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深夜のコンビニバイト三十一日目 ナイチンゲール来店
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深夜のコンビニバイト三十一日目。
「ゴホッグォホッゲホッ」
ハァ、ハァ、頭がガンガンする。咳が止まらない。
だが、俺は今日行けば休みという事で今日ちょっと無理して出勤した。
出勤前はこんなに酷くなかった風邪だけど、出勤後からかなり具合が悪い。
今日行けば明日休み、今日行けば明日休み。
死にそうになりながら立つ深夜2時のコンビニレジ。
今日はマジで変な人来られたら対処できないぞ。あぁ、無理せず休んでおくべきだったかなぁ。
ピロリロピロリロ。
「いらっしゃ...ックシュン!ハァ、ハァ、いらっしゃいませ...」
咳のしすぎて胸も痛くなって来た。
霞む視界でお客様を確認する、黒髪を後ろでおだんごにし、丸眼鏡をかけた白衣の女性。
「体調が悪そうですね...貴方」
レジに両手をついて体を支える俺の額に優しく手を当て、
「熱がありますね。少し休んだ方がいいでしょう」
「休む...ハァ、ハァ、明日は休みなんで、大丈夫です。出勤します」
「相当重症のようですね。全く体調が悪いのに出勤するなんて本当にどうしようもない人」
呆れたようにため息をついて、ひらりと入り口を振り返り、
「貴方も彼の事が心配なのなら、手伝ってくれる?」
入り口前で俺達をじっと見ていた綾女さんに声をかけた白衣の女性は、今気がついたが、背負っていた大きなリュックをドスンとおろし、中から白い枕を取り出した。
そして、グッとリュックに手を突っ込んで中からグググっと引っ張ってきたのは、人が一人寝れるくらいの布団だった。
「布団をここに敷くわ。貴方は患者を支えてこちらに連れてきてくれる?」
コンビニで何言ってんだ...この人。布団を、敷く?
綾女さんは、コンビニに入ってきてレジ前に布団が敷いてあるので、それを踏まないように遠回りをして早歩きで俺のレジまで来て、ふらふらな俺の腰に手を回して俺を支えてくれた。
「ありがとうございます...すいません」
「いいのよ。私は貴方の恋人なのだから貴方を支えるのは当然よ。ほら、もたれていいのよ」
「すいません」
「ひゃっ!か、から...体がちかっ...」
隣で綾女さんが慌てる声が耳から通り抜けていく。あぁ、綾女さんは可愛いなぁ。
「ハル!?大丈夫なの!?ねぇ!?これすぐ病院に連れて言った方がいいんじゃないかしら!?こんな状況なのにハル、笑っているわよ!」
「あは...はは、はははふふ、ふふ」
「これは相当熱で頭をやられてるわね。でもこんな時間に病院に連れて行くより私が治療した方が早いわ」
白衣の女性は、リュックから黒い手袋をだしきゅっと装着した。
「治療って?」
「治療は治療。まずはお布団で暖かくしてお熱を計りましょう」
リュックサックからピッと体温計を出すと、俺の制服のボタンを外し始めた。
「ちょっと!な、何をしているのよ!裸になっちゃうわよ!」
白衣の女性の腕を掴みぐらぐら揺らす綾女さんに、
「体温計を脇に挟まないといけないのよ、仕方ないでしょう。男性の貧相な裸ごときでいちいち騒がないの。見なくてはならないこちら側にもなってほしいものよ」
貧相な体ですいませんね。自分で測ろうと片手を差し出すと、
「見て!ハルが私に手を差しのべて助けを求めているわ!」
「手を握ってあげなさい。ただし、熱を計らない方の手ね。きっと走馬灯を見ているのよ」
違う、俺が熱を測るって言いたいの。
