旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。

俣彦

文字の大きさ
136 / 625

鳥居峠

しおりを挟む
 木曾義康からの回答が無いことを確認した村上義清は、木曽谷に向け出陣。この報を受けた木曾義康は村上の侵入を阻止するべく兵を出し、両者は律令時代からの国境。鳥居峠で睨み合うことに……。



私(村上義清)「正直なこと言っていい?」

真田幸隆「なんでしょうか。」

私(村上義清)「別にここが境目でも構わないのだけど……。」



 今の長野県で人口の多い地域と言えば、長野市から小諸に掛けた千曲川沿いに松本と諏訪湖周辺。これら一帯を西からの脅威から守ることを考えた場合、木曾義康と対峙している鳥居峠はうってつけの場所。



真田幸隆「そんなこと言ったら伊那と高遠の連中に怒られますよ。」

私(村上義清)「そうなんだよね……。」



 木曽義康の勢力圏である木曽谷や妻籠。更には岩村から伊那高遠地域へ入ることが可能。平和な時代であれば別に問題は無いのでありますが、今は戦国の世。しかしそれならば、仁科同様木曾の利益を認める形で関係を築けば良いのでありますが……。



私(村上義清)「……美濃のこと(斎藤義龍)を全く考えていなかった……。」



 西への備えはかつての同盟者小笠原長時に任せておけばよかった。



真田幸隆「木曾が殿を無視して来た以上、仕方がありません。」

私(村上義清)「しかし強気だよな。木曾は……。斎藤が(上洛中のため)居ないにもかかわらず。」

真田幸隆「鳥居峠の守りに自信があるのでしょう。」

私(村上義清)「そう言えば、以前武田晴信がここ(鳥居峠)を抜くことが出来なかった……。」

真田幸隆「はい。」



 以前、木曾義康は信濃平定を目指す武田晴信と当地鳥居峠で激突し、晴信を敗走に追いやった実績がある。



私(村上義清)「その時お前は……。」

真田幸隆「殿(村上義清)の家臣でありました。」

私(村上義清)「その時を知っているものは。」

真田幸隆「諏訪の衆が戦っています。」

私(村上義清)「諏訪のものを以てしても……。」

真田幸隆「はい。」

私(村上義清)「敗因となったものは……。」

真田幸隆「あるにはあります。」

私(村上義清)「対応策は……。」

真田幸隆「あります。ただ……。」



 村上義清は木曾義康が陣取る鳥居峠へ向け進軍し激突。地の利に勝る木曾義康に苦戦を強いられる村上義清。そこに……。



「殿!伏兵が!!」

木曾義康陣取る鳥居峠に向け2つの部隊が……。



真田幸隆「木曾義康が、(晴信との)先のいくさにより絶対の自信を持っていなければ。が大前提であります。」



 真田幸隆は村上義清に隊を3つに分け、1つは鳥居峠の正面から。残りの2つの内1つは陣ヶ沢。もう1つを萩曽からそれぞれ鳥居峠に向け兵を進めることを進言。



私(村上義清)「もし木曾が過信していなかったら。」

真田幸隆「すぐに撤退します。そのためにも殿。絶対に深追いをしてはなりませぬ。」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

転生 上杉謙信の弟 兄に殺されたくないので全力を尽くします!

克全
ファンタジー
上杉謙信の弟に転生したウェブ仮想戦記作家は、四兄の上杉謙信や長兄の長尾晴景に殺されないように動く。特に黒滝城主の黒田秀忠の叛乱によって次兄や三兄と一緒に殺されないように知恵を絞る。一切の自重をせすに前世の知識を使って農業改革に産業改革、軍事改革を行って日本を統一にまい進する。

勇者の隣に住んでいただけの村人の話。

カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。 だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。 その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。 だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…? 才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

処理中です...