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西日が傾き、水平線の向こうをオレンジ色に染めていた。
香は部屋の窓から一日の終わりをうっとりと見呆けていた。
今宵、彼女が恋人と宿泊する民宿の和室の窓からは、近くの海岸線から果てのない海が一望できた。
遠くから響く心地好い波音が、透明なガラスを通して微かに聴こえた。
斜め後ろで、ドアの取っ手を回す、ガチャリという金属音が聴こえ、香は心ここにあらずだった意識を現在へ戻した。
通路の共同洗面所で用を足していた夕貴が、引き戸を開けて部屋の中へ入ってきた。
「何を見ていたんです?」
後ろ手で戸を閉めながら、窓際に立った恋人を発見し、夕貴は声をかけた。
「夕陽が綺麗で・・・」
香は自分へ向かってくる恋人へ言った。
「本当だ」
香の肩へ手を置いて、夕貴は窓の向こうを覗き込んだ。
太陽は水平線へ着地し、じわじわとその姿を消しつつあった。
上空は淡い水色に染まり、対して、空の下方は日の名残りとして薄茜に照らされ、太陽を失いつつある雲に濃い影を映し、金箔の如く縁取りは、午後から夕方への交代を示唆していた。
しばらく、二人は黙って日の移り変わりを眺めていた。
途中、夕貴は何も言わずに腕を回して、香を後ろから抱きしめた。
このさり気ないスキンシップが、恋人らしくも、彼なりの気遣いの如く感じられて、香の胸はキュンと甘くくすぐられた。
恋人たちを取り残して、去る西日はぐんぐん沈み、次第に、夜のカーテンが空へ降りつつあった。
そして、陽が完全に沈むというところで、夕貴はスキンシップを親密なものへ切り替え、香の後ろ頭からうなじにかけて、キスの雨を降らしながら、手を柔らかなスカートの内側へ入れて、淡いベージュのストッキングに覆われた太ももや内またなど、きわどい箇所まで触れた。
「!」
嬉しい驚きが香を襲った。
しかし、今はこのままズルズルと流されてはいけなかった。
階下で二人のための夕飯が準備されているからだ。
それは彼も承知のはずだが、抱擁はやけに強く、まるで駄々をこねている子供の如く、一方的で強情、また独占的だった。
「ひゃ♡♡!」
手がサッと軽やかにショーツを掠め、びっくりした香は情けない声を上げてしまった。
「ゆ、夕貴さ・・・。今は・・・」
だがしかし、彼女の口を封じ込めるように、夕貴の指先が恥丘の谷あいを掠めては、再び掠めることを繰り返した。
「あ♡♡あう♡♡」
遠慮知らずの手は、続いて、薄手のプルオーバーの中へ潜り込み、乳房をブラの上から揉み、香の欲情のスイッチを強引に入れた。
(手、あったかい・・・)
奇しくも今の状況から鑑みて、呑気なことを考えている暇はないのに、冷えが込んできた近頃、彼女は人肌が恋しくなっている現実を実感した。
「あッ♡♡ん♡♡」(や、そこは・・・♡♡摘ままないで・・・♡♡!)
