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お前にはよくお似合いの姿だ。国家の犬め。
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美里の横で竜胆と久瀬が盛り上がって話をしていた。
美里は彼らの話に興味がないのもあり、居心地が悪かった。結局、半分も食事が喉を通らず酒の回りが普段より早い。席を立とうとすると、竜胆がこちらを見上げた。
「どうした?」
「あ?何だよ、お前は俺の親か?トイレだよ……」
美里がそういうと久瀬が間髪置かずに「便所なら今からくるだろ」と嗜虐的に笑い、竜胆が追従するようにでかい声で笑っていた。酔っているから余計にタチが悪い。
急速に苛立ちが沸き上がり目を軽く閉じた。こうすると、視界に不快な者を収めなくて済む。
「うるせぇな…そういう気分じゃないんだよ。大体なんで俺がお前らの前で小便しなきゃいけないんだ?俺が小便しているところが見たい変態なのか?は、良い趣味してるな。」
「あ、そ。じゃあ勝手に行けよ。俺はあいつ使うから。」
久瀬の言い方は明らかな挑発だった。怒りを越えて殺意が湧く。
美里は浮かしていた腰を戻し、久瀬の方をじっと静かに見つめた。
横から竜胆が「お前さっきからなんだ?おかしいぞ。キレてんのか?お前は表情が乏しいからな、何考えてるか全っ然わかんねぇよ。」と言ってて笑いかけてくるので、そちらを見もせずに「キレる?そんなわけないだろ」と返した。
◆
川名に腕をとられ、宴席まで引っ張られていく。途中、川名は「お前は自分が拷問に架けられることを考えながら、勃たせていたわけか。イカれているよ。」と呟いた。何か返そうとした時には自席の前に着き、衝撃的な光景に言葉が出なくなる。その惨状に、来た時と同じような、呆れた笑いが出てくる。
他の組員と同じように、テーブルの上には魚の酒蒸し、牛ひれ肉の煮込み、炒飯が並んでいた。ただ、自分の料理の上にだけ何か真っ白なものが厚みを持ってへばりつき、皿から零れでていた。
この量は一人の人間が一回で出せるような量じゃない。事前にわざわざ準備させたに違いない。
川名は人を消す計画を立てる時にも、このような「邪悪なサプライズ」を好んだ。
例えば、彼はわざわざターゲットの誕生日を選び、祝いの品としてなかなか手に入らない高級チーズケーキをわざわざ自ら取り寄せ、毒を混ぜ人を抹殺させた。例えば、ある人物にある裏切り者を誅殺するから、立ち会ってくれと声をかける。それと同じことを”ある裏切り者”にも言っておく。そうして現場にのこのこやってきた二人を殺し合わせて愉しむのだ。
「ああ、もう料理が到着しているな。きれいに、全部食えよ。」
「こんな臭くて汚い物、食べ物じゃない……」
自分がそれを食わされることを考えるだけで、心拍数があがってきて頭の奥がじんじんと痛みだし、身体が熱を帯びた。
「何言っているんだ。さっきまで散々口に出されて悦んでたくせに。まあ、座れよ。」
川名が椅子を引くと、そこから目が離せなくなる。
そこにさっきまで無かった物が置かれていた。否、固定されて、屹立していた。
「立ってないで、ほら、早く座れよ。疲れただろ。」
こんなものはアダルトビデオでしか見たことがなかった。椅子に真っ黒な色をした太いグロテスクなディルドが聳え立っており、ベルトで椅子に固定されていた。ディルドの底からは尻尾が生え椅子の上にクッションのように毛の束を寝かせている。
川名の手が両肩にのり、椅子の前まで移動させられる。膝の裏を蹴られ油断したところを上から勢いよく押さえつけられた。普段であればこの程度の圧に身体は耐えられるのだが、散々二条に犯されたせいで腰が浮いて力が入らず、思わず勢いよくテーブルに手をついてしまう。勢いで周囲の食器やグラスが跳ね、竜胆が半分愉快、半分不快そうな眼差しで霧野を見据えた。
指先にテーブルクロスにこぼれていた誰かの精液が触れ、そんなことをしている場合ではないのに、神経質になり、不快感で親指でこすり取るようにして消し込んでいると、横から久瀬が川名と一緒になって霧野の身体を上から押さえつけ始めた。
久瀬の部下である宮下も、久瀬が頑張っている横で何もしないわけにもいかず、霧野は三人に押さえつけられるようにして、椅子の上に押し込められていった。
臀孔にソレが擦れあたってからは一瞬で、バチュン!という激しい音と共に、身体を押し開かれる激しい衝撃と一緒に邪悪な玩具を一気に咥え込んでしまった。喉から唸るような声が出る。身体を力任せに浮かせようとすると、上から同じような塩梅の強さで押さえつけられ、中の物が出入りして擦れはじめた。息が上がって、中が締まり、誰が見ても感じているような無様な醜態をさらしてしまう。
「無様だな!おとなしくしてないから、そうなるんだよ!」
久瀬がそう言って椅子の脚を蹴り上げ、その振動で孔の奥をえぐられ思わず鳴く様な声が出てしまう。
「へぇ~、犬みたいに鳴きやがる。組長、面白いからもっとみんなで蹴ってやりましょう。」
それから、川名、久瀬、宮下が散々椅子を蹴り、霧野は椅子に深く座ったままテーブルに手をつき、必死になって耐え、沸き上がる屈辱的な快楽に身体を震わせ、身を悶えさせた。「やめろ」と一言でも言えば奴らは面白がってもっとやる。黙って耐えるしかない。自分の意思とは関係なく上がる息、開いた口から涎が漏れ出て、真っ赤なカーペットの上に滴り落ちていった。
◆
「さんざん喘いで疲れたか?食わせてやるから口を開けろよ。」
霧野は疲れきり紅潮した顔を上げた。
川名がスプーンに食べ物と精液の混ざった物をすくい上げ、霧野の口元に近づけていた。男の臭いと食べ物の臭いが混ざり合い、鼻をつく。
目を細め睨むようにして川名の方を見ると、腹部に固いものが当たっていることに気が付く。拳銃の先がぐりぐりと腹部を抉るように押し付けられ、どうみても安全装置が外れていた。
「さあ、お腹がすいているだろ?」
霧野が食いしばっていた口をゆっくり開けると中にそれが容赦なく押し込まれ、口の中で生臭い味を漂わせた。
「よく噛んで、味わって食えよ。最低10回は噛め。」
すぐに飲み込むことを許されず、咀嚼を繰り返していると、さっきまで組員たちの肉棒を散々しゃぶらされ、下半身をまさぐられた記憶が下半身を中心に沸き上がってきてしまい、身体が熱く、目が涙に潤んだ。
人の五感の中で、一番記憶に直結してるもの、それが「嗅覚」だ。匂いの記憶は、生物が食物を手に入れ生きるために作り上げた根源的な感覚で、脳の基礎部分に鎮座している。
臭くて汚い雄の出した爛れた物を食わされているのに、身体が反応してしまっている。何という屈辱だろうか。
スプーンと唇の間に白い糸がひいて、切れた。
「まだまだたくさんあるぞ。このまま喰わせてやろうか、自分で喰えるか?」
川名は再びスプーンで料理をいじくり、ほとんど精液しかのっていないソレを嬉しそうに近づけてきた。
「……じぶんで、たべられます。」
人から物を食べさせられた記憶の中で群を抜いて最悪だ。
手錠で繋がれたままの手でスプーンを受け取り、器用に掬って目の前の物を処理していった。
川名がじっとその様子を見ており、噛まないで飲み込もうとしたら殺すぞという圧をかけてくる。
屈辱と恐怖で身体がこわばると、身体を穿ち続けているディルドを身体が貪り締めつけ、余計に身体を発情させ、頭がぼーっとしてくる……。
◆
美里は頬杖をつきながら、目の前の彼を観察していた。
調教の中でいくらか精液を混ぜた飯を食べさせたが、その比ではない量だ。
川名と一緒に戻ってきた霧野は最初、表情こそしれっとしていたが、流石にこたえていて、美里にだけわかるレベルで身体がこわばっていた。意味が分からない。怖いならば、どうしてこの男は早く川名に屈服しないのだろうか。何も考えず黙って彼に従えば多少の調教はされてもここまでされずに済むのだ。何を意地を張っているのか全く理解ができない。
美里の視線の先で、霧野は目の下に若干赤みがさし、時々嘔吐きそうになり目元を潤ませながら、必死になって食ザーの苦しみに耐えていた。食事中にしては彼一人だけ自慰行為でもしてるかのように息が上がっており、場にいる者たちの注目を一層集めていた。
皆、敢えて霧野に揶揄する声をかけない。今の状況を当たり前の状況だと受け入させるための洗礼だからだ。
さんざん凌辱された彼の口元は最早性器と化したようなものだ。淫靡に精液に濡れ、見る者すべてを扇情的な気分にさせる。口の中が気持ち悪いのか犬のように器用に舌先で口の中の何かをはがすように動かす仕草を見ていると、今すぐにでもその口を肉棒で埋めてやりたくなる。
