旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。

ふたりは

保科正俊の動きに……。



私（村上義清）「保科を討たすな！！」



と総攻撃を指示。前後左右からの攻撃に小笠原長時の本陣は大混乱に陥るのでありました。……ここで普段ならば和議を持ち掛けるのがこれまでの転生した村上義清。当初はこの方針で行こうと考えていたのでありましたが……。



保科正俊「小笠原を討ち取れと……。」

私（村上義清）「戦功第一位はそなたのものとなる。」

保科正俊「宜しいのですか。小笠原は守護でありまするぞ。」

私（村上義清）「確かに長時は信濃国の守護である。」

保科正俊「奴を討ち果たしてしまいますると……。」

私（村上義清）「幕府を敵に回すことになり兼ねないことは知っておる。」

保科正俊「それでは何故。」

私（村上義清）「信濃に君主は一人いれば十分。二人は必要ない。」



　京における大乱の切っ掛けの１つとなったのが、将軍の弟と子による後継問題。これに権益拡大を目論むものが乗り掛かることにより紛争に発展。この動きは京のみならず全国へと波及。以後、その時々の幕府の有力者を後ろ盾にしたものが、その土地を治める構図を繰り返していくのでありました。



私（村上義清）「将軍は皆足利家であるにも関わらず揉めると言うことは……。」



　信濃統一を目指す村上義清と信濃守護の小笠原長時が並び立つことはありえない。



私（村上義清）「この機会を逃すわけには……。」

保科正俊「追放する。と言う選択肢も……。」

私（村上義清）「いや。長時を神輿に担ぐ他国の勢力による介入を招くことになってしまうから駄目だ。」

保科正俊「わかり申した。殿にそれだけの覚悟があるのでありましたら……私は私の仕事をするだけのことであります。」

私（村上義清）「誹りは全て私が受ける。そなたは思う存分暴れ回ってくれ。」



　小笠原長時本陣。



私（村上義清）「飛び道具は使うな！！」



　既に保科正俊が突入し、敵味方が入り乱れているため誤射の恐れのある種子島と弓の使用を禁じ。



私（村上義清）「気を付けよ！敵は討ち死にを覚悟しておる！！」



　退路を断たれた小笠原長時の軍勢は、一矢報いるべく名のある首を求め突進。その標的となるのは勿論村上義清。そうはさせまいと……。



私（村上義清）「槍衾で突き崩せ！！！」



　卑怯者の誹りを受けようとも自分の命を第一に考える転生した村上義清。一気に包囲を狭める村上義清と保科正俊。小笠原方の名立たる諸将が斃れていき、遂に……。



「保科正俊一番槍！！！」



　名門小笠原家当主長時は、敢え無い最期を遂げたのでありました。