可愛らしいピンクのブラジャーの上から、バラの蕾のようなそれを摘まんで捩られ、ビクッビクッと、香は身体が勝手に痙攣した。
「香さん・・・」
耳元で囁かれ、興奮のために全身がゾクゾクと沸き立って、支え立つ二本の脚から力が抜けてしまいそうになりつつも、香は声を振り絞って懸命に訴えた。
「あ、あの・・・。今は・・・、んッ♡♡だめ・・・♡♡!だめ、です・・・♡♡」
「できません。あなたが今欲しいんです」
「でっ、でも・・・♡♡!これからご飯だし・・・っ♡♡そ、それに・・・♡♡!お風呂に入ってから・・・♡♡!」
清潔かどうかなど、さほど重要ではないといった如く、夕貴は首の側面を舐めてみせた。
「~~~ッッ♡♡!!」
じれったい求愛のために、身体の中心が熱を帯びてきて、やがてそれは、脳を脅かすほど香を熱々と火照らせた。
クラクラと目眩を覚えつつ、抵抗は徐々に無力へ陥った。
「ん♡♡ん♡♡ん・・・っ♡♡」
もはや、夕陽はその姿を完全に消し、西の辺りを茜色に塗り残し、それ以外は、夜の暗闇がどこからともなく忍び込んできた。
遂にジワリと、下腹部の谷間からねっとりと熱い潤滑液が浸み出してきて、耐え切れない香は直談判した。
「も、直接・・・♡♡触って、くださ・・・♡♡!」
「あ、夕貴さ・・・♡♡!」
善がる香は愛撫する夕貴の袖辺りを掴みながら、彼を呼び、縋った。
ストッキングを脱いだ彼女は今、畳へ腰を下ろし、恋人の目の前で開脚した状態のまま、自分でスカートをたくし上げ、うっすらとシミのついたショーツの上から、出っ張った部分を中心に指で擦られ、ショーツのシミをより一層濃くしていた。
「可愛いです、香さん。俺をもっと呼んでください」
「あ、ん♡♡!~~ッッ・・・♡♡!!ゆ、夕貴さ・・・、んあッ♡♡!!」
「ふふ、可愛い・・・。言い損ねるほど善いんですね?ここは・・・」
夕貴はグリグリと指の腹で、薄い生地から盛り上がった、充血に膨れた淫核をしつこく押した。
「~~~♡♡!!」
声にならない歓喜の悲鳴が喉を突き、香は静かに喚いた。
香は今では、狂おしいほど悩ましい快感のために、涙が溜まった瞳は潤み、乱れた髪は毛の束が口の端へ入り込み、ひどく淫らな雰囲気を醸し出していた。
そのような艶めいた恋人を目の当たりにした夕貴は、逸る情欲から、喉が無意識のうちにゴクリと鳴った。
自然と指が唇へ伸び、黒い髪の毛を端から除けると、夕貴は吸い込まれるように、唇を半開きの唇へ近づけて、ピッタリと接着させた。
「んむ・・・♡♡!」
香は今まで生きてきた中で、ここまで甘美で、頭の芯がとろけてしまうキスをしたことがなかった。
それは極上といって差し支えないくらい、非常に特別で、彼女にとって大いに意味があるものだった。
想像以上に呼吸困難に陥りやすいのが玉に瑕だったが、些末な問題として厭わないほど、夕貴との口づけは香の一番の情交だった。
口の中を図々しく弄られ、絡み縺れ合う互いの舌で一杯になりながら、自らのものか、または相手のものか、はたまた互いのものが混ざり合った唾液を零さないよう、都度飲み干しては、彼らは愛を熱心に伝え合った。
ようやく長い接吻の後、唇が離れると、荒い呼気の中、混ざり合って一つになった互いの唾液が、透明でエロティックな糸を紡いだ。
糸は強靭性に欠け、すぐに切れてしまったが、赤く濡れ腫れた二つの唇が、キスの濃さをありありと物語っていた。
次いで、夕貴は空いた片手でプルオーバーを鎖骨までたくし上げ、可憐なピンクのブラに包まれた二つの膨らみを露見させた。
「香さん・・・。そう、良い子です・・・」
眼差しで夕貴の言わんことを察した香は、袖を掴んでいた手を、彼の手に代わってプルオーバーへやり、下へずり落ちないよう持った。
それから、鉤の如く曲げた指が片方の繊細なブラカップへ掛かり、力尽くでカップを引きずり下ろすと、淫悦から、痛いくらいに張り詰めた、桃染めの尖端が露出した。
そして、夕貴はすかさず面を寄せて、芯を帯びた小さな突起へ吸い付いた。
「あッ・・・♡♡!」
たちまち、香の心臓がドキッと跳ねた。
時折、チュウッと唇で吸い上げる高い音が響くも、舌はゆっくりと飴を舐め転がすように動いて、胸の蕾をじっくりと丁寧に愛でるものだから、快楽が快楽を呼び、積み重ねられた結果、香は腰の奥がキュンキュン疼いて、どうしようもなくなった。
「んッ・・・♡♡!」(~~~・・・♡♡!何だか腰が・・・ムズムズする・・・っ♡♡!)
