31 / 40
第4章 にぎやかなイカれた町
思いを積み重ねて
しおりを挟む
薄暗い部屋の中、白髪の少年が目を覚ます。
「う、ん……?」
少年は身体を起こして辺りを見渡すと、檻の中にはもう一人、腰に剣を携えた黒髪の少年の背中があった。
「ねぇ、どうしたの?」
少年が不思議そうに声をかけると、もう一人の少年は肩を上げて驚く。檻の内側から鍵を使って開けようとしているが、なかなか上手くいかないようだった。
「……何でもねぇ」
彼は、目を合わせようとせず、背を向けたまま話す。
「そうなの? でも大変そうだね」
起き上がった少年は、檻の扉の前にもう一人の少年の隣に寄って右手を伸ばし。彼の手を握るようにしながら鍵を受け取った。
「ちょっと貸してみて」
「え、あ……」
しかし、やってみても刺さりはするが回すことは出来ず、鍵の形状そのものが違うと判断した。
「んー、鍵があってないみたい。……あれ?」
その時、隣にいる彼がうつむいたまま拳を握りしめ、悲しげな様子であることに気づく。
そのことがどうしても見過ごせなかった少年は、うつむく彼にたちまち声をかけた。
「……泣いてるの?」
「泣いて、ねぇ──」
白髪の少年が、鍵から手を離して彼を見る。
「ウソつかないで」
そして、うつむいた少年の濡れた頬に両手を添えると、優しく顔を振り向かせ、目を合わせながら言った。
「泣かないでよ─── リオン」
白髪の少年は…… アキトはリオンの目を見て確かにそう言った。
「─────!? お前……記憶は──」
「もちろん、君は大丈夫だった?」
アキトは彼の頬を伝う涙を拭うとしたが、リオンは握りしめた拳を開いてその手をどかし、自力で涙を拭った。
「当たり前だ、──ったく……紛らわしいんだよ……!」
「ごめん、疲れて寝ちゃってたみたい」
「あははっ、何だよそれ──ガキみてぇ」
涙をこぼしながらも笑うリオンを見て、アキトは安心して微笑み返す。
すると何処からか、ザザーッというような音が聞こえ、段々と嫌な聞き覚えのある声が響いてきた。
『あー、やっと繋がった…… おいテメェら! ウチに勝ったからってここから出られると思うなよ!!』
爆発したはずの機械仕掛けの女が、魔石装置を通して罵声を飛ばしてくる。早速、戦利品に不満のあるリオンは、何処にいるかもわからない人物に聞こえるよう、声を張り上げて言った。
「おい! 嘘つき!! この鍵使いもんになんねぇんだが!!」
『はぁ!? 嘘ついてねーよ、ちゃんと返しただろ!! だいだい、その檻の鍵とは言ってねーよ。バーカ!!』
やたら子供じみたやり取りの中、アキトは静かに鉄格子を撫でながら、リオンに問いかけた。
「ねぇ、さっき触って思ったんだけど…… ちょっとやってみてもいいかな?」
下がってて── と言って、アキトはリオンを鉄格子から遠ざけた後に……
───バアァァン!!!
と、思いっきり鉄格子を蹴りつけて、鉄の柱を人が通れるよう曲げて見せた。
「先入観ってこわいね」
「俺はお前の脚力が怖い」
その様子を見て驚いた女の唸り声が、部屋中に響く。
『ぐっ……ぎぎ……! ふざけた真似しやがって……!!』
二人は檻から脱出し、リオンはある証拠の資料を天井に突きつけた。
「これは、魔将と偽われていた魔石装置の資料だ。あんたがあの装置を作ったってことでいいんだな?」
『は? だから何だってんだ?』
「だったらもう用はねぇ」
そう、始めから二人の目的は、偽りの魔将を作った犯人をぶっ飛ばすこと。
「"ぶっ飛ばす"ってよりかは"吹っ飛んだ"だが、まあ似たようなもんだろ」
『なーに言ってやがる! テメェらここからどうやって抜け出す……おい、何持ってやがる!?』
女が言葉を言い終える前に、アキトは自分の首に着けられていた魔石装置を、リオンは腰に携えていた剣を手に持つ。
「リオン、ホントにいいの?」
「……ああ、他に方法もねぇし」
『バカだろ! そんなこと出来るわけ──!!』
二人は部屋の扉に目を向け、手に持った道具を投げるために構える。
「だったら出来るまで──」
「やるしかねぇだろ──!」
「「せーのっ!」」
お互いが投げた道具が扉に向かっていく。重なり合った瞬間、リオンの剣は魔石装置を突き刺して破壊し、扉の前で爆発した。
『許さねー……! 絶対に、絶対に許さねーーー!!!!』
二人は煙の中に向かって走り、粉々になった扉から部屋を後にする。
「寄り道すんなよ」
「うん、わかった」
リオンはすぐさま転送魔法を使って外に出る。
向かった先は反逆同盟の連中のいる宿の側。
「こっちの用は済んだ、いつでも行ってくれ!」
「オーライ! かっ飛ばすぜー!!」
待っていたと言わんばかりに、機械いじりが趣味の青年がエンジンを吹かす。
巨大な除雪車である魔石装置の上に乗ったディーラー男をはじめとした連中が、"悪徳カジノ反対"と書かれた垂れ幕をなびかせながら町を猛スピードで駆け抜けていく。
「「「カチコミだぁぁーーーー!!!!!!」」」
その勢いのまま、除雪車は猛スピードをものともせずカジノに激突する。
除雪車と車から降りた反逆同盟はもの凄い音を立てながら、張り巡らされた魔石装置ごと建物全てを破壊していった。
建物が壊されていくに連れ、機械仕掛けの女の意識も遠退いていく。
(許さねー……! 絶対に許してやるもんか……!! アイツらも、このザコどもも、勇者のヤローも───!!!)
遠い昔の記憶がよぎる。女にだらしないことで有名だった、勇者と出会った日のこと。
(それでも……それでも 勇者だけだったんだ。 恐ろしいと言われ続けたこの目を、"美しい"と褒めてくれたのは……!)
それは幼い少女が憧れに出会った、尊敬の記憶。
忘れたくても、ずっと忘れられねーんだよ! 絶対に───
『絶対に許さねぇーー!! あの女ぁぁぁーーーー!!!!!』
除雪車が建物を完全に突き破り、カジノだったそれは跡形もなく崩れていった。
リオンは遠くから一人、崩れゆくカジノを見届けながら、あの時別れたアキトの帰りを待っていた。
(何やってんだろ……あいつ)
まさかとは思うが、最悪のイメージがよぎり、不安にかられそうになる。しかしそれ以上に、彼を信じたい気持ちの方が強かった。
「リオーーン!」
信じていた人物は、名前を呼びながら手前に見える屋根を伝ってから飛び降り、目の前で着地した。
「寄り道すんなって、言っただろうが……」
「ごめん、たまたま見つけちゃって」
そう言って見せたのは、自分が使っていた剣の柄部分。
「他にもあるかな、って思って探してたら、遅くなっちゃったんだ」
ごめんね、と彼は申し訳無さそうに謝る。
壊れた剣を受け取ったリオンは、どこか勘違いしている彼に、ずっと言えなかった言葉を伝えようとする。
「お前が……」
「リオン?」
どうにも恥ずかしくて言葉に詰まる。でも、二度と彼に伝えられないと覚悟したあの時、やはり言っておきたいと思った。
「お前がくれた剣だったから、大事にしたかったんだよ……!」
持ってきてくれた剣の柄を握りながら、絞り出したように告げる。
彼はキョトンとしたまま沈黙し、やがて微笑みながらただ──
「ありがと」
とだけ口にした。
「う、ん……?」
少年は身体を起こして辺りを見渡すと、檻の中にはもう一人、腰に剣を携えた黒髪の少年の背中があった。
「ねぇ、どうしたの?」
少年が不思議そうに声をかけると、もう一人の少年は肩を上げて驚く。檻の内側から鍵を使って開けようとしているが、なかなか上手くいかないようだった。
「……何でもねぇ」
彼は、目を合わせようとせず、背を向けたまま話す。
「そうなの? でも大変そうだね」
起き上がった少年は、檻の扉の前にもう一人の少年の隣に寄って右手を伸ばし。彼の手を握るようにしながら鍵を受け取った。
「ちょっと貸してみて」
「え、あ……」
しかし、やってみても刺さりはするが回すことは出来ず、鍵の形状そのものが違うと判断した。
「んー、鍵があってないみたい。……あれ?」
その時、隣にいる彼がうつむいたまま拳を握りしめ、悲しげな様子であることに気づく。
そのことがどうしても見過ごせなかった少年は、うつむく彼にたちまち声をかけた。
「……泣いてるの?」
「泣いて、ねぇ──」
白髪の少年が、鍵から手を離して彼を見る。
「ウソつかないで」
そして、うつむいた少年の濡れた頬に両手を添えると、優しく顔を振り向かせ、目を合わせながら言った。
「泣かないでよ─── リオン」
白髪の少年は…… アキトはリオンの目を見て確かにそう言った。
「─────!? お前……記憶は──」
「もちろん、君は大丈夫だった?」
アキトは彼の頬を伝う涙を拭うとしたが、リオンは握りしめた拳を開いてその手をどかし、自力で涙を拭った。
「当たり前だ、──ったく……紛らわしいんだよ……!」
「ごめん、疲れて寝ちゃってたみたい」
「あははっ、何だよそれ──ガキみてぇ」
涙をこぼしながらも笑うリオンを見て、アキトは安心して微笑み返す。
すると何処からか、ザザーッというような音が聞こえ、段々と嫌な聞き覚えのある声が響いてきた。
