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義姉妹の夏休み
けいかく
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夏休みをこんなにも待ち遠しく感じたのは、いつの日以来だろう。
終業式の前の日は、本格的に全く眠れなかった。
だけど、楽しみにしている割には何も計画が無い。
それで今日は、記念すべき夏休み一日目。
鶏の「こけこっこー」という声と共に、お目目ぱっちりに起床した。
学校の日の朝はダルさが最高潮なのに、なぜ夏休みの朝というのはこんなに気持ち良く起床できるのだろうか。
まだ午前六時にもなっていないというのに、明るすぎる朝日が部屋に差し込んでいる。
この夏休み特有の陽の光。
その光が醸し出す雰囲気が、私はなんとなく好きだ。
ちなみに私は、夏休みの朝はラジオ体操を踊る派である。
……お姉ちゃんはどうだろう?
あのお姉ちゃんのことだ。さすがに寝てるだろうな。
それとも、まだあのことを気にしているのかな……。
お姉ちゃんが、藤崎桃杏に告白されて、その場に私が割り込んだあの日。
いうて、それは数日前の出来事だけど。
その日以来、藤崎桃杏は学校を休んでいたのだ。
先生の言うところによれば、彼女は風邪をひいたらしい。
けれど、お姉ちゃんは「私のせいかな」と、昨日とか心配していた。
なんであの人の心配なんかするのって思ったけど、告白が成功しなかったショックでこれから学校に来れないなんてことになったら少し気の毒ではある。
新学期になったら、学校に来るだろう。
藤崎桃杏は、私から見てもそこそこ優等生気質なところがある。
だから、失恋して不登校になるなんてことは多分ないと思うのだ。
そうやって自分に言い聞かせながら、私は無意識的にお姉ちゃんの部屋へと足を運んでいた。
──ガチャ。
「お邪魔しまーす」
「邪魔しに来たの?」
すぐに反応があった。
勉強机で何かを作業しながら、こっちに微笑を浮かべてくる。
普通に起きててびっくりだ。
「お。起きてる。早いねー」
「てんちゃんこそ早い」
「夏休みは自然と早起きをしてしまうものなのです!」
「同感。私もふと目が覚めたら、まだこんな時間だった」
「うんうん。……それで、今は何中?」
机の上に置いてる、紙を指す。
「えっと。夏休みの予定表作ってた」
「へー、どれどれ」
私は駆け寄って、書いてあることを覗く。
「ちょっ」
その声にお姉ちゃんの顔に目を向けると、「見ないで」という意思を顔に表していた。
そんな顔をしながら、ぶるぶると首を横に振る。
……見よう。
向き直り、私は紙に目を通した。
「てんちゃん、酷い」
傍から聞こえる、哀愁を帯びた声に少し胸を痛めつつ、やはり気になるので内容を見てみる。
えっと。なになに。
そこには、円の中に24時間のスケジュールを書いたやつと、一日一日のスケジュールが書かれていた。
小学校の頃にこんなことやったなと思い出す。
絶対守らなくて、結局ダラダラ過ごすというのが、毎年恒例だったけど。
えっと、内容は……っと。
7/26 てんちゃんと遊ぶ。
7/27 てんちゃんと遊ぶ。
7/28 てんちゃんと遊ぶ。
7/29 てんちゃんと遊ぶ。
7/30 てんちゃんと遊ぶ。
7/31 てんちゃんと遊ぶ。
なにこれ。
「あの、お姉ちゃん。これって……」
「だから見て欲しくなかったの……」
お姉ちゃんは顔を赤らめて、両手の中に顔をうずめた。
「……じゃあ、遊び行く?」
終業式の前の日は、本格的に全く眠れなかった。
だけど、楽しみにしている割には何も計画が無い。
それで今日は、記念すべき夏休み一日目。
鶏の「こけこっこー」という声と共に、お目目ぱっちりに起床した。
学校の日の朝はダルさが最高潮なのに、なぜ夏休みの朝というのはこんなに気持ち良く起床できるのだろうか。
まだ午前六時にもなっていないというのに、明るすぎる朝日が部屋に差し込んでいる。
この夏休み特有の陽の光。
その光が醸し出す雰囲気が、私はなんとなく好きだ。
ちなみに私は、夏休みの朝はラジオ体操を踊る派である。
……お姉ちゃんはどうだろう?
あのお姉ちゃんのことだ。さすがに寝てるだろうな。
それとも、まだあのことを気にしているのかな……。
お姉ちゃんが、藤崎桃杏に告白されて、その場に私が割り込んだあの日。
いうて、それは数日前の出来事だけど。
その日以来、藤崎桃杏は学校を休んでいたのだ。
先生の言うところによれば、彼女は風邪をひいたらしい。
けれど、お姉ちゃんは「私のせいかな」と、昨日とか心配していた。
なんであの人の心配なんかするのって思ったけど、告白が成功しなかったショックでこれから学校に来れないなんてことになったら少し気の毒ではある。
新学期になったら、学校に来るだろう。
藤崎桃杏は、私から見てもそこそこ優等生気質なところがある。
だから、失恋して不登校になるなんてことは多分ないと思うのだ。
そうやって自分に言い聞かせながら、私は無意識的にお姉ちゃんの部屋へと足を運んでいた。
──ガチャ。
「お邪魔しまーす」
「邪魔しに来たの?」
すぐに反応があった。
勉強机で何かを作業しながら、こっちに微笑を浮かべてくる。
普通に起きててびっくりだ。
「お。起きてる。早いねー」
「てんちゃんこそ早い」
「夏休みは自然と早起きをしてしまうものなのです!」
「同感。私もふと目が覚めたら、まだこんな時間だった」
「うんうん。……それで、今は何中?」
机の上に置いてる、紙を指す。
「えっと。夏休みの予定表作ってた」
「へー、どれどれ」
私は駆け寄って、書いてあることを覗く。
「ちょっ」
その声にお姉ちゃんの顔に目を向けると、「見ないで」という意思を顔に表していた。
そんな顔をしながら、ぶるぶると首を横に振る。
……見よう。
向き直り、私は紙に目を通した。
「てんちゃん、酷い」
傍から聞こえる、哀愁を帯びた声に少し胸を痛めつつ、やはり気になるので内容を見てみる。
えっと。なになに。
そこには、円の中に24時間のスケジュールを書いたやつと、一日一日のスケジュールが書かれていた。
小学校の頃にこんなことやったなと思い出す。
絶対守らなくて、結局ダラダラ過ごすというのが、毎年恒例だったけど。
えっと、内容は……っと。
7/26 てんちゃんと遊ぶ。
7/27 てんちゃんと遊ぶ。
7/28 てんちゃんと遊ぶ。
7/29 てんちゃんと遊ぶ。
7/30 てんちゃんと遊ぶ。
7/31 てんちゃんと遊ぶ。
なにこれ。
「あの、お姉ちゃん。これって……」
「だから見て欲しくなかったの……」
お姉ちゃんは顔を赤らめて、両手の中に顔をうずめた。
「……じゃあ、遊び行く?」
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