンは、各地にある岩塩坑より採掘された岩塩を集積するには便利な地であるが、街道より外れているため出荷するには、街道まで運んでいく必要があった。そのため街道に近く、水運を利用しやすいセラーナ川の傍に出荷拠点としてネアンが造られた。
死の湖とも呼ばれるほど塩分濃度の高いキンガ湖だが、セラーナ川付近では飲用ができるほどで、それほど種類がいる訳でもないが魚も捕ることができた。
カモフの中心はサザンだが、陸路を使うにも水路を利用するにも交通の便がよいネアンの重要度は高く、近年ではサザンを超える人口を誇っているほどだった。
「失敗したな・・・・」
正午前に領館を出たトゥーレたちだったが、すでに太陽は谷の稜線に近付いていた。街を直ぐに離れるつもりが、この日はタイミングが悪く、中央広場で住民たちに囲まれてしまったのだ。その後も次から次へと声を掛けられ、ようやく街を出ることができたのは、一時間ほど前のことであった。
普段気さくに住民に接しているだけに、徐々に住民達も遠慮せずに声を掛けるようになってきている。かといって特に用がない場合に無碍に断る訳にもいかない。
特に時間に縛られた予定もなく、サザンとネアンの間にあるカントの町へ向かおうとしていただけだ。それでもこの分だとサザンに戻るのは、暗くなってからになりそうだった。
「目立ちますからね。それ」
ユーリがトゥーレの頭を見ながら笑う。
この国では、茶色や赤い髪はあっても、金髪はほとんど見掛けず多くは黒髪だ。金髪だったとしても、トゥーレのような白銀金髪は少なく、赤味や橙色がかった金髪になることが多かった。そのため街に出るとどうしても人目を引いてしまうのだ。
今までは目立つように行動していたため、金髪は逆に都合がよかったが、今後のことを考えると対策を立てておく必要が出てくるだろう。
「貴様の傷痕も目立つだろう?」
ユーリの額を指差し、トゥーレが頬を膨らませる。
「私はどちらかというと目を逸らされますからね」
「それはそれでどうなんだよ!」
自虐気味に肩を竦めたユーリに、すぐにオレクが突っ込みを入れる。
素行が悪く、悪名が知れ渡っていたユーリは、トゥーレといる時はそうでもないが、彼がいない時は今でも街中では遠巻きにされるだけで、人が近付いてくることは少なかった。そうでなくても見上げるような長身だ。気さくに接するようになるには時間が必要だろう。
「お前も似たようなものだろう? オレクには言われたくないな」
ユーリに反論されたオレクも、ユーリと同じような長身だ。
痩せぎすでひょろっと伸びた長い手足は、人というよりも昆虫や爬虫類を彷彿とさせる。初見ではユーリのように近寄りがたい雰囲気なのは彼も変わらない。
長身の二人が並ぶと二本の尖塔が聳えているかのように見え、本人たちの意志とは関係なくなかなかの威圧感を周りに振りまいていた。
「知ってるか? 貴様ら領館ではツインタワーって呼ばれてるぞ」
『ぶっ!』
口角を上げたトゥーレが二人の渾名を披露すると、当事者以外の従者が吹き出した。
「ツインタワー!?」
声をハモらせた二人は、目を合わせると苦笑いを浮かべる。
外見で揶揄された言葉だが、トゥーレの側近の中でも実務面でも実質ツートップの能力を見せ始めている二人だ。
高い身体能力と持ち前の統率力を発揮し、武官として頭角を現し始めているユーリと、計算能力の高さと人脈を駆使した情報収集で、文官として高い能力を見せるオレク。全体的に高評価のトゥーレの側近の中でも、二人の評価は群を抜いて高かった。
「いっそ切ってしまってもいいんだが」
坊主頭になればそこまで目立つことはないかと、トゥーレは前髪を目の前で摘まむと何気なく呟いた。
「私と被るから駄目ですよ!」
だがその呟きに間髪を入れず突っ込みが入った。
まだ幼さの残る坊主頭のルーベルトだ。
「早っ!」
「吃驚したぁ! お前がそんな突っ込みできるなんて驚いたぞ!」
「本当だ。こりゃ空から槍でも降ってくるんじゃねぇか?」
仲間が空を仰ぎながら笑う。
この春よりトゥーレの側近として、行動を共にするようになったばかりのルーベルトは、十四歳と一行の中では最年少ということもあって、普段は弄られることの多い色白の華奢な少年だ。普段は無口で部屋に籠もっていることが多いが、こう見えても鉄砲の扱いではトゥーレをも凌ぐ腕前を持っていた。
「私の事はどうでもいいんです。それよりもトゥーレ様が坊主頭なんて、似合わないでしょ?」
からかわれたルーベルトは、トレードマークになっている坊主頭に手をやり口を尖らせながら話題をトゥーレへと戻す。
「確かにな、全然想像つかねぇや!」
「坊主頭で命令しても誰も言うこと聞かねぇんじゃねぇか?」
「今でも命令する姿は痛々しいからな」