時折霧野の視線が、爛れた料理ではなく他の者の奇麗な料理の方に移り、表情を曇らせていた。そんなことをすれば、余計に屈辱的で苦しい思いをするのに、やはり彼の本質は根っからのマゾにちがいない。あれだけ組織の中や敵対する人間に高圧的にサディスティックにふるまっていた人間だ。ズタズタにされればされるだけ神経が耐えられなくなって、惨めに発情するのだ。
美里はわざと持っていたスプーンを床に落とし、拾いながらテーブルの下から霧野の下半身に目をやった。やはり服の上からわかる程度に軽くだが勃起してしまっている。スプーンを拾って意味ありげに霧野の方を見据えるとますます顔を赤くしていた。
ふたりきりであれば、食ザーの悦びを感じてしまっていることについて死ぬほど揶揄して辱めてやるが、今はこれが一番効果的だ。やはり自分が一番彼のことをわかっているぞと彼に静かに伝えてやるのだ。見ているだけで愉快だ。
携帯が振動し、画面を見ると二条からショートメールが来ていた。「今どうなってる?」と来ていたので一生帰ってくるなという意味を込め「ごはん中、たいして面白くもないですよ」と返した。
◆
霧野がなんとか三分の一程度まで処理できたところで、横から久瀬が話しかけてきた。
「おい、澤野。最近カジノの様子はどうなんだ?」
霧野は横目で久瀬を見た。久瀬は揶揄っている様子もなく、まるで友達に話しかけるような口調で話していた。
「は?」
「カジノだよ、お前が三つくらい見てただろ。」
「……。」
霧野は久瀬がどういうつもりなのか考えようとしたが、発情した身体に頭がうまくついていかない。回らない頭で、澤野のような調子で返してしまう。
「二つは、売り上げが……先月より伸び、一つは横ばいだが……」
「へぇ、それはすごいな。ねぇ組長もそう思うでしょ。」
「そうだな、1.2倍ずつ伸びていたよ。澤野はさすがだなぁ。」
川名もそういって、霧野を見据えてくる。その調子で竜胆が会話に入ってきて話が進んでいった。霧野は自分の背中に何か鳥肌が立ってくるのを感じた。
自分以外の空気がいつもの調子になり、"澤野"として普段通りに会話に参加することを求められ、"霧野"の存在が完全に消され始めた。頭がおかしくなりそうだ。自分が「誰」で「何」なのかわからなくなってくる。
「澤野、資金洗浄のノウハウを俺にも教えてくれよ。」
さっきから久瀬がさっきまでの嗜虐的な趣がない、フランクな口調で話しかけてくる。
「……」
「ん?何故黙っているんだ、教えてくれないのか?」
「……ああ、‥‥教えるよ。」
声が掠れ、震えていた。
縋るように、口を開いていない美里の方を見ると、彼は会話に参加せず黙って手をつけていない料理をつまらなそうに箸でいじくりまわしていた。そういえば、彼はいつも大人数の場で積極的に仕事の話に参加してこず、後から一人になった霧野に気になった点をいちいち聞きに来て、煩わしかった。
霧野の視線に気がついたのか、美里は霧野の方をじっとほとんど無表情に見据えた。顔に少しだけ紅が刺し、片方の口角が若干あがった。
「霧野」
突然、横から川名の笑いの混ざった声がした。
「どうした?手が止まってるよ、お前が食べ終わらないと始められないんだからな。吐くんじゃないぞ。吐くなら後にしろ?ここには他の奴らもいるんだから迷惑だろ。もし、ここで吐いたら下から全部入れなおしてやるから。」
「……」
「そうだ、忘れていた。もう一品あったな。」
川名は席を立って、しばらくしてから手にスープ皿をもって戻ってきた。
霧野の目の前に置かれたその中には普段ノアに与えられている大量のドッグフードが盛られ、表面が湿っていた。
「喉が渇いているだろうから、上から小便をかけておいてやったよ。悦んでいいぞ。」
「……」
「気にくわないなら、上から誰かに排便させてやろうか?」
霧野は目を細めて睨みつけるように川名の方を見て「結構です、食べます」とはっきり言って、スープ皿にスプーンを伸ばした。
◆
霧野は吐き気を抑えながら目の前にある物をほとんど全て片付けた。空腹であったのも事実で苦痛ではあったが食べれてしまった。精液のかかっていない部分だけでいえば一流の料理だ。
