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アリーシャ sideストーリー
王女、侍女に確認する。
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髪を結っていた時、珍しく殊勝気な様子の王女。
「ねぇ、シーラ」
「はい」
「私、どう見える?」
「どうとは?」
どうとは…髪を仕上げているところですけど?
「少しは、大きくなったかしら?」
「大きくですか?」
何を突然言い出すのでしょうか?
「アリーシャ様?」
「少しは、みられるようになったかしら?」
なにがみられると?
「…アリーシャ様。何がおっしゃりたいのですか?きっちりはっきりおっしゃってください。」
「シーラ。私、少しは、大人に、見える、かしら?」
「いえ、区切ってくださいと言った訳ではないのですが…大人ですか…」
「そう。大人になってる?」
「それは、世間一般的にみてですか?アリーシャ様自身を見てですか?」
?
「えーと、違いがあるの?」
首を傾げて尋ねる王女は、とても儚げで美しい。
「…そうですね。まず、一般的には、アリーシャ様は、成人をお迎えになられますから、大人の仲間入りとなられるので、大人と言えます。けれど、アリーシャ様ご自身に関しましては、正直大人であるとは申し上げられません」
「え?成人するのに私、大人ではないの?みられないの?」
「いえ、世間的には、アリーシャ様は、麗しの王女と呼ばれるほど対外的にとてもよろしい評価を受け、騎士をはじめ国民はおろか、諸国まで人気を博しています」
「そうなの?」
「はい。とても。素晴らしいご評判でございます」
「私自身は?」
「アリーシャ様、それはご自身がよくご存じだと思いますが?」
そう言って、見下ろすシーラの表情が怖い。
「えっと…私、何かした?」
「…そうですね。先先日は、ベランダに腰をかけて…ではなく身を乗り出して落ちそうになっているアリーシャ様を見かけた者が卒倒しました。先日は、最上階の廊下を、ドレスの裾を持っておみ足を大きく晒して疾走されるアリーシャ様のお姿をみた者が階段から転げ落ちました。昨日になりましては…」
心なしか、声のトーンがどんどん下がっていくシーラの姿に恐る恐る声をかけた。
「シ…シーラ。ごめんなさい?」
「…かようにして、様々な事柄から、アリーシャ様が大人だとは、言えないですね」
「はい…」
「…それで、何故?そのように気になさったのですか?」
「えっと、今日ね、シーラがいない時に、ラミタス卿が来られてね」
「宰相の?」
「そう。それで、成人を迎えるので、そろそろ、相手を決めなければならないので、ご用意してもよろしいですねと言われたの」
「は?お相手?」
「そう。それで」
「何と…答えられたのですか?」
「私、大人になったの?って聞いたら、そうですと言うから。じゃあ、お父様にお会いするわって」
「…そうですか。動かれるのですね」
「ええ。お父様は、大きくなったら、大人になったら言いに来なさいとおっしゃられたから。」
「…いつですか」
「明日。面会のお時間を取って頂いたの」
「そうですか…。ではそのように準備いたします」
「ありがとう。ねぇ、シーラ。私、大人?」
「…行動を起こされるなら、大人となられます」
「そう…よろしくね?」
「…はい」
急いで準備にかからなければ…シーラの頭はフル回転する。
「ねぇ、シーラ」
「はい」
「私、どう見える?」
「どうとは?」
どうとは…髪を仕上げているところですけど?
「少しは、大きくなったかしら?」
「大きくですか?」
何を突然言い出すのでしょうか?
「アリーシャ様?」
「少しは、みられるようになったかしら?」
なにがみられると?
「…アリーシャ様。何がおっしゃりたいのですか?きっちりはっきりおっしゃってください。」
「シーラ。私、少しは、大人に、見える、かしら?」
「いえ、区切ってくださいと言った訳ではないのですが…大人ですか…」
「そう。大人になってる?」
「それは、世間一般的にみてですか?アリーシャ様自身を見てですか?」
?
「えーと、違いがあるの?」
首を傾げて尋ねる王女は、とても儚げで美しい。
「…そうですね。まず、一般的には、アリーシャ様は、成人をお迎えになられますから、大人の仲間入りとなられるので、大人と言えます。けれど、アリーシャ様ご自身に関しましては、正直大人であるとは申し上げられません」
「え?成人するのに私、大人ではないの?みられないの?」
「いえ、世間的には、アリーシャ様は、麗しの王女と呼ばれるほど対外的にとてもよろしい評価を受け、騎士をはじめ国民はおろか、諸国まで人気を博しています」
「そうなの?」
「はい。とても。素晴らしいご評判でございます」
「私自身は?」
「アリーシャ様、それはご自身がよくご存じだと思いますが?」
そう言って、見下ろすシーラの表情が怖い。
「えっと…私、何かした?」
「…そうですね。先先日は、ベランダに腰をかけて…ではなく身を乗り出して落ちそうになっているアリーシャ様を見かけた者が卒倒しました。先日は、最上階の廊下を、ドレスの裾を持っておみ足を大きく晒して疾走されるアリーシャ様のお姿をみた者が階段から転げ落ちました。昨日になりましては…」
心なしか、声のトーンがどんどん下がっていくシーラの姿に恐る恐る声をかけた。
「シ…シーラ。ごめんなさい?」
「…かようにして、様々な事柄から、アリーシャ様が大人だとは、言えないですね」
「はい…」
「…それで、何故?そのように気になさったのですか?」
「えっと、今日ね、シーラがいない時に、ラミタス卿が来られてね」
「宰相の?」
「そう。それで、成人を迎えるので、そろそろ、相手を決めなければならないので、ご用意してもよろしいですねと言われたの」
「は?お相手?」
「そう。それで」
「何と…答えられたのですか?」
「私、大人になったの?って聞いたら、そうですと言うから。じゃあ、お父様にお会いするわって」
「…そうですか。動かれるのですね」
「ええ。お父様は、大きくなったら、大人になったら言いに来なさいとおっしゃられたから。」
「…いつですか」
「明日。面会のお時間を取って頂いたの」
「そうですか…。ではそのように準備いたします」
「ありがとう。ねぇ、シーラ。私、大人?」
「…行動を起こされるなら、大人となられます」
「そう…よろしくね?」
「…はい」
急いで準備にかからなければ…シーラの頭はフル回転する。
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