今川義元から無慈悲な要求をされた戸田康光。よくよく聞いてみると悪い話では無い。ならばこれを活かし、少しだけ歴史を動かして見せます。

俣彦

文字の大きさ
9 / 103

受け渡し場所

しおりを挟む
戸田光忠「只今、今橋より戻りました。おっ!忠次も到着したか。」
戸田忠次「此度は申し訳御座いませんでした。」
戸田光忠「いや、それを兄に伝えたのは私である。気にする事は無い。」
戸田康光「と、皆が言っておる。心配致すな。」
戸田忠次「ありがとうございます。」
戸田康光「ところで雪斎和尚は何と言っておった?」
戸田光忠「はい。」

 少し戻って今橋城。

太原雪斎「私共の説明ですと
『駿河まで。』
になっていました。申し訳御座いません。先程、戸田様からの書状読ませていただきました。義元や国衆との連絡はまだこれからであります故、私心となりますが。」
戸田光忠「お願いします。」
太原雪斎「わかりました。まず海を使って直接駿河に向かう事についてであります。戸田様の……尭光様の指摘にありましたように伊良湖海域が不安定な状況にありますので、避けるべきである。と考えます。」
戸田光忠「はい。」
太原雪斎「次の今橋城での受け渡しについてであります。こちらについては……。」
戸田光忠「海を使って今橋に向かう所存であります。」
太原雪斎「船旅の距離も短く。今橋から遠江までの道のりが全て戸田様の権益でありますので、竹千代様の安全を確保する上で理想であります。
 ただ海での移動が宝飯郡の海岸付近を通過する事になりますと、戸田様と牧野との間で諍いになっていた場所を通過する事になります。今は戸田様がきちんと治められているとの事でありますが、竹千代様と言う大物が通るには不安を覚える所があります。
 加えて上陸地点となります場所が伊奈にある本田の権益付近となります。本田は既に今川方になる事を表明されていますが、彼の地は牧野の本貫地。獲得を望んでいた場所であります。」
戸田光忠「船を降りる時、不測の事態が発生する恐れがある?」
太原雪斎「その通りであります。」
戸田光忠「そうなりますと……。」

 戻って二連木城。

戸田光忠「竹千代様を私が管轄しています大津に様上陸していただき、陸路。長年、今川の最前線基地でありました船形山。普門寺までお連れする運びとなりました。」
戸田宣光「もし途中、牧野が不穏な動きを見せたとしても……。」
戸田尭光「今橋(今川)と二連木(戸田)で防ぐ事が出来るな……。」
戸田光忠「無難な所に落ち着いたのでは無いでしょうか?」
戸田康光「それで何だが忠次。」
戸田忠次「はい。」
戸田康光「其方に頼みたい事がある。」
戸田忠次「何でありましょうか?」
戸田康光「松平の倅を船形山までお連れする役目。其方に任そうと考えている。如何であろう?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【戦国時代小説】 甲斐の虎•武田信玄と軍師•山本勘助

蔵屋
歴史・時代
 わたしは、以前、甲斐国を観光旅行したことがある。  何故、甲斐国なのか?  それは、日本を象徴する富士山があるからだ。     さて、今回のわたしが小説の題材にした『甲斐の虎•武田信玄と軍師•山本勘助』はこの甲斐国で殆どの戦国乱世の時代を生き抜いた。そして越後の雄•上杉謙信との死闘は武田信玄、山本勘助にとっては人生そのものであったことだろう。  そんな彼らにわたしはスポットライトを当て読者の皆さんに彼らの素顔を知って頂く為に物語として執筆したものである。  なお、この小説の執筆に当たり『甲陽軍鑑』を参考にしていることを申し述べておく。  それでは、わたしが執筆した小説を最後までお楽しみ下さい。  読者の皆さんの人生において、お役に立てれば幸いです。  

高天神攻略の祝宴でしこたま飲まされた武田勝頼。翌朝、事の顛末を聞いた勝頼が採った行動とは?

俣彦
歴史・時代
高天神城攻略の祝宴が開かれた翌朝。武田勝頼が採った行動により、これまで疎遠となっていた武田四天王との関係が修復。一致団結し向かった先は長篠城。

もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら

俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。 赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。 史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。 もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。

【アラウコの叫び 】第3巻/16世紀の南米史

ヘロヘロデス
歴史・時代
【毎週月曜07:20投稿】 3巻からは戦争編になります。 戦物語に関心のある方は、ここから読み始めるのも良いかもしれません。 ※1、2巻は序章的な物語、伝承、風土や生活等事を扱っています。 1500年以降から300年に渡り繰り広げられた「アラウコ戦争」を題材にした物語です。 マプチェ族とスペイン勢力との激突だけでなく、 スペイン勢力内部での覇権争い、 そしてインカ帝国と複雑に様々な勢力が絡み合っていきます。 ※ 現地の友人からの情報や様々な文献を元に史実に基づいて描かれている部分もあれば、 フィクションも混在しています。 動画制作などを視野に入れてる為、脚本として使いやすい様に、基本は会話形式で書いています。 HPでは人物紹介や年表等、最新話を先行公開しています。 公式HP:アラウコの叫び youtubeチャンネル名:ヘロヘロデス insta:herohero_agency tiktok:herohero_agency

【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記

糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。 それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。 かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。 ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。 ※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。

信忠 ~“奇妙”と呼ばれた男~

佐倉伸哉
歴史・時代
 その男は、幼名を“奇妙丸”という。人の名前につけるような単語ではないが、名付けた父親が父親だけに仕方がないと思われた。  父親の名前は、織田信長。その男の名は――織田信忠。  稀代の英邁を父に持ち、その父から『天下の儀も御与奪なさるべき旨』と認められた。しかし、彼は父と同じ日に命を落としてしまう。  明智勢が本能寺に殺到し、信忠は京から脱出する事も可能だった。それなのに、どうして彼はそれを選ばなかったのか? その決断の裏には、彼の辿って来た道が関係していた――。  ◇この作品は『小説家になろう(https://ncode.syosetu.com/n9394ie/)』でも同時掲載しています◇

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

楽将伝

九情承太郎
歴史・時代
三人の天下人と、最も遊んだ楽将・金森長近(ながちか)のスチャラカ戦国物語 織田信長の親衛隊は 気楽な稼業と きたもんだ(嘘) 戦国史上、最もブラックな職場 「織田信長の親衛隊」 そこで働きながらも、マイペースを貫く、趣味の人がいた 金森可近(ありちか)、後の長近(ながちか) 天下人さえ遊びに来る、趣味の達人の物語を、ご賞味ください!!

処理中です...