「・・・ああ・・・ッ♡♡!」
同時に、中断されていた秘処への求愛も再開され、煮詰めた砂糖水のように、とろりととろけた蜜芯と、淫らな鮮紅に熟した淫芽へ指が小刻みに這う度、ぬちゅぬちゅといやらしい水音が出つつ、香は上と下、両方一遍に愛され、身体の内側でうねる享楽に太刀打ちできなくなった。
それは、もし気を抜いたら、スカートとプルオーバーを掴み持っていた手を放してしまいそうなほどだった。
ショーツは既に使い物にならないくらいまで湿り、淫靡なぬめりは、艶かしくも畳までをも濡らしていた。
「あん、夕貴さ・・・♡♡!もう、だめ・・・ッ♡♡!もう・・・ッ♡♡!!」
瞬間、ビクゥッ!と中で何かが弾けて、それを必死に受け止めた体躯の如く、エクスタシーを極めた香はすっかり力が抜けてしまい、畳へ弱々しく倒れ込んだ。
息遣い、それから服装も乱れた上に、長い黒髪が畳の上へ乱れ広がり、彼女の思慮の及ばぬところで、男の欲望を更に募らせた。
下肢の間のものは遥か前から準備万端で、夕貴はもったいぶるかのように、革製のベルトを遅々と緩め、金属音を上げつつチャックをゆっくりと下ろし、ボクサーパンツの下から立派な男根をのんびり取り出した。
(あッ・・・)
すると、今まで割かし拍をゆっくり刻んでいた香の心臓が、匂い立つ雄の濃厚なフェロモンにくすぐられて、途端に精力的な循環器へ変貌し、血液を身体の隅々まで盛んに送り込み始めた。
「香さん・・・」
夕貴は熱を帯びた情熱的な視線で恋人を見つめ、彼女の名前を愛し気に囁くと、浮き上がった雄を、ずらしたショーツから出現した、雌のぬかるんだ、ふしだらな洞穴の入口へ当てた。
「あっ、夕貴さん・・・♡♡」
期待やら歓喜、または興奮、それか緊張などが一緒くたになって、よく分からないもののせいで、胸の鼓動がドキドキと騒々しく鳴り響きながら、香は来る進入に備えた。
「んッ・・・♡♡」
屹立の先端が媚肉を押し分けて、入ってきたところだった。
その時、扉をノックするコンコンという音と共に、宿の人間が夕食について知らせに来た。
「失礼しまーす。お食事の用意ができましたー」
「!!」
数ある機会の中で、正に一つになろうという直前、横槍が入るとは予想だにしなかった二人は、意表を見事に突かれ、びっくり仰天、魂消てしまった。
しかしながら、とりあえず、焦った香は慌てて返答した。
「は、はい!今行きます!」
「失礼しましたー」
ドアの向こうの従業員が去ると、嫌な汗をかくとはこのことだと、彼らの唇の隙間から空気がフーッと漏れ出た。
「あ、あの・・・。どうしましょうか、夕貴さん・・・」
「~~~・・・!!・・・香さん。先に行っていてください。俺は後から行きます」
「で、でも・・・」
「大丈夫です、心配いりません。何とかします」
格好はつかなかったが、夕貴は腰を引くと、昂ぶりを再び下着の中へしまい込んだ。
