旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。

俣彦

文字の大きさ
146 / 625

本隊を

しおりを挟む
真田幸隆「殿と武田(晴信)とのいくさの時のように、本隊だけに襲い掛かることが出来る場所を見つけることは難しいと思われます。両者の勢力圏が尾張と三河で分かれているのであれば、まだ可能性を見出すことが出来たとは思うのでありますが、現状入り乱れていますので。勿論、刈谷のように織田が三河にも影響力を及ぼしている場所もありますが一方、今川も知多半島を抑えています。」

私(村上義清)「此度のいくさで織田が守りの拠点に構えようとするならばどこになる。」

真田幸隆「海に面した要地。鳴海、大高両城を囲った砦になるかと。」

私(村上義清)「そうなると今川は東から攻め込むことになる。」

真田幸隆「はい。沓掛城から鎌倉街道を通ることになると思われます。ただ今川は知多半島を抑えています。その拠点が大高城。」



 大高城は鳴海城同様今川義元の最前線基地。



私(村上義清)「沓掛からだと少し離れておる。逆に織田に抑え込まれる場所にあるように見えるが。」

真田幸隆「はい。そのため前年に家臣の松平元康を使い大高城に兵糧を入れさせると共に双方の城に通じる道の確保に成功しています。」

私(村上義清)「そうなると織田は最低でも沓掛、大高そして鳴海の3ヵ所からの侵入を想定しなければならなくなる。」

真田幸隆「はい。しかも両城のほかにも陣を構えるには十分な高台が幾つも存在しています。加えて今回。今川はほぼ全ての勢力を注いで攻め込んでいます。」

私(村上義清)「各所に分散しても攻め込むのに問題は無い。」

真田幸隆「はい。逆に織田は全てに対応しなければならなくなるため、1つ1つに配置することの出来る兵が少なくなってしまいます。」

私(村上義清)「(出陣した今川方の将の名前を見ながら)独立して兵を動かすことが出来る武将がこれだけいるとなれば義元自らが兵を動かす必要も無い。」

真田幸隆「はい。最も安全な場所で、各武将を監視しながら報告を待っていればよくなります。」

私(村上義清)「織田が義元本隊と直接ぶつかることは。」

真田幸隆「無理ではないかと。」

私(村上義清)「織田が今川の兵を退けることは。」

真田幸隆「今の砦を守るのであれば不可能ではありませんが、沓掛城から大高城までを今川が完全に掌握されるのは望んでいないかと。」

私(村上義清)「そうか。海路を使えば熱田は目の前。」

真田幸隆「はい。」



 織田家の生命線である熱田と津島の港への船の航行を今川によって妨げられることになるのは避けられなくなる。



私(村上義清)「織田にとっては最低でも大高までの道を不安定なものにし続けなければならない。そのためにはこのいくさは勝たなければならない。ただ……。」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

転生 上杉謙信の弟 兄に殺されたくないので全力を尽くします!

克全
ファンタジー
上杉謙信の弟に転生したウェブ仮想戦記作家は、四兄の上杉謙信や長兄の長尾晴景に殺されないように動く。特に黒滝城主の黒田秀忠の叛乱によって次兄や三兄と一緒に殺されないように知恵を絞る。一切の自重をせすに前世の知識を使って農業改革に産業改革、軍事改革を行って日本を統一にまい進する。

勇者の隣に住んでいただけの村人の話。

カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。 だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。 その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。 だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…? 才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

処理中です...