293 / 625
飯富虎昌来訪
しおりを挟む
飯富虎昌来訪。武田を担当しているのは真田幸隆。本来であれば彼が応対しなければいけないのでありますが……。
飯富虎昌「『お前(村上義清)の所へ行け。』の一言だけだったのだけど。」
私(村上義清)「(幸隆は)飯富殿のことが苦手らしいぞ。」
飯富虎昌「なかなか会ってくれないんだよな。」
私(村上義清)「その割には、すぐ俺のところに通すだろ。」
飯富虎昌「その方が煩わしく無くて有難いと言えば有難いのではあるが、うちの(当主の)義信とは会ってるんだぜあいつ。」
私(村上義清)「義信との分断工作をしているかもしれませんね。」
飯富虎昌「それは無い。あったことは全て互いに報告しておるし、同じ内容であることも確認しておる。」
私(村上義清)「最初の教育って大事ですね。」
飯富虎昌「そうだな。」
私(村上義清)「今日はどのような御用件で?」
飯富虎昌「お前のことだよ。心当たりあるだろ?」
私(村上義清)「宣戦を布告しにでも来たのですか?」
飯富虎昌「それだったらこんな回りくどいことせずに、とっとと兵を繰り出しておるわ。しかもうちとお前との間で盟約を結んでいるわけでは無いのだからさ。」
私(村上義清)「三河へ侵入したことを氏真が怒っているのだろ。」
飯富虎昌「うむ。」
私(村上義清)「しかもうちが(氏真から離反した)家康と共同戦線を張り、更には義元を屠った織田信長と協定を結んだことだろ。」
飯富虎昌「うむ。」
私(村上義清)「で、氏真が義信に『信濃へ兵を出せ!』と焚き付けているのだろ?」
飯富虎昌「その通り。」
私(村上義清)「氏真からの要請に応えるべく、今日停戦を破棄しに来た。と……。」
飯富虎昌「そんな危険な役目を俺が引き受けることは無いだろう。」
私(村上義清)「いや。義信は律儀だからさ。これが晴信だったら……。」
飯富虎昌「騙し討ち上等でしたからね。」
私(村上義清)「停戦合意を逆利用しても構わなかったからな……。氏真の依頼に対し、義信はどのように考えている?」
飯富虎昌「『(今川との)盟約を重視したい。』と言っておる。ただ先のいくさ以来、うちとお前のところの間で、特に家臣や民間同士との繋がりが強くなっておる。それもあって、『(今川と共闘して)村上を討ち果たすぞ!!』の世論が沸き上がっているわけでは無い。むしろ『今の関係を維持したい。』が大勢を占めている。」
私(村上義清)「義信はそうでは無いのだろう?」
飯富虎昌「義信もお前とのいくさを望んではおらぬ。むしろお前との協力関係を深めたいと思っている。理由は3つある。」
飯富虎昌「『お前(村上義清)の所へ行け。』の一言だけだったのだけど。」
私(村上義清)「(幸隆は)飯富殿のことが苦手らしいぞ。」
飯富虎昌「なかなか会ってくれないんだよな。」
私(村上義清)「その割には、すぐ俺のところに通すだろ。」
飯富虎昌「その方が煩わしく無くて有難いと言えば有難いのではあるが、うちの(当主の)義信とは会ってるんだぜあいつ。」
私(村上義清)「義信との分断工作をしているかもしれませんね。」
飯富虎昌「それは無い。あったことは全て互いに報告しておるし、同じ内容であることも確認しておる。」
私(村上義清)「最初の教育って大事ですね。」
飯富虎昌「そうだな。」
私(村上義清)「今日はどのような御用件で?」
飯富虎昌「お前のことだよ。心当たりあるだろ?」
私(村上義清)「宣戦を布告しにでも来たのですか?」
飯富虎昌「それだったらこんな回りくどいことせずに、とっとと兵を繰り出しておるわ。しかもうちとお前との間で盟約を結んでいるわけでは無いのだからさ。」
私(村上義清)「三河へ侵入したことを氏真が怒っているのだろ。」
飯富虎昌「うむ。」
私(村上義清)「しかもうちが(氏真から離反した)家康と共同戦線を張り、更には義元を屠った織田信長と協定を結んだことだろ。」
飯富虎昌「うむ。」
私(村上義清)「で、氏真が義信に『信濃へ兵を出せ!』と焚き付けているのだろ?」
飯富虎昌「その通り。」
私(村上義清)「氏真からの要請に応えるべく、今日停戦を破棄しに来た。と……。」
飯富虎昌「そんな危険な役目を俺が引き受けることは無いだろう。」
私(村上義清)「いや。義信は律儀だからさ。これが晴信だったら……。」
飯富虎昌「騙し討ち上等でしたからね。」
私(村上義清)「停戦合意を逆利用しても構わなかったからな……。氏真の依頼に対し、義信はどのように考えている?」
飯富虎昌「『(今川との)盟約を重視したい。』と言っておる。ただ先のいくさ以来、うちとお前のところの間で、特に家臣や民間同士との繋がりが強くなっておる。それもあって、『(今川と共闘して)村上を討ち果たすぞ!!』の世論が沸き上がっているわけでは無い。むしろ『今の関係を維持したい。』が大勢を占めている。」
私(村上義清)「義信はそうでは無いのだろう?」
飯富虎昌「義信もお前とのいくさを望んではおらぬ。むしろお前との協力関係を深めたいと思っている。理由は3つある。」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
転生 上杉謙信の弟 兄に殺されたくないので全力を尽くします!
克全
ファンタジー
上杉謙信の弟に転生したウェブ仮想戦記作家は、四兄の上杉謙信や長兄の長尾晴景に殺されないように動く。特に黒滝城主の黒田秀忠の叛乱によって次兄や三兄と一緒に殺されないように知恵を絞る。一切の自重をせすに前世の知識を使って農業改革に産業改革、軍事改革を行って日本を統一にまい進する。
勇者の隣に住んでいただけの村人の話。
カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。
だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。
その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。
だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…?
才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる