10 / 625
よく続くよな……
しおりを挟む
真田幸隆「それだけ金山の威力が大きいと言う事なのでしょう。」
16世紀に入り、石見銀山において、大陸より伝来した『灰吹法』と呼ばれる方法が導入され、これまでは粉でしか採ることが出来なかった金や銀を鉱石から取り出すことが出来るようになり、生野銀山を経て全国へと拡散。この技術を甲斐の武田晴信が採用。甲斐における金の産出量は増加の一途を辿るのでありました。
私(村上義清)「そうでもなければ治水工事にまで手が回らないからな……。」
日本において、稲作が盛んになってから最も重要視されて来たのが水の管理。勿論無ければ成り立ちませんので水が手に入るところで開墾。定住していくことになったのでありましたが、その水を運ぶ日本の川は厄介極まりないもの。大雨が降るたびに川から水が溢れだすばかりか流れる道が変わってしまう。当初はそれも踏まえて切り開いていったのでありましたが、それが可能となる土地が少なくなって来ますと危険を承知した上で、洪水の恐れのあるところへおりていく。自己責任と言ってしまえばそれまでのことなのかもしれませんが、そんなことを言う為政者に従う理由はありません。それでは困るので洪水の恐れのある場所での収穫物は非課税の措置が施されるのでありました。でもそれでは治める意味がない。出来れば収穫物から課税をしたい。そのためには川を制御しなければなりません。ただ……。
私(村上義清)「莫大な費用を要することになるんだよな……。」
江戸時代に入り、各地で治水や用水路が作られたのでありましたが、自腹でもって請け負った藩の家老が切腹に追い込まれるまで財政が逼迫しましたり、有力者が全財産を投げ打って没落するなどいくさにお金を掛けなくても良くなった平和な時代であっても正直。やるようなものではありませんでした。それを……。
私(村上義清)「いくさをしながらやっているんだよな。あいつ(武田晴信)は……。それに……。」
現在のインフラ投資事業についても、それをやったからと言って即収益増に繋がらないものがほとんど。特に国や地方の公共団体から発注される事業は、仕事を創出することが目的。そのため、やればやるほど政府の財政は苦しいものとなる。そんな割に合わないことを。
私(村上義清)「武田晴信はやっているのだな……。それだけの富があるから戦線を拡大することが出来ているとも言えるのだが。」
真田幸隆「金はいづれ採れなくなることも晴信は知っています。甲斐において京で売ることが出来るような特産物はありませぬ。金が無くなればまた元の姿に戻ることになることを晴信は知っています。」
私(村上義清)「だからこそ信濃への進出を急いでいる。急いでいるが故、隙が出て来るかもしれぬ。でもな……。武田は強大だからな……。にしても幸隆。」
真田幸隆「はい。」
私(村上義清)「なんでお前は甲斐のことに詳しいんだ。」
真田幸隆「いえ殿には以前にも話しましたが私。ここに来る前は、板垣信方の家臣をしておりましたので……。」
16世紀に入り、石見銀山において、大陸より伝来した『灰吹法』と呼ばれる方法が導入され、これまでは粉でしか採ることが出来なかった金や銀を鉱石から取り出すことが出来るようになり、生野銀山を経て全国へと拡散。この技術を甲斐の武田晴信が採用。甲斐における金の産出量は増加の一途を辿るのでありました。
私(村上義清)「そうでもなければ治水工事にまで手が回らないからな……。」
日本において、稲作が盛んになってから最も重要視されて来たのが水の管理。勿論無ければ成り立ちませんので水が手に入るところで開墾。定住していくことになったのでありましたが、その水を運ぶ日本の川は厄介極まりないもの。大雨が降るたびに川から水が溢れだすばかりか流れる道が変わってしまう。当初はそれも踏まえて切り開いていったのでありましたが、それが可能となる土地が少なくなって来ますと危険を承知した上で、洪水の恐れのあるところへおりていく。自己責任と言ってしまえばそれまでのことなのかもしれませんが、そんなことを言う為政者に従う理由はありません。それでは困るので洪水の恐れのある場所での収穫物は非課税の措置が施されるのでありました。でもそれでは治める意味がない。出来れば収穫物から課税をしたい。そのためには川を制御しなければなりません。ただ……。
私(村上義清)「莫大な費用を要することになるんだよな……。」
江戸時代に入り、各地で治水や用水路が作られたのでありましたが、自腹でもって請け負った藩の家老が切腹に追い込まれるまで財政が逼迫しましたり、有力者が全財産を投げ打って没落するなどいくさにお金を掛けなくても良くなった平和な時代であっても正直。やるようなものではありませんでした。それを……。
私(村上義清)「いくさをしながらやっているんだよな。あいつ(武田晴信)は……。それに……。」
現在のインフラ投資事業についても、それをやったからと言って即収益増に繋がらないものがほとんど。特に国や地方の公共団体から発注される事業は、仕事を創出することが目的。そのため、やればやるほど政府の財政は苦しいものとなる。そんな割に合わないことを。
私(村上義清)「武田晴信はやっているのだな……。それだけの富があるから戦線を拡大することが出来ているとも言えるのだが。」
真田幸隆「金はいづれ採れなくなることも晴信は知っています。甲斐において京で売ることが出来るような特産物はありませぬ。金が無くなればまた元の姿に戻ることになることを晴信は知っています。」
私(村上義清)「だからこそ信濃への進出を急いでいる。急いでいるが故、隙が出て来るかもしれぬ。でもな……。武田は強大だからな……。にしても幸隆。」
真田幸隆「はい。」
私(村上義清)「なんでお前は甲斐のことに詳しいんだ。」
真田幸隆「いえ殿には以前にも話しましたが私。ここに来る前は、板垣信方の家臣をしておりましたので……。」
0
あなたにおすすめの小説
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
二十年仕えた王女が私を敵に売った。それでも守ることにした
セッシー
ファンタジー
二十年間、王女殿下の護衛騎士として仕えた。その殿下が、私を敵に売った。
牢の中で事実を知り、一分考えて——逃げることにした。殿下の目的を、まだ果たしていないから。
裏切りの真相を確かめるため、一人王都へ戻る護衛騎士の話。
過程をすっ飛ばすことにしました
こうやさい
ファンタジー
ある日、前世の乙女ゲームの中に悪役令嬢として転生したことに気づいたけど、ここどう考えても生活しづらい。
どうせざまぁされて追放されるわけだし、過程すっ飛ばしてもよくね?
そのいろいろが重要なんだろうと思いつつそれもすっ飛ばしました(爆)。
深く考えないでください。
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
魔法筆職人の俺が居なくなったら、お前ら魔法使えないけど良いんだよな?!
川井田ナツナ
ファンタジー
俺は慈悲深い人間だ。
だから、魔法の『ま』の字も理解していない住民たちに俺の作った魔法筆を使わせてあげていた。
だが、国の総意は『国家転覆罪で国外追放』だとよ。
馬鹿だとは思っていたが、俺の想像を絶する馬鹿だったとはな……。
俺が居なくなったら、お前ら魔法使えなくて生活困るだろうけど良いってことだよな??
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる