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性格の悪い令嬢を誘拐する前と誘拐した後
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「お嬢様、今日のスケジュールは朝からお勉強、バイオリンのレッスン、お勉強、マナーレッスン、ピアノのレッスン・・・」
「・・・もうっうんざりよ!やりたくないわ!」
あたしは叫んだ。
いつも叫んでいた。嫌だ、やりたくない、お母さまとお父さまに会わせて。
あたしは、物心ついた時からお父さまとお母さまと離れ離れにされて、一人、メイドや召使たちに囲まれて暮らしていた。
「そうは仰いましても」
「お母さまとお父さまは!?いつ帰ってくるの!?」
「ご主人様と奥様はお仕事が忙しいので・・・」
「毎回それじゃないっ!レッスンなんてやって何になるのよ!」
「お嬢様は、フォーデンハイド家の令嬢としてふさわしいレディに、ですね」
「なりたくないわよ!そんなの!!」
あたしは、毎日メイドたちを困らせていた。特にマイヤー。
マイヤーは、メイドの中でもかなりエリートだと使用人たちの噂を聞いたことがあった。
マイヤーがあたしに怒ったことはなかった。
なだめて、機嫌をとることはあっても、あたしを怒ることだけはなかった。
いつも困ったような顔をして、同じことを繰り返すだけ。
あたしは、癇癪を起した後は、部屋に閉じこもってベットの上でいつも泣いていた。
枕の下に隠してあるお父さまとお母さまの写真を抱きしめながら。
「どうしてこうなるのよ・・・いつも一人ぼっちで勉強やレッスンばっかり。こんなことなら、こんなことなら、あたし、フォーデンハイド家にふさわしいレディなんて、いらないわ・・・っぐすっ・・・」
あたしは、何不自由なく暮らしていた。
確かにそうだった。
でも、その生活はいつもどこか寂しくて、泣いてばかりいた。
そして、あたしはなんとなくわかっていたのよ。
あたしのお父さまとお母さまは、あたしに興味なんてないって。
だってそうでしょう?
小さい頃からずっとあたしをこの屋敷に置き去りにして、お仕事と嘘をついて2人で・・・。
そう考えると、あたしはまた涙が溢れてきて、枕に顔をうずめた。
そんな日々の繰り返しだったある日、ベットで寝ていたら物音で目を覚ました。
「んっ・・・?」
ぼやけ眼で物音の正体を探そうと顔をあげたその時、
「!?」
いきなり口元を押さえつけられ、暴れようとしたら何か薬をかがされたみたいで、刺激臭と共に意識を失った。
「・・・・・へ?」
「起きたか?」
「え!?な、なによこれ!!」
「騒ぐな」
「なによこのボロ家は!」
「騒ぐな!」
「汚すぎるでしょこの家!トイレ!?あたしの屋敷のトイレより汚いわよ!ってなによこれ!どうしてあたし拘束されてるのよ!?」
「騒ぐなっていってんだろ!」
視線をばたばたさせるあたしに、ぴしゃりと言い放ったのは、黒い髪に青いバンダナを巻き、あまりキレイとはいえない白いシャツに黒いズボンのすらりと背の高い男だった。
顔は悪くないけど、目が吊り上がって人相が悪い、友達が一人もいなさそうな顔をしていた。
「お前は、誘拐されたんだ、これからお前の家に身代金を請求する」
「身代金を払われなかったら、あたしはどうなるわけ?」
「金持ちの変態に売って、もしそれでも売れなければ体をバラバラにして臓器とか売る」
「・・・・・・・・・・・」
コイツは今なんていった?
そんなの嫌に決まってるじゃない。
じょ、冗談よね?
「もしもし」
あたしは、男の様子をハラハラしながら見つめていた。
家には使用人しかいない。
あたしは使用人に酷いことばかりしてきた。お父さまや、お母さまはあたしに身代金を支払ってくれるのだろうか?
