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お金=猫
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「猫を探しにいくぞ・・・猫を探しに・・・いくぞ」
朝から顔色の悪いハーネス。
幽霊みたいなぼーっとした声でふらふらソファから立ち上がった。
「猫を探しにいくの?行けばいいじゃない」
「ああ・・・お前は留守番してろ。ふざけんな、手伝え」
「え!?いいの」
あたしは前後でいっていることが違うハーネスに首を傾げた。
「だめに決まってんだろ、逃げるからな。さっさと行ってくる。嫌だ、お前が行け」
「え!?いいの?」
「だめにきまってんだろ」
「何回やんのよこれ。潔くいってきなさいよ」
あたしは呆れて思わず苦笑いをしてしまった。
「猫ババの掃除道具を借りたお礼・・・。猫4匹に跳ね上がってた」
ハーネスは、背中を丸めてぼそっといった。
そして、とぼとぼ扉の前まで来て扉に手をかける。その背中には哀愁が漂っていた。
「お金を払えって言われるよりいいじゃない」
「オレはどっこいどっこいくらい嫌だけどな」
「どうしてよ、猫を捕まえてくるだけでしょう」
「それがどれだけ大変か・・・お前にわかるかあ!!肩も痛いしさあ・・・」
ハーネスは、ぶつぶつ言いながらなかなか外に出て行かない。
「もしかしてハーネス、猫がキライなの?」
ハーネスは、びくりと体を震わせて扉に手をかけた。
「いいよ、行けばいいんだろ!!クソガキ」
「誰がクソガキよ!なんでよ、猫バ・・・オーラさんのところにいた時は普通に・・・」
あたしは、袋に入っていた猫を思い出した。
そういえば・・・。
「猫にキライな態度をとると、猫ババに外に連れていかれてビンタされるからな」
あたしは、猫ババにビンタされているハーネスを想像して少し笑ってしまった。
「あたし、やっぱり手伝ってあげるわよ」
「・・・」
ハーネスは、じっとあたしを見て考えた。
「何よ」
「そういえば、狩猟犬というものがいたな」
「何言ってんのよ」
ハーネスは、すたこらと縄を持ってきてあたしを前物乞いをさせられそうになった時のようにお腹を縄で縛った。
「やめなさいよ!何よこれは!また!?またなの!?」
「行くぞ、オレの狩猟犬。猫を捕らえてくるんだ」
「前もこれかなり目立ってたでしょ!もう逃げないわよ。行くところ・・・ここしかないし」
本心だった。
あの一件から、お父さまやお母さまがあたしを助けてくれる可能性を感じることができなくなっていた。
ハーネスとの生活に慣れてきてしまっている自分がいる。
「それに、あたしが逃げても逃げなくても、こんなあたしがいたところで売り物にもならないし、意味ないでしょ」
そういうと、ハーネスは顎に手を当てて首を傾げた。
「売り物にはまだならないかもしれないが、まあ役にたつこともあるかもしれないからな。たまには、多分」
「多分って何よ!」
「猫を探すのはまあ、正直人が少ない場所ばかりだし橋の下とか、汚い路地裏とかを歩いてもらうくらいには役に立つだろ」
なによそれ・・・この男・・・ほんっとさいてい!
猫に引っかかれていたい思いをすればいいんだわ!
ゴンゴンゴン。がちゃがちゃがちゃ。
ハーネスと言い争いをしていて気が付かなかった。
既に扉の前に立っていたこの人の存在を。
あたしたちは咄嗟に後ろに飛びのいて、蹴破られる扉に備えた。
バンと、案の定蹴破られた扉の前には、猫ババが仁王立ちしている。
眉間にしわを寄せて怒っているようだった。
「ドクソ猫、掃除道具のお礼の猫はいつ連れてくるつもりだい?」
「猫・・・オーラさん、夜には」
「よるうう!?」
「ゆ、夕方には」
「へいっ!じゃあさっさと行きな!17時までに戻ってこなかったらここからたたき出すからね!」
猫ババと一緒に猫たちがにゃーにゃー部屋に入ってきた。
ハーネスはそれを見ると10メートくらい飛び上がり、顔を真っ青にして入口から離れようと後ずさった。
「ホイップ、ハーネスに挨拶してきな」
腰に手をあてた猫ババが白い猫にそういうと、猫はこくりと頷いててってけハーネスの方へかけていった。
「ひいっ、わ、わかった、いきますとも!」
ハーネスはそういって外へ飛び出していった。
「あんたはうちの掃除の続き」
「え?」
猫ババは、きょとんとするあたしを連れて自分の部屋へと連れて行った。
夕方、ハーネスはまたボロボロになって帰ってきて、ゴミ袋に猫を4匹入れてきたので猫ババに外に連れていかれてビンタされていた。あたしはそれを見て声を押さえて笑った。
そして猫ババはまたパンをくれた。
ハーネスは帰ってきてすぐ、疲れてソファで泥のように寝ていた。
掃除で疲れたあたしだって寝たいのに。ずるいわ。
「お疲れさま」
ぼそっというと、ハーネスは寝返りをうった。
「・・・・・・・・・・まったくだ」
いつものようなぶっきらぼうな言葉が返ってきた。
起きてたのならそういなさいよ、あたしは口をとがらせて、椅子に腰かけた。