「何かをパクパク伝えようとしているわ」
「きっと走馬灯で死ぬ前に恋人である貴方に愛を伝えようとしているのよ」
「愛しているわ...ハル」
いや嬉しいけど違うんだよ。わかって言ってるだろこの白衣の人。
純粋な綾女さんで遊ぶな。
「熱は...38.5度。高熱ね」
冷静に言う白衣の女性に、綾女さんが両手で顔を覆った。
「ハルが死んでしまうわ。私にできる事があれば何でも言って。何でもするわ」
「じゃあそうね。まずはこの汗臭い汁まみれの体をこの綺麗な布を使って拭いてあげましょうか、はい」
そういうこというなよ。
「ハルの体は綺麗だわ、見た事がないけれど」
布を構え、俺の貧相な体にあてがい汗を拭く綾女さんに、俺はとてもいたたまれない気持ちになった。
俺は今コンビニで何をされているんだ?冷静に、考えてみよう。えーっと、その、あれだ。俺は具合が悪くて、そしたら突然白衣の女性が来店して来て、俺の具合が悪いことに気がついて、綾女さんを呼んで布団を敷いて俺を寝かせて、綾女さんが俺の汗を拭いていると...どういう事なんだよ...。
コンビニに布団敷いて彼女に汗を拭かれた奴が俺以外にいるなら是非今の心情について語り合いたい。
恥ずかしそうにしながら俺の額の汗を拭いてくれる彼女。
控えめに言って俺は今日死んでもいいかなと思うくらいに幸せだった。
なんて奴だバイト中に布団でぬくぬく寝ながら看病されるなんて。
でも、今までのコンビニバイトでの苦労が吹っ飛ぶくらいに癒される。誰かに抗して献身的に看病されるという事がどれだけ幸せな事なのかという事について一冊本を書く事ができるくらいだ。
「ありがとう、綾女さん」
「えぇ、私も愛してるわハル」
声が出ないんだった。綾女さん何言ってもこう返してくれるのかな、幸せすぎる。
「いい感じね、そしたら今度はさっき貴方が汗を拭いている間におかゆをチンしてきたからこれをその卑しい男の口に運ぶのよ」
「ハルの口はいやらしくないわ、でもわかったわ」
卑しい(いやしい)ね、綾女さん。可愛い。
「あの、これ...」
スプーンにおかゆを乗せて、困ったような恥ずかしいような表情で俺を見る綾女さんに、
「嫌でも食べさせないと熱は下がらないのよ。ほら、起き上がらせておいてあげるわ」
ぴしゃりと白衣の女性に背中を押され、俺はぐいっと起き上がり、スプーンを持った綾女さんが目の前に。
「は、はいハル。あーんして」
待ってこれはなんか違う、なんていうか、あれだ。介護だこれ。
めちゃくちゃ恥ずかしい。
「あー」
大きく口を開けておかゆを口に入れる。
「ほら、あむあむするのよ。卑しいその口で咀嚼して」
後ろで声がする。
卑しいこの口で咀嚼していると、綾女さんがフッと笑った。
「ふふ、可愛いわ」
俺ずっとこのままでいいや.....。
「全部食べたようね、よくやったわね。では、最後に私が調合したスーパーよく効くお薬を飲むわよ」
黒く丸い凄まじい匂いのする丸薬を手にして白衣の女性はにっこり笑った。
絶対やばい薬でしょそれ異臭がやばいもんそれ絶対苦いやつでしょそれ。
「これを飲めば一発よ。さぁ、早く楽になりたいでしょう?」
飲んだら別の意味で楽になりそうな匂いするからそれ。チーズとパイナップルと納豆混ぜたみたいな匂いするから。
「さぁ、飲ませてあげて」
「ハル、これを飲めば良くなるのよ。口を開けて、はいあーん」
「あー」
俺は素直に口を開けた。
綾女さんにあーんされたらもう俺は口を開けるしかなかった。
その後の記憶はない。
目が覚めたら、最初に目に入ったのは安心したように微笑む綾女さんの顔だった。
「綾女...さん」
声が出せる!?