『あー、やっと繋がった…… おいテメェら! ウチに勝ったからってここから出られると思うなよ!!』
爆発したはずの機械仕掛けの女が、魔石装置を通して罵声を飛ばしてくる。早速、戦利品に不満のあるリオンは、何処にいるかもわからない人物に聞こえるよう、声を張り上げて言った。
「おい! 嘘つき!! この鍵使いもんになんねぇんだが!!」
『はぁ!? 嘘ついてねーよ、ちゃんと返しただろ!! だいだい、その檻の鍵とは言ってねーよ。バーカ!!』
やたら子供じみたやり取りの中、アキトは静かに鉄格子を撫でながら、リオンに問いかけた。
「ねぇ、さっき触って思ったんだけど…… ちょっとやってみてもいいかな?」
下がってて── と言って、アキトはリオンを鉄格子から遠ざけた後に……
───バアァァン!!!
と、思いっきり鉄格子を蹴りつけて、鉄の柱を人が通れるよう曲げて見せた。
「先入観ってこわいね」
「俺はお前の脚力が怖い」
その様子を見て驚いた女の唸り声が、部屋中に響く。
『ぐっ……ぎぎ……! ふざけた真似しやがって……!!』
二人は檻から脱出し、リオンはある証拠の資料を天井に突きつけた。
「これは、魔将と偽われていた魔石装置の資料だ。あんたがあの装置を作ったってことでいいんだな?」
『は? だから何だってんだ?』
「だったらもう用はねぇ」
そう、始めから二人の目的は、偽りの魔将を作った犯人をぶっ飛ばすこと。
「"ぶっ飛ばす"ってよりかは"吹っ飛んだ"だが、まあ似たようなもんだろ」
『なーに言ってやがる! テメェらここからどうやって抜け出す……おい、何持ってやがる!?』
女が言葉を言い終える前に、アキトは自分の首に着けられていた魔石装置を、リオンは腰に携えていた剣を手に持つ。
「リオン、ホントにいいの?」
「……ああ、他に方法もねぇし」
『バカだろ! そんなこと出来るわけ──!!』
二人は部屋の扉に目を向け、手に持った道具を投げるために構える。
「だったら出来るまで──」
「やるしかねぇだろ──!」
「「せーのっ!」」
お互いが投げた道具が扉に向かっていく。重なり合った瞬間、リオンの剣は魔石装置を突き刺して破壊し、扉の前で爆発した。
『許さねー……! 絶対に、絶対に許さねーーー!!!!』
二人は煙の中に向かって走り、粉々になった扉から部屋を後にする。
「寄り道すんなよ」
「うん、わかった」
リオンはすぐさま転送魔法を使って外に出る。
向かった先は反逆同盟の連中のいる宿の側。
「こっちの用は済んだ、いつでも行ってくれ!」
「オーライ! かっ飛ばすぜー!!」
待っていたと言わんばかりに、機械いじりが趣味の青年がエンジンを吹かす。
巨大な除雪車である魔石装置の上に乗ったディーラー男をはじめとした連中が、"悪徳カジノ反対"と書かれた垂れ幕をなびかせながら町を猛スピードで駆け抜けていく。
「「「カチコミだぁぁーーーー!!!!!!」」」
その勢いのまま、除雪車は猛スピードをものともせずカジノに激突する。
除雪車と車から降りた反逆同盟はもの凄い音を立てながら、張り巡らされた魔石装置ごと建物全てを破壊していった。
建物が壊されていくに連れ、機械仕掛けの女の意識も遠退いていく。
(許さねー……! 絶対に許してやるもんか……!! アイツらも、このザコどもも、勇者のヤローも───!!!)
遠い昔の記憶がよぎる。女にだらしないことで有名だった、勇者と出会った日のこと。
(それでも……それでも 勇者だけだったんだ。 恐ろしいと言われ続けたこの目を、"美しい"と褒めてくれたのは……!)
