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38 複雑な関係
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「はぁ……」
ログインして早々、私は小さい溜め息をつく。
憂鬱な気分を吹き飛ばすために空を仰ぎ、大きく両手を広げて深呼吸をすると、すぐ側にある樹の下まで歩いた。
そのまま木陰に入り、草の上に腰を下ろした私は、徐ろに膝を抱える。
街から少し離れた、他のプレイヤーがあまり通らない静かで眺めのいい場所──ここは考え事をするのにもってこいなので、少し前から私のお気に入りになっていた。
あの日は結局、一日だけ遥斗に居てもらって、夜には帰ってもらった。
彼は「明日も看病する」と言って聞かなかったのだが、流石にそれは申し訳ないし、夜には体調も大分良くなったので断った。
代わりに家事までやってくれたりして、色々と助かったのだけど……同時に、遥斗のハイスペックぶりを一層強く実感した日でもあった。
頭良し、顔良し、運動神経良し、おまけに家事もできるなんて。一体、何者ですか?
よく考えたら……変人なことを除けば、完璧である彼が私を好きになってくれたこと自体、奇跡なんだよね。
そんなわけで──あの日は、何だか急に自信がなくなってしまい、結局告白に踏み切ることができなかった。
でも、告白を躊躇しているのは、何もそれだけが原因ではない。他にも、気になることがあったからだ。
それは……遥斗が何かを隠していて、それを異常に気にしているという事と、少し私を避けるようになった事。
まあ、避けると言っても、本気で避けているわけではないのだが。何をするにも遠慮がちというか、なるべく接触しないように気を付けているんだよね。
……やっぱり、あの時のことを気にしているのかな。
彼に「私は気にしていないし、寧ろ嬉しい」ということをわかってもらって、円滑に気持ちを伝える流れに持っていくには、どうすればいいのかな……。
うーん……やっぱり、今までこういうことに縁がなかった恋愛初心者には難しいな。
それにしても……彼は一体、何を隠しているんだろう。
そう言えば──あの日、私を訪ねて来た人がいたらしいけど、それと何か関係あったりするのかな? ……考え過ぎ?
確か、成神透夜って人だっけ。私、そんな名前の知り合いはいないんだけどな。
でも、成神って名字は結構珍しいよね……他に成神っていう人は歩くらいしか知らないけど、偶然かなぁ……。
そんなことを延々と考えていたら、何だか疲れてしまった。そう思った私は足を伸ばして、そのまま草むらに寝転ぶ。
草原を吹き抜ける爽やかな風が頬を撫でた。こうしていると、ここが仮想現実だということを忘れてしまう。
きらきらと光る木漏れ日が眩しくて、私は思わず目を細める。すると、不意に見慣れた顔が視界に入り、私を見下ろした。
「──アレクさん!?」
「やあ、ユリア」
驚いた私は、慌てて体を起こす。
まさか、ここに他のプレイヤーが……しかも、知り合いが来るなんて。
こんな場所、私しか知らないと思っていたのに。
「……ここ、普段プレイヤーがほとんど通らないような場所なので、ちょっと驚きました。よく、こんな場所に来ようと思いましたね」
「僕も、休止前はよくここに来ていてね。一人で考え事をしたりしていたんだ」
アレクはそう言いながら、私の隣に腰を下ろした。
「そうだったんですか!?」
「ふとこの場所を思い出して、来てみたら──ユリアがいて驚いたよ」
「……ここに来ると、何だか落ち着くんですよね。このゲームって、プレイヤー数が多い所為か、人がいない場所があまりないじゃないですか。だから、『少し一人になりたいけど、ログアウトして現実に帰る気にもならない』って気分の時によくここに来ていて……」
「奇遇だな。僕も、ユリアと全く同じ心境だよ」
「アレクさんもそうなんですか? なんか、私たちって結構気が合いますね。前から思ってましたけど」
「あはは、確かに」
意外な発見をした私たちは、思わず微笑みを交わす。
この人って、リアルのことは全然喋らないし、かなり謎が多いんだけど……不思議なことに、馬が合う。友好的な性格の所為か、謎めいていてもあまり気にならないんだけどね。
「ところで……何か悩んでいる様子だったが、どうしたんだ? 良ければ、相談に乗るが」
「ああ、えーと……」
私は返答に困った。こんなこと、アレクに相談してもいいんだろうか……。
でも、せっかく「相談に乗る」って言ってくれてるしなぁ。
「その、実は……」
私は、悩み事の内容とこれまでの経緯を説明した。
「あぁ、やっぱりな」
「え!?」
納得したような様子で頷くアレクに、私は驚きの声を上げる。
「ルディアスの、君に対する好意は割とダダ漏れだったからな。そうなったこと自体は別に驚かなかったよ」
「そ、そうですか? ……正直、全然気付きませんでした。てっきり、私のアバターへの深い愛がそうさせているのかな……と思っていたもので……」
「いくら、彼が重度の二次元コンプレックスだからと言っても……ただアバターが好きなだけなら、あそこまで嫉妬心を露わにしないだろうしな」
「それに気付かなかった私も、鈍感なんでしょうか」
「まあ……あれだけ強い彼の二次元愛をずっと隣で見てきたのなら、そう思うのも無理はない」
そう言ってフォローしてくれるアレクに、私は苦笑を返した。
「それで、両思いなんだろうなってことがわかったのはいいんですけど……何だか、お互い気まずくなってしまって。私がビシッと告白すれば済む話なんですが、いざ気持ちを伝えるとなると、『本当に私でいいのかな? もしかしたら、彼にはこれからもっと相応しい相手が現れるかも?』とか思ってしまって……。ルディアスはルディアスで、微妙に私を避けてますし……」
「……なるほど。たぶん、ルディアスも既に好意を自覚しているとは思うが……色々と、気持ちの整理がつかないんじゃないか? 今まで二次元しか好きになったことがなかったんだろうし、尚更混乱しているんだろう。頃合いを見て、気持ちを伝えるのがベストだと思うが」
「そうですか……焦って告白しない方が良さそうですね」
「それと……君は自己評価が低すぎるんじゃないか? もっと自信を持った方がいい。魅力がなければ、彼は君を好きになることはなかったのだから」
「自信……ですか。そうですね、頑張ってみます。あの……ありがとうございました。アレクさんにこんな相談してしまって、迷惑でしたよね」
「いや、少しでも力になれたのなら幸いだよ。ギルメンの悩みを聞くのも、サブマスの務めだからね」
私がお礼を言うと、アレクはにこっと微笑んだ。
とりあえず、今の関係を整理すると──私は『遥斗が自分のことを好きだと知っている』状態で、遥斗は『自分が好かれているなんて思っていない』状態なんだよね。
なんか滅茶苦茶、複雑だ。そして、彼は現在進行系で混乱中……。うーん……非常に面倒くさい。
まあ──それはもう、面倒くさい相手を好きになった者の宿命みたいなものだから諦めるとして……。
この複雑な関係は、ちゃんとゴールに向かうことができるのだろうか。
ログインして早々、私は小さい溜め息をつく。
憂鬱な気分を吹き飛ばすために空を仰ぎ、大きく両手を広げて深呼吸をすると、すぐ側にある樹の下まで歩いた。
そのまま木陰に入り、草の上に腰を下ろした私は、徐ろに膝を抱える。
街から少し離れた、他のプレイヤーがあまり通らない静かで眺めのいい場所──ここは考え事をするのにもってこいなので、少し前から私のお気に入りになっていた。
あの日は結局、一日だけ遥斗に居てもらって、夜には帰ってもらった。
彼は「明日も看病する」と言って聞かなかったのだが、流石にそれは申し訳ないし、夜には体調も大分良くなったので断った。
代わりに家事までやってくれたりして、色々と助かったのだけど……同時に、遥斗のハイスペックぶりを一層強く実感した日でもあった。
頭良し、顔良し、運動神経良し、おまけに家事もできるなんて。一体、何者ですか?
よく考えたら……変人なことを除けば、完璧である彼が私を好きになってくれたこと自体、奇跡なんだよね。
そんなわけで──あの日は、何だか急に自信がなくなってしまい、結局告白に踏み切ることができなかった。
でも、告白を躊躇しているのは、何もそれだけが原因ではない。他にも、気になることがあったからだ。
それは……遥斗が何かを隠していて、それを異常に気にしているという事と、少し私を避けるようになった事。
まあ、避けると言っても、本気で避けているわけではないのだが。何をするにも遠慮がちというか、なるべく接触しないように気を付けているんだよね。
……やっぱり、あの時のことを気にしているのかな。
彼に「私は気にしていないし、寧ろ嬉しい」ということをわかってもらって、円滑に気持ちを伝える流れに持っていくには、どうすればいいのかな……。
うーん……やっぱり、今までこういうことに縁がなかった恋愛初心者には難しいな。
それにしても……彼は一体、何を隠しているんだろう。
そう言えば──あの日、私を訪ねて来た人がいたらしいけど、それと何か関係あったりするのかな? ……考え過ぎ?