「お嬢さまの命が惜しければ身代金を1千万ギル用意しな」
***
「あ・・・」
目を覚ますと、天井があった。
あれ?体が重い。
見ると、起きる前まで椅子で寝ていたのに、ソファに移動していた。
体にはありったけの布がかけられている。
「いいご身分だな」
ソファの下、掃除で綺麗にした床に座ってソファにもたれながらハーネスは猫ババからもらったパンをむしゃむしゃ食べていた。
起き上がると、目から何かが流れてきた。
「え?」
頬を触ると、ぬれていた。
寝ている間に過去のことを思い出して涙を流していたらしい。
あたしは、そんな姿をハーネスに見られたくなくて急いでごしごし目をこすった。
「あ、ありがとうハーネス。この布、かけてくれたの?」
「嫌がらせだ」
「腕が痛いはずなのに、あたしのこと運んでくれたの?」
「椅子を引きずってきてソファに転がした」
・・・優しく話しかけたらこれよ。
全くこの男は。
「そのパンあたしにもよこしなさいよ」
「はい」
ハーネスは、かけら程のパンをあたしにくれた。
ありんこ程のサイズのパンくずだった。
「はい、じゃないでしょお!?なんなのこのケチ男!」
「肩の回復にかなりの栄養が必要なんだよ」
「じゃあソファで寝てたらいいでしょ!?」
「・・・・・・まあ、確かにな。元気そうだし、どけ」
ハーネスは、むすっとしてどけどけと手をひらひらさせた。
あたしはかちんと来たから言ってやった。
「パンと交換よ」
「このクソガキ!」
「・・・もうっうんざりよ!やりたくないわ!」
あたしは叫んだ。
いつも叫んでいた。嫌だ、やりたくない、お母さまとお父さまに会わせて。
あたしは、物心ついた時からお父さまとお母さまと離れ離れにされて、一人、メイドや召使たちに囲まれて暮らしていた。
「そうは仰いましても」
「お母さまとお父さまは!?いつ帰ってくるの!?」
「ご主人様と奥様はお仕事が忙しいので・・・」
「毎回それじゃないっ!レッスンなんてやって何になるのよ!」
「お嬢様は、フォーデンハイド家の令嬢としてふさわしいレディに、ですね」
「なりたくないわよ!そんなの!!」
あたしは、毎日メイドたちを困らせていた。特にマイヤー。
マイヤーは、メイドの中でもかなりエリートだと使用人たちの噂を聞いたことがあった。
マイヤーがあたしに怒ったことはなかった。
なだめて、機嫌をとることはあっても、あたしを怒ることだけはなかった。
いつも困ったような顔をして、同じことを繰り返すだけ。
あたしは、癇癪を起した後は、部屋に閉じこもってベットの上でいつも泣いていた。
枕の下に隠してあるお父さまとお母さまの写真を抱きしめながら。
「どうしてこうなるのよ・・・いつも一人ぼっちで勉強やレッスンばっかり。こんなことなら、こんなことなら、あたし、フォーデンハイド家にふさわしいレディなんて、いらないわ・・・っぐすっ・・・」
あたしは、何不自由なく暮らしていた。
確かにそうだった。
でも、その生活はいつもどこか寂しくて、泣いてばかりいた。
そして、あたしはなんとなくわかっていたのよ。
あたしのお父さまとお母さまは、あたしに興味なんてないって。
だってそうでしょう?
小さい頃からずっとあたしをこの屋敷に置き去りにして、お仕事と嘘をついて2人で・・・。
そう考えると、あたしはまた涙が溢れてきて、枕に顔をうずめた。
そんな日々の繰り返しだったある日、ベットで寝ていたら物音で目を覚ました。
「んっ・・・?」
ぼやけ眼で物音の正体を探そうと顔をあげたその時、
「!?」
いきなり口元を押さえつけられ、暴れようとしたら何か薬をかがされたみたいで、刺激臭と共に意識を失った。
「・・・・・へ?」
「起きたか?」
「え!?な、なによこれ!!」
「騒ぐな」
「なによこのボロ家は!」
「騒ぐな!」
「汚すぎるでしょこの家!トイレ!?あたしの屋敷のトイレより汚いわよ!ってなによこれ!どうしてあたし拘束されてるのよ!?」
「騒ぐなっていってんだろ!」
視線をばたばたさせるあたしに、ぴしゃりと言い放ったのは、黒い髪に青いバンダナを巻き、あまりキレイとはいえない白いシャツに黒いズボンのすらりと背の高い男だった。
顔は悪くないけど、目が吊り上がって人相が悪い、友達が一人もいなさそうな顔をしていた。
「お前は、誘拐されたんだ、これからお前の家に身代金を請求する」
「身代金を払われなかったら、あたしはどうなるわけ?」
「金持ちの変態に売って、もしそれでも売れなければ体をバラバラにして臓器とか売る」
「・・・・・・・・・・・」
コイツは今なんていった?
そんなの嫌に決まってるじゃない。
じょ、冗談よね?
「もしもし」
あたしは、男の様子をハラハラしながら見つめていた。
家には使用人しかいない。
あたしは使用人に酷いことばかりしてきた。お父さまや、お母さまはあたしに身代金を支払ってくれるのだろうか?
「お嬢さまの命が惜しければ身代金を1千万ギル用意しな」
***
「あ・・・」
目を覚ますと、天井があった。
あれ?体が重い。
見ると、起きる前まで椅子で寝ていたのに、ソファに移動していた。
体にはありったけの布がかけられている。
「いいご身分だな」
ソファの下、掃除で綺麗にした床に座ってソファにもたれながらハーネスは猫ババからもらったパンをむしゃむしゃ食べていた。
起き上がると、目から何かが流れてきた。
「え?」
頬を触ると、ぬれていた。
寝ている間に過去のことを思い出して涙を流していたらしい。
あたしは、そんな姿をハーネスに見られたくなくて急いでごしごし目をこすった。
「あ、ありがとうハーネス。この布、かけてくれたの?」
「嫌がらせだ」
「腕が痛いはずなのに、あたしのこと運んでくれたの?」
「椅子を引きずってきてソファに転がした」
・・・優しく話しかけたらこれよ。
全くこの男は。
「そのパンあたしにもよこしなさいよ」
「はい」
ハーネスは、かけら程のパンをあたしにくれた。
ありんこ程のサイズのパンくずだった。
「はい、じゃないでしょお!?なんなのこのケチ男!」
「肩の回復にかなりの栄養が必要なんだよ」
「じゃあソファで寝てたらいいでしょ!?」
「・・・・・・まあ、確かにな。元気そうだし、どけ」
ハーネスは、むすっとしてどけどけと手をひらひらさせた。
あたしはかちんと来たから言ってやった。
「パンと交換よ」
「このクソガキ!」
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