異常な状況に耐え切れず下半身が反応してしまったことに絶望を覚える。しかも、美里に察せられ、彼が敢えて何も言わず、霧野にだけわかるような表情でこちらを見ていた。彼の表情が頭にこびりついて離れない。それは、仕事中に霧野が上司の悪口を言っているときに横で聞いていた美里の表情によく似ていた。
しかし、小便にまみれたドッグフードだけはどうしても人として身体が受け付けず、まだ半分以上も残っていた。
横目で川名の方を見るとガッチリ目が合ってしまい、すぐさま目を逸らして、ドッグフードにスプーンを伸ばす作業を続けた。隣から陰湿な責めが始まった。
「遅いなあ。まだか?」
「……」
「犬のくせに、なんでもっと喜んで食べないんだ?犬としての自覚が少し足りないんじゃないのか?」
「……」
無視して無になってスプーンを口に運ぶ作業をしていると、突然目の前から皿がとりあげられた。皿を目で追っていると、それは川名の足元に置かれ、それから彼の手がディルドを椅子と固定したベルトを外した。
「こっちに来てここで喰えよ。下手に人間のフリなんかしているから、食えないんだ……。俺の前で這いつくばって皿に頭を突っ込んでさっさと飯を済ませろ。みんなを待たせてるんだよ。……縛り上げて、無理やり倍の量流し込むように食わせてもいいんだぞ。」
椅子から汗ばみ湿った身体を浮かすと、尻尾が一緒についてきて、尻をくすぐった。川名と組員の視線を一斉に浴びながら彼の足元に這いつくばった。
そのまま足元に置かれた皿の中に頭をつっこむと、頭の上に川名の脚がのせられ、ぐりぐりと踏みしだかれる。
「ほら、この方が早いだろう?霧野、お前にはよくお似合いの姿だ。国家の犬め。犯罪者に踏みしだかれ、ヤクザの犬に成り下がれ。」
屈辱と羞恥、怒りに耐えながら、早く済ませるために流し込むように口の中にそれをいれていく。
作業だ、ただの作業、自分は人じゃない、物だ。
怒りに反逆するように下半身はゆるゆると絶望的な快楽を感じ続けた。
◆
霧野は川名の足元で空にした皿を見せて、上を向いた。
「よしよし、ちゃんと全部食べたな。えらいぞ。お腹がすいてたからちょうどよかっただろう。また定期的にこうして栄養をとらせてやる。もう椅子に戻っていい。」
霧野は感情のほとんど感じられない表情をして体を起こし、ふさふさと尻尾をゆらしながら、川名の隣の席に座った。テーブルの上には空になった穢れた皿たちが並ぶ。
川名は、懐から紙をとりだし黙って霧野の前に置いた。霧野は何も言わずそれを手に取ってボーっと眺めた。
それは霧野が事務所で集計に使用していたエクセルの表を改造したものだった。
事務所の霧野のPCからわざわざ引っ張ってきたようだ。
「……なんですか、これ。」
と言いながら、自分の手が微かに震えてくるのが分かった。
縦軸に今ここにいる自分と川名以外の組員の名前が、「二条」「美里」「久瀬」「竜胆」……と全10人分並んでいた。横軸に本来入っているべき項目が消され、「口」「手」「肛門」「その他」「備考」と意味の分からない文字が踊っていた。
「その表に数字を入れるんだよ。」
川名は前を向いたままそういった。
「……数字?」
「察してるくせに、わざわざ俺の口から聞きたいのか?物好きな奴だな。集団暴行なんて適当にやらせたら何が何だかわからなくなるだろう。だから、お前に出した数字で皆を定量評価するんだ、わかりやすくていいだろう。最低でも一人二発は出してもらわないと話にならない。他にお前を痛めつけたアピールポイントがあれば備考欄に書いてもらい加点対象にする。」
彼は前を向きながら、普段通りの事務的な口調で話していた。
「ははは……やっぱり狂ってるよ、お前」
霧野が笑っていると、川名は前に向いていた目をこちらに向けてから軽く首を傾けてこちらを見た。
「なんだ?そんなこと、今わかったことじゃないだろう。」
霧野は虚ろな、しかしどこか真剣な目でじっと川名の方を見つめた。一警察官として、犯罪者と向き合う時、彼らが途中から開き直ったように武勇伝を語り、自供し始めるのを見てきた。
川名は対照的にどんどん愉快そうな表情になってくる。
「お前、俺のこと調べてたんだから、俺がどんなことして今この組を持ってるのか、昔何をしたか、普段何をしているか、全部知っているんじゃないのか?ここにいる、誰よりも。それでも逃げ出さず、俺の下で律義に勤められていたんだ。驚くべきことだよ。もしかして、お前が俺のことを一番理解してくれてるんじゃないのか?」
「お前のことを、理解?……できるわけがない。勝手に言ってろ。お前は異常者だ。」
美里は彼らの話に興味がないのもあり、居心地が悪かった。結局、半分も食事が喉を通らず酒の回りが普段より早い。席を立とうとすると、竜胆がこちらを見上げた。
「どうした?」
「あ?何だよ、お前は俺の親か?トイレだよ……」
美里がそういうと久瀬が間髪置かずに「便所なら今からくるだろ」と嗜虐的に笑い、竜胆が追従するようにでかい声で笑っていた。酔っているから余計にタチが悪い。
急速に苛立ちが沸き上がり目を軽く閉じた。こうすると、視界に不快な者を収めなくて済む。
「うるせぇな…そういう気分じゃないんだよ。大体なんで俺がお前らの前で小便しなきゃいけないんだ?俺が小便しているところが見たい変態なのか?は、良い趣味してるな。」
「あ、そ。じゃあ勝手に行けよ。俺はあいつ使うから。」
久瀬の言い方は明らかな挑発だった。怒りを越えて殺意が湧く。
美里は浮かしていた腰を戻し、久瀬の方をじっと静かに見つめた。
横から竜胆が「お前さっきからなんだ?おかしいぞ。キレてんのか?お前は表情が乏しいからな、何考えてるか全っ然わかんねぇよ。」と言ってて笑いかけてくるので、そちらを見もせずに「キレる?そんなわけないだろ」と返した。
◆
川名に腕をとられ、宴席まで引っ張られていく。途中、川名は「お前は自分が拷問に架けられることを考えながら、勃たせていたわけか。イカれているよ。」と呟いた。何か返そうとした時には自席の前に着き、衝撃的な光景に言葉が出なくなる。その惨状に、来た時と同じような、呆れた笑いが出てくる。
他の組員と同じように、テーブルの上には魚の酒蒸し、牛ひれ肉の煮込み、炒飯が並んでいた。ただ、自分の料理の上にだけ何か真っ白なものが厚みを持ってへばりつき、皿から零れでていた。
この量は一人の人間が一回で出せるような量じゃない。事前にわざわざ準備させたに違いない。
川名は人を消す計画を立てる時にも、このような「邪悪なサプライズ」を好んだ。
例えば、彼はわざわざターゲットの誕生日を選び、祝いの品としてなかなか手に入らない高級チーズケーキをわざわざ自ら取り寄せ、毒を混ぜ人を抹殺させた。例えば、ある人物にある裏切り者を誅殺するから、立ち会ってくれと声をかける。それと同じことを”ある裏切り者”にも言っておく。そうして現場にのこのこやってきた二人を殺し合わせて愉しむのだ。
「ああ、もう料理が到着しているな。きれいに、全部食えよ。」
「こんな臭くて汚い物、食べ物じゃない……」
自分がそれを食わされることを考えるだけで、心拍数があがってきて頭の奥がじんじんと痛みだし、身体が熱を帯びた。
「何言っているんだ。さっきまで散々口に出されて悦んでたくせに。まあ、座れよ。」
川名が椅子を引くと、そこから目が離せなくなる。
そこにさっきまで無かった物が置かれていた。否、固定されて、屹立していた。
「立ってないで、ほら、早く座れよ。疲れただろ。」
こんなものはアダルトビデオでしか見たことがなかった。椅子に真っ黒な色をした太いグロテスクなディルドが聳え立っており、ベルトで椅子に固定されていた。ディルドの底からは尻尾が生え椅子の上にクッションのように毛の束を寝かせている。
川名の手が両肩にのり、椅子の前まで移動させられる。膝の裏を蹴られ油断したところを上から勢いよく押さえつけられた。普段であればこの程度の圧に身体は耐えられるのだが、散々二条に犯されたせいで腰が浮いて力が入らず、思わず勢いよくテーブルに手をついてしまう。勢いで周囲の食器やグラスが跳ね、竜胆が半分愉快、半分不快そうな眼差しで霧野を見据えた。
指先にテーブルクロスにこぼれていた誰かの精液が触れ、そんなことをしている場合ではないのに、神経質になり、不快感で親指でこすり取るようにして消し込んでいると、横から久瀬が川名と一緒になって霧野の身体を上から押さえつけ始めた。
久瀬の部下である宮下も、久瀬が頑張っている横で何もしないわけにもいかず、霧野は三人に押さえつけられるようにして、椅子の上に押し込められていった。
臀孔にソレが擦れあたってからは一瞬で、バチュン!という激しい音と共に、身体を押し開かれる激しい衝撃と一緒に邪悪な玩具を一気に咥え込んでしまった。喉から唸るような声が出る。身体を力任せに浮かせようとすると、上から同じような塩梅の強さで押さえつけられ、中の物が出入りして擦れはじめた。息が上がって、中が締まり、誰が見ても感じているような無様な醜態をさらしてしまう。
「無様だな!おとなしくしてないから、そうなるんだよ!」
久瀬がそう言って椅子の脚を蹴り上げ、その振動で孔の奥をえぐられ思わず鳴く様な声が出てしまう。
「へぇ~、犬みたいに鳴きやがる。組長、面白いからもっとみんなで蹴ってやりましょう。」
それから、川名、久瀬、宮下が散々椅子を蹴り、霧野は椅子に深く座ったままテーブルに手をつき、必死になって耐え、沸き上がる屈辱的な快楽に身体を震わせ、身を悶えさせた。「やめろ」と一言でも言えば奴らは面白がってもっとやる。黙って耐えるしかない。自分の意思とは関係なく上がる息、開いた口から涎が漏れ出て、真っ赤なカーペットの上に滴り落ちていった。
◆
「さんざん喘いで疲れたか?食わせてやるから口を開けろよ。」
霧野は疲れきり紅潮した顔を上げた。
川名がスプーンに食べ物と精液の混ざった物をすくい上げ、霧野の口元に近づけていた。男の臭いと食べ物の臭いが混ざり合い、鼻をつく。
目を細め睨むようにして川名の方を見ると、腹部に固いものが当たっていることに気が付く。拳銃の先がぐりぐりと腹部を抉るように押し付けられ、どうみても安全装置が外れていた。
「さあ、お腹がすいているだろ?」
霧野が食いしばっていた口をゆっくり開けると中にそれが容赦なく押し込まれ、口の中で生臭い味を漂わせた。
「よく噛んで、味わって食えよ。最低10回は噛め。」
すぐに飲み込むことを許されず、咀嚼を繰り返していると、さっきまで組員たちの肉棒を散々しゃぶらされ、下半身をまさぐられた記憶が下半身を中心に沸き上がってきてしまい、身体が熱く、目が涙に潤んだ。
人の五感の中で、一番記憶に直結してるもの、それが「嗅覚」だ。匂いの記憶は、生物が食物を手に入れ生きるために作り上げた根源的な感覚で、脳の基礎部分に鎮座している。
臭くて汚い雄の出した爛れた物を食わされているのに、身体が反応してしまっている。何という屈辱だろうか。
スプーンと唇の間に白い糸がひいて、切れた。
「まだまだたくさんあるぞ。このまま喰わせてやろうか、自分で喰えるか?」
川名は再びスプーンで料理をいじくり、ほとんど精液しかのっていないソレを嬉しそうに近づけてきた。
「……じぶんで、たべられます。」
人から物を食べさせられた記憶の中で群を抜いて最悪だ。
手錠で繋がれたままの手でスプーンを受け取り、器用に掬って目の前の物を処理していった。
川名がじっとその様子を見ており、噛まないで飲み込もうとしたら殺すぞという圧をかけてくる。
屈辱と恐怖で身体がこわばると、身体を穿ち続けているディルドを身体が貪り締めつけ、余計に身体を発情させ、頭がぼーっとしてくる……。
◆
美里は頬杖をつきながら、目の前の彼を観察していた。
調教の中でいくらか精液を混ぜた飯を食べさせたが、その比ではない量だ。
川名と一緒に戻ってきた霧野は最初、表情こそしれっとしていたが、流石にこたえていて、美里にだけわかるレベルで身体がこわばっていた。意味が分からない。怖いならば、どうしてこの男は早く川名に屈服しないのだろうか。何も考えず黙って彼に従えば多少の調教はされてもここまでされずに済むのだ。何を意地を張っているのか全く理解ができない。
美里の視線の先で、霧野は目の下に若干赤みがさし、時々嘔吐きそうになり目元を潤ませながら、必死になって食ザーの苦しみに耐えていた。食事中にしては彼一人だけ自慰行為でもしてるかのように息が上がっており、場にいる者たちの注目を一層集めていた。
皆、敢えて霧野に揶揄する声をかけない。今の状況を当たり前の状況だと受け入させるための洗礼だからだ。
さんざん凌辱された彼の口元は最早性器と化したようなものだ。淫靡に精液に濡れ、見る者すべてを扇情的な気分にさせる。口の中が気持ち悪いのか犬のように器用に舌先で口の中の何かをはがすように動かす仕草を見ていると、今すぐにでもその口を肉棒で埋めてやりたくなる。
時折霧野の視線が、爛れた料理ではなく他の者の奇麗な料理の方に移り、表情を曇らせていた。そんなことをすれば、余計に屈辱的で苦しい思いをするのに、やはり彼の本質は根っからのマゾにちがいない。あれだけ組織の中や敵対する人間に高圧的にサディスティックにふるまっていた人間だ。ズタズタにされればされるだけ神経が耐えられなくなって、惨めに発情するのだ。
