堕ちる犬

四ノ瀬 了

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また俺が手伝わなきゃいかんのか?子ども以下の最早幼児だな。

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激しく降り続いていた雨が止み始めていた。薄っすらと厚い雲の隙間から月の下部が見える。ポツポツと軽い雨がフロントガラスに張り付いては消えていった。

美里は郊外のラブホテルまで車を走らせていた。その間も車の振動に揺られて背後から子猫のようなよがり声が聞こえ続ける。

いつもより雑に車を運転した。
強くブレーキを踏んだせいで後続車がクラクションを鳴らす。
そうしてやると馬鹿みたく余計によがった。最初の日、同じように雑に運転してやりたかったが川名や似鳥がいて出来なかったのを今やってるのだ。
しかし彼は今や、あの時のような緊迫感を失い、ただの快楽を求める犬になり果てた。

「ざまあないな、澤野よ。」

運転席の窓を開けると涼しい夜風が入ってくる。微かに雨が舞いながら車内に紛れ込み頬を濡らした。

何をしているんだろうか。
いや、させられているのか?自分も彼も。
あんな風に派手に輪姦されて、多少の同情はするが裏切り者の彼には妥当な懲罰だ。遅かれ早かれああなっていた。寧ろ10人で済んで良かったくらいだ。

「……。」

喘ぎ声を聴いているのにも飽きてきて、ラジオをかけた。明日の天気は晴れ、近隣のイベント情報ガラス細工の展示会が開催、次の音楽は「土砂降りでも」、葬儀社のCM……。

無視されたのが余計に下半身に響いたのか背後で彼が切ない声を上げ始めた。本当にムカつくやつだ。しね。とっとと誰かに殺されろ。目の前から消えてくれ。イライラするんだ。

霧野とは以前にも1度ラブホテルに泊まったことがある。別の組に呼ばれてここから少し遠い土地で会合に参加したあと、美里が酔いつぶれ、とても車が運転できる状態ではなくなった。その時もあまりに時間が遅く、帰るには距離がありすぎるため、霧野がタクシーを呼びラブホテルに直行したのだった。

美里が目覚めた時、ほとんど服を脱がされベッドに横たわっていた。霧野はベッドの横のソファに座ってウトウトしていた。訳が分からず、ベッドからはね起きて散々霧野を罵倒すると、眠そうな目を開けてこちらを見、眉をひそめて目を細めた。威嚇する猫科動物のような顔をしていたのでよく覚えている。

彼は美里の罵倒を特に意に介さないように口を開いた。
「お前が飲みすぎるから悪いんだ。服も汚らしいゲロでビシャビシャだったのを俺がわざわざ脱がして奇麗にしてやったんだ。まるで赤子の世話だよ。感謝してもらいたいくらいだな。」

それからソファから立ち上がり、冷蔵庫から水の入ったペットボトルを取り出して差し出してくる。黙ってそれを受け取り口をつけると、腕を組んだ彼が上からこちらを無表情に見下ろしていた。

彼の右手の人差し指だけが腕を掴んだ手から浮き、苛々と動き始めた。イラついている時にたまにやる癖だ。幹部などを集めた会議などでも、場を気にせずよくその癖をやっており、あまりに行儀が悪いので、隣に座っている場合はテーブルの下で脚を蹴って止めさせていた。彼は無表情のまま片眉を上げて口を大きく開いた。

「はあ~、人がわざわざ介抱してやっているのに、男ふたりでラブホがそんなに不満か。女を呼んで欲しいなら呼んでやるが、俺の目の前で激しいセックスでもして見せてくれるのか?そいつは楽しみだなァ。ここでそれを見ながら抜いてやるよ。激しければ激しいほどいいな。もしくは俺がお前を女にしてやってもいいぞ。」

言い終えてから自分で面白くなったのか、指の動きを止め、薄っすらと気味悪く微笑んでいた。あんな悪趣味な冗談を言って笑える人間が警官?未だに信じられない。

少し郊外に出て、高速道路脇にあるラブホテルに入っていく。
駐車場に車を停めて、後部座席のドアをあけた。本人と他人の精液の臭いがこもって思わず鼻と口に手を当てた。暫く換気をしてから後部座席に乗り込み、縄をとく前に袋を開けた。

「………。」
「ん゛っ!!?、……ふ、……。」
「………。なんだ?今のは。」

美里と目が合った瞬間に、霧野が顔を伏せ隠した。

袋を開いた瞬間、彼は普段見た事ないようないやらしい顔を晒し、ヨダレを垂らして喘いでいた。若干口角があがってさえおり、あまりにも淫靡だ。相当にキマっている。

もしくは、本当はもう薬は抜けかけてはいるが、「キマッている」から無様に喘いでも大丈夫と本人が思い込んでるかだ。シラフなら出来ないことが出来るのはこういう思い込みもある。プラシーボ効果だ。

「何もしていないというのに、無様なアヘ顔晒してたな?変態め。あれだけ犯され尽くしてまだ足りんのか。まだまだ沢山楽しめそうだ。お前の薬が抜けるまで面倒を見てやるよ。」

袋を開き拘束をひとつひとつ解除していった。口枷を外しても皮肉ひとつ言わず恥ずかしそうに黙っている。

身体がまだ薬と輪姦の余韻でぶるぶると震えてはいるが、流石に頑丈な身体、無反応にはなっていない。もし薬をキメずあのまま何時間も続けられていたら、もっと死んだような身体になっていただろうか。

一番怖いのが、薬が抜けた後だ。
薬は体力、精神力の前借りでしかない。
つまり今の彼の元気は後ろ3日間分の元気を前借りしてゼロになった意識を無理やり回復させているだけだ。これが、きれた瞬間の地獄と言ったら無い。
そのタイミングでまた薬を打たせれば、あとはもう堕ちていくだけだ。
上の者が、彼をどうする気か知らないが、そうやって人を壊すのは簡単な事だ。それは霧野にもわかっているだろう。散々ふたりで見てきた。

拘束を全て解いた。
拘束を全て外したとしても、犯され尽くして体力を消耗させた霧野と今の自分では、戦闘になってもさすがに勝てる自信がある。衣服を投げ渡し、車内で着るように指示した。

しかし、身体が震えてうまくボタンを締めることが出来ないのと、最悪で最高なことには、身体に衣服が擦れること自体で感じてしまうらしく、どんどん顔が紅潮、息を荒らげ始めた。開かれた口から性の臭いと本人の獣臭い体臭がこぼれでて、飢えさせられた獣のようだ。

「しょうがないな」
ボタンをはめるのを手伝ってやり、ジャケットを羽織らせる。傍から見るとラリっているのか酔っているのか怪しいラインだが、しっかりとした服を着せればそれなりに見れるようになった。

「行くぞ。妙なこと考えずついてこいよ。いつでもお前を射殺、刺殺、絞殺、何でも出来るんだからな。」
「……。」
霧野は惚けた頭で美里の顔を見ていた。射殺、刺殺、絞殺、きっと1番気持ちがいいのは絞殺だろうな。不自然な笑いが出てくるが、もともと表情が昂っているので美里には気が付かれない。

美里はショルダーバッグを肩にかけ、車から降りた。バッグの中には様々なものがいれたままになっている。

彼も車から降りたが、足腰がまともに立たず、車に手を着いて頭を垂れ、肩で息をしていた。
「……。」
少し考えてから、肩を貸してやるともたれかかるように素直に美里に身を預けてくる。きっと前に自分が介抱された時はこの逆であったのだろう。

受付では特に何も言われずに部屋を借りることが出来、鍵を受け取った。こんな時間のこんな怪しい客を受け入れてくれるのはありがたい。見るからに「黒」である自分達を受け入れてくれるのはやはりこういった辺鄙な場所にある施設だ。

エレベーターは古く、狭く、煙草の匂いやカビの様な臭いがこもり、動く度にぎしぎしいった。隣で身体を震わせている彼はそれだけで気持ちが悪いのか、不快そうに顔を歪めていた。

狭い廊下は薄暗く趣味の悪い薄ピンク色のライトが等間隔で並んでいた。302号室にたどり着き、鍵を開けて中に入る。先に彼を押し込んでから後ろ手にドアを閉めると自動で鍵が閉錠される音がした。

鍵を施錠する音というのは、子気味が良くて好きだ。大切な物をそこに入れて、自分だけが自分だけの鍵でそれを開けて楽しむ。
逆に、鍵を施錠される音は、もっと邪悪に響いて聞こえる。

