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17話
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午前中はミアとアンとお茶会に着ていく、ドレスや髪型を決めて過ごしたわ。
「お嬢様、大丈夫ですわ。最初は誰でも緊張するものです」
「焦って返答をせず、落ち着いて答えれば大丈夫ですよ」
「うん。ありがとう」
「軽くランチを食べたら支度をしましょうね」
「分かったわ。よろしくね」
軽めのランチをお母様と一緒に食べる。
「今日のお茶会は伯爵家ですから、あまり気負いすぎずにお茶会の雰囲気を楽しみましょうね」
「はい。お母様」
初めは親子で一緒のテーブルに座るけれど、途中で別れるのよね。大人には大人の社交があるからなんだとか。
正直、自分から誰かに話しかけられる気がしない…。
ちょっと憂鬱になりながら部屋に戻り、ミア達にドレスを着せられ髪を結ってもらう。
水色に白のフリルやリボンの付いたドレスに、ハーフアップの髪は青いリボンに真ん中に白いお花が付いている髪飾りで留められる。広がりがちな波打つ髪はしっとりツヤツヤに纏まって、背中に流されている。
「凄い!髪がほわ~てしないよ!」
「お茶会は庭だと聞いていますので」
「ありがとう」
そういう気遣いが凄く嬉しい。
*****
お母様とお母様の侍女とミアと一緒にお茶会に向かう。
「ミュリエル。今日はとても可愛いわね」
「ありがとうございます。お母様はとっても綺麗です」
「ふふ、ありがとう」
お母様とお喋りをしていると、あっという間に着いてしまったわ。
招待してくれた伯爵夫人に挨拶に向かう。早口にならず、ちゃんとご挨拶できたと思う。
私達のテーブルはお茶会をした事のある家と一緒だった。知っている人に会うとほっとするわ。でも周りから視線を凄く感じるから居心地は悪い。
『幻の令嬢に興味津々だね』とフェーリは笑っているけれど、全然面白くないわよ…。
「お母様はあちらに居ますから、何かあればいらっしゃいね」
「はい。お母様」
しばらく談笑した後、お母様達は庭から続くサロンへと移動して行った。子供はこのまま庭で交流する。
「ミュリエル様、大丈夫ですか?」
お茶会をした事のある令嬢に声をかけられる。
「緊張しますが、頑張ってみます」
「無理はなさらないでね」
そう言ってお友達の所へ行ってしまった。
どうやって人に話しかけようかな…庭の花を見ながら考える。
歩いていると1人で座っている令嬢に気づく。視線を下へ落とし、どうしたのかと近づいて行くと手元に本がある。
読書好きならお友達になれるかしら?驚かせないように声をかける。
「ご機嫌よう。何を読んでいらっしゃるの?」
「ご機嫌よう。小説ですわ。途中まで読んでいて気になってしまって」
「わたくしも読書が好きですの。お隣に座っても良いかしら?」
「ええ。どうぞ」
顔を上げた令嬢はブラウンの髪に綺麗なグリーンの瞳が印象的。
「わたくしランベール侯爵家のミュリエルです。10歳ですわ」
「わたくしはヌヴェール伯爵家のシャルロットです。同じく10歳ですわ」
「同じ歳ですのね。何を読んでいらしたの?」
タイトルを見せてくれる。私も好きな冒険小説だわ!
「わたくしもこの小説好きですわ」
「まぁ、趣味が合いますわね」
「わたくしお友達がいなくて…良ければお友達になってくれませんか?」
「ふふ、わたくしでよろしければ是非」
しばらく小説の話で盛り上がり、お茶会が苦手だと正直に言ってみた。
「大丈夫ですわ。お茶会が好きなのは…あちらの方達のような目立つのがお好きな方ですから」
シャルロットがちらりと視線を向けた先には、派手なドレスの集団が居る。
「あの方達はお喋りと着飾る事、子息の話が大好きですのよ」
「それは楽しいのかしら…?」
「わたくし達が読書を楽しむのと同じかもしれませんが、あまり気は合いませんわね」
「あれが「典型的なご令嬢」なのかしら…」
「ふふ、確かにあの方達は典型的なご令嬢と言えるわね。今日は子息が居ないけれど居たら凄いのよ」
「それはちょっと観察してみたいかも…」
「観察…ふふっ。ミュリエル様は面白いですわね」
あっ…観察は失礼だったかしら?
「今日のお茶会にいらしている方は大抵どこのお茶会でも会いますから、そのうち観察できますわ」
シャルロット様は年初めからお茶会に出ていて、色んな事をよく知っている。お手紙を書く事を約束してお茶会はお開きになった。
*****
邸に帰るとお兄様が待っていた。
「ミュリー、お帰り。お茶会は楽しかったかな?」
「フェル兄様、お友達が出来ましたのよ」
「じゃあ、サロンで話を聞かせてくれるかな?」
「もちろんですわ」
お友達になったシャルロット様の事を話し、典型的なご令嬢も見られて楽しかった事をお兄様に伝える。
あら?私1人としか交流していないわ…失敗かしら?
「別に沢山の人と話す必要はないよ。ヌヴェール嬢のように少しずつ気の合う友人を作っていけば良いんだよ」
「はい」
「今日はいつもより可愛くしてもらったね」
「外のお茶会だから、いつもより髪が広がらないようにしてくれたんです」
お兄様に手櫛で髪を梳かれる。
「いつものふわふわした髪も可愛いけれど、こういうのも良いね」
お茶会はシャルロット様とお友達になれて楽しかったけれど、やっぱり邸でお兄様とお茶をしている方が落ち着くわ。
うーん…私ってやっぱり引きこもりなのかしら?
「お嬢様、大丈夫ですわ。最初は誰でも緊張するものです」
「焦って返答をせず、落ち着いて答えれば大丈夫ですよ」
「うん。ありがとう」
「軽くランチを食べたら支度をしましょうね」
「分かったわ。よろしくね」
軽めのランチをお母様と一緒に食べる。
「今日のお茶会は伯爵家ですから、あまり気負いすぎずにお茶会の雰囲気を楽しみましょうね」
「はい。お母様」
初めは親子で一緒のテーブルに座るけれど、途中で別れるのよね。大人には大人の社交があるからなんだとか。
正直、自分から誰かに話しかけられる気がしない…。
ちょっと憂鬱になりながら部屋に戻り、ミア達にドレスを着せられ髪を結ってもらう。
水色に白のフリルやリボンの付いたドレスに、ハーフアップの髪は青いリボンに真ん中に白いお花が付いている髪飾りで留められる。広がりがちな波打つ髪はしっとりツヤツヤに纏まって、背中に流されている。
「凄い!髪がほわ~てしないよ!」
「お茶会は庭だと聞いていますので」
「ありがとう」
そういう気遣いが凄く嬉しい。
*****
お母様とお母様の侍女とミアと一緒にお茶会に向かう。
「ミュリエル。今日はとても可愛いわね」
「ありがとうございます。お母様はとっても綺麗です」
「ふふ、ありがとう」
お母様とお喋りをしていると、あっという間に着いてしまったわ。
招待してくれた伯爵夫人に挨拶に向かう。早口にならず、ちゃんとご挨拶できたと思う。
私達のテーブルはお茶会をした事のある家と一緒だった。知っている人に会うとほっとするわ。でも周りから視線を凄く感じるから居心地は悪い。
『幻の令嬢に興味津々だね』とフェーリは笑っているけれど、全然面白くないわよ…。
「お母様はあちらに居ますから、何かあればいらっしゃいね」
「はい。お母様」
しばらく談笑した後、お母様達は庭から続くサロンへと移動して行った。子供はこのまま庭で交流する。
「ミュリエル様、大丈夫ですか?」
お茶会をした事のある令嬢に声をかけられる。
「緊張しますが、頑張ってみます」
「無理はなさらないでね」
そう言ってお友達の所へ行ってしまった。
どうやって人に話しかけようかな…庭の花を見ながら考える。
歩いていると1人で座っている令嬢に気づく。視線を下へ落とし、どうしたのかと近づいて行くと手元に本がある。
読書好きならお友達になれるかしら?驚かせないように声をかける。
「ご機嫌よう。何を読んでいらっしゃるの?」
「ご機嫌よう。小説ですわ。途中まで読んでいて気になってしまって」
「わたくしも読書が好きですの。お隣に座っても良いかしら?」
「ええ。どうぞ」
顔を上げた令嬢はブラウンの髪に綺麗なグリーンの瞳が印象的。
「わたくしランベール侯爵家のミュリエルです。10歳ですわ」
「わたくしはヌヴェール伯爵家のシャルロットです。同じく10歳ですわ」
「同じ歳ですのね。何を読んでいらしたの?」
タイトルを見せてくれる。私も好きな冒険小説だわ!
「わたくしもこの小説好きですわ」
「まぁ、趣味が合いますわね」
「わたくしお友達がいなくて…良ければお友達になってくれませんか?」
「ふふ、わたくしでよろしければ是非」
しばらく小説の話で盛り上がり、お茶会が苦手だと正直に言ってみた。
「大丈夫ですわ。お茶会が好きなのは…あちらの方達のような目立つのがお好きな方ですから」
シャルロットがちらりと視線を向けた先には、派手なドレスの集団が居る。
「あの方達はお喋りと着飾る事、子息の話が大好きですのよ」
「それは楽しいのかしら…?」
「わたくし達が読書を楽しむのと同じかもしれませんが、あまり気は合いませんわね」
「あれが「典型的なご令嬢」なのかしら…」
「ふふ、確かにあの方達は典型的なご令嬢と言えるわね。今日は子息が居ないけれど居たら凄いのよ」
「それはちょっと観察してみたいかも…」
「観察…ふふっ。ミュリエル様は面白いですわね」
あっ…観察は失礼だったかしら?
「今日のお茶会にいらしている方は大抵どこのお茶会でも会いますから、そのうち観察できますわ」
シャルロット様は年初めからお茶会に出ていて、色んな事をよく知っている。お手紙を書く事を約束してお茶会はお開きになった。
*****
邸に帰るとお兄様が待っていた。
「ミュリー、お帰り。お茶会は楽しかったかな?」
「フェル兄様、お友達が出来ましたのよ」
「じゃあ、サロンで話を聞かせてくれるかな?」
「もちろんですわ」
お友達になったシャルロット様の事を話し、典型的なご令嬢も見られて楽しかった事をお兄様に伝える。
あら?私1人としか交流していないわ…失敗かしら?
「別に沢山の人と話す必要はないよ。ヌヴェール嬢のように少しずつ気の合う友人を作っていけば良いんだよ」
「はい」
「今日はいつもより可愛くしてもらったね」
「外のお茶会だから、いつもより髪が広がらないようにしてくれたんです」
お兄様に手櫛で髪を梳かれる。
「いつものふわふわした髪も可愛いけれど、こういうのも良いね」
お茶会はシャルロット様とお友達になれて楽しかったけれど、やっぱり邸でお兄様とお茶をしている方が落ち着くわ。
うーん…私ってやっぱり引きこもりなのかしら?
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