ケチと言われた家康の代わりに豪遊してやろうと転生した結果。ただ単に貧乏なだけだった。

俣彦

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たった、これだけか

松平郷に住む人たち

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家康(私):「親氏が松平家に入って短期間の内に今の岡崎市の入り口まで進出することが出来たのは何故なのだろうか……。それだけ強い人物が松平郷に居た。と言う事なのでしょうか。」
所員:「三河衆1人は尾張衆3人に匹敵すると言われたことからもわかりますように、三河武士。とりわけ家康の家臣は強かったと言われております。その原点となりましたのが親氏が入りました松平郷のかたがたであります。松平郷はもともと平地が少なく稲作には不向きな土地。農業に関しましては辛うじて焼き畑が出来るぐらいの『士農工商』の観点から見ますと貧しい地域でしかありませんでした。」
家康(私):「そんな彼らはどのようにして生活を成り立たせていたのですか?」
所員:「平成の大合併以前から既に松平郷は豊田市となっておりましたが、豊田市と言うよりは、山深い奥三河の一部と見たほうがむしろ自然な場所かもしれません。そんな農業に不向きな地で暮らす彼らが活路を見出したのが鷹匠など狩りをするもののほかに、山を管理する林業。その山から鉄などの資源を採掘する鉱山師に、奥三河から産出された鉄と伐採した木々を用いてのたたら製鉄。採掘したものや出来上がった製品を換金するため川を使って里へと運ぶ運輸業。自給自足すら覚束ない農作物しか採れなかったことが逆に山を駆け回るだけの強靭な体力と換金目的でモノを運ぶわけでありますので、当然狙われます。それに対抗するためには自ら武装し、相手を追い払わなければなりません。生活していくために経済活動を行っていく内に自然と松平郷始め奥三河の民が強くなっていった。と……。」
家康(私):「丸腰でも大丈夫な21世紀の日本がむしろ稀なのでしょうね……。」
所員:「店に入って来た人全てがお客様とは限りませんからね。」
家康(私):「今の日本でもそう言うことはありますが……。」
所員:「それら松平郷の民が使います山仕事に欠かすことの出来ない道具と山での仕事を生業とします人々を管理していたのが親氏が入りました松平家の当主でありました。ただこの段階。親氏以前の松平が束ねていたのはあくまで山での仕事に限定されておりまして、外へと進出するような戦闘集団とはなってはいませんでした。」
家康(私):「そんな松平郷にやって来たのが親氏……。と言う事なのでありますか。」
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