204 / 625
いくさに勝っても
しおりを挟む
真田幸隆「ただ輝虎が率いる兵は強う御座いますし、氏康を始め。関東の諸勢力は輝虎を恐れています。」
私(村上義清)「積極的にいくさ。それも野戦を仕掛けられる心配は無い?」
真田幸隆「はい。それに氏康は輝虎を封じ込めることも出来ません。」
私(村上義清)「上野は輝虎の勢力圏だからな……。」
真田幸隆「はい。ただ先程も申し上げましたように、上野にあるものだけでは兵を維持することは難しい状況にあります。加えて上野のものからすれば輝虎はよそ者であります。」
私(村上義清)「守ってくれているんだけどな……。でもそうは思ってくれないんだよね……。」
真田幸隆「越後からの道は雪。古河城並びに武蔵は北条の勢力圏。東の唐沢山も北条陣営にありますので他国からの移送に期待することは出来ません。唯一の選択肢が信濃。私の管轄地から入れる方法になるのでありますが……。」
私(村上義清)「もしかして(上野への流れを)止めてるの!?」
真田幸隆「そんなわけ無いでしょう。こちらの言い値で何とでもなる有難いお客様でありますから。ただ上越程ではありませんが、上信国境も雪が降りますので駐留部隊を賄うだけの物資を運ぶことは出来ません。勿論輝虎はその事を承知の上で関東に入っていますので、それ相応の備えをしているのではありますが、山越えでありますのでそれにも限りがあります。」
私(村上義清)「雪が融けるまでの辛抱。」
真田幸隆「それにいくさが加わります。『いくさをする。』と言うことは当然、ただ居る時以上に物資兵糧を使うことになります。」
私(村上義清)「そうだな。」
真田幸隆「しかもそのいくさのほとんどが関東に居る勢力からの要請に応じて行うものであります。そのため、たとえ輝虎の力で勝利を修めたとしましてもその成果を輝虎が享受することは出来ません。お願いして来た勢力に気前よく渡す。それが関東管領の仕事であります。」
私(村上義清)「……虚しいだけだな。」
真田幸隆「そんな輝虎でありますが、輝虎がいくさをすることにより、関東の勢力から喜ばれ。かつ自らの利益も上げることが出来る方法が無いわけではありません。」
私(村上義清)「でもそれってさ……。」
真田幸隆「はい。北条の領土。それも北条以前の地権者がもはや存在しない伊豆相模を奪った時であります。」
私(村上義清)「関東のほぼ全ての勢力を集めて囲っても駄目だったんだぞ。」
真田幸隆「はい。難しい作戦であります。ただ北条を滅ぼさないことには、いつまで経っても関東が治まることはありません。上洛など夢のまた夢になってしまいます。」
私(村上義清)「(一生越後に帰れないじゃん……。)」
私(村上義清)「積極的にいくさ。それも野戦を仕掛けられる心配は無い?」
真田幸隆「はい。それに氏康は輝虎を封じ込めることも出来ません。」
私(村上義清)「上野は輝虎の勢力圏だからな……。」
真田幸隆「はい。ただ先程も申し上げましたように、上野にあるものだけでは兵を維持することは難しい状況にあります。加えて上野のものからすれば輝虎はよそ者であります。」
私(村上義清)「守ってくれているんだけどな……。でもそうは思ってくれないんだよね……。」
真田幸隆「越後からの道は雪。古河城並びに武蔵は北条の勢力圏。東の唐沢山も北条陣営にありますので他国からの移送に期待することは出来ません。唯一の選択肢が信濃。私の管轄地から入れる方法になるのでありますが……。」
私(村上義清)「もしかして(上野への流れを)止めてるの!?」
真田幸隆「そんなわけ無いでしょう。こちらの言い値で何とでもなる有難いお客様でありますから。ただ上越程ではありませんが、上信国境も雪が降りますので駐留部隊を賄うだけの物資を運ぶことは出来ません。勿論輝虎はその事を承知の上で関東に入っていますので、それ相応の備えをしているのではありますが、山越えでありますのでそれにも限りがあります。」
私(村上義清)「雪が融けるまでの辛抱。」
真田幸隆「それにいくさが加わります。『いくさをする。』と言うことは当然、ただ居る時以上に物資兵糧を使うことになります。」
私(村上義清)「そうだな。」
真田幸隆「しかもそのいくさのほとんどが関東に居る勢力からの要請に応じて行うものであります。そのため、たとえ輝虎の力で勝利を修めたとしましてもその成果を輝虎が享受することは出来ません。お願いして来た勢力に気前よく渡す。それが関東管領の仕事であります。」
私(村上義清)「……虚しいだけだな。」
真田幸隆「そんな輝虎でありますが、輝虎がいくさをすることにより、関東の勢力から喜ばれ。かつ自らの利益も上げることが出来る方法が無いわけではありません。」
私(村上義清)「でもそれってさ……。」
真田幸隆「はい。北条の領土。それも北条以前の地権者がもはや存在しない伊豆相模を奪った時であります。」
私(村上義清)「関東のほぼ全ての勢力を集めて囲っても駄目だったんだぞ。」
真田幸隆「はい。難しい作戦であります。ただ北条を滅ぼさないことには、いつまで経っても関東が治まることはありません。上洛など夢のまた夢になってしまいます。」
私(村上義清)「(一生越後に帰れないじゃん……。)」
0
あなたにおすすめの小説
目の前で始まった断罪イベントが理不尽すぎたので口出ししたら巻き込まれた結果、何故か王子から求婚されました
歌龍吟伶
恋愛
私、ティーリャ。王都学校の二年生。
卒業生を送る会が終わった瞬間に先輩が婚約破棄の断罪イベントを始めた。
理不尽すぎてイライラしたから口を挟んだら、お前も同罪だ!って謎のトバッチリ…マジないわー。
…と思ったら何故か王子様に気に入られちゃってプロポーズされたお話。
全二話で完結します、予約投稿済み
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
過程をすっ飛ばすことにしました
こうやさい
ファンタジー
ある日、前世の乙女ゲームの中に悪役令嬢として転生したことに気づいたけど、ここどう考えても生活しづらい。
どうせざまぁされて追放されるわけだし、過程すっ飛ばしてもよくね?
そのいろいろが重要なんだろうと思いつつそれもすっ飛ばしました(爆)。
深く考えないでください。
二十年仕えた王女が私を敵に売った。それでも守ることにした
セッシー
ファンタジー
二十年間、王女殿下の護衛騎士として仕えた。その殿下が、私を敵に売った。
牢の中で事実を知り、一分考えて——逃げることにした。殿下の目的を、まだ果たしていないから。
裏切りの真相を確かめるため、一人王都へ戻る護衛騎士の話。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
魔法筆職人の俺が居なくなったら、お前ら魔法使えないけど良いんだよな?!
川井田ナツナ
ファンタジー
俺は慈悲深い人間だ。
だから、魔法の『ま』の字も理解していない住民たちに俺の作った魔法筆を使わせてあげていた。
だが、国の総意は『国家転覆罪で国外追放』だとよ。
馬鹿だとは思っていたが、俺の想像を絶する馬鹿だったとはな……。
俺が居なくなったら、お前ら魔法使えなくて生活困るだろうけど良いってことだよな??
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる