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戦乱の末…
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時間の経過とともに当初の怒りはおさまり、年の差と強引な求婚の割に、意外とトウゴ自身がおおらかであった為、王女との交流は、それなりに持つ事ができるようになっていった。
そんな日々の中、ドウゴ王子が突然、セレス王国に姿を見せなくなった。
いくら、平和なセレス王国とはいえ、オリビアの件があってから、軍部に力を入れるようになっていた。
周辺諸国の情報を合わせると、トウゴの国では、国王の急死により、予てから仲の良くなかった第一王子、第二王子との間で王位継承権による内紛が起こり、地方に飛び火し、戦乱になった。
元々王位に興味がなく、政局から離れていたトウゴ王子もまた、王子の立場ゆえ、否応なく制圧に乗り出さなければならなくなる。
そのため、悠長に婚約者に会いに来れなくなったようだ。
この時、まだ、お子様であったオリビアは、状況を把握できず、当分、来れないなら追いかけっこもなくなるかなと、単純に思っっていた。
内乱から、2年。
本当に会うこともなくなり、軍事の国は、国中を巻き込んでの大きな戦いとなり、疲弊していく。
そして、オリビア14才の夏、セレス王国は、悲惨な戦場から死体無きドウゴ王子の訃報の知らせを受け取る事となった。
父王に呼ばれた執務室で、トウゴの戦死を告げられたオリビア。
突然のトウゴの死の知らせにも瞳を少し揺らしただけで、黙って父王に頭を下げ執務室を退出する。
自室に戻ったオリビアは、人払いをすると一人、声を殺して泣いた。
何故…。
もっと…。
悔やむことしかできなかった…。
貴方がいないなんて…。
もっとそばにいたいと…。もっとそばにいて欲しいと…。
言えていたら。伝えることができたていたなら。
話したい事が。
いっぱい、いっぱい、あるのに…。
悔ばかり残る想いの中で、思うことは…。
たった一つの想いだけが取り残された。
一年が過ぎる頃、軍事に重きをおいた国は、大きな傷跡を残しながらも、第一王子の統治をもって3年半に及ぶ戦乱の火は治まる。
セレス王国は相変わらず平和で、トウゴ亡き後、彼の国で戦火が続いても海を隔てたセレス王国には、何も影響もなくオリビアの生活は、平穏な日常だった。
軍事に重きをおいた国がある程度の落ち着きを取り戻した頃から、第3王子の訃報以降、婚約者不在となったオリビアに、周辺諸国から、新たな縁談が集まり始める。
国王や宰相たちが思案する中、オリビアは、公務以外、成人までの残された時間を離宮で静かに過ごしていた。
外界から隔離され、安全を考慮されて造られている離宮は、数少ない使用人と護衛とで、過ごすことができる環境だった。
美しく優しい兄姉とともに育ち、かつてトウゴと追い駆けっこをしたあの懐かしき楽しい時間を過ごした思い出の住処であった。
トウゴ亡き後、オリビアの心に、響くものは何もなかった。
あれ程、活発で溌剌とした幼き王女の姿はそこにはなく。
比類なき美貌に笑顔なき王女とオリビアは呼ばれた。
そんな日々の中、ドウゴ王子が突然、セレス王国に姿を見せなくなった。
いくら、平和なセレス王国とはいえ、オリビアの件があってから、軍部に力を入れるようになっていた。
周辺諸国の情報を合わせると、トウゴの国では、国王の急死により、予てから仲の良くなかった第一王子、第二王子との間で王位継承権による内紛が起こり、地方に飛び火し、戦乱になった。
元々王位に興味がなく、政局から離れていたトウゴ王子もまた、王子の立場ゆえ、否応なく制圧に乗り出さなければならなくなる。
そのため、悠長に婚約者に会いに来れなくなったようだ。
この時、まだ、お子様であったオリビアは、状況を把握できず、当分、来れないなら追いかけっこもなくなるかなと、単純に思っっていた。
内乱から、2年。
本当に会うこともなくなり、軍事の国は、国中を巻き込んでの大きな戦いとなり、疲弊していく。
そして、オリビア14才の夏、セレス王国は、悲惨な戦場から死体無きドウゴ王子の訃報の知らせを受け取る事となった。
父王に呼ばれた執務室で、トウゴの戦死を告げられたオリビア。
突然のトウゴの死の知らせにも瞳を少し揺らしただけで、黙って父王に頭を下げ執務室を退出する。
自室に戻ったオリビアは、人払いをすると一人、声を殺して泣いた。
何故…。
もっと…。
悔やむことしかできなかった…。
貴方がいないなんて…。
もっとそばにいたいと…。もっとそばにいて欲しいと…。
言えていたら。伝えることができたていたなら。
話したい事が。
いっぱい、いっぱい、あるのに…。
悔ばかり残る想いの中で、思うことは…。
たった一つの想いだけが取り残された。
一年が過ぎる頃、軍事に重きをおいた国は、大きな傷跡を残しながらも、第一王子の統治をもって3年半に及ぶ戦乱の火は治まる。
セレス王国は相変わらず平和で、トウゴ亡き後、彼の国で戦火が続いても海を隔てたセレス王国には、何も影響もなくオリビアの生活は、平穏な日常だった。
軍事に重きをおいた国がある程度の落ち着きを取り戻した頃から、第3王子の訃報以降、婚約者不在となったオリビアに、周辺諸国から、新たな縁談が集まり始める。
国王や宰相たちが思案する中、オリビアは、公務以外、成人までの残された時間を離宮で静かに過ごしていた。
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美しく優しい兄姉とともに育ち、かつてトウゴと追い駆けっこをしたあの懐かしき楽しい時間を過ごした思い出の住処であった。
トウゴ亡き後、オリビアの心に、響くものは何もなかった。
あれ程、活発で溌剌とした幼き王女の姿はそこにはなく。
比類なき美貌に笑顔なき王女とオリビアは呼ばれた。
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