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39話
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あっという間に夏季休暇に入ったわ。
学園に入ってから時が経つのが早く感じるのよね。
そして…有言実行なのか、お兄様の膝に乗せられる事が増えたわ。
成長が遅いのは認めるけれど、私だって来年成人なのよ?
使用人達は何も言わないし微笑ましそうだけれど、この扱いはどうなのかしら?
お兄様は仕事が忙しく、膝に乗せられる事も無くなったから、シスコンから脱出しつつあると思っていたのに。
私もお兄様が基準ではあるけれど、ブラコンから脱出出来そうなのに何故こうなったの?
「デビュタントのドレスは、どんなデザインにするか決まったかな?」
「先日、お母様とデザインを決めましたわ」
「そう。当日エスコートをするのが楽しみだよ」
デビュタントのドレスはデザインは自由だけれど白一色と決まっているわ。
白一色のドレスはデビュタントでしか着る事が出来ないから特別なの。純潔とか純真という意味があるそう。
昔はデビュタントして、すぐ結婚する事も多かったかららしい。
でも…令嬢だけ大人になりましたっていう、デビュタントがあるのも変な感じ。
「フェル兄様。どうして子息にはデビュタントが無いのかしら?」
「あぁ。若くして爵位を継がなければならない事もあるからね。成人を決めてしまうと、その年齢に達していない場合に色々不都合があるから」
「それは正しく継がれないとかですか?」
「それもあるね。今は幼くして継いでも、国から毎年監査が入るから代理でも問題無いけど」
私が赤ちゃんの時に継いでいたら、叔母夫婦が代理で毎年監査が入っていたのね。
「どうかした?」
「お父様が引き取って下さらなければ、私もそうだったのかと」
「いや、ミュリーは病弱で赤ちゃんだったからね。成人したら爵位を継ぐという話だったかな?だから1度はミュリーの叔母上が正式に継いで、成人したらミュリーが継ぐという事だね」
乳母のエマから話は聞いたはずだけれど、引き取られた理由は昔過ぎてざっくりとしか覚えていないわ。
叔母様は何と言うか…馬鹿正直な人ね。
息子に継がせたいのなら、私と結婚させれば良かったんだもの。伴侶として代理でも伯爵家を継げたわ。
そうしたら公爵家からの支援も後ろ盾も、失う事は無かったのに…。
*****
ダンスの練習も順調よ。
スローテンポなら3曲は話しながら踊っても、息が上がらなくなったわ。
恥ずかしさはまだあるけれど…。
テンポの早い曲は2曲が限界ね。でも、お兄様とリュカのリードは踊りやすいから、初めての人とは難しいかしら?
「うん。余裕を持って踊れるようになってきたね」
「フェル兄様とリュカのリードのお陰もありますわ」
「そうだね。初めての相手とはリード次第かな?」
学園でもダンスの授業はあるけれど、先生から合格をもらえば免除されるのよね。
クラスメイトの子息と踊ったのも1年だけ。
「1年生の時にダンスの授業で踊りましたが、あまり上手く踊れなかった気がします」
「お茶会では舞踏は無いからね。緊張していたんだろう」
「確かに私も緊張していましたわ。他の方と踊るのは初めてでしたから」
「学園でも緊張するんだ、夜会なんて最初はもっと緊張するからね」
最初はお兄様のエスコートで踊るから、大丈夫だと思うけれど…。
「ダンスに誘われたら、断るのはあまり良くないのですよね?」
「そうだね。でも無理して踊る必要も無いから、嫌だったら僕が断ってあげるから」
お兄様は笑っているけれど、それは良いのかしら?一応、夜会は婚活の意味もあるのよ。
まぁ…結婚したいかと聞かれると微妙だけれど…。
だって前世の結婚って、10代で結婚する人もいたけれど、多くの人が学校を卒業して就職してからだから早くて25歳前後?
いまだに前世の感覚と、この世界の常識で違和感を感じる時があるのよね。卒業する頃には当たり前に受け入れられるのかしら?
*****
夏季休暇はお母様と避暑地へ行き、今年は少しだけ領地にも行けたわ。
お兄様のように視察は出来なかったけれど、お母様から亡くなった両親の馴れ初めを聞けたの。
「デビュタントして何度目かの夜会で、ミュリエルのお母様、妹が一目惚れしてね。それまで少し人見知りだったのに、性格が変わったみたいに猛アプローチを始めて驚いたわ」
でも、父の伯爵家は財政状況が悪く、本人からも断られたし、お爺様達も最初は反対されたそう。
「でも、障害があれば燃え上がるって言葉通りだったわ。自分を娶るメリットを提示したり、アプローチの方向がちょっとズレていたけれどね」
お爺様は父が母の気持ちに答えたのなら、支援するし結婚も許すと言ったそうなの。
公爵家として打診する事はしなかったそう。あくまで父の気持ち次第。
「貴女のお父様はとても誠実な方でね、お爺様達も認めていたわ。それでも快い返事はもらえなかったの。でもね、2年も一途に追いかけてくる姿に絆されたのか、2人が婚約した時は本当に嬉しかったわ」
お母様は懐かしそうに話しながら、当時を思い出したのか笑ったり呆れたりしながら教えてくれたわ。
「もし叶うなら、当時追いかけられる事を、父がどう思っていたのか聞いてみたいです」
「ふふ、そうね。私も途中からは諦めて落とされたら良いのにって思っていたわ」
母は恋には肉食系だったなんて、肖像画の姿からは想像出来ないわ。
私も夜会で、そんな出会いがあるのかしら?
