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親戚
信光の死後
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所員:「ところでお客様は現世において親戚付き合いはありますか?」
家康(私):「三親等以上で付き合いのあるものは居ませんね……。と言うより誰が親戚なのかすら定かではありません。」
所員:「何かあったのですか?」
家康(私):「私自身ではありませんが、私の父は10人兄弟でありまして。その父。私から見ますと祖父となる人物が全ての兄弟に土地を分け与えたのは良かったのでありましたが。名義はお祖父さんのまま。と言うことは無くなりますと『相続税』と言うモノが子供たちに課せられることになります。その時の分与の方法が、実家の跡を継ぎました残った中では長兄のモノが相続税の時使うことの出来る土地の全てを持って行ってしまいまして……。」
所員:「ほかの兄弟は……。」
家康(私):「今住んでいる土地を手放すか。貯金を切り崩すか。働いて得た収入を用い支払いにあてざるを得なくなりまして……。祖父が亡くなった時はバブルの絶頂期。最も土地の値段が高い時期でありまして。とてもサラリーマンが払うことの出来る金額では無く……。加えてその後のバブル経済崩壊に伴い不良債権を抱えた金融機関を救うためなのでありましょうか。公定歩合。今の政策金利。当時年利8%あったものがほぼ0になる。」
所員:「その後は……。」
家康(私):「たまたま土地の一部を購入して頂けるかたがいらっしゃいまして。何とか支払うことが出来る金額に収まったこと。父母共働き続けることが出来たこともあり。……18年掛け相続税を払い終えることが出来たのでありましたが……。相続だけで1500万円……。」
所員:「ほかの親戚のかたは?」
家康(私):「音信不通です。父の実家はありますが、二度と足を踏み入れることはありません。父や母に対し実家の人間が言ったことを忘れることは出来ませんので。」
所員:「相続の方法を見ますと『売り払ってどこぞへも消えてしまえ。』ですからね……。」
家康(私):「親を金銭面で困らせないようにすることが、私の出来るせめてもの親孝行なのかな……と。もっとも親は『とっとと家庭を持て』と言ってはおりますが。こればっかりは……生まれ持ったものがありますので。」
所員:「最後、その家はどうするのですか?」
家康(私):「跡を継ぐ立場ではありませんので、いづれは出て行くことになります。その後は継ぐ人に任せます。……で。子だくさんの信光のあとの松平の動向はどうなったのですか?」
所員:「矢作川を南進する形で勢力を拡げっていった信光は子だくさんであることを最大限に生かし、攻略した地区ごとに分家を立ち上げていったのでありましたが。信光が亡くなってすぐ仲違いと言うことはさすがにありませんでした。ただ、分け与えられた各松平の家々の勢力が必ずしも平等であったわけでは無く、収入の多い土地を与えられたところとそうでないところの格差。と言うモノが存在しておりました。」
家康(私):「本来の惣領である松平郷はこの時点で既に歴史から消えていますからね……。」
所員:「実質的なトップは岩津。このことは信光の死後も変化は無かったのでありましたが。その怖い信光が亡くなったとなりますと……。」
家康(私):「これまで静かにしていた他家が騒ぎ始めた。と……。」
所員:「松平が勢力を伸ばしていきました西側に領していました今の豊田市の中心部などに拠点を置いていました加茂郡と碧海郡の国人衆が新興の松平と相対することになります。彼らが標的としましたのが松平の惣領家があります岩津。この戦いにおきまして岩津の松平家の損耗は著しく、衰退の一途を辿ることになります。ここで台頭して来たのが三河一の穀倉地帯を与えられた安祥松平の親忠でありまして、彼の活躍により加茂碧海連合を撃破すると共に親忠の子供を大給・滝脇へ配するのでありました。」
家康(私):「松平郷と岩津の中間地点ですね……。」
所員:「それより以前に親忠は矢作川東に大樹寺を創建しています。」
家康(私):「岡崎と岩津の間……。」
所員:「その大樹寺に置きまして、加茂碧海連合を破ったのち。各松平の一族意識を高めると同時に、そのトップに親忠の子・長親を記した連判状を作成します。」
家康(私):「歴史上では、惣領である岩津家のピンチを救うべく立ち上がった安祥の松平が敵を撃破し、平和裏の内に惣領家を継いだ話になっていますが……。」
所員:「岩津家を攻撃した加茂碧海の国人衆の領地を親忠は手を付けてはおりません。」
家康(私):「松平にとってメリットがなかったのでしょうか?」
所員:「いえ。今の国道153号線が通る交通の要地であります。」
家康(私):「普通でしたら鎮圧した余勢を駆って。ですよね……。」
所員:「でも寺部の鈴木家などその後の歴史に登場する家は残っております。」
家康(私):「それだけの余裕が親忠に無かったのか?と言いますと……。」
所員:「松平郷付近に家を出しましたり、岡崎と岩津の間に寺を建立し、その寺で一族の結束を図っています。」
家康(私):「岩津は鉱山資源がありましたりその資源の集散地ではありますが。土地として豊かなのは……。」
所員:「もちろん安祥のほうであります。」
家康:「……なんかモヤモヤとしたものがありますね……。」
所員:「たとえば?」
家康(私):「収入は安祥のほうが多かった。でも松平全体の政治を統括するのは首都のある岩津。ユーゴスラビアの構図に近い。安祥がユーゴの中でも経済力が豊かであったスロベニアとクロアチア。一方、岩津は首都ベオグラードのあるセルビア。豊かな側からしますと『俺らの稼いだ金を首都の連中が勝手に吸い上げ、自分たちのほうのためばかりに使っている。』となって来ますと、安祥としては面白くありません。自分で稼いだ金は自分の意思で使いたい。となるのはある意味自然な流れ……。かと言って公然と岩津に立ち向かうには大義名分がありませんので……。」
所員:「加茂・碧海の国人衆をけしかけて岩津を攻撃させた。と……。」
家康(私):「安祥は経済的に余裕のある家でありますので、彼らに対し何らかの支援をすることは十分に可能。頃合いを見計らって、岩津の支援に乗り出し松平郷と岩津の拠点を親忠が平和裏に制圧する。」
所員:「親忠の奥さんは加茂郡矢並の鈴木家の出ですからね……。」
家康(私):「落ち着いたところで自分が造った大樹寺に一族を集め結束を誓った。と言うことは、それまで一族の間に揉め事があったから。それが無ければわざわざ連判状なんか作りませんからね……。ユーゴもそうでしたけれども。独りのカリスマで成り立っていたところが、そのカリスマが居なくなると同時に……。と言うことが松平の中でもあったのかもしれませんね……。」
家康(私):「三親等以上で付き合いのあるものは居ませんね……。と言うより誰が親戚なのかすら定かではありません。」
所員:「何かあったのですか?」
家康(私):「私自身ではありませんが、私の父は10人兄弟でありまして。その父。私から見ますと祖父となる人物が全ての兄弟に土地を分け与えたのは良かったのでありましたが。名義はお祖父さんのまま。と言うことは無くなりますと『相続税』と言うモノが子供たちに課せられることになります。その時の分与の方法が、実家の跡を継ぎました残った中では長兄のモノが相続税の時使うことの出来る土地の全てを持って行ってしまいまして……。」
所員:「ほかの兄弟は……。」
家康(私):「今住んでいる土地を手放すか。貯金を切り崩すか。働いて得た収入を用い支払いにあてざるを得なくなりまして……。祖父が亡くなった時はバブルの絶頂期。最も土地の値段が高い時期でありまして。とてもサラリーマンが払うことの出来る金額では無く……。加えてその後のバブル経済崩壊に伴い不良債権を抱えた金融機関を救うためなのでありましょうか。公定歩合。今の政策金利。当時年利8%あったものがほぼ0になる。」
所員:「その後は……。」
家康(私):「たまたま土地の一部を購入して頂けるかたがいらっしゃいまして。何とか支払うことが出来る金額に収まったこと。父母共働き続けることが出来たこともあり。……18年掛け相続税を払い終えることが出来たのでありましたが……。相続だけで1500万円……。」
所員:「ほかの親戚のかたは?」
家康(私):「音信不通です。父の実家はありますが、二度と足を踏み入れることはありません。父や母に対し実家の人間が言ったことを忘れることは出来ませんので。」
所員:「相続の方法を見ますと『売り払ってどこぞへも消えてしまえ。』ですからね……。」
家康(私):「親を金銭面で困らせないようにすることが、私の出来るせめてもの親孝行なのかな……と。もっとも親は『とっとと家庭を持て』と言ってはおりますが。こればっかりは……生まれ持ったものがありますので。」
所員:「最後、その家はどうするのですか?」
家康(私):「跡を継ぐ立場ではありませんので、いづれは出て行くことになります。その後は継ぐ人に任せます。……で。子だくさんの信光のあとの松平の動向はどうなったのですか?」
所員:「矢作川を南進する形で勢力を拡げっていった信光は子だくさんであることを最大限に生かし、攻略した地区ごとに分家を立ち上げていったのでありましたが。信光が亡くなってすぐ仲違いと言うことはさすがにありませんでした。ただ、分け与えられた各松平の家々の勢力が必ずしも平等であったわけでは無く、収入の多い土地を与えられたところとそうでないところの格差。と言うモノが存在しておりました。」
家康(私):「本来の惣領である松平郷はこの時点で既に歴史から消えていますからね……。」
所員:「実質的なトップは岩津。このことは信光の死後も変化は無かったのでありましたが。その怖い信光が亡くなったとなりますと……。」
家康(私):「これまで静かにしていた他家が騒ぎ始めた。と……。」
所員:「松平が勢力を伸ばしていきました西側に領していました今の豊田市の中心部などに拠点を置いていました加茂郡と碧海郡の国人衆が新興の松平と相対することになります。彼らが標的としましたのが松平の惣領家があります岩津。この戦いにおきまして岩津の松平家の損耗は著しく、衰退の一途を辿ることになります。ここで台頭して来たのが三河一の穀倉地帯を与えられた安祥松平の親忠でありまして、彼の活躍により加茂碧海連合を撃破すると共に親忠の子供を大給・滝脇へ配するのでありました。」
家康(私):「松平郷と岩津の中間地点ですね……。」
所員:「それより以前に親忠は矢作川東に大樹寺を創建しています。」
家康(私):「岡崎と岩津の間……。」
所員:「その大樹寺に置きまして、加茂碧海連合を破ったのち。各松平の一族意識を高めると同時に、そのトップに親忠の子・長親を記した連判状を作成します。」
家康(私):「歴史上では、惣領である岩津家のピンチを救うべく立ち上がった安祥の松平が敵を撃破し、平和裏の内に惣領家を継いだ話になっていますが……。」
所員:「岩津家を攻撃した加茂碧海の国人衆の領地を親忠は手を付けてはおりません。」
家康(私):「松平にとってメリットがなかったのでしょうか?」
所員:「いえ。今の国道153号線が通る交通の要地であります。」
家康(私):「普通でしたら鎮圧した余勢を駆って。ですよね……。」
所員:「でも寺部の鈴木家などその後の歴史に登場する家は残っております。」
家康(私):「それだけの余裕が親忠に無かったのか?と言いますと……。」
所員:「松平郷付近に家を出しましたり、岡崎と岩津の間に寺を建立し、その寺で一族の結束を図っています。」
家康(私):「岩津は鉱山資源がありましたりその資源の集散地ではありますが。土地として豊かなのは……。」
所員:「もちろん安祥のほうであります。」
家康:「……なんかモヤモヤとしたものがありますね……。」
所員:「たとえば?」
家康(私):「収入は安祥のほうが多かった。でも松平全体の政治を統括するのは首都のある岩津。ユーゴスラビアの構図に近い。安祥がユーゴの中でも経済力が豊かであったスロベニアとクロアチア。一方、岩津は首都ベオグラードのあるセルビア。豊かな側からしますと『俺らの稼いだ金を首都の連中が勝手に吸い上げ、自分たちのほうのためばかりに使っている。』となって来ますと、安祥としては面白くありません。自分で稼いだ金は自分の意思で使いたい。となるのはある意味自然な流れ……。かと言って公然と岩津に立ち向かうには大義名分がありませんので……。」
所員:「加茂・碧海の国人衆をけしかけて岩津を攻撃させた。と……。」
家康(私):「安祥は経済的に余裕のある家でありますので、彼らに対し何らかの支援をすることは十分に可能。頃合いを見計らって、岩津の支援に乗り出し松平郷と岩津の拠点を親忠が平和裏に制圧する。」
所員:「親忠の奥さんは加茂郡矢並の鈴木家の出ですからね……。」
家康(私):「落ち着いたところで自分が造った大樹寺に一族を集め結束を誓った。と言うことは、それまで一族の間に揉め事があったから。それが無ければわざわざ連判状なんか作りませんからね……。ユーゴもそうでしたけれども。独りのカリスマで成り立っていたところが、そのカリスマが居なくなると同時に……。と言うことが松平の中でもあったのかもしれませんね……。」
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