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仲良し少女の恋愛相談
美結ちゃんへの考察
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「さて。なぜ美結ちゃんが来なかったのか。話し合おうじゃないか!」
水曜日の放課後。
部室のドアを開け、美結ちゃんはいなかった。
数十分待ってもやって来ず。
変な胸騒ぎがしたため、こうして心音と話し合いをし始めた。
話し合いと言っても、心音はまだマスクを付けている。
だからラインでだ。
心音と部室の隅っこに体育座りをしながら、隣り合わせになって。
尻が埃にまみれるから、一応ハンカチを敷いて。
そうやって話し合いの準備(?)を整えた時、心音からラインがきた。
『風邪なんじゃないんですかね? 私も引いてしまいましたし』
『だけど、タイムリー過ぎると思わない? 告白が失敗したんじゃないかって私は踏んでいるんだけど……』
『そんな気もしますけど……。あ。そういえば。昨日美結さんが退出してきた時、なんか顔色が悪かった気がします』
『じゃあ、風邪かな~?』
『そうじゃないですか? 振られたっていうのも考えたくないですし……。まぁ、都合のいい考え方ですけど』
『なるほどー。気にしすぎても仕方ないのかな。……いや、でもなんかざわざわするし……』
『そんな美結さんことを気にして。伊奈さんは美結さんのことが好きなんですか?』
「そんなわけないです!」
ラインではなく、思わず声に出して返す。
こんな風に、私が声に出し、心音がラインするっていうのでいいと思ったんだけれども、心音曰く『家で伊奈さんとのラインを見返すのが最近の趣味なので、伊奈さんもしっかり文章を送ってください』。
そういうことらしいので、私もこうして律儀に文章を打っている。
『そんな訳ない? 幼馴染なんですよね? 怪しいですねー』
『違いますー』
『幼馴染って結構危ない気がするんですよね』
『ふむ? 例えば?』
『私、少女漫画とか結構読むんですけど。幼馴染のキャラが結構曲者なキャラが多くてですね。……あ。待ってください。男性向けの漫画とかでは幼馴染って結構弱い立場なんでしたっけ?』
『知らないよ!』
『そうですか……。後、私、中学の頃から女子同士の恋愛モノを見るのが好きなんですけどね、それで、伊奈さんとしてみたいシチュがあったんです!』
『待って。いつから漫画の話になったの? 美結ちゃんについての話し合いだったような気が……』
『え、それって風邪ってことで終わりませんでしたか?』
『ライン見返してみてよ。急にめっちゃ話題変わってしまってるから』
『まぁ。ともかくそのシチュっていうのが「膝枕をしながら頭をなでなでする」っていうものだったんですよね! それをしましょう!』
『話を勝手に進めるな! そして、そんな恥ずかしいことはできません!』
『それは残念ですね。今度、その漫画貸しましょうか? 一人で読んでくださいね。めっちゃ顔の形が崩れてしまいますから』
『ふーん。心音でも、そんな顔の形が変わるほどの読み物なんだ。読んでみたいかも』
……。
って、違う!
こんな話をするために、こうして今ラインを開いているわけじゃない!
これじゃ、ミイラ取りがミイラになってしまっている。
私は体育座りで出来た太ももとお腹の隙間に、一旦スマホを置く。
両手でパチパチと、そこそこのうるささで叩き。
「はい! 話戻すよ! 伊奈ちゃんの話に!」
ラインでも言っても話を逸らされるだけだと思い。
こんな風に、大声で呼びかけてみる。
私の肩に、震えた心音の肩がぶつかる。
ちょっとびっくりさせすぎたっぽいかも。
『しょ、しょうがないですねー』
ラインでこんな実際の喋り方みたいな文章打つ人は稀な気がする。
人間味があっていいっか、と思いつつ。
『よし。じゃあ、美結ちゃんのこと話すよ!』
『分かりました。でも、もう結論はほぼ出たんじゃないですかね? 私は、風邪を引いているだけだと思います!』
『そうかな~? そうだと信じたいけど……。まぁ、万一? 美結ちゃん、流石に冗談だとは思うけど「振られたら死ぬ」って手紙に書いていたしさ。ちょっと、そうなってしまうのが怖いなって』
『それって、振られにくくするために言ったんじゃないですかね?』
『そうなのかなぁ』
『そう信じましょうよ』
そう返信が届き、私は少し俯いてラインから目を離す。
多分。心音の言う通りなんだとは思う。
『死ぬ』って多分、相当な覚悟がないとできない。
というか、そもそも絶対して欲しくない。
……けど、少しでもそういう可能性があってしまうのなら、やっぱり行動した方がいいんじゃないかなって思う。
『明日。美結ちゃんの好きな人を調査しない?』
このことは、美結ちゃんにとっていい迷惑なのかもしれないけれど、万が一が存在するのなら、後悔しないために私はこう決断した。
『どうしてですか?』
『万が一の可能性に賭けて』
『そうですね。確かに、そうした方がいいのかもしれないです』
『ものわかり百点』
『ありがとうございます。……それと、そんなに心配してるのは、やっぱり美結ちゃんのことが好きなんですか……?』
