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でっち上げは嫌いだ!我慢できずに…

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なんとなく晴れ渡る空を見上げ現実逃避を図りかけたジーナ。

しかしそれは叶わず現実に否応なく引き戻される。

 つれない対応に業を煮やしたヒートアップした令嬢がとうとう禁断の手を使ったからだ。

 服の裂ける音と令嬢の大きな悲鳴が辺りに響いた。

それを耳にした瞬間ジーナの我慢の限界値がブチッという音と共に切れた…。


 「…いー加減にしろよ。この馬鹿ども!」

器用に枝にぶら下りジーナは木から飛び降り二人を怒鳴りつけた。


 突然現れたジーナに驚きボーゼンとした令嬢を見据えジルバルトを背に二人の間に割って入る。

 「君!そこまでしてこいつを手に入れたいのか?」


訳がわからないながら令嬢は元々性格がきついのか突然現れた人物にいきなり怒鳴られた事で我を取り戻すと、

 「なっ!何を」

 ジーナは令嬢の霰もない姿を指さして尋ねた。
「そんな姿で迫って…恥ずかしくないのか?」と。

 言われて改めて自分の姿を見下ろした彼女は自身の肌けた胸元を咄嗟に抑えた。
先程までの事を思い出し第3者(この場合ジーナ)に見られた事を好機と捉えたのか俯きながら震える声でありもしない出来事をでっち上げようとする。

 「こ…これは、ジルバルト様が…」

その言葉をジーナは即座に否定する。

 「ああ、嘘を言うな。それは君が自分の手で引きちぎった」

 「えっ…」

 親指を上にして「私は始終をみていた。君たちの上で!しっかりと」

言い切った!
出刃が目していたという事実を。
それまで知られないように息をひそめ耐えていたのに清々しい程言い切った。

 「私は卑怯な手を使って人を嵌めようとする考えは嫌いなんだ!」

 ジーナは既成事実をでっち上げ結婚に持ち込もうとする令嬢のやり方がどうしても見過ごせなかった。

ジーナの気迫に気圧されながらもそれでも引くに引けない令嬢はジーナを睨みつける。

真正面から睨みあう二人。

このまま膠着状態の中静かだった男によって状況は一変する。
 
(ん?)

ジーナの体に手が巻き付いた。
背後から覆いかぶさるようにジルバルトの腕に抱きしめられた。

最初自分の体に回った腕をみて首を傾げた。

 「ジーナさん。遅いですよ」

 耳元でバリトンボイスに囁かれ「…ん」 ジーナは背筋を震わせる。

 「…な、に?」

 「だから遅いです。どれだけ待ったと思うんです?」

 口を尖らせて詰る姿は先程まで何人もの令嬢を撃退してきた態度とあまりに違い。
どことなく甘さがにじむ声で責めた。

 「早くしてくれないからとうとう変な子まで回ったじゃないですか」

あん?


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