それでも下腹部はこんもりと膨らみ、存在が強調されていたが、行為の直前で中止されるのは、蛇の生殺しの如く辛いのだろうと、憐れんだ香は気を遣って、はだけたブラを素早く直し、手早くプルオーバーを元の位置まで戻し、足先で引っかかっていたストッキングを急いで穿き直し、襞のある柔らかいスカートを軽く手で掃って、皺を即席に伸ばすと、かける言葉もなしに、いそいそと部屋から出て行ったのだった。
香は部屋の窓から一日の終わりをうっとりと見呆けていた。
今宵、彼女が恋人と宿泊する民宿の和室の窓からは、近くの海岸線から果てのない海が一望できた。
遠くから響く心地好い波音が、透明なガラスを通して微かに聴こえた。
斜め後ろで、ドアの取っ手を回す、ガチャリという金属音が聴こえ、香は心ここにあらずだった意識を現在へ戻した。
通路の共同洗面所で用を足していた夕貴が、引き戸を開けて部屋の中へ入ってきた。
「何を見ていたんです?」
後ろ手で戸を閉めながら、窓際に立った恋人を発見し、夕貴は声をかけた。
「夕陽が綺麗で・・・」
香は自分へ向かってくる恋人へ言った。
「本当だ」
香の肩へ手を置いて、夕貴は窓の向こうを覗き込んだ。
太陽は水平線へ着地し、じわじわとその姿を消しつつあった。
上空は淡い水色に染まり、対して、空の下方は日の名残りとして薄茜に照らされ、太陽を失いつつある雲に濃い影を映し、金箔の如く縁取りは、午後から夕方への交代を示唆していた。
しばらく、二人は黙って日の移り変わりを眺めていた。
途中、夕貴は何も言わずに腕を回して、香を後ろから抱きしめた。
このさり気ないスキンシップが、恋人らしくも、彼なりの気遣いの如く感じられて、香の胸はキュンと甘くくすぐられた。
恋人たちを取り残して、去る西日はぐんぐん沈み、次第に、夜のカーテンが空へ降りつつあった。
そして、陽が完全に沈むというところで、夕貴はスキンシップを親密なものへ切り替え、香の後ろ頭からうなじにかけて、キスの雨を降らしながら、手を柔らかなスカートの内側へ入れて、淡いベージュのストッキングに覆われた太ももや内またなど、きわどい箇所まで触れた。
「!」
嬉しい驚きが香を襲った。
しかし、今はこのままズルズルと流されてはいけなかった。
階下で二人のための夕飯が準備されているからだ。
それは彼も承知のはずだが、抱擁はやけに強く、まるで駄々をこねている子供の如く、一方的で強情、また独占的だった。
「ひゃ♡♡!」
手がサッと軽やかにショーツを掠め、びっくりした香は情けない声を上げてしまった。
「ゆ、夕貴さ・・・。今は・・・」
だがしかし、彼女の口を封じ込めるように、夕貴の指先が恥丘の谷あいを掠めては、再び掠めることを繰り返した。
「あ♡♡あう♡♡」
遠慮知らずの手は、続いて、薄手のプルオーバーの中へ潜り込み、乳房をブラの上から揉み、香の欲情のスイッチを強引に入れた。
(手、あったかい・・・)
奇しくも今の状況から鑑みて、呑気なことを考えている暇はないのに、冷えが込んできた近頃、彼女は人肌が恋しくなっている現実を実感した。
「あッ♡♡ん♡♡」(や、そこは・・・♡♡摘ままないで・・・♡♡!)
可愛らしいピンクのブラジャーの上から、バラの蕾のようなそれを摘まんで捩られ、ビクッビクッと、香は身体が勝手に痙攣した。
「香さん・・・」
耳元で囁かれ、興奮のために全身がゾクゾクと沸き立って、支え立つ二本の脚から力が抜けてしまいそうになりつつも、香は声を振り絞って懸命に訴えた。
「あ、あの・・・。今は・・・、んッ♡♡だめ・・・♡♡!だめ、です・・・♡♡」
「できません。あなたが今欲しいんです」
「でっ、でも・・・♡♡!これからご飯だし・・・っ♡♡そ、それに・・・♡♡!お風呂に入ってから・・・♡♡!」
清潔かどうかなど、さほど重要ではないといった如く、夕貴は首の側面を舐めてみせた。
「~~~ッッ♡♡!!」
じれったい求愛のために、身体の中心が熱を帯びてきて、やがてそれは、脳を脅かすほど香を熱々と火照らせた。
クラクラと目眩を覚えつつ、抵抗は徐々に無力へ陥った。
「ん♡♡ん♡♡ん・・・っ♡♡」
もはや、夕陽はその姿を完全に消し、西の辺りを茜色に塗り残し、それ以外は、夜の暗闇がどこからともなく忍び込んできた。
遂にジワリと、下腹部の谷間からねっとりと熱い潤滑液が浸み出してきて、耐え切れない香は直談判した。
「も、直接・・・♡♡触って、くださ・・・♡♡!」
「あ、夕貴さ・・・♡♡!」
善がる香は愛撫する夕貴の袖辺りを掴みながら、彼を呼び、縋った。
ストッキングを脱いだ彼女は今、畳へ腰を下ろし、恋人の目の前で開脚した状態のまま、自分でスカートをたくし上げ、うっすらとシミのついたショーツの上から、出っ張った部分を中心に指で擦られ、ショーツのシミをより一層濃くしていた。
「可愛いです、香さん。俺をもっと呼んでください」
「あ、ん♡♡!~~ッッ・・・♡♡!!ゆ、夕貴さ・・・、んあッ♡♡!!」
「ふふ、可愛い・・・。言い損ねるほど善いんですね?ここは・・・」
夕貴はグリグリと指の腹で、薄い生地から盛り上がった、充血に膨れた淫核をしつこく押した。
「~~~♡♡!!」
声にならない歓喜の悲鳴が喉を突き、香は静かに喚いた。
香は今では、狂おしいほど悩ましい快感のために、涙が溜まった瞳は潤み、乱れた髪は毛の束が口の端へ入り込み、ひどく淫らな雰囲気を醸し出していた。
そのような艶めいた恋人を目の当たりにした夕貴は、逸る情欲から、喉が無意識のうちにゴクリと鳴った。
自然と指が唇へ伸び、黒い髪の毛を端から除けると、夕貴は吸い込まれるように、唇を半開きの唇へ近づけて、ピッタリと接着させた。
「んむ・・・♡♡!」
香は今まで生きてきた中で、ここまで甘美で、頭の芯がとろけてしまうキスをしたことがなかった。
それは極上といって差し支えないくらい、非常に特別で、彼女にとって大いに意味があるものだった。
想像以上に呼吸困難に陥りやすいのが玉に瑕だったが、些末な問題として厭わないほど、夕貴との口づけは香の一番の情交だった。
口の中を図々しく弄られ、絡み縺れ合う互いの舌で一杯になりながら、自らのものか、または相手のものか、はたまた互いのものが混ざり合った唾液を零さないよう、都度飲み干しては、彼らは愛を熱心に伝え合った。
ようやく長い接吻の後、唇が離れると、荒い呼気の中、混ざり合って一つになった互いの唾液が、透明でエロティックな糸を紡いだ。
糸は強靭性に欠け、すぐに切れてしまったが、赤く濡れ腫れた二つの唇が、キスの濃さをありありと物語っていた。
次いで、夕貴は空いた片手でプルオーバーを鎖骨までたくし上げ、可憐なピンクのブラに包まれた二つの膨らみを露見させた。
「香さん・・・。そう、良い子です・・・」
眼差しで夕貴の言わんことを察した香は、袖を掴んでいた手を、彼の手に代わってプルオーバーへやり、下へずり落ちないよう持った。
それから、鉤の如く曲げた指が片方の繊細なブラカップへ掛かり、力尽くでカップを引きずり下ろすと、淫悦から、痛いくらいに張り詰めた、桃染めの尖端が露出した。
そして、夕貴はすかさず面を寄せて、芯を帯びた小さな突起へ吸い付いた。
「あッ・・・♡♡!」
たちまち、香の心臓がドキッと跳ねた。
時折、チュウッと唇で吸い上げる高い音が響くも、舌はゆっくりと飴を舐め転がすように動いて、胸の蕾をじっくりと丁寧に愛でるものだから、快楽が快楽を呼び、積み重ねられた結果、香は腰の奥がキュンキュン疼いて、どうしようもなくなった。
「んッ・・・♡♡!」(~~~・・・♡♡!何だか腰が・・・ムズムズする・・・っ♡♡!)
「・・・ああ・・・ッ♡♡!」
同時に、中断されていた秘処への求愛も再開され、煮詰めた砂糖水のように、とろりととろけた蜜芯と、淫らな鮮紅に熟した淫芽へ指が小刻みに這う度、ぬちゅぬちゅといやらしい水音が出つつ、香は上と下、両方一遍に愛され、身体の内側でうねる享楽に太刀打ちできなくなった。
それは、もし気を抜いたら、スカートとプルオーバーを掴み持っていた手を放してしまいそうなほどだった。
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息遣い、それから服装も乱れた上に、長い黒髪が畳の上へ乱れ広がり、彼女の思慮の及ばぬところで、男の欲望を更に募らせた。
下肢の間のものは遥か前から準備万端で、夕貴はもったいぶるかのように、革製のベルトを遅々と緩め、金属音を上げつつチャックをゆっくりと下ろし、ボクサーパンツの下から立派な男根をのんびり取り出した。
(あッ・・・)
すると、今まで割かし拍をゆっくり刻んでいた香の心臓が、匂い立つ雄の濃厚なフェロモンにくすぐられて、途端に精力的な循環器へ変貌し、血液を身体の隅々まで盛んに送り込み始めた。
「香さん・・・」
夕貴は熱を帯びた情熱的な視線で恋人を見つめ、彼女の名前を愛し気に囁くと、浮き上がった雄を、ずらしたショーツから出現した、雌のぬかるんだ、ふしだらな洞穴の入口へ当てた。
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「んッ・・・♡♡」
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しかしながら、とりあえず、焦った香は慌てて返答した。
「は、はい!今行きます!」
「失礼しましたー」
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「あ、あの・・・。どうしましょうか、夕貴さん・・・」
「~~~・・・!!・・・香さん。先に行っていてください。俺は後から行きます」
「で、でも・・・」
「大丈夫です、心配いりません。何とかします」
格好はつかなかったが、夕貴は腰を引くと、昂ぶりを再び下着の中へしまい込んだ。
それでも下腹部はこんもりと膨らみ、存在が強調されていたが、行為の直前で中止されるのは、蛇の生殺しの如く辛いのだろうと、憐れんだ香は気を遣って、はだけたブラを素早く直し、手早くプルオーバーを元の位置まで戻し、足先で引っかかっていたストッキングを急いで穿き直し、襞のある柔らかいスカートを軽く手で掃って、皺を即席に伸ばすと、かける言葉もなしに、いそいそと部屋から出て行ったのだった。
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ある日、まゆは父親からお見合いを進められる。
義兄を慕ってきたまゆはお見合いを阻止すべく、車に引かれそうになったところを助けてくれた、祐志に恋人の振りを頼む。
そこではじめてを経験する。
まゆは三十六年間、男性経験がなかった。
実は祐志は父親から許嫁の存在を伝えられていた。
深海まゆ、一夜を共にした女性だった。
それからまゆの身が危険にさらされる。
「まゆ、お前は俺が守る」
偽りの恋人のはずが、まゆは祐志に惹かれていく。
祐志はまゆを守り切れるのか。
そして、まゆの目の前に現れた工藤飛鳥。
借金の取り立てをする工藤組若頭。
「俺の女になれ」
工藤の言葉に首を縦に振るも、過去のトラウマから身体を重ねることが出来ない。
そんなまゆに一目惚れをした工藤飛鳥。
そして、まゆも徐々に工藤の優しさに惹かれ始める。
果たして、この恋のトライアングルはどうなるのか。
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