美里はわざと持っていたスプーンを床に落とし、拾いながらテーブルの下から霧野の下半身に目をやった。やはり服の上からわかる程度に軽くだが勃起してしまっている。スプーンを拾って意味ありげに霧野の方を見据えるとますます顔を赤くしていた。
ふたりきりであれば、食ザーの悦びを感じてしまっていることについて死ぬほど揶揄して辱めてやるが、今はこれが一番効果的だ。やはり自分が一番彼のことをわかっているぞと彼に静かに伝えてやるのだ。見ているだけで愉快だ。
携帯が振動し、画面を見ると二条からショートメールが来ていた。「今どうなってる?」と来ていたので一生帰ってくるなという意味を込め「ごはん中、たいして面白くもないですよ」と返した。
◆
霧野がなんとか三分の一程度まで処理できたところで、横から久瀬が話しかけてきた。
「おい、澤野。最近カジノの様子はどうなんだ?」
霧野は横目で久瀬を見た。久瀬は揶揄っている様子もなく、まるで友達に話しかけるような口調で話していた。
「は?」
「カジノだよ、お前が三つくらい見てただろ。」
「……。」
霧野は久瀬がどういうつもりなのか考えようとしたが、発情した身体に頭がうまくついていかない。回らない頭で、澤野のような調子で返してしまう。
「二つは、売り上げが……先月より伸び、一つは横ばいだが……」
「へぇ、それはすごいな。ねぇ組長もそう思うでしょ。」
「そうだな、1.2倍ずつ伸びていたよ。澤野はさすがだなぁ。」
川名もそういって、霧野を見据えてくる。その調子で竜胆が会話に入ってきて話が進んでいった。霧野は自分の背中に何か鳥肌が立ってくるのを感じた。
自分以外の空気がいつもの調子になり、"澤野"として普段通りに会話に参加することを求められ、"霧野"の存在が完全に消され始めた。頭がおかしくなりそうだ。自分が「誰」で「何」なのかわからなくなってくる。
「澤野、資金洗浄のノウハウを俺にも教えてくれよ。」
さっきから久瀬がさっきまでの嗜虐的な趣がない、フランクな口調で話しかけてくる。
「……」
「ん?何故黙っているんだ、教えてくれないのか?」
「……ああ、‥‥教えるよ。」
声が掠れ、震えていた。
縋るように、口を開いていない美里の方を見ると、彼は会話に参加せず黙って手をつけていない料理をつまらなそうに箸でいじくりまわしていた。そういえば、彼はいつも大人数の場で積極的に仕事の話に参加してこず、後から一人になった霧野に気になった点をいちいち聞きに来て、煩わしかった。
霧野の視線に気がついたのか、美里は霧野の方をじっとほとんど無表情に見据えた。顔に少しだけ紅が刺し、片方の口角が若干あがった。
「霧野」
突然、横から川名の笑いの混ざった声がした。
「どうした?手が止まってるよ、お前が食べ終わらないと始められないんだからな。吐くんじゃないぞ。吐くなら後にしろ?ここには他の奴らもいるんだから迷惑だろ。もし、ここで吐いたら下から全部入れなおしてやるから。」
「……」
「そうだ、忘れていた。もう一品あったな。」
川名は席を立って、しばらくしてから手にスープ皿をもって戻ってきた。
霧野の目の前に置かれたその中には普段ノアに与えられている大量のドッグフードが盛られ、表面が湿っていた。
「喉が渇いているだろうから、上から小便をかけておいてやったよ。悦んでいいぞ。」
「……」
「気にくわないなら、上から誰かに排便させてやろうか?」
霧野は目を細めて睨みつけるように川名の方を見て「結構です、食べます」とはっきり言って、スープ皿にスプーンを伸ばした。
◆
霧野は吐き気を抑えながら目の前にある物をほとんど全て片付けた。空腹であったのも事実で苦痛ではあったが食べれてしまった。精液のかかっていない部分だけでいえば一流の料理だ。
異常な状況に耐え切れず下半身が反応してしまったことに絶望を覚える。しかも、美里に察せられ、彼が敢えて何も言わず、霧野にだけわかるような表情でこちらを見ていた。彼の表情が頭にこびりついて離れない。それは、仕事中に霧野が上司の悪口を言っているときに横で聞いていた美里の表情によく似ていた。