「貴様達、言い過ぎだ」
皆、口々に言いたいことを言って大笑いしている。
元々はみ出し者達の集団だ。
領館から外に出てしまえば、トゥーレに対しても遠慮はせず辛辣な言葉を吐く。これにはトゥーレも苦笑するしかなかった。
トゥーレは年が明けて十六歳になったが、童顔のその顔は今でも十二、三歳に見られることもあり、威厳という意味では物足りないのだ。
「坊主が駄目なら、いっそ変装するってのはどうですか?」
「変装?」
「トゥーレ様と分からなければ良いんでしょう? だったら頭巾を被るとか遮光器を着けるとかすればどうです?」
変装に興味を覚えて聞き返したトゥーレに対して、ユーリは途中から巫山戯た答えを返したため側近達はますます暴走していく。
「そりゃぁいいぜ! なんなら兜でも被りますか?」
「兜に合わせて重鎧も着ければ、絶対にトゥーレ様だとわかんねぇわ!」
「防御力も完璧じゃね?」
「その代わり誰も寄ってこなくなりそうだけどな」
「そうなりゃ、ただのイキッた痛い奴じゃねぇか!」
「そこまでいくと変装じゃなく仮装だろ? って言うか貴様等いい加減にしろよ!」
どんどんとエスカレートする中、最後はトゥーレ自身が渾身の突っ込みを披露し、一同は大笑いする。
トゥーレは去年の初陣で初めて存在が明らかとなったが、それまではいわゆる都市伝説として噂だけの存在だった。自由に街を闊歩することもままならず、幼少期の遊び相手も歳の離れた守り役が多かったのだ。
成長に伴って歳の近い側近が付くようになったが身分差を弁えた者がほとんどのため、冗談を言い合うという関係ではなかった。
ユーリ達も立場的にはトゥーレの側近なのだが、育ちの違いもあってトゥーレを前にして遠慮することもなく言葉遣いも容赦なかった。
側近として取り立てる際に『遠慮しなくてよい』と許可はしていたが、いざ遠慮がなくなると想定していたよりも辛辣だったのだ。
ンガマト山脈から吹き下ろす寒風もこのところ弱まっているように感じる。あとひと月ほどすれば、谷の人が待ち望んだ春の市が開催される。いつものようにサザンの街は、賑わいを見せることだろう。
そんな春のある日、トゥーレたちはサザンを出て、タステ街道をネアン方面へ北上していた。
風が吹けばまだ凍えるような寒さを感じるが、真冬の頃に比べれば耐えられないほどではない。
シルベストルからは外出することについて、うんざりするほど苦言を呈されていたが、真冬をのぞいて彼らは、相変わらず町の外へと少人数で外出を繰り返していた。
ザオラルが治めるこのカモフは、キンガ湖を利用した水運が発達している。
岩塩は商船を利用してサザンから運ばれていくため、商隊がキャラバンを組んで陸路を使うことはほとんどなかった。それでも個人での旅商人を始め、近郊に住む農夫が収穫した農作物を街へと卸すため、少なくない人数が街道を行き交っている。
街道の左手には、陽光を受けキラキラと輝くキンガ湖が水を湛え、右手は荒涼とした荒れ地が広がっていた。
荒野は所々背の低い灌木が見られるものの、塩湖であるキンガ湖の影響もあって、湖の近くはほとんど植物が育たなかった。
日差しはあるが、湖を渡ってくる風はまだ身を切るような冷たさだ。空は高く澄んでいて、上空では大型の猛禽類が獲物を探して旋回していた。
トゥーレの供は、ユーリを初めとしたかつての暴れ者を中心とした十名である。
まだ騎士に叙任されていないがトゥーレの護衛のため、外出の際にはそれぞれ武器を携行している。しかし護衛とはいえど緊張感はそれほどなく、一行は取り止めない話をしながら街道をのんびり歩いていた。
シルベストルから、耳にタコができるほど釘を刺されているにも関わらず、トゥーレの放浪癖は一向にあらたまる気配はない。寧ろより街の外へと出て行く頻度が増した印象さえ受ける。
シルベストルを中心とする内政官達は、情勢の悪化を理由に少人数での外出を自省するよう事あるごとに要請していたが、トゥーレがあらためる気配はなく、何より父であるザオラルが問題視しないため全く効果がなかった。
彼らが進んでいるタステ街道は、ネアンを始点としてサザンへと至る約四〇キロメートル程の街道だ。旅慣れた者ならのんびりと歩いても一日あれば踏破できる距離だ。
街道の始点となるネアンは、カモフにとってはサザンと並んで重要な拠点だった。
サザンが岩塩の集積地として発展してきたのに対し、ネアンはサザンから運ばれた岩塩を各地へと運んでいく経由地として発展してきた。
氷河が削り取ったU字谷の半ばに位置するサザンは、各地にある岩塩坑より採掘された岩塩を集積するには便利な地であるが、街道より外れているため出荷するには、街道まで運んでいく必要があった。そのため街道に近く、水運を利用しやすいセラーナ川の傍に出荷拠点としてネアンが造られた。
死の湖とも呼ばれるほど塩分濃度の高いキンガ湖だが、セラーナ川付近では飲用ができるほどで、それほど種類がいる訳でもないが魚も捕ることができた。
カモフの中心はサザンだが、陸路を使うにも水路を利用するにも交通の便がよいネアンの重要度は高く、近年ではサザンを超える人口を誇っているほどだった。
「失敗したな・・・・」
正午前に領館を出たトゥーレたちだったが、すでに太陽は谷の稜線に近付いていた。街を直ぐに離れるつもりが、この日はタイミングが悪く、中央広場で住民たちに囲まれてしまったのだ。その後も次から次へと声を掛けられ、ようやく街を出ることができたのは、一時間ほど前のことであった。
普段気さくに住民に接しているだけに、徐々に住民達も遠慮せずに声を掛けるようになってきている。かといって特に用がない場合に無碍に断る訳にもいかない。
特に時間に縛られた予定もなく、サザンとネアンの間にあるカントの町へ向かおうとしていただけだ。それでもこの分だとサザンに戻るのは、暗くなってからになりそうだった。
「目立ちますからね。それ」
ユーリがトゥーレの頭を見ながら笑う。
この国では、茶色や赤い髪はあっても、金髪はほとんど見掛けず多くは黒髪だ。金髪だったとしても、トゥーレのような白銀金髪は少なく、赤味や橙色がかった金髪になることが多かった。そのため街に出るとどうしても人目を引いてしまうのだ。
今までは目立つように行動していたため、金髪は逆に都合がよかったが、今後のことを考えると対策を立てておく必要が出てくるだろう。
「貴様の傷痕も目立つだろう?」
ユーリの額を指差し、トゥーレが頬を膨らませる。
「私はどちらかというと目を逸らされますからね」
「それはそれでどうなんだよ!」
自虐気味に肩を竦めたユーリに、すぐにオレクが突っ込みを入れる。
素行が悪く、悪名が知れ渡っていたユーリは、トゥーレといる時はそうでもないが、彼がいない時は今でも街中では遠巻きにされるだけで、人が近付いてくることは少なかった。そうでなくても見上げるような長身だ。気さくに接するようになるには時間が必要だろう。
「お前も似たようなものだろう? オレクには言われたくないな」
ユーリに反論されたオレクも、ユーリと同じような長身だ。
痩せぎすでひょろっと伸びた長い手足は、人というよりも昆虫や爬虫類を彷彿とさせる。初見ではユーリのように近寄りがたい雰囲気なのは彼も変わらない。
長身の二人が並ぶと二本の尖塔が聳えているかのように見え、本人たちの意志とは関係なくなかなかの威圧感を周りに振りまいていた。
「知ってるか? 貴様ら領館ではツインタワーって呼ばれてるぞ」
『ぶっ!』
口角を上げたトゥーレが二人の渾名を披露すると、当事者以外の従者が吹き出した。
「ツインタワー!?」
声をハモらせた二人は、目を合わせると苦笑いを浮かべる。
外見で揶揄された言葉だが、トゥーレの側近の中でも実務面でも実質ツートップの能力を見せ始めている二人だ。
高い身体能力と持ち前の統率力を発揮し、武官として頭角を現し始めているユーリと、計算能力の高さと人脈を駆使した情報収集で、文官として高い能力を見せるオレク。全体的に高評価のトゥーレの側近の中でも、二人の評価は群を抜いて高かった。
「いっそ切ってしまってもいいんだが」
坊主頭になればそこまで目立つことはないかと、トゥーレは前髪を目の前で摘まむと何気なく呟いた。
「私と被るから駄目ですよ!」
だがその呟きに間髪を入れず突っ込みが入った。
まだ幼さの残る坊主頭のルーベルトだ。
「早っ!」
「吃驚したぁ! お前がそんな突っ込みできるなんて驚いたぞ!」
「本当だ。こりゃ空から槍でも降ってくるんじゃねぇか?」
仲間が空を仰ぎながら笑う。
この春よりトゥーレの側近として、行動を共にするようになったばかりのルーベルトは、十四歳と一行の中では最年少ということもあって、普段は弄られることの多い色白の華奢な少年だ。普段は無口で部屋に籠もっていることが多いが、こう見えても鉄砲の扱いではトゥーレをも凌ぐ腕前を持っていた。
「私の事はどうでもいいんです。それよりもトゥーレ様が坊主頭なんて、似合わないでしょ?」
からかわれたルーベルトは、トレードマークになっている坊主頭に手をやり口を尖らせながら話題をトゥーレへと戻す。
「確かにな、全然想像つかねぇや!」
「坊主頭で命令しても誰も言うこと聞かねぇんじゃねぇか?」
「今でも命令する姿は痛々しいからな」
「貴様達、言い過ぎだ」
皆、口々に言いたいことを言って大笑いしている。
元々はみ出し者達の集団だ。
領館から外に出てしまえば、トゥーレに対しても遠慮はせず辛辣な言葉を吐く。これにはトゥーレも苦笑するしかなかった。
トゥーレは年が明けて十六歳になったが、童顔のその顔は今でも十二、三歳に見られることもあり、威厳という意味では物足りないのだ。
「坊主が駄目なら、いっそ変装するってのはどうですか?」
「変装?」
「トゥーレ様と分からなければ良いんでしょう? だったら頭巾を被るとか遮光器を着けるとかすればどうです?」
変装に興味を覚えて聞き返したトゥーレに対して、ユーリは途中から巫山戯た答えを返したため側近達はますます暴走していく。
「そりゃぁいいぜ! なんなら兜でも被りますか?」
「兜に合わせて重鎧も着ければ、絶対にトゥーレ様だとわかんねぇわ!」
「防御力も完璧じゃね?」
「その代わり誰も寄ってこなくなりそうだけどな」
「そうなりゃ、ただのイキッた痛い奴じゃねぇか!」
「そこまでいくと変装じゃなく仮装だろ? って言うか貴様等いい加減にしろよ!」
どんどんとエスカレートする中、最後はトゥーレ自身が渾身の突っ込みを披露し、一同は大笑いする。
トゥーレは去年の初陣で初めて存在が明らかとなったが、それまではいわゆる都市伝説として噂だけの存在だった。自由に街を闊歩することもままならず、幼少期の遊び相手も歳の離れた守り役が多かったのだ。
成長に伴って歳の近い側近が付くようになったが身分差を弁えた者がほとんどのため、冗談を言い合うという関係ではなかった。
ユーリ達も立場的にはトゥーレの側近なのだが、育ちの違いもあってトゥーレを前にして遠慮することもなく言葉遣いも容赦なかった。
側近として取り立てる際に『遠慮しなくてよい』と許可はしていたが、いざ遠慮がなくなると想定していたよりも辛辣だったのだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ゆう
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~
金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。
そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。
カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。
やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。
魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。
これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。
エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。
第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。
旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。
ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載
【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜
るあか
ファンタジー
僕はフィル・ガーネット5歳。田舎のガーネット領の領主の息子だ。
でも、ただの5歳児ではない。前世は別の世界で“大賢者”という称号を持つ大魔道士。そのまた前世は日本という島国で“独身貴族”の称号を持つ者だった。
どちらも決して不自由な生活ではなかったのだが、特に大賢者はその力が強すぎたために側に寄る者は誰もおらず、寂しく孤独死をした。
そんな僕はメイドのレベッカと近所の森を散歩中に“根無し草の鬼族のおじさん”を拾う。彼との出会いをきっかけに、ガーネット領にはなかった“騎士団”の結成を目指す事に。
家族や領民のみんなで幸せになる事を夢見て、元大賢者の5歳の僕の幸せ騎士団大作戦が幕を開ける。
SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~
草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。
レアらしくて、成長が異常に早いよ。
せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。
出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる