女神の愛し子だけど役目がありません!

塩豆大福

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19話

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アルベール様の家のお茶会に出てから、規模の大きいものにも出席するようになったわ。

何度も出ていると慣れるもので、あっという間に1年が経ってしまった。

時々ジュリエット様を見かけたけれど、ご挨拶だけで特に交流はないの。フェーリは私のお友達がまともな事にほっとしていたわ。

『あの派手な集団、毎回凄いよね~』
『そうね。もう見慣れたけれど、本人に似合うものを着た方が良いわよね…』
『誰も似合ってないし、ちょっとした見世物だよ』
『見世物は言い過ぎよ』
『だって、頭には大きな髪飾りに原色のドレス。装飾も過剰だし道化師みたいだよ』
『まぁ…髪飾りやドレスに目がいってしまって顔が覚えられないけれど…』

子供のお化粧は薄いから、メイクとドレスがとてもチグハグで顔の印象が残らないのよね…。

ジュリエット様だけは、何とか見分けて挨拶をしているわ。

一応親戚だし挨拶をしないと何か言われそうでしょう?面倒事になりそうな事はできるだけ避けているの。



*****



学園に社交とお兄様達も忙しくなり、アルベール様が遊びに来ることも随分減ったわ。

「ミュリエル、あいつは迷惑をかけてないか?」
「はい。ご挨拶しかしませんから」
「見分けるの大変だろ?」
「髪と瞳の色を頼りに探しています…後は1番派手なドレスの方だろうと…」

派手なドレスの令嬢は集団で居るから、そこから見つけ出すのは結構難しい。1番目が痛い人が大体ジュリエット様よ。

でも実の妹なのに呼び方が「あいつ」なのはどうなのかしら?

「無理して挨拶なんてしなくて良いんだぞ」
「でも、アルベール様の妹ですし親戚ですから」
「ミュリーは優しいね」

お兄様は私が一緒じゃないと挨拶には行かない。あの格好のせいなのか、性格のせいなのか分からないけれど嫌っているわ。

「でも来年入学して、ジュリエット様が分かるのか自信が無いです…」

派手ドレスという最大の目印が無くなってしまう…顔は何となくしか覚えていない。

「学内で見かけても無視して良いぞ。関わるとろくな事にならないからな」
「そうだね。学年も違うし校舎は広いから、会うこともあまり無いよ」
「そうなのですね」

お兄様と1年だけ一緒に通えるけれど、あまり会えないのかしら?ちょっと寂しいわ…。

「ミュリーが入学したら時々ランチを一緒に食べよう。1年だけとはいえ、一緒に通えるのを楽しみにしているよ」
「はい。フェル兄様」
「フェル、あの隣にくっつくのは止めろよ」

子息も居るお茶会に一緒に行くと、お兄様はいつも私の隣に椅子を持ってきてくっついて座るわ。そうすると誰も声をかけてこないの。

「ミュリーに変な虫がつかないよう、気をつけないといけないからね」
「学園は社交界より噂が立ちやすいんだぞ…」
「あの、フェル兄様のご迷惑になるのは…」

シスコンだと学園で噂になったら、お兄様のイメージダウンだわ!

「アルの言う事は気にしなくて良いよ。ミュリーとのランチを楽しみにしているからね」

アルベール様は微妙な顔をしているから、あまり良くない気もするけれど…お兄様のキラキラした笑顔で言われると頷いてしまうわ。

「そういえば、今度お友達がお見合いをするんです。フェル兄様達は、そろそろ婚約者は決まるのでしょうか?」

2人共、最終学年になるだし、そろそろ婚約の話があっても良いはずよね?

どんな方と婚約されるのかしら?

恋愛小説は相変わらずあまり興味が無いけれど、恋バナはお友達のお陰で少し好きになったのよ。

「あぁ…婚約な……」
「ミュリー、僕達はそれぞれ父様の跡を継ぐために王宮に就職するからね。卒業したらとても忙しくなる。きっと婚約者に構う時間も無いから、落ち着いてからになると思うよ」
「そうなのですね」

男性はすぐ結婚しなくても良いのかしら?

お仕事に慣れてからの方が爵位を継ぐのも楽なのかも。嫡男って大変なのね。

「お家も継ぐから大変だと思いますが、お2人共応援していますわ」
「ありがとう、ミュリー」

うーん…お兄様とアルベール様は少し違うのかしら?お兄様は笑顔だけれどアルベール様が微妙な顔をしているのよね。

普段は何でも遠慮なく言うアルベール様だけれど、こういう時は黙っちゃうのよ。



*****



寝る前の愛し子の力と魔力操作は続けているわ。

もうフェーリから怒られることも無くなったけれど、やらないと落ち着かなくてフェーリとお喋りしながら続けているの。

『年が明けたら学園に入学するのよ』
『学園ってうるさそうだよね~』
『沢山の生徒が居るから仕方がないわ』
『そういえば、下位貴族とは学園で初めて会うんだろ?』
『そうね。お茶会は伯爵家までしか来ていないから。でも侍女のミア達は子爵家出身だけれど、ちゃんとしているから大丈夫じゃないかしら?』
『あの2人は優秀だから参考にならないと思うよ』

確かにとても優秀だわ。

私が生まれる時に公爵家から伯爵家へ、エマと共に来たらしい。実家から人材が送られてくるって…普通なのかな?

令嬢としてはちゃんと出来ていると思うけれど、いまいちこの世界の常識が分からないわ。

『でも皆お茶会に出て、家で学んで入学するもの大丈夫よ』
『そうだと良いけど』

フェーリは学園に行くの嫌そうね…。私も少し不安だけれど楽しみだわ。



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