彼は酔っぱらいのように壁に家具に手を付きながら、手前のソファに滑り込むようにして座り込んだ。

受付やエレベーターは古かったが中は割とまともだ。無駄に大きな鏡や部屋からも見える風呂といったものを除けば、ビジネスホテルにも見える。
ただ、ベッドの付近に備え付けられたライトがやはり薄いピンク色をして部屋を彩っていた。

「さあ、のんびりしていないでさっさと服を脱げよ。いつものように身体を洗ってやるよ。中までしっかりな。」

と言いながらも、霧野の服を脱ぐ速度が異常に遅いので、やはり介抱するように手伝ってやる必要があった。

「てめぇ、いい加減にしろよ。なんで俺がこんなことしなきゃいけねぇんだ。子供じゃねぇんだぞ。」

霧野は美里に罵倒されながらソファに座ったまま必死にシャツのボタンに手を這わせた。
指が震えて、シャツを擦るとそれだけで余計に身体が震える。ボタンをひとつ掴むのに、ずいぶん時間がかかり、自分が上から美里が下から外していき、結局一つしかボタンを外すことができなかった。

「なにをいつまでも、ぼーっとしてんだ。」

平手で右頬をはたかれ、少しはっきりした意識で美里を見上げると言葉とは裏腹に若干顔が紅潮しているのが見えた。昂っているのだ。約4日間彼と一緒にいて彼の変態的な性質がわかってきた。こいつは口では人のことを変態呼ばわりするが自分だってそうだ。人に犬のような餌を食わせてにやにやと笑い性的に興奮している。

「早く下も脱がないか。それともこれもまた俺が手伝わなきゃいかんのか?子ども以下の最早幼児だな。」

ベルトに手をかけ、パンツに手をかけゆっくりぬいでいく。身体に力が入らず、自分の脚だというのに、まるでマネキンの服を脱がせているかのように自分の脚であるという感覚がない。それでも何とか腰を浮かし、ソファの下にパンツを脱ぎ捨て、靴まで脱いだ。

一方の美里は、ボタンを外したワイシャツ姿に下着1枚になり、こちらを腕を組んで見降ろしていた。ネイビーの靴着と同じく艶を持った高級感あるネイビーのボクサーパンツの下に膨らみがある。

ワイシャツの隙間から奇麗なピンク色をした乳首が見え隠れし、先ほど見せつけられた同じくピンク色をした肛門のことが思い出されてきた。普段であれば何ということもないのだが、何故かまた頭の中が性のことで埋め尽くされ始め、何も考えられなくなる。

「また息を荒げて……仕方がない奴だ。直腸洗われて気絶するなよ。ないとは思うが俺の前で許可なくクソなど漏らしやがったらただじゃおかないからな。したかったらちゃんと言えよ。」
「……風呂など、ひとりでも……」
熱い濁った息交じりの声が返ってきた。風邪で高熱を出したときのようだ。

「なんだと?人間以下のお前がひとりで風呂?そんなこと許されるわけないな。大体今のお前がひとりで中を奇麗にできるのか?せっかく教えてやってんだ。黙って俺に身体を洗われ学習しろ。もしかしたら、今後お前は毎朝自分でマンコを準備し、さっきのように事務所でケツ穴奉仕することになるかもしれねぇんだからな。」 

「……ばかなこというな」

「馬鹿だ?馬鹿はお前じゃねぇか。……。一体何をしてくれてんだよ?お前は……。」

美里が1度わざとらしく言葉をきって、軽く語気を強めてそう言ってこちらに背を向けた。さっさと風呂の方に消えていく彼を目で追った。本当に何しているのだろう。

身体を起こす。やはり視界が二重三重になり急激な吐き気と立ち眩みが身体を襲った。ソファやテーブル、壁に手をつきながらほとんど這うようにして彼の背中を追った。

ほんの一瞬だけ、今油断をして自分に背を向けた彼を気絶させ、逃げ出そうかという思考が湧いた。もし、そんなことになれば彼だってただでは済まないだろう。彼がどうなろうがどうでもいいはずなのだが……。しかし、それにしてもまだ体力が足りない。回復させなければ。



「いい具合に広いな。そこに四つん這いになれ。」

薄ピンク色で統一された風呂場は広く、洗い場だけで五畳はあり、湯船も四人