Rabbit bride 2085 第3話 血の代償

まろうど

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第3話 血の代償

2 暗闇からの訪問者

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ただならぬ気配を感じて、考えるより早く、うさぎは引き鉄を引いていた。

うさぎが得意とする3連射だ。

全て眉間に叩き込んでいた。

その間、僅か0.5秒。

「え❓

.......眉間って⁉️   人だったの❓💦」

暗闇から出て来たモノが何であるかを確認する前に、うさぎは人を射殺してしまったようだ。

膝から崩れ落ちる男。

全身を黒いレザーで覆った男だった。

男の身体がガクガクと震え出す。
死の痙攣が始まった。

「どうしよう❓💦」

うさぎが自分のミスに気がついた時、不意に男の身体が闇に飲まれるように消えた。

「え⁉️

どゆこと⁉️」

うさぎは、目をぱちくりさせて男が消えた地面を見ていた。

「確認もせずに撃つな💢」

うさぎの背後から声が聞こえた。

「きゃぁぁぁぁあああああ」

振り向きざまに銃を向けるうさぎ。

男が銃を掴んだ。

さっき、うさぎが銃で撃った男だった。

「少しは落ち着いて話を聞け、ブライド‼️」

うさぎの動きが止まった。

ブライドと言う言葉に反応したようだ。

それでも、うさぎの目からは大粒の涙が溢れて、唇は震えていた。

「俺はアイアン・クロウだ。

知っているな」

眉間に撃ち込んだ銃槍も消えている。

「アイアン.....クロウ.....先輩❓」

「そうだ」

クロウがゆっくり銃を放した。

「でも、でも、さっき死にましたよね❓

わたしがうっかり撃っちゃったんですけど....

死にましたよね❓

それに、消えましたよね❓

えっ❓

でも、生きてますよね❓」

状況が分からずに、うさぎは取り乱していた。

「撃っても、殺しても大丈夫だ。

俺は死んでも生き返るから」

クロウの言葉に、少しずつ落ち着きを見せるうさぎ。

「え❓
生き返るって❓」

「ブライドが内閣調査室に来て3年になるな?」

「はい....」

うさぎの質問はスルーされた。

「俺はその前からこの組織にいるんだが、会うのは今日が初めてだと思う」

「......はい」

うさぎの呼吸も落ち着いてきた。

「一度顔を合わせておいた方がいいと課長に言われて、会いに来たんだ」

やっと理屈が通る話になったと、うさぎは安心した。

「はい。
ありがとう....ございます」

❓❓❓❓な顔をしているうさぎに、クロウは自分の能力について、一通りを教えた。

とは言え、納得できる内容ではなかった。

「分からないことが多いと思うが、そこで黙って見ていれば、俺の話が少しは判ると思う」

クロウが、森の奥を凝視している。

うさぎには、何も見えない。

「出て来い」

クロウが森に向かって声を掛けた時、うさぎは背中がゾワゾワと寒気がした。

いる❓

.....何かがいる⁉️

うさぎは、その何かに本能的な恐怖を覚えた。

無意識に後退りしていた。

うさぎが思っていたより高い場所に、爛々と光る目があった。

およそ地上3メートル近くに、その目があった。

人の姿に近い何かがいる。

「手を出すなよ、ブライド」

うさぎは後ろに下がることで、それに答えた。

(今日は、怖いことばっかりですよ、kameちゃん💦)

(ボクも怖くて分からないことばっかりだよ、うさぎちゃん)

森の中から、人の姿に似た殺気の塊が出て来た。

鳥肌が立つどころの殺気ではない。

意識を強く持たないと、死んでしまいそうになる殺気だった。

「鬼....ですか❓」

うさぎは、意識を保つために言葉を絞り出した。

「いや、この国の先住民だ」

鬼とも見紛う先住民は、ゆっくりと獲物に近付いて来た。

獲物って⁉️

また分からないことばっかりです💦

うさぎ、失神しそうです💦💦

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