「よかったわ...ハル、顔色も良くなったわね」
にっこり笑う綾女さんは、すぐさま休憩スペースでコーヒーを飲む白衣の女性を見る。
「ハルを助けてくださってありがとうございます」
近くに行って頭を下げる綾女さんに、
「いいのよ、私はそれが生きがいだから」
目を閉じて微笑む白衣の女性は、すっかり元気になって起き上がれるようになった俺を見て、
「また具合が悪くなったらこのナイチンゲールが助けに行くわ」
白衣のポケットに片手を入れて、自分を指すナイチンゲールさんは、俺にウインクした。
「ありがとうございました」
時計を見ると深夜3時半。
嘘だろ、2時からバイト始めて1時間半で普通に動けるようになってる。
どうなってんだあの薬。すごすぎる。
「まぁ、病気に効く一番の薬は治すっていう本人の気持ちと献身的な看病だったりするんだけどね」
起き上がれるようになった俺の布団をたたんでリュックに枕とを一緒に詰め、パンパンに膨らんだリュックを背負いくるりと背を向けたナイチンゲールさんは、
「さっきは助けに行くとは行ったけど私が出る幕がないようにしっかり体調管理には気をつけなさいね」
こちらを振り返らず手だけ振ってお店を後にした。
「ゴホッグォホッゲホッ」
ハァ、ハァ、頭がガンガンする。咳が止まらない。
だが、俺は今日行けば休みという事で今日ちょっと無理して出勤した。
出勤前はこんなに酷くなかった風邪だけど、出勤後からかなり具合が悪い。
今日行けば明日休み、今日行けば明日休み。
死にそうになりながら立つ深夜2時のコンビニレジ。
今日はマジで変な人来られたら対処できないぞ。あぁ、無理せず休んでおくべきだったかなぁ。
ピロリロピロリロ。
「いらっしゃ...ックシュン!ハァ、ハァ、いらっしゃいませ...」
咳のしすぎて胸も痛くなって来た。
霞む視界でお客様を確認する、黒髪を後ろでおだんごにし、丸眼鏡をかけた白衣の女性。
「体調が悪そうですね...貴方」
レジに両手をついて体を支える俺の額に優しく手を当て、
「熱がありますね。少し休んだ方がいいでしょう」
「休む...ハァ、ハァ、明日は休みなんで、大丈夫です。出勤します」
「相当重症のようですね。全く体調が悪いのに出勤するなんて本当にどうしようもない人」
呆れたようにため息をついて、ひらりと入り口を振り返り、
「貴方も彼の事が心配なのなら、手伝ってくれる?」
入り口前で俺達をじっと見ていた綾女さんに声をかけた白衣の女性は、今気がついたが、背負っていた大きなリュックをドスンとおろし、中から白い枕を取り出した。
そして、グッとリュックに手を突っ込んで中からグググっと引っ張ってきたのは、人が一人寝れるくらいの布団だった。
「布団をここに敷くわ。貴方は患者を支えてこちらに連れてきてくれる?」
コンビニで何言ってんだ...この人。布団を、敷く?
綾女さんは、コンビニに入ってきてレジ前に布団が敷いてあるので、それを踏まないように遠回りをして早歩きで俺のレジまで来て、ふらふらな俺の腰に手を回して俺を支えてくれた。
「ありがとうございます...すいません」
「いいのよ。私は貴方の恋人なのだから貴方を支えるのは当然よ。ほら、もたれていいのよ」
「すいません」
「ひゃっ!か、から...体がちかっ...」
隣で綾女さんが慌てる声が耳から通り抜けていく。あぁ、綾女さんは可愛いなぁ。
「ハル!?大丈夫なの!?ねぇ!?これすぐ病院に連れて言った方がいいんじゃないかしら!?こんな状況なのにハル、笑っているわよ!」
「あは...はは、はははふふ、ふふ」
「これは相当熱で頭をやられてるわね。でもこんな時間に病院に連れて行くより私が治療した方が早いわ」
白衣の女性は、リュックから黒い手袋をだしきゅっと装着した。
「治療って?」
「治療は治療。まずはお布団で暖かくしてお熱を計りましょう」
リュックサックからピッと体温計を出すと、俺の制服のボタンを外し始めた。
「ちょっと!な、何をしているのよ!裸になっちゃうわよ!」
白衣の女性の腕を掴みぐらぐら揺らす綾女さんに、
「体温計を脇に挟まないといけないのよ、仕方ないでしょう。男性の貧相な裸ごときでいちいち騒がないの。見なくてはならないこちら側にもなってほしいものよ」
貧相な体ですいませんね。自分で測ろうと片手を差し出すと、
「見て!ハルが私に手を差しのべて助けを求めているわ!」
「手を握ってあげなさい。ただし、熱を計らない方の手ね。きっと走馬灯を見ているのよ」
違う、俺が熱を測るって言いたいの。
「何かをパクパク伝えようとしているわ」
「きっと走馬灯で死ぬ前に恋人である貴方に愛を伝えようとしているのよ」
「愛しているわ...ハル」
いや嬉しいけど違うんだよ。わかって言ってるだろこの白衣の人。
純粋な綾女さんで遊ぶな。
「熱は...38.5度。高熱ね」
冷静に言う白衣の女性に、綾女さんが両手で顔を覆った。
「ハルが死んでしまうわ。私にできる事があれば何でも言って。何でもするわ」
「じゃあそうね。まずはこの汗臭い汁まみれの体をこの綺麗な布を使って拭いてあげましょうか、はい」
そういうこというなよ。
「ハルの体は綺麗だわ、見た事がないけれど」
布を構え、俺の貧相な体にあてがい汗を拭く綾女さんに、俺はとてもいたたまれない気持ちになった。
俺は今コンビニで何をされているんだ?冷静に、考えてみよう。えーっと、その、あれだ。俺は具合が悪くて、そしたら突然白衣の女性が来店して来て、俺の具合が悪いことに気がついて、綾女さんを呼んで布団を敷いて俺を寝かせて、綾女さんが俺の汗を拭いていると...どういう事なんだよ...。
コンビニに布団敷いて彼女に汗を拭かれた奴が俺以外にいるなら是非今の心情について語り合いたい。
恥ずかしそうにしながら俺の額の汗を拭いてくれる彼女。
控えめに言って俺は今日死んでもいいかなと思うくらいに幸せだった。
なんて奴だバイト中に布団でぬくぬく寝ながら看病されるなんて。
でも、今までのコンビニバイトでの苦労が吹っ飛ぶくらいに癒される。誰かに抗して献身的に看病されるという事がどれだけ幸せな事なのかという事について一冊本を書く事ができるくらいだ。
「ありがとう、綾女さん」
「えぇ、私も愛してるわハル」
声が出ないんだった。綾女さん何言ってもこう返してくれるのかな、幸せすぎる。
「いい感じね、そしたら今度はさっき貴方が汗を拭いている間におかゆをチンしてきたからこれをその卑しい男の口に運ぶのよ」
「ハルの口はいやらしくないわ、でもわかったわ」
卑しい(いやしい)ね、綾女さん。可愛い。
「あの、これ...」
スプーンにおかゆを乗せて、困ったような恥ずかしいような表情で俺を見る綾女さんに、
「嫌でも食べさせないと熱は下がらないのよ。ほら、起き上がらせておいてあげるわ」
ぴしゃりと白衣の女性に背中を押され、俺はぐいっと起き上がり、スプーンを持った綾女さんが目の前に。
「は、はいハル。あーんして」
待ってこれはなんか違う、なんていうか、あれだ。介護だこれ。
めちゃくちゃ恥ずかしい。
「あー」
大きく口を開けておかゆを口に入れる。
「ほら、あむあむするのよ。卑しいその口で咀嚼して」
後ろで声がする。
卑しいこの口で咀嚼していると、綾女さんがフッと笑った。
「ふふ、可愛いわ」
俺ずっとこのままでいいや.....。
「全部食べたようね、よくやったわね。では、最後に私が調合したスーパーよく効くお薬を飲むわよ」
黒く丸い凄まじい匂いのする丸薬を手にして白衣の女性はにっこり笑った。
絶対やばい薬でしょそれ異臭がやばいもんそれ絶対苦いやつでしょそれ。
「これを飲めば一発よ。さぁ、早く楽になりたいでしょう?」
飲んだら別の意味で楽になりそうな匂いするからそれ。チーズとパイナップルと納豆混ぜたみたいな匂いするから。
「さぁ、飲ませてあげて」
「ハル、これを飲めば良くなるのよ。口を開けて、はいあーん」
「あー」
俺は素直に口を開けた。
綾女さんにあーんされたらもう俺は口を開けるしかなかった。
その後の記憶はない。
目が覚めたら、最初に目に入ったのは安心したように微笑む綾女さんの顔だった。
「綾女...さん」
声が出せる!?
「よかったわ...ハル、顔色も良くなったわね」
にっこり笑う綾女さんは、すぐさま休憩スペースでコーヒーを飲む白衣の女性を見る。
「ハルを助けてくださってありがとうございます」
近くに行って頭を下げる綾女さんに、
「いいのよ、私はそれが生きがいだから」
目を閉じて微笑む白衣の女性は、すっかり元気になって起き上がれるようになった俺を見て、
「また具合が悪くなったらこのナイチンゲールが助けに行くわ」
白衣のポケットに片手を入れて、自分を指すナイチンゲールさんは、俺にウインクした。
「ありがとうございました」
時計を見ると深夜3時半。
嘘だろ、2時からバイト始めて1時間半で普通に動けるようになってる。
どうなってんだあの薬。すごすぎる。
「まぁ、病気に効く一番の薬は治すっていう本人の気持ちと献身的な看病だったりするんだけどね」
起き上がれるようになった俺の布団をたたんでリュックに枕とを一緒に詰め、パンパンに膨らんだリュックを背負いくるりと背を向けたナイチンゲールさんは、
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