学園に入ってから時が経つのが早く感じるのよね。
そして…有言実行なのか、お兄様の膝に乗せられる事が増えたわ。
成長が遅いのは認めるけれど、私だって来年成人なのよ?
使用人達は何も言わないし微笑ましそうだけれど、この扱いはどうなのかしら?
お兄様は仕事が忙しく、膝に乗せられる事も無くなったから、シスコンから脱出しつつあると思っていたのに。
私もお兄様が基準ではあるけれど、ブラコンから脱出出来そうなのに何故こうなったの?
「デビュタントのドレスは、どんなデザインにするか決まったかな?」
「先日、お母様とデザインを決めましたわ」
「そう。当日エスコートをするのが楽しみだよ」
デビュタントのドレスはデザインは自由だけれど白一色と決まっているわ。
白一色のドレスはデビュタントでしか着る事が出来ないから特別なの。純潔とか純真という意味があるそう。
昔はデビュタントして、すぐ結婚する事も多かったかららしい。
でも…令嬢だけ大人になりましたっていう、デビュタントがあるのも変な感じ。
「フェル兄様。どうして子息にはデビュタントが無いのかしら?」
「あぁ。若くして爵位を継がなければならない事もあるからね。成人を決めてしまうと、その年齢に達していない場合に色々不都合があるから」
「それは正しく継がれないとかですか?」
「それもあるね。今は幼くして継いでも、国から毎年監査が入るから代理でも問題無いけど」
私が赤ちゃんの時に継いでいたら、叔母夫婦が代理で毎年監査が入っていたのね。
「どうかした?」
「お父様が引き取って下さらなければ、私もそうだったのかと」
「いや、ミュリーは病弱で赤ちゃんだったからね。成人したら爵位を継ぐという話だったかな?だから1度はミュリーの叔母上が正式に継いで、成人したらミュリーが継ぐという事だね」
乳母のエマから話は聞いたはずだけれど、引き取られた理由は昔過ぎてざっくりとしか覚えていないわ。
叔母様は何と言うか…馬鹿正直な人ね。
息子に継がせたいのなら、私と結婚させれば良かったんだもの。伴侶として代理でも伯爵家を継げたわ。
そうしたら公爵家からの支援も後ろ盾も、失う事は無かったのに…。
*****
ダンスの練習も順調よ。
スローテンポなら3曲は話しながら踊っても、息が上がらなくなったわ。
恥ずかしさはまだあるけれど…。
テンポの早い曲は2曲が限界ね。でも、お兄様とリュカのリードは踊りやすいから、初めての人とは難しいかしら?
「うん。余裕を持って踊れるようになってきたね」
「フェル兄様とリュカのリードのお陰もありますわ」
「そうだね。初めての相手とはリード次第かな?」
学園でもダンスの授業はあるけれど、先生から合格をもらえば免除されるのよね。
クラスメイトの子息と踊ったのも1年だけ。
「1年生の時にダンスの授業で踊りましたが、あまり上手く踊れなかった気がします」
「お茶会では舞踏は無いからね。緊張していたんだろう」
「確かに私も緊張していましたわ。他の方と踊るのは初めてでしたから」
「学園でも緊張するんだ、夜会なんて最初はもっと緊張するからね」
最初はお兄様のエスコートで踊るから、大丈夫だと思うけれど…。
「ダンスに誘われたら、断るのはあまり良くないのですよね?」
「そうだね。でも無理して踊る必要も無いから、嫌だったら僕が断ってあげるから」
お兄様は笑っているけれど、それは良いのかしら?一応、夜会は婚活の意味もあるのよ。
まぁ…結婚したいかと聞かれると微妙だけれど…。
だって前世の結婚って、10代で結婚する人もいたけれど、多くの人が学校を卒業して就職してからだから早くて25歳前後?
いまだに前世の感覚と、この世界の常識で違和感を感じる時があるのよね。卒業する頃には当たり前に受け入れられるのかしら?
*****
夏季休暇はお母様と避暑地へ行き、今年は少しだけ領地にも行けたわ。
お兄様のように視察は出来なかったけれど、お母様から亡くなった両親の馴れ初めを聞けたの。
「デビュタントして何度目かの夜会で、ミュリエルのお母様、妹が一目惚れしてね。それまで少し人見知りだったのに、性格が変わったみたいに猛アプローチを始めて驚いたわ」
でも、父の伯爵家は財政状況が悪く、本人からも断られたし、お爺様達も最初は反対されたそう。
「でも、障害があれば燃え上がるって言葉通りだったわ。自分を娶るメリットを提示したり、アプローチの方向がちょっとズレていたけれどね」
お爺様は父が母の気持ちに答えたのなら、支援するし結婚も許すと言ったそうなの。
公爵家として打診する事はしなかったそう。あくまで父の気持ち次第。
「貴女のお父様はとても誠実な方でね、お爺様達も認めていたわ。それでも快い返事はもらえなかったの。でもね、2年も一途に追いかけてくる姿に絆されたのか、2人が婚約した時は本当に嬉しかったわ」
お母様は懐かしそうに話しながら、当時を思い出したのか笑ったり呆れたりしながら教えてくれたわ。
「もし叶うなら、当時追いかけられる事を、父がどう思っていたのか聞いてみたいです」
「ふふ、そうね。私も途中からは諦めて落とされたら良いのにって思っていたわ」
母は恋には肉食系だったなんて、肖像画の姿からは想像出来ないわ。
私も夜会で、そんな出会いがあるのかしら?
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