旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。

俣彦

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よく続くよな……

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真田幸隆「それだけ金山の威力が大きいと言う事なのでしょう。」



 16世紀に入り、石見銀山において、大陸より伝来した『灰吹法』と呼ばれる方法が導入され、これまでは粉でしか採ることが出来なかった金や銀を鉱石から取り出すことが出来るようになり、生野銀山を経て全国へと拡散。この技術を甲斐の武田晴信が採用。甲斐における金の産出量は増加の一途を辿るのでありました。



私(村上義清)「そうでもなければ治水工事にまで手が回らないからな……。」



 日本において、稲作が盛んになってから最も重要視されて来たのが水の管理。勿論無ければ成り立ちませんので水が手に入るところで開墾。定住していくことになったのでありましたが、その水を運ぶ日本の川は厄介極まりないもの。大雨が降るたびに川から水が溢れだすばかりか流れる道が変わってしまう。当初はそれも踏まえて切り開いていったのでありましたが、それが可能となる土地が少なくなって来ますと危険を承知した上で、洪水の恐れのあるところへおりていく。自己責任と言ってしまえばそれまでのことなのかもしれませんが、そんなことを言う為政者に従う理由はありません。それでは困るので洪水の恐れのある場所での収穫物は非課税の措置が施されるのでありました。でもそれでは治める意味がない。出来れば収穫物から課税をしたい。そのためには川を制御しなければなりません。ただ……。



私(村上義清)「莫大な費用を要することになるんだよな……。」



 江戸時代に入り、各地で治水や用水路が作られたのでありましたが、自腹でもって請け負った藩の家老が切腹に追い込まれるまで財政が逼迫しましたり、有力者が全財産を投げ打って没落するなどいくさにお金を掛けなくても良くなった平和な時代であっても正直。やるようなものではありませんでした。それを……。



私(村上義清)「いくさをしながらやっているんだよな。あいつ(武田晴信)は……。それに……。」



 現在のインフラ投資事業についても、それをやったからと言って即収益増に繋がらないものがほとんど。特に国や地方の公共団体から発注される事業は、仕事を創出することが目的。そのため、やればやるほど政府の財政は苦しいものとなる。そんな割に合わないことを。



私(村上義清)「武田晴信はやっているのだな……。それだけの富があるから戦線を拡大することが出来ているとも言えるのだが。」

真田幸隆「金はいづれ採れなくなることも晴信は知っています。甲斐において京で売ることが出来るような特産物はありませぬ。金が無くなればまた元の姿に戻ることになることを晴信は知っています。」

私(村上義清)「だからこそ信濃への進出を急いでいる。急いでいるが故、隙が出て来るかもしれぬ。でもな……。武田は強大だからな……。にしても幸隆。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「なんでお前は甲斐のことに詳しいんだ。」

真田幸隆「いえ殿には以前にも話しましたが私。ここに来る前は、板垣信方の家臣をしておりましたので……。」
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