悪役令嬢を誘拐したら身代金を断られたので大喧嘩しながら同棲中

ガイア

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プチ家出大作戦~あたしの大切さをわからせてやるわ~

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「あたし、働きに行こうか」

あたしは、朝からハーネスにずっと考えていたことを話した。

「いや、お前みたいな子供を働きに雇ってくれるところなんてあるわけないだろ」

ハーネスは、相変わらずあたしを子供扱いする。

「あるわよ、きっと!それにこのままじゃだめでしょ?」

ハーネスは働きにいかないし、猫ババに助けてもらうのも悪いわ。
あたしは、他に収入があればいいと思ったの。
それに、昨日のハーネスは様子がおかしかったわ。いつも偉そうにしているくせに、布団にもぐりこんで【殺したくない】なんて物騒なことも言っていたわ。

あれは考えたけどきっとあたしのことよ。
口だけで偉そうなハーネスが昔そんな物騒なことに関わっているわけがないもの。だって、猫ババの猫に怯えているような男よ。
もしかしたら、あたしを解体して臓器を売ろうとしているのかもしれないわ。
前にあたしの臓器を売る話も出ていたもの。結局今のところはしていないけど、本当に困ったらどうなるかわからないわ。
でも、ハーネスの昨日の様子から考えると、あたしのことが結構好きになっちゃったから殺したくないって言ったのよ。
本当はそんなことはしたくないけど、自分は働きたくないしあたしを解体して売るしかない。でも、それが悲しくて泣いていたのね。

あたしは家畜か!!!!!!!!!!!

少しでも、収入があればハーネスの精神も安定してそんな馬鹿なことは考えなくなると思うのよ。ええ、本当に頭がおかしいわねこの男は。そしてあたしも相当疲れてる。

「このままって、お前はずっとオレと暮らすつもりなのか?」

ハーネスは、きょとんとしてあたしを見た。

「それしかないでしょ。あたし行くところないんだから」

そういうと、ハーネスはふっと微笑んだ。そして、口をへの字にしていっやーな顔をした。

「役病神がずっと家にいるわけか」

「誰が役病神ですって!!!!」

あたしは腰に手をあててハーネスおところにどすどす歩いて行った。

「そうやって憎まれ口を叩くのも今の内よ、あたしがいなくなったら、ハーネスはきっと一人じゃ生きていけないんだから」

「行くところがないお前に言われてもな」

「あたしがいなかったら昼寝してるハーネスに布をかけてあげる人はいないんだからね!」

「へいへい」
ハーネスは、とぼけていつもの調子であたしの返事に適当に返してくる。むっかー!
本当にいなくなってやるわよ。
あたしは、ちょっとハーネスを心配させてやりたいと思った。

明日猫ババの手伝いがある。
掃除のとき、猫ババの部屋で部屋の鍵の場所を知っちゃったんだから。
猫ババの寝室、鍵をいれる小さい網箱がある。あそこの鍵をこっそり奪って猫ババがお昼寝中にプチ家出をしてやるわ。
また変なババアに誘拐されるといけないから町の方へはいかないようにしましょう。
この部屋から自由に出れればいいんだけど、最初はチェーンで施錠してあったこの部屋。
猫ババが勢いよく蹴破るからチェーンが壊れて、猫ババが「私から逃れようったってだめだよ!」っていってハーネスのチェーンをとっちゃって、ハーネスが外からは鍵、中からは南京錠の番号を設定しないと出られないようにしちゃったから出られないのよね。

「ほら、今日も手伝いだよ」

「はーい」

猫ババに大人しくついていく。

「じゃあね、ハーネス」

ハーネスはいつものように面倒くさそうに手をあげた。
そしていつものように猫ババに猫を捕まえてくるように怒られて叩かれていた。
でも、ハーネスが外に猫探しに行くとあたしと鉢合わせするかもしれないわ。

「オーラおばさん、だめよ。ハーネス少し体調が悪いみたいなの」

「・・・!そうなんだ、オレは今日体調が悪い」

「そんなの関係ないね」

猫ババは容赦なかった。体調が悪いといっているハーネスの首根っこを掴んで猫を持ち歩くようにソファからハーネスを立ち上がらせた。

「今日は休ませてあげてよ。昨日体調悪くてベットでしくしく泣いてたんだから」

「何を言ってんだお前は」

呆れた様子のハーネス。相変わらず猫ババに首根っこを掴まれている。

「生意気猫、今日はやけにドクソ猫に優しいねえ」

猫ババは、あたしをみて、見透かしたように微笑んだ。

「ええ、ハーネスとの付き合いも長いからね」

あたしがそういうと、猫ババはにやりと笑って、「ふーーーん」といった。

「だってさ、元気になったら一週間ぶっ続けで猫探しだよ」

「はあ!?行けるよ!」

ハーネスは叫んだけど、猫がにゃーにゃー入ってきて恐怖に顔を青くした。

「顔が真っ青じゃないかい。じゃあ、今日は休んでいいよ」

「ちょっ、クソ。お前覚えてろよ」

ハーネスに睨まれたからあたしは猫ババの後ろに隠れた。

ハーネス、あんたにあたしの大切さをわからせてやるわよ。
あたしは、計画通り鍵をゲットして猫ババが猫たちとお昼寝をしているのを見計らって玄関へと向かった。いつもは、猫ババのお昼寝中洗濯物を入れて畳んだりしないといけないいんだけど、あたしはそれを別の掃除をやりながら同時進行で少しずつ進めていっていた。

「チョコとチップは気づいたみたいね」

にゃーにゃ―鳴いているチョコとチップに唇に人差し指を当てて、

「しー、静かに」

あたしはさっさと鍵を開けて部屋から出た。
夕方くらいに帰ってきましょう。

***

どたどたと足音がして、オレは目を覚ました。
なんだ、今日はお休みのはずだろ?それともまた何か怒られるのかオレ。

「ちょっと、ドクソ猫!下に来な!」

猫ババは、いつもと少し違う様子でオレを呼んだ。

「どうしたんですか」

猫ババについて下に行くと、テレビがつけっぱなしになっていた。

「・・・娘が誘拐されて、本当に悲しいです」
「早く帰ってきてほしいです」

「・・・・・・」

「アリス・フォーデンハイドを誘拐した誘拐犯を、私たちは決して許しません。一日でも早く愛娘が我が家に帰ってくることを祈ります」

そこには、フォーデンハイド家の当主とその妻。つまり、お嬢の母親と父親が涙ながらに会見をしている姿が映し出されていた。
お嬢の小さい頃の写真がテレビに映し出されている。流れるような金髪に青い瞳。少しぎこちない笑みは、今とは少し想像もつかない。

「なんだよ・・・これ」
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