女神の愛し子だけど役目がありません!

塩豆大福

文字の大きさ
41 / 51

40話

しおりを挟む
休暇が終わり学園が始まると、婚約に向けて色々な話が聞こえてくる。

お付き合いから婚約に話が進んでいる方もいれば、夏季休暇の間に別れてしまった方もいるわ。

昨年までは、婚約した話しか知らなかったから、別れる事もあるのかと驚いた。

「家に影響が無い方達の別れた話は結構聞きますわ」

恋愛に詳しいアリアーヌ様から色々と教えてもらったわ。

シャルロット様のように政略絡みの場合は、最終的な相性を見るための期間で余程性格が合わないなど、問題が無ければ婚約するそう。

ソフィア様のような顔見知りからだと、政略では無くとも家同士の繋がりもあるから、別れるとなると理由次第では揉めるらしい。

「最悪、家同士の関係にも影響しますわ」
「お付き合いって上手くいかないと、色々な問題があるのですね」
「互いの好意だけで付き合う方は、別れるのも簡単ですけれどね」

貴族でも今は半分は恋愛結婚。政略なのは嫡男、嫡女の方ね。

継ぐ方は相手に能力や人柄、家同士の関係など求める物が色々あるものね。

「アリアーヌ様は政略絡みで選ばれていますの?」
「ええ。弟が継いだ時に多少は力になれる方をと思いますわ」
「皆様、しっかりされていて凄いです…」

ちょっと拗ねたような言い方になってしまったわ…。

「ふふ、ミュリエル様は可愛らしいですわね」
「デビュタントは来年ですが卒業まで、まだまだ時間はありますわ」
「焦ってお見合いをしても良い事はありませんわよ」

確かに時間もあるし焦っても仕方がないわ。

でも…私だけいつまでも子供みたいな気がするわ…。



*****



あれから結構真剣に考えているけれど、付き合ったら婚約と結婚がほぼ確定してしまうのよね。

別れる人もいるけれど、大体2、3人目で決まるんだとか。

あまり付き合った人数が多いと、それはそれで問題があるものね。

お喋りして、お手紙のやり取りして…この人となる決め手って何かしら?

涼しくなってきた庭で、ティータイムを楽しみながら考えていると。

「ミュリー。そろそろ外でのティータイムは風邪をひいてしまうよ?」
「フェル兄様。今日は日差しが暖かいんです」
「そうだね。でも、明日からはサロンにしようね」
「はい」

隣の椅子に座ったお兄様をちらりと見る。

お兄様はどうなのかしら?お見合いをしたと言っていたかしら?

「ミュリー、どうかした?」
「フェル兄様はお見合いってしました?」
「一応したよ」
「どうでした」
「特に何も。その後には続かなかったしね」
「そうなのですか?」

お兄様は理想が高いのかしら?

それとも、初対面で何か分かるのかしら?

「ミュリーもお見合いをしてみたくなったのかな?」
「いえ、その先を考えていないのに会うのは…」
「ふふっ、考えてないの?」
「だって…家を出て誰かと暮らすとか想像が出来ないんですもの」
「それだけこの家が好きなんだね」

もちろん家族も使用人達も大好きよ。お兄様もだけれど、皆私に甘いのよね。

このままだとズルズルと甘えてしまいそうだわ。

「デビュタントをしたら実感できるのかしら?」
「多少は気持ちに変化があるだろうね。少しずつ大人になれば良いよ」

キラキラした笑顔のお兄様に撫でられてほっとする。

お兄様に撫でられて安心していて、大人にちゃんとなれるのかしら?



*****



3年生も終わりが近づき、シャルロット様とソフィア様は婚約されたわ。

アリアーヌ様はもう少し考えるそう。

皆様との友人関係は変わらないけれど、少しずつ変化が出てきたわ。

どんどん周りが大人になっていくのよ…ちょっとだけ落ち込むわ。

気分が沈んでいても、デビュタントに向けて予定は沢山あるの。

今日はデビュタントのドレスの仮縫い。

「まぁ、ミュリエルよく似合わうわ」

衝立から出ると、お母様が満足そうに笑っている。領地で買った真珠のジュエリーも合わせ鏡の前に立つ。

分かりやすいようにアップに髪は纏められ、胸元には4連のパールに中心には瞳と同じ色の石が輝く。

イヤリングや髪飾りも、パール以外は同じ青い石が使われ、白と青で派手過ぎない清楚な感じ。

「お母様が選んでくださったジュエリーも素敵です」

可愛すぎないデザインがとても素敵。

「これなら、お兄様にエスコートをされても見劣りしないかしら?」
「ふふ、見劣りなんてする訳ないわ。きっと2人並んだらとっても素敵よ」
「ふふ。お兄様とダンスをしたい、ご令嬢に睨まれてしまいそうだわ」
「大丈夫よ。フェリクスは夜会で全然踊らないから」
「そうなのですか?とてもダンスがお上手なのに」
「ほんと、困った子なのよ」

困ったと言う割には、お母様は何だか楽しそう。

「お兄様は気をもたせるような事をしないだけですわ」
「そうね。変に勘違いされても困るものね」

溜息をつくあたり、何かあったのかしら?

「そうだわ。夜会に出るようになればフランドル伯爵家やジュリエットとも顔を合わせるわ。交流を持つ必要は無いけれど、心構えだけはしておきなさいね」
「はい。お母様」
「何かあれば、いつでも相談しなさいね」

お父様とお母様は顔を合わせる事は少ないけれど、いつ会っても優しく大事にされていると実感できるわ。

不安もあるけれど、デビュタントが楽しみね。




​───────​───────

完結まで書いて連載をスタートしましたが、途中少し書き換えた結果詰まってしまいました(。•́ω•̀。)

描き上がり次第更新していきます。
読んでくださる皆様にはご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています

六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。 しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。 「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】

かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。 名前も年齢も住んでた町も覚えてません。 ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。 プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。 小説家になろう様にも公開してます。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

【完結】転生したら脳筋一家の令嬢でしたが、インテリ公爵令息と結ばれたので万事OKです。

櫻野くるみ
恋愛
ある日前世の記憶が戻ったら、この世界が乙女ゲームの舞台だと思い至った侯爵令嬢のルイーザ。 兄のテオドールが攻略対象になっていたことを思い出すと共に、大変なことに気付いてしまった。 ゲーム内でテオドールは「脳筋枠」キャラであり、家族もまとめて「脳筋一家」だったのである。 私も脳筋ってこと!? それはイヤ!! 前世でリケジョだったルイーザが、脳筋令嬢からの脱却を目指し奮闘したら、推しの攻略対象のインテリ公爵令息と恋に落ちたお話です。 ゆるく軽いラブコメ目指しています。 最終話が長くなってしまいましたが、完結しました。 小説家になろう様でも投稿を始めました。少し修正したところがあります。

二度目の子育て~我が子を可愛がったら溺愛されました

三園 七詩
恋愛
私は一人娘の優里亜の母親だった。 優里亜は幼い頃から体が弱く病院でほとんどの時間を過ごしていた。 優里亜は本が好きでよく私にも本の話をしてくれた。 そんな優里亜の病状が悪化して幼くして亡くなってしまう。 絶望に打ちひしがれている時事件に巻き込まれ私も命を落とした。 そして気がつくと娘の優里亜が大好きだった本の世界に入り込んでいた。

捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。

蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。 これで、貴方も私も自由です。 ……だから、もういいですよね? 私も、自由にして……。 5年後。 私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、 親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、 今日も幸せに子育てをしています。 だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。 私のことは忘れて……。 これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。 はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?

処理中です...