確か、成神透夜って人だっけ。私、そんな名前の知り合いはいないんだけどな。
でも、成神って名字は結構珍しいよね……他に成神っていう人は歩くらいしか知らないけど、偶然かなぁ……。
そんなことを延々と考えていたら、何だか疲れてしまった。そう思った私は足を伸ばして、そのまま草むらに寝転ぶ。
草原を吹き抜ける爽やかな風が頬を撫でた。こうしていると、ここが仮想現実だということを忘れてしまう。
きらきらと光る木漏れ日が眩しくて、私は思わず目を細める。すると、不意に見慣れた顔が視界に入り、私を見下ろした。
「──アレクさん!?」
「やあ、ユリア」
驚いた私は、慌てて体を起こす。
まさか、ここに他のプレイヤーが……しかも、知り合いが来るなんて。
こんな場所、私しか知らないと思っていたのに。
「……ここ、普段プレイヤーがほとんど通らないような場所なので、ちょっと驚きました。よく、こんな場所に来ようと思いましたね」
「僕も、休止前はよくここに来ていてね。一人で考え事をしたりしていたんだ」
アレクはそう言いながら、私の隣に腰を下ろした。
「そうだったんですか!?」
「ふとこの場所を思い出して、来てみたら──ユリアがいて驚いたよ」
「……ここに来ると、何だか落ち着くんですよね。このゲームって、プレイヤー数が多い所為か、人がいない場所があまりないじゃないですか。だから、『少し一人になりたいけど、ログアウトして現実に帰る気にもならない』って気分の時によくここに来ていて……」
「奇遇だな。僕も、ユリアと全く同じ心境だよ」
「アレクさんもそうなんですか? なんか、私たちって結構気が合いますね。前から思ってましたけど」
「あはは、確かに」
意外な発見をした私たちは、思わず微笑みを交わす。
この人って、リアルのことは全然喋らないし、かなり謎が多いんだけど……不思議なことに、馬が合う。友好的な性格の所為か、謎めいていてもあまり気にならないんだけどね。
「ところで……何か悩んでいる様子だったが、どうしたんだ? 良ければ、相談に乗るが」
「ああ、えーと……」
私は返答に困った。こんなこと、アレクに相談してもいいんだろうか……。
でも、せっかく「相談に乗る」って言ってくれてるしなぁ。
「その、実は……」
私は、悩み事の内容とこれまでの経緯を説明した。
「あぁ、やっぱりな」
「え!?」
納得したような様子で頷くアレクに、私は驚きの声を上げる。
「ルディアスの、君に対する好意は割とダダ漏れだったからな。そうなったこと自体は別に驚かなかったよ」
「そ、そうですか? ……正直、全然気付きませんでした。てっきり、私のアバターへの深い愛がそうさせているのかな……と思っていたもので……」
「いくら、彼が重度の二次元コンプレックスだからと言っても……ただアバターが好きなだけなら、あそこまで嫉妬心を露わにしないだろうしな」
「それに気付かなかった私も、鈍感なんでしょうか」
「まあ……あれだけ強い彼の二次元愛をずっと隣で見てきたのなら、そう思うのも無理はない」
そう言ってフォローしてくれるアレクに、私は苦笑を返した。
「それで、両思いなんだろうなってことがわかったのはいいんですけど……何だか、お互い気まずくなってしまって。私がビシッと告白すれば済む話なんですが、いざ気持ちを伝えるとなると、『本当に私でいいのかな? もしかしたら、彼にはこれからもっと相応しい相手が現れるかも?』とか思ってしまって……。ルディアスはルディアスで、微妙に私を避けてますし……」
「……なるほど。たぶん、ルディアスも既に好意を自覚しているとは思うが……色々と、気持ちの整理がつかないんじゃないか? 今まで二次元しか好きになったことがなかったんだろうし、尚更混乱しているんだろう。頃合いを見て、気持ちを伝えるのがベストだと思うが」
「そうですか……焦って告白しない方が良さそうですね」
「それと……君は自己評価が低すぎるんじゃないか? もっと自信を持った方がいい。魅力がなければ、彼は君を好きになることはなかったのだから」
「自信……ですか。そうですね、頑張ってみます。あの……ありがとうございました。アレクさんにこんな相談してしまって、迷惑でしたよね」
「いや、少しでも力になれたのなら幸いだよ。ギルメンの悩みを聞くのも、サブマスの務めだからね」
私がお礼を言うと、アレクはにこっと微笑んだ。
とりあえず、今の関係を整理すると──私は『遥斗が自分のことを好きだと知っている』状態で、遥斗は『自分が好かれているなんて思っていない』状態なんだよね。
なんか滅茶苦茶、複雑だ。そして、彼は現在進行系で混乱中……。うーん……非常に面倒くさい。
まあ──それはもう、面倒くさい相手を好きになった者の宿命みたいなものだから諦めるとして……。
この複雑な関係は、ちゃんとゴールに向かうことができるのだろうか。
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