そして、ボロい天井を見上げて思いだしていた。
誘拐される前のあたしのことを。
朝から顔色の悪いハーネス。
幽霊みたいなぼーっとした声でふらふらソファから立ち上がった。
「猫を探しにいくの?行けばいいじゃない」
「ああ・・・お前は留守番してろ。ふざけんな、手伝え」
「え!?いいの」
あたしは前後でいっていることが違うハーネスに首を傾げた。
「だめに決まってんだろ、逃げるからな。さっさと行ってくる。嫌だ、お前が行け」
「え!?いいの?」
「だめにきまってんだろ」
「何回やんのよこれ。潔くいってきなさいよ」
あたしは呆れて思わず苦笑いをしてしまった。
「猫ババの掃除道具を借りたお礼・・・。猫4匹に跳ね上がってた」
ハーネスは、背中を丸めてぼそっといった。
そして、とぼとぼ扉の前まで来て扉に手をかける。その背中には哀愁が漂っていた。
「お金を払えって言われるよりいいじゃない」
「オレはどっこいどっこいくらい嫌だけどな」
「どうしてよ、猫を捕まえてくるだけでしょう」
「それがどれだけ大変か・・・お前にわかるかあ!!肩も痛いしさあ・・・」
ハーネスは、ぶつぶつ言いながらなかなか外に出て行かない。
「もしかしてハーネス、猫がキライなの?」
ハーネスは、びくりと体を震わせて扉に手をかけた。
「いいよ、行けばいいんだろ!!クソガキ」
「誰がクソガキよ!なんでよ、猫バ・・・オーラさんのところにいた時は普通に・・・」
あたしは、袋に入っていた猫を思い出した。
そういえば・・・。
「猫にキライな態度をとると、猫ババに外に連れていかれてビンタされるからな」
あたしは、猫ババにビンタされているハーネスを想像して少し笑ってしまった。
「あたし、やっぱり手伝ってあげるわよ」
「・・・」
ハーネスは、じっとあたしを見て考えた。
「何よ」
「そういえば、狩猟犬というものがいたな」
「何言ってんのよ」
ハーネスは、すたこらと縄を持ってきてあたしを前物乞いをさせられそうになった時のようにお腹を縄で縛った。
「やめなさいよ!何よこれは!また!?またなの!?」
「行くぞ、オレの狩猟犬。猫を捕らえてくるんだ」
「前もこれかなり目立ってたでしょ!もう逃げないわよ。行くところ・・・ここしかないし」
本心だった。
あの一件から、お父さまやお母さまがあたしを助けてくれる可能性を感じることができなくなっていた。
ハーネスとの生活に慣れてきてしまっている自分がいる。
「それに、あたしが逃げても逃げなくても、こんなあたしがいたところで売り物にもならないし、意味ないでしょ」
そういうと、ハーネスは顎に手を当てて首を傾げた。
「売り物にはまだならないかもしれないが、まあ役にたつこともあるかもしれないからな。たまには、多分」
「多分って何よ!」
「猫を探すのはまあ、正直人が少ない場所ばかりだし橋の下とか、汚い路地裏とかを歩いてもらうくらいには役に立つだろ」
なによそれ・・・この男・・・ほんっとさいてい!
猫に引っかかれていたい思いをすればいいんだわ!
ゴンゴンゴン。がちゃがちゃがちゃ。
ハーネスと言い争いをしていて気が付かなかった。
既に扉の前に立っていたこの人の存在を。
あたしたちは咄嗟に後ろに飛びのいて、蹴破られる扉に備えた。
バンと、案の定蹴破られた扉の前には、猫ババが仁王立ちしている。
眉間にしわを寄せて怒っているようだった。
「ドクソ猫、掃除道具のお礼の猫はいつ連れてくるつもりだい?」
「猫・・・オーラさん、夜には」
「よるうう!?」
「ゆ、夕方には」
「へいっ!じゃあさっさと行きな!17時までに戻ってこなかったらここからたたき出すからね!」
猫ババと一緒に猫たちがにゃーにゃー部屋に入ってきた。
ハーネスはそれを見ると10メートくらい飛び上がり、顔を真っ青にして入口から離れようと後ずさった。
「ホイップ、ハーネスに挨拶してきな」
腰に手をあてた猫ババが白い猫にそういうと、猫はこくりと頷いててってけハーネスの方へかけていった。
「ひいっ、わ、わかった、いきますとも!」
ハーネスはそういって外へ飛び出していった。
「あんたはうちの掃除の続き」
「え?」
猫ババは、きょとんとするあたしを連れて自分の部屋へと連れて行った。
夕方、ハーネスはまたボロボロになって帰ってきて、ゴミ袋に猫を4匹入れてきたので猫ババに外に連れていかれてビンタされていた。あたしはそれを見て声を押さえて笑った。
そして猫ババはまたパンをくれた。
ハーネスは帰ってきてすぐ、疲れてソファで泥のように寝ていた。
掃除で疲れたあたしだって寝たいのに。ずるいわ。
「お疲れさま」
ぼそっというと、ハーネスは寝返りをうった。
「・・・・・・・・・・まったくだ」
いつものようなぶっきらぼうな言葉が返ってきた。
起きてたのならそういなさいよ、あたしは口をとがらせて、椅子に腰かけた。
そして、ボロい天井を見上げて思いだしていた。
誘拐される前のあたしのことを。
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