『いやいや。本当にそんなことないから』
視線を感じて、横を見れば。
いつもの真顔でこっちをジロジロと見る心音。
そんなに疑わなくても……。
「本当に違います!」
どうやら、心音に伝えたいことを言う時はラインよりも口に出した方がいいらしい。
早速『じゃあ信じます』と返事が来た。
その返事に続き、
『今日は用事があるので先に帰らねばならないです!』
そう送られてくる。
確か、話し合いを始める前に親と出かけるって言っていた。
時計を見て、もう結構話したことに気づき、私は頷きながら返事をする。
『じゃあ、また明日! 明日は一応、お昼休みから調査を開始しますので!』
『分かりました。じゃあ、また明日です!』
心音からそうきたと思えば、スクッと立ち上がり。
その立ち上がったことで起こった空気の流れが、少し私に当たる。
そんな心音を見上げ。
と思えばスカートの中のパンツがひょっこり目に映り、なんとなく目を逸らす。
こちらを見下ろした心音はそんな私を不思議そうに見つめ、綺麗なお辞儀をし、部室を後にした。
「白だった……。いいね」
ニヤニヤしながら呟いて。
さっきのことについて思い返す。
やっぱり私の判断は正しいと思う。
一見自己中かもしれないけど、これも美結ちゃんの命の危険から守るため。
とりあえずは、美結ちゃんの告白が成功したかしていないか。
それを確かめる必要がありそうだ。
にしても。
心音、凄く疑ってきたな。
そんな疑わなくても、
「私の好きな人は、あなたなのに」
※
この日の夜。
美結ちゃんのクラスを知らないなと思い、楓花に聞いてみた。
「そういえばさ。美結ちゃんのクラスってどこか知ってる。えっと、白河美結ちゃんね」
「えっとねー。Eクラ! でも私。五月以来会ってないなー。どうしてそんなこと聞いたの?」
「いや、単に。気になってるからかな。AクラとEクラじゃ結構離れてるもんね、そりゃ会わなくても不思議はないか……」
「というかね、そもそもEクラの情報自体あんま耳に入ってこん!」
「おけおけ。ありがとー!」
「どもども」
その後私は、部屋に戻って布団をかぶった。
胸騒ぎが鳴り止まない。
美結ちゃんが今どうしているのか、不安だ。
風邪だといいけれど。
風邪もいいことではないけど、あんなことに比べたら全然マシである。
眠りにつく。
お休みなさい。
水曜日の放課後。
部室のドアを開け、美結ちゃんはいなかった。
数十分待ってもやって来ず。
変な胸騒ぎがしたため、こうして心音と話し合いをし始めた。
話し合いと言っても、心音はまだマスクを付けている。
だからラインでだ。
心音と部室の隅っこに体育座りをしながら、隣り合わせになって。
尻が埃にまみれるから、一応ハンカチを敷いて。
そうやって話し合いの準備(?)を整えた時、心音からラインがきた。
『風邪なんじゃないんですかね? 私も引いてしまいましたし』
『だけど、タイムリー過ぎると思わない? 告白が失敗したんじゃないかって私は踏んでいるんだけど……』
『そんな気もしますけど……。あ。そういえば。昨日美結さんが退出してきた時、なんか顔色が悪かった気がします』
『じゃあ、風邪かな~?』
『そうじゃないですか? 振られたっていうのも考えたくないですし……。まぁ、都合のいい考え方ですけど』
『なるほどー。気にしすぎても仕方ないのかな。……いや、でもなんかざわざわするし……』
『そんな美結さんことを気にして。伊奈さんは美結さんのことが好きなんですか?』
「そんなわけないです!」
ラインではなく、思わず声に出して返す。
こんな風に、私が声に出し、心音がラインするっていうのでいいと思ったんだけれども、心音曰く『家で伊奈さんとのラインを見返すのが最近の趣味なので、伊奈さんもしっかり文章を送ってください』。
そういうことらしいので、私もこうして律儀に文章を打っている。
『そんな訳ない? 幼馴染なんですよね? 怪しいですねー』
『違いますー』
『幼馴染って結構危ない気がするんですよね』
『ふむ? 例えば?』
『私、少女漫画とか結構読むんですけど。幼馴染のキャラが結構曲者なキャラが多くてですね。……あ。待ってください。男性向けの漫画とかでは幼馴染って結構弱い立場なんでしたっけ?』
『知らないよ!』
『そうですか……。後、私、中学の頃から女子同士の恋愛モノを見るのが好きなんですけどね、それで、伊奈さんとしてみたいシチュがあったんです!』
『待って。いつから漫画の話になったの? 美結ちゃんについての話し合いだったような気が……』
『え、それって風邪ってことで終わりませんでしたか?』
『ライン見返してみてよ。急にめっちゃ話題変わってしまってるから』
『まぁ。ともかくそのシチュっていうのが「膝枕をしながら頭をなでなでする」っていうものだったんですよね! それをしましょう!』
『話を勝手に進めるな! そして、そんな恥ずかしいことはできません!』
『それは残念ですね。今度、その漫画貸しましょうか? 一人で読んでくださいね。めっちゃ顔の形が崩れてしまいますから』
『ふーん。心音でも、そんな顔の形が変わるほどの読み物なんだ。読んでみたいかも』
……。
って、違う!
