悪役令嬢を誘拐したら身代金を断られたので大喧嘩しながら同棲中

ガイア

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令嬢奪還!!

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ヘルメットをしていても、瞬時にわかる。

「な、何であんた」

「ひいっ・・・あ、あんたら、あたしを殺す気?」

あたしの声を遮って、拳銃を向けられたババアが叫んだ。

「ああ」

低いドスの利いた声。ハーネスのそんな声は聴いたことがなかった。
ハーネスは、怯えきっているババアに拳銃を向けるのをやめ、さっとあたしの方に手を伸ばした。

「えっ・・・あっ」

野菜を引っこ抜くように抱きかかえられて引っこ抜かれた。

「さっさと行くぞ」

車から出され、ナイフですぐさまロープを切られ、あたしは自由の身になった。
ロープで縛られていたところが痛かったから、自由になって凄く気持ちが楽になった。
バイクの後ろを指して、ハーネスは一言「乗れ」とだけ言った。
ハーネスは、いつからこんなバイクを持っていたんだろう。
あたしは、焦ってバイクに駆け寄ったけど、空を切り裂く銃声の音でその足を止めた。

「くっ・・・」

飛び散る鮮血、呻き、よろめいたのは、あたしの前にいたハーネスだった。
振り返ると、拳銃を持ったババアがいた。

「拳銃!」

頭を打ったから拳銃の存在をすっかり忘れていた。

「クソっ」
銃弾は、ハーネスの左肩をかすめたらしく、ハーネスの体は痛みに震えていた。

「ハーネス!」

「甘いね、ただで済むと思うんじゃないよ」

まず!ババアは、また引き金を引こうとしている。
ハーネスは震える手で拳銃をババアに向けるけど、焦点があっていないようでがたがたしている。

ハーネスは、誘拐犯だ。
ここでハーネスをおばさんに殺させたら、あたしは晴れて自由の身になる!でも、そうしたらさっきあたしを殴ったこのババアのところに戻らないといけない。
あたしは、引き金を引こうとしているおばさんに叫んだ。

「おばさん!!!待って!やめて彼を殺すならあたしを先に殺して!」

「やめないよ!」

おばさんは、あたしを見て叫んだ。
そのおばさんの乗っている車に向けて何発かでたらめに銃弾が降り注ぐ。

「ぎゃああああああああああ!!」

容赦なかった。時間を稼ごうと思ったら、一瞬のおばさんのよそ見のうちにハーネスは力を振り絞って銃を撃ちまくっていた。
そのうちにバイクに駆け寄り、ハーネスからヘルメットを受け取る。

「さっさと・・・逃げるぞ」

「ええ!」

銃弾の音で人もかなり集まっていた。
警官のサイレンもなっていて、周りの人たちは遠くから見ているだけだったけど、これから集まってくると思う。その時にあのババアが捕まっていることを祈るわ。

***

「痛っ・・・」

またあのボロ屋に戻ってきたあたしたち。
ソファで脂汗を流しながら寝ているのは、ハーネス。あたしを誘拐した誘拐犯。
左肩からは血がにじんでいて酷く痛そうだった。お金がないから、何も手当ができない。

「この家には、包帯とかないの?」

「ない」

あたしは、自分のドレスのすそを思いっきり引き裂いて膝丈くらいのミニドレスにリメイクした。

「はあ・・・はあっ・・・」

死にそうな顔をしているハーネスの服を脱がそうとすると、

「さわるな」

冷たく、『鬱陶しい』という感情が言葉に現れていた。

「どうしてそんなこというのよ!!!!!!!!!」

ハエを追い払うように扱われて私は、頭にかあっと血が上り涙が自然と溢れてきた。

「せっかく、せっかくてあてしてあげよっ・・・ぐすっ・・・おもったのにっ・・・ばか!どうして・・・こんなっ・・大けがしてまで・・・私をたすけたのよ!!」

「うるさいなあ・・・傷に響くだろ」

ハーネスは、泣いている私にも冷たかった。

「ばかああ・・・ばかハーネスばかああ」

涙が次々溢れてきて、鼻水も止まらなくてあたしはハーネスのお腹をぽかぽか叩いた。

「いてっ!いでええ!おまっ!治ったら覚えておけよこのやろ」

ハーネスは、顔が真っ青だけどさっきより喋れるようになったらしい。
あたしは、その姿にほっと胸をなでおろした。
安心したらまた涙が溢れてきて、止まらなくなって、あたしは手に持っていた布で涙を拭いた。
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