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14 突然の襲来
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私とサユキは『イーリス平原』の中央に立ってルディアスを待っていた。
彼は「サブキャラに切り替えてくる」と言って、一旦ログアウトしていったので、先に向かうことにしたのだ。
ここは、初心者から中級者くらいまでのプレイヤーがよく狩りをしている場所で、結構な数のモンスターが彷徨いている。
「沢山モンスターがいますね……」
「今、ルディアスがいないから、タゲられないように気を付けてね」
私がサユキに注意を促すと、彼女はこくんと頷いて後退りした。
ここのモンスターは強敵というほどではないので、一匹くらいなら私でも対処できるけど、複数同時に来られるときつい。
「お兄さん、遅いですね」
「久しぶりに動かすキャラだって言ってましたから、きっと装備の確認とかしてるんだと思いますよ」
そう答えてみたけど、本当に遅い。何やってるんだろう。
そう言えば、昨日から徹夜してるって言ってたような気もする……まさか、寝た?
いや、でも普段から徹夜慣れしてるっぽいから、それはないかなぁ。
というか、あの人って一体いつ寝てるんだろう……。
……とか色々想像してたら、転送装置の方からこちらに向かって歩いてくる人影が見えた。
「やあ、待たせたね」
そう言って、颯爽と現れたのは──燃えるような真紅の瞳と、太腿辺りまである長い黒髪が印象的な女性キャラだった。
少し露出度が高めのミニワンピースの上に胸当てを付け、ニーハイブーツを履いている。
そして、背中には矢筒、手にはロングボウを握っていた。
……もしかして、ルディアスのサブキャラ? まさかの女キャラで登場だなんて。
驚いた私は、思わず彼の元に走っていく。
「ルディアス!? 実は、女キャラ持ってたんですか!?」
「初期の頃、試しに作ってみた弓キャラだ。だが、萌え対象ではないぞ」
「え? そうなんですか?」
「自分で作ったキャラは、基本的に息子や娘みたいな感覚だからな。愛はあるが、例え女キャラでもそういう対象にはならない」
「あ、確かにそんな感覚はありますよね。私も、それは何となくわかるような気がします」
なるほど。だから、彼は他人が作ったキャラにしか萌えられないのか。なかなか奥が深い……。
ちなみに、サブキャラの名前は『アメリア』らしい。
「さっきのお兄さんですか?」
サユキは、先程とは全く違う姿で現れたルディアスの方を見て尋ねる。
「そうだよ。サブキャラでごめんね」
「大丈夫です。私なんかのために、ありがとうございます」
そう言って、サユキはお辞儀をする。
この子、小学生なのに大人びてるというか、随分と気を使うなぁ。
まあ、年齢は自己申告だし実際はどうかわからないけども……。
「それじゃあ、まず使い方なんだけど……あまり、モンスターと戦ったことはない感じかな?」
「はい。初心者クエストは、ギルドの人に手伝ってもらえたんですけど。その後は、なんだか手伝ってもらい辛くて……」
彼女の言葉で何となく察した。たぶん、内輪の仲が良すぎてギルドに入った新人が孤立するパターンだよね。
そう考えると、ルディアスのギルドに拾ってもらえた私は運が良かったのかも。
「向こうに、狼型のモンスターが見えるよね? 試しに、あの敵に矢を射ってくれないかな」
「はい」
サユキはそう返事をすると、少し離れたところにいるダイアウルフに何度か矢を射る。
しかし、対象がちょこちょこ動き回るためか外してしまった。
「ああ、やっぱり……たぶん、DEX上げてないよね?」
「DEX?」
「メニューウィンドウを開いて、ステータスを見てほしい。弓の命中率を高くするには、DEXにポイントを振らないといけないんだ。そうすると、手先の器用さや素早さが上がるんだよ」
「どうやって上げるんですか?」
「レベルが上がった時や、特定のクエストを熟した時なんかにAP(アビリティポイント)が貰えるんだよ。それを使って、自分の上げたい能力値に振っていく。例えば、器用さの他に力を上げたいならSTRに……という感じにね。あと、DEXは装備によっても変わるよ。軽装備の方がより高くなるんだ」
「私、そんなこと知らなかったから、全く上げてなかったです……」
「最初は、そんなもんだよ」
ルディアスは彼女にそう返すと、にっこりと微笑んだ。
「そして、ある程度DEXを上げると……」
そう言いながら、ルディアスはロングボウに矢をかけて、弦を強く引いた。
放たれた矢は、先程のダイアウルフを目掛けて勢い良く飛んでいき、その体に深く突き刺さった。
「こうやって、ちゃんと当たる」
「本当だ……」
「それで、ここからが問題なんだ」
ルディアスの攻撃に反応したダイアウルフは、こちらに向かって突進してきた。
「一撃で倒せない場合、ああやってこっちに走ってくるから……」
ルディアスは再び弓を構えると、走ってくるダイアウルフに連続で矢を射る。
その矢が突き刺さる度に、ダイアウルフは苦しそうな鳴き声を上げた。
そして、走っている途中で力尽きて絶命した。
「力技になるけど、これくらいのレベルのモンスターが相手なら、攻撃を受ける前に倒し切ってしまったほうがいいんだ。上手く攻撃をかわしたり、防御しながら矢を射って戦えるならいいけど、初心者のうちは難しいから」
「へえ、そうなんですか……」
「ボスクラスのモンスターになると、HPも多いからまた戦い方も変わってくるけどね」
「わかりました。ありがとう、お兄さん」
「いや、気にしないでいいよ。それじゃ、少し一人で練習してみようか。危なくなったら助けるからね」
「はい」
サユキはそう返事をすると、別のモンスターを探して走っていった。
「ギルマスやってるだけあって、面倒見がいいですね。でも、なんであの子に弓を教えようと思ったんですか?」
「それは……ギルドに入っているにも拘らず、誰も教えてやらなかったみたいだからな。このまま放っておいたら、楽しさを見出せずにきっとすぐやめるだろ? せっかく、このゲームで友達を作ろうとしていたのに……」
「へぇ……結構、優しいところもあるんですね」
「何だ? その『普段は優しくない』みたいな言い方は」
「だって、私に対しては結構鬼畜なところがありますし……」
色々な意味でね。
それなのに、私は今日もまた一つ貴方の良いところを見つけて、惚れ直している。
……貴方は、そのことに気付きもしないだろうけども。
「やめてください!」
突然、遠くからサユキの悲鳴が聞こえてきた。
私たちがその声に気付き駆けつけると、今まさに彼女が二人組の少年キャラに攻撃され、PK(プレイヤーキル)されかかっているところだった。
え? いきなり何なの? この二人は……。
「なんだよ、お前たちは!? 邪魔すんな!」
「そうだぞ! 関係ない奴は引っ込んでろ!」
私たちが助けに入ると、少年たちは口々に文句を言い始めた。
「……ユリア、サユキを連れて後ろに下がれ」
私はルディアスの指示通り、瀕死状態までHPが減っているサユキの元まで走り、彼女を抱えて避難させた。
実際にPKする現場を見たのなんて初めてだから、ちょっと震えてる。あんなに容赦なく、やっちゃうもんなんだ……。
「あの二人組は、一体……」
私は後ろを振り返り、柄の悪そうな少年たちを見つめた。
「……同級生の子たちです」
「え?」
「私がこの名前でBROをやっているのを、知られちゃったみたいなんです」
「でも、なんで攻撃を……?」
「実は、いつも学校でからかったりして、いじめてくる子たちで……」
ああ、合点がいった。いじめっ子がゲーム内でもわざわざ出張してきて、この子をPKしにきたってわけね。
PK(プレイヤーキル)は、文字通り『他のプレイヤーに悪意を持って攻撃し、殺害しようとする行為』だ。
実際に死ぬわけではないけど、PKされたら精神的なダメージはあるよね。
それにしても、最近の小学生は怖い……。こんなに早くからVRMMOをやっている上に、いきなり同級生をPKしにかかるなんて。
そう思いつつ、私は再び振り返って彼らを見る。
ルディアスと少年たちは、お互いから視線を逸らさず、じっと睨み合っていた。
「おい! そこ退けよ!」
「お前もPKするぞ!」
「ああ、退いてやる。但し──俺に勝てたらな!!」
ルディアスは少年たちに強い眼差しを向けると、彼らを指差して高らかに宣戦布告した。
……なんだかよくわからないうちに、PvP(プレイヤー・バーサス・プレイヤーの略)が始まりそうな空気になってます。
そして、ルディアスさん……キャラ作り忘れてますよ! 口調が素に戻ってます!
あと、その姿(女性キャラ)と声で俺とか言われるとすごく違和感あるんですけど。
まあ……それほど怒ってるってことなのかな。
彼は「サブキャラに切り替えてくる」と言って、一旦ログアウトしていったので、先に向かうことにしたのだ。
ここは、初心者から中級者くらいまでのプレイヤーがよく狩りをしている場所で、結構な数のモンスターが彷徨いている。
「沢山モンスターがいますね……」
「今、ルディアスがいないから、タゲられないように気を付けてね」
私がサユキに注意を促すと、彼女はこくんと頷いて後退りした。
ここのモンスターは強敵というほどではないので、一匹くらいなら私でも対処できるけど、複数同時に来られるときつい。
「お兄さん、遅いですね」
「久しぶりに動かすキャラだって言ってましたから、きっと装備の確認とかしてるんだと思いますよ」
そう答えてみたけど、本当に遅い。何やってるんだろう。
そう言えば、昨日から徹夜してるって言ってたような気もする……まさか、寝た?
いや、でも普段から徹夜慣れしてるっぽいから、それはないかなぁ。
というか、あの人って一体いつ寝てるんだろう……。
……とか色々想像してたら、転送装置の方からこちらに向かって歩いてくる人影が見えた。
「やあ、待たせたね」
そう言って、颯爽と現れたのは──燃えるような真紅の瞳と、太腿辺りまである長い黒髪が印象的な女性キャラだった。
少し露出度が高めのミニワンピースの上に胸当てを付け、ニーハイブーツを履いている。
そして、背中には矢筒、手にはロングボウを握っていた。
……もしかして、ルディアスのサブキャラ? まさかの女キャラで登場だなんて。
驚いた私は、思わず彼の元に走っていく。
「ルディアス!? 実は、女キャラ持ってたんですか!?」
「初期の頃、試しに作ってみた弓キャラだ。だが、萌え対象ではないぞ」
「え? そうなんですか?」
「自分で作ったキャラは、基本的に息子や娘みたいな感覚だからな。愛はあるが、例え女キャラでもそういう対象にはならない」
「あ、確かにそんな感覚はありますよね。私も、それは何となくわかるような気がします」
なるほど。だから、彼は他人が作ったキャラにしか萌えられないのか。なかなか奥が深い……。
ちなみに、サブキャラの名前は『アメリア』らしい。
「さっきのお兄さんですか?」
サユキは、先程とは全く違う姿で現れたルディアスの方を見て尋ねる。
「そうだよ。サブキャラでごめんね」
「大丈夫です。私なんかのために、ありがとうございます」
そう言って、サユキはお辞儀をする。
この子、小学生なのに大人びてるというか、随分と気を使うなぁ。
まあ、年齢は自己申告だし実際はどうかわからないけども……。
「それじゃあ、まず使い方なんだけど……あまり、モンスターと戦ったことはない感じかな?」
「はい。初心者クエストは、ギルドの人に手伝ってもらえたんですけど。その後は、なんだか手伝ってもらい辛くて……」
彼女の言葉で何となく察した。たぶん、内輪の仲が良すぎてギルドに入った新人が孤立するパターンだよね。
そう考えると、ルディアスのギルドに拾ってもらえた私は運が良かったのかも。
「向こうに、狼型のモンスターが見えるよね? 試しに、あの敵に矢を射ってくれないかな」
「はい」
サユキはそう返事をすると、少し離れたところにいるダイアウルフに何度か矢を射る。
しかし、対象がちょこちょこ動き回るためか外してしまった。
「ああ、やっぱり……たぶん、DEX上げてないよね?」
「DEX?」
「メニューウィンドウを開いて、ステータスを見てほしい。弓の命中率を高くするには、DEXにポイントを振らないといけないんだ。そうすると、手先の器用さや素早さが上がるんだよ」
「どうやって上げるんですか?」
「レベルが上がった時や、特定のクエストを熟した時なんかにAP(アビリティポイント)が貰えるんだよ。それを使って、自分の上げたい能力値に振っていく。例えば、器用さの他に力を上げたいならSTRに……という感じにね。あと、DEXは装備によっても変わるよ。軽装備の方がより高くなるんだ」
「私、そんなこと知らなかったから、全く上げてなかったです……」
「最初は、そんなもんだよ」
ルディアスは彼女にそう返すと、にっこりと微笑んだ。
「そして、ある程度DEXを上げると……」
そう言いながら、ルディアスはロングボウに矢をかけて、弦を強く引いた。
放たれた矢は、先程のダイアウルフを目掛けて勢い良く飛んでいき、その体に深く突き刺さった。
「こうやって、ちゃんと当たる」
「本当だ……」
「それで、ここからが問題なんだ」
ルディアスの攻撃に反応したダイアウルフは、こちらに向かって突進してきた。
「一撃で倒せない場合、ああやってこっちに走ってくるから……」
ルディアスは再び弓を構えると、走ってくるダイアウルフに連続で矢を射る。
その矢が突き刺さる度に、ダイアウルフは苦しそうな鳴き声を上げた。
そして、走っている途中で力尽きて絶命した。
「力技になるけど、これくらいのレベルのモンスターが相手なら、攻撃を受ける前に倒し切ってしまったほうがいいんだ。上手く攻撃をかわしたり、防御しながら矢を射って戦えるならいいけど、初心者のうちは難しいから」
「へえ、そうなんですか……」
「ボスクラスのモンスターになると、HPも多いからまた戦い方も変わってくるけどね」
「わかりました。ありがとう、お兄さん」
「いや、気にしないでいいよ。それじゃ、少し一人で練習してみようか。危なくなったら助けるからね」
「はい」
サユキはそう返事をすると、別のモンスターを探して走っていった。
「ギルマスやってるだけあって、面倒見がいいですね。でも、なんであの子に弓を教えようと思ったんですか?」
「それは……ギルドに入っているにも拘らず、誰も教えてやらなかったみたいだからな。このまま放っておいたら、楽しさを見出せずにきっとすぐやめるだろ? せっかく、このゲームで友達を作ろうとしていたのに……」
「へぇ……結構、優しいところもあるんですね」
「何だ? その『普段は優しくない』みたいな言い方は」
「だって、私に対しては結構鬼畜なところがありますし……」
色々な意味でね。
それなのに、私は今日もまた一つ貴方の良いところを見つけて、惚れ直している。
……貴方は、そのことに気付きもしないだろうけども。
「やめてください!」
突然、遠くからサユキの悲鳴が聞こえてきた。
私たちがその声に気付き駆けつけると、今まさに彼女が二人組の少年キャラに攻撃され、PK(プレイヤーキル)されかかっているところだった。
え? いきなり何なの? この二人は……。
「なんだよ、お前たちは!? 邪魔すんな!」
「そうだぞ! 関係ない奴は引っ込んでろ!」
私たちが助けに入ると、少年たちは口々に文句を言い始めた。
「……ユリア、サユキを連れて後ろに下がれ」
私はルディアスの指示通り、瀕死状態までHPが減っているサユキの元まで走り、彼女を抱えて避難させた。
実際にPKする現場を見たのなんて初めてだから、ちょっと震えてる。あんなに容赦なく、やっちゃうもんなんだ……。
「あの二人組は、一体……」
私は後ろを振り返り、柄の悪そうな少年たちを見つめた。
「……同級生の子たちです」
「え?」
「私がこの名前でBROをやっているのを、知られちゃったみたいなんです」
「でも、なんで攻撃を……?」
「実は、いつも学校でからかったりして、いじめてくる子たちで……」
ああ、合点がいった。いじめっ子がゲーム内でもわざわざ出張してきて、この子をPKしにきたってわけね。
PK(プレイヤーキル)は、文字通り『他のプレイヤーに悪意を持って攻撃し、殺害しようとする行為』だ。
実際に死ぬわけではないけど、PKされたら精神的なダメージはあるよね。
それにしても、最近の小学生は怖い……。こんなに早くからVRMMOをやっている上に、いきなり同級生をPKしにかかるなんて。
そう思いつつ、私は再び振り返って彼らを見る。
ルディアスと少年たちは、お互いから視線を逸らさず、じっと睨み合っていた。
「おい! そこ退けよ!」
「お前もPKするぞ!」
「ああ、退いてやる。但し──俺に勝てたらな!!」
ルディアスは少年たちに強い眼差しを向けると、彼らを指差して高らかに宣戦布告した。
……なんだかよくわからないうちに、PvP(プレイヤー・バーサス・プレイヤーの略)が始まりそうな空気になってます。
そして、ルディアスさん……キャラ作り忘れてますよ! 口調が素に戻ってます!
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