しかし、小便にまみれたドッグフードだけはどうしても人として身体が受け付けず、まだ半分以上も残っていた。
横目で川名の方を見るとガッチリ目が合ってしまい、すぐさま目を逸らして、ドッグフードにスプーンを伸ばす作業を続けた。隣から陰湿な責めが始まった。
「遅いなあ。まだか?」
「……」
「犬のくせに、なんでもっと喜んで食べないんだ?犬としての自覚が少し足りないんじゃないのか?」
「……」
無視して無になってスプーンを口に運ぶ作業をしていると、突然目の前から皿がとりあげられた。皿を目で追っていると、それは川名の足元に置かれ、それから彼の手がディルドを椅子と固定したベルトを外した。
「こっちに来てここで喰えよ。下手に人間のフリなんかしているから、食えないんだ……。俺の前で這いつくばって皿に頭を突っ込んでさっさと飯を済ませろ。みんなを待たせてるんだよ。……縛り上げて、無理やり倍の量流し込むように食わせてもいいんだぞ。」
椅子から汗ばみ湿った身体を浮かすと、尻尾が一緒についてきて、尻をくすぐった。川名と組員の視線を一斉に浴びながら彼の足元に這いつくばった。
そのまま足元に置かれた皿の中に頭をつっこむと、頭の上に川名の脚がのせられ、ぐりぐりと踏みしだかれる。
「ほら、この方が早いだろう?霧野、お前にはよくお似合いの姿だ。国家の犬め。犯罪者に踏みしだかれ、ヤクザの犬に成り下がれ。」
屈辱と羞恥、怒りに耐えながら、早く済ませるために流し込むように口の中にそれをいれていく。
作業だ、ただの作業、自分は人じゃない、物だ。
怒りに反逆するように下半身はゆるゆると絶望的な快楽を感じ続けた。
◆
霧野は川名の足元で空にした皿を見せて、上を向いた。
「よしよし、ちゃんと全部食べたな。えらいぞ。お腹がすいてたからちょうどよかっただろう。また定期的にこうして栄養をとらせてやる。もう椅子に戻っていい。」
霧野は感情のほとんど感じられない表情をして体を起こし、ふさふさと尻尾をゆらしながら、川名の隣の席に座った。テーブルの上には空になった穢れた皿たちが並ぶ。
川名は、懐から紙をとりだし黙って霧野の前に置いた。霧野は何も言わずそれを手に取ってボーっと眺めた。
それは霧野が事務所で集計に使用していたエクセルの表を改造したものだった。
事務所の霧野のPCからわざわざ引っ張ってきたようだ。
「……なんですか、これ。」
と言いながら、自分の手が微かに震えてくるのが分かった。
縦軸に今ここにいる自分と川名以外の組員の名前が、「二条」「美里」「久瀬」「竜胆」……と全10人分並んでいた。横軸に本来入っているべき項目が消され、「口」「手」「肛門」「その他」「備考」と意味の分からない文字が踊っていた。
「その表に数字を入れるんだよ。」
川名は前を向いたままそういった。
「……数字?」
「察してるくせに、わざわざ俺の口から聞きたいのか?物好きな奴だな。集団暴行なんて適当にやらせたら何が何だかわからなくなるだろう。だから、お前に出した数字で皆を定量評価するんだ、わかりやすくていいだろう。最低でも一人二発は出してもらわないと話にならない。他にお前を痛めつけたアピールポイントがあれば備考欄に書いてもらい加点対象にする。」
彼は前を向きながら、普段通りの事務的な口調で話していた。
「ははは……やっぱり狂ってるよ、お前」
霧野が笑っていると、川名は前に向いていた目をこちらに向けてから軽く首を傾けてこちらを見た。
「なんだ?そんなこと、今わかったことじゃないだろう。」
霧野は虚ろな、しかしどこか真剣な目でじっと川名の方を見つめた。一警察官として、犯罪者と向き合う時、彼らが途中から開き直ったように武勇伝を語り、自供し始めるのを見てきた。
川名は対照的にどんどん愉快そうな表情になってくる。
「お前、俺のこと調べてたんだから、俺がどんなことして今この組を持ってるのか、昔何をしたか、普段何をしているか、全部知っているんじゃないのか?ここにいる、誰よりも。それでも逃げ出さず、俺の下で律義に勤められていたんだ。驚くべきことだよ。もしかして、お前が俺のことを一番理解してくれてるんじゃないのか?」
「お前のことを、理解?……できるわけがない。勝手に言ってろ。お前は異常者だ。」
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