こんな話をするために、こうして今ラインを開いているわけじゃない!
これじゃ、ミイラ取りがミイラになってしまっている。
私は体育座りで出来た太ももとお腹の隙間に、一旦スマホを置く。
両手でパチパチと、そこそこのうるささで叩き。
「はい! 話戻すよ! 伊奈ちゃんの話に!」
ラインでも言っても話を逸らされるだけだと思い。
こんな風に、大声で呼びかけてみる。
私の肩に、震えた心音の肩がぶつかる。
ちょっとびっくりさせすぎたっぽいかも。
『しょ、しょうがないですねー』
ラインでこんな実際の喋り方みたいな文章打つ人は稀な気がする。
人間味があっていいっか、と思いつつ。
『よし。じゃあ、美結ちゃんのこと話すよ!』
『分かりました。でも、もう結論はほぼ出たんじゃないですかね? 私は、風邪を引いているだけだと思います!』
『そうかな~? そうだと信じたいけど……。まぁ、万一? 美結ちゃん、流石に冗談だとは思うけど「振られたら死ぬ」って手紙に書いていたしさ。ちょっと、そうなってしまうのが怖いなって』
『それって、振られにくくするために言ったんじゃないですかね?』
『そうなのかなぁ』
『そう信じましょうよ』
そう返信が届き、私は少し俯いてラインから目を離す。
多分。心音の言う通りなんだとは思う。
『死ぬ』って多分、相当な覚悟がないとできない。
というか、そもそも絶対して欲しくない。
……けど、少しでもそういう可能性があってしまうのなら、やっぱり行動した方がいいんじゃないかなって思う。
『明日。美結ちゃんの好きな人を調査しない?』
このことは、美結ちゃんにとっていい迷惑なのかもしれないけれど、万が一が存在するのなら、後悔しないために私はこう決断した。
『どうしてですか?』
『万が一の可能性に賭けて』
『そうですね。確かに、そうした方がいいのかもしれないです』
『ものわかり百点』
『ありがとうございます。……それと、そんなに心配してるのは、やっぱり美結ちゃんのことが好きなんですか……?』
『いやいや。本当にそんなことないから』
視線を感じて、横を見れば。
いつもの真顔でこっちをジロジロと見る心音。
そんなに疑わなくても……。
「本当に違います!」
どうやら、心音に伝えたいことを言う時はラインよりも口に出した方がいいらしい。
早速『じゃあ信じます』と返事が来た。
その返事に続き、
『今日は用事があるので先に帰らねばならないです!』
そう送られてくる。
確か、話し合いを始める前に親と出かけるって言っていた。
時計を見て、もう結構話したことに気づき、私は頷きながら返事をする。
『じゃあ、また明日! 明日は一応、お昼休みから調査を開始しますので!』
『分かりました。じゃあ、また明日です!』
心音からそうきたと思えば、スクッと立ち上がり。
その立ち上がったことで起こった空気の流れが、少し私に当たる。
そんな心音を見上げ。
と思えばスカートの中のパンツがひょっこり目に映り、なんとなく目を逸らす。
こちらを見下ろした心音はそんな私を不思議そうに見つめ、綺麗なお辞儀をし、部室を後にした。
「白だった……。いいね」
ニヤニヤしながら呟いて。
さっきのことについて思い返す。
やっぱり私の判断は正しいと思う。
一見自己中かもしれないけど、これも美結ちゃんの命の危険から守るため。
とりあえずは、美結ちゃんの告白が成功したかしていないか。
それを確かめる必要がありそうだ。
にしても。
心音、凄く疑ってきたな。
そんな疑わなくても、
「私の好きな人は、あなたなのに」
※
この日の夜。
美結ちゃんのクラスを知らないなと思い、楓花に聞いてみた。
「そういえばさ。美結ちゃんのクラスってどこか知ってる。えっと、白河美結ちゃんね」
「えっとねー。Eクラ! でも私。五月以来会ってないなー。どうしてそんなこと聞いたの?」
「いや、単に。気になってるからかな。AクラとEクラじゃ結構離れてるもんね、そりゃ会わなくても不思議はないか……」
「というかね、そもそもEクラの情報自体あんま耳に入ってこん!」
「おけおけ。ありがとー!」
「どもども」
その後私は、部屋に戻って布団をかぶった。
胸騒ぎが鳴り止まない。
美結ちゃんが今どうしているのか、不安だ。
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風邪もいいことではないけど、あんなことに比べたら全然マシである。
眠りにつく。
お休みなさい。
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