それは幼い少女が憧れに出会った、尊敬の記憶。
忘れたくても、ずっと忘れられねーんだよ! 絶対に───
『絶対に許さねぇーー!! あの女ぁぁぁーーーー!!!!!』
除雪車が建物を完全に突き破り、カジノだったそれは跡形もなく崩れていった。
リオンは遠くから一人、崩れゆくカジノを見届けながら、あの時別れたアキトの帰りを待っていた。
(何やってんだろ……あいつ)
まさかとは思うが、最悪のイメージがよぎり、不安にかられそうになる。しかしそれ以上に、彼を信じたい気持ちの方が強かった。
「リオーーン!」
信じていた人物は、名前を呼びながら手前に見える屋根を伝ってから飛び降り、目の前で着地した。
「寄り道すんなって、言っただろうが……」
「ごめん、たまたま見つけちゃって」
そう言って見せたのは、自分が使っていた剣の柄部分。
「他にもあるかな、って思って探してたら、遅くなっちゃったんだ」
ごめんね、と彼は申し訳無さそうに謝る。
壊れた剣を受け取ったリオンは、どこか勘違いしている彼に、ずっと言えなかった言葉を伝えようとする。
「お前が……」
「リオン?」
どうにも恥ずかしくて言葉に詰まる。でも、二度と彼に伝えられないと覚悟したあの時、やはり言っておきたいと思った。
「お前がくれた剣だったから、大事にしたかったんだよ……!」
持ってきてくれた剣の柄を握りながら、絞り出したように告げる。
彼はキョトンとしたまま沈黙し、やがて微笑みながらただ──
「ありがと」
とだけ口にした。
5
あなたにおすすめの小説
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
落としたのは化粧じゃなく、みんなの心でした
444
BL
『醜い顔…汚らしい』
幼い頃、実母が病気によって早くに亡くなった数年後に新しい義母からそう言われたシリルは、その言葉が耳に残って16歳となった今も引きずっていた。
だが、義母のその言葉は真っ赤な嘘でシリルはとても美しかった。ただ前妻の息子であるシリルに嫉妬した結果こぼした八つ当たりの言葉であったのをシリルは知らずに、義母のいう醜い顔を隠すために化粧をする。
その結果、彼は化粧によって本当に醜い顔になってしまった。そんな彼が虐げられながらも徐々に周囲を絆す話
暴力表現があるところには※をつけております
時間を戻した後に~妹に全てを奪われたので諦めて無表情伯爵に嫁ぎました~
なりた
BL
悪女リリア・エルレルトには秘密がある。
一つは男であること。
そして、ある一定の未来を知っていること。
エルレルト家の人形として生きてきたアルバートは義妹リリアの策略によって火炙りの刑に処された。
意識を失い目を開けると自称魔女(男)に膝枕されていて…?
魔女はアルバートに『時間を戻す』提案をし、彼はそれを受け入れるが…。
なんと目覚めたのは断罪される2か月前!?
引くに引けない時期に戻されたことを嘆くも、あの忌まわしきイベントを回避するために奔走する。
でも回避した先は変態おじ伯爵と婚姻⁉
まぁどうせ出ていくからいっか!
北方の堅物伯爵×行動力の塊系主人公(途中まで女性)
第2王子は断罪役を放棄します!
木月月
BL
ある日前世の記憶が蘇った主人公。
前世で読んだ、悪役令嬢が主人公の、冤罪断罪からの巻き返し痛快ライフ漫画(アニメ化もされた)。
それの冒頭で主人公の悪役令嬢を断罪する第2王子、それが俺。内容はよくある設定で貴族の子供が通う学園の卒業式後のパーティーにて悪役令嬢を断罪して追放した第2王子と男爵令嬢は身勝手な行いで身分剥奪ののち追放、そのあとは物語に一切現れない、と言うキャラ。
記憶が蘇った今は、物語の主人公の令嬢をはじめ、自分の臣下や婚約者を選定するためのお茶会が始まる前日!5歳児万歳!まだ何も起こらない!フラグはバキバキに折りまくって折りまくって!なんなら5つ上の兄王子の臣下とかも!面倒いから!王弟として大公になるのはいい!だがしかし自由になる!
ここは剣と魔法となんならダンジョンもあって冒険者にもなれる!
スローライフもいい!なんでも選べる!だから俺は!物語の第2王子の役割を放棄します!
この話は小説家になろうにも投稿しています。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる