Rabbit bride 2085 第6話 雨の翔太郎

まろうど

文字の大きさ
7 / 8

6 ブライドvs猿

しおりを挟む
悪面の猿は、虎がやられてもブライドから視線を逸らさずにいた。

虎のことなど、まるで気にしていないようだ。

猿の身体中から生えた尾が、ゆらゆらと風に踊っている。

猿の後頭部に2本。
二の腕からそれぞれ1本。
背中からは8本だろうか。
それ以外も、身体の至る所から尾を伸ばせるのかもしれない。

ゆらゆらと揺れる尾は、突然伸びてブライドを捕まえるのだろう。

そうしたら、もう逃げる事はできない。

猿は醜い笑顔を浮かべて、ゆっくりと間合いを詰めてきた。

ブライドの身体に狙いを定めて、慌てずに、しかし確実に尾を伸ばすつもりだ。

捕まえてしまえば、虎の敗北も帳消しにできる。

猿には絶対の自信があった。

その猿が、不意に足を止める。

一瞬、虎に視線を移す。

ブライドの意識が虎に移った瞬間、5本の尾が高速で飛来した。

ブライドの首、手首、足首をそれぞれ拘束する。

これでおしまいだ。

瞬きする時間も与えず、5本の尾はブライドの身体を捉えて締め上げる。

ニヤけた猿の顔が、固まった。

「わたしはこっちですよ❣️」

可愛いらしいブライドの声が、猿の右側から聞こえた。

猿の尾は、何もない空を掴んでいた。

慌てて振り向く猿の顔を、ブライドが蹴り飛ばした。

だが、視線を絶対に外さない猿は、ブライドの足首を狙って尾を伸ばした。

今度こそ捕まえ....られない⁉️

「残念でした。

今度はこっちですね❣️」

猿の左側にブライドがいた。

弄ばれてる❓
人間の娘に❓

だったら、これならどうだ💢

全方位、全角度に無数の尾を伸ばしてやる。

数十本の尾を全身から伸ばす猿。

どんなにブライドの動きが素早くても、半径10メートル以内に存在する者は全て捕まえる。

これでおしまいだ💢

「残念でした。

もう終わりです❣️」

猿の頭は、ブライドの足に踏み付けられていた。

いつの間に....❓

《ライオット》

強烈な電撃に身体が動かない。

人間をばかすのが妖怪なのに、なんで妖怪が人間にばかされるんだ❓

猿の思考は、答えの出ないまま闇に沈んでいった。

サポートAIが入っている生き物ならば、ブライドは魔方陣を使って制御ができる。

風太郎が蛇の頭を喰い千切ってくれたおかげで、鵺用の魔方陣が完成したのだ。

実際は、猿は一歩も動いていなかった。

全て、ブライドが見せた幻覚だった。

虎と猿を倒した今、残るのは狸だけだ。

既に、狸にも魔方陣を打ち込んで身体の自由を奪っている。

ブライドが狸の前に立つ。

「狸さん、お座り❣️」

ブライドの言葉通りに、行儀良くお座りする狸。

「狸さん、伏せ❣️」

笑顔で伏せをする狸。

もう完全にブライドに飼い慣らされている。

「狸さんお利口さんですね❣️

じゃあ、最後にチンチンできますか⁉️」

褒められて喜ぶ狸は、前脚を上げてチンチンのポーズをとった。

「そのまま動かないでくださいね❣️」

狸の玉袋が、突然血飛沫を上げて吹き飛んだ。

ブライドが、得意の3連射で撃ち抜いたのだ。

「ぐぁ....」

狸の股間の血溜まりの中に、誰かが倒れていた。

人だ。

左腕と右の太ももに裂傷を負っている。

ブライドのkyu-biに撃ち抜かれていた。

鵺をコントロールしていた者は、狸の玉袋の中に隠れていたのだ。

「翔太郎さんは狸さんをお願いします。

わたしは、その人に用があります❣️」

翔太郎は狸を引きずり、離れた場所でトドメを刺した。

猿も同様に処分した。

「なぜ、俺がここにいると分かった❓」

男が血溜まりの中で声を発した。

「先日、古屋の中で捕まった時、人間の存在が検知できたからです」

あの時の魔方陣は、対人間用だった。

「あの時、お前の身体に植えた妖怪の種はどうした❓」

「翔太郎さんに取ってもらいました」

男は目を見開いて、ブライドと翔太郎を交互に見た。

「なぜお前たちは、妖怪の種に触れても、人間のままでいられるんだ❓」

ブライドは小さな声で答えた。

「元々妖怪の因子を持って生まれた者が、そんなモノの影響を受ける訳がありません」

男は、さらに大きく目を見開いた。

「あなたのデータの抽出は終わりました。

もう、さよならです」

うさぎのkyu-biに電脳を撃ち砕かれた男は、断末魔の痙攣をしながら、最後の言葉を吐いた。

「だから、美しいのか....」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

リボーン&リライフ

廣瀬純七
SF
性別を変えて過去に戻って人生をやり直す男の話

野球部の女の子

S.H.L
青春
中学に入り野球部に入ることを決意した美咲、それと同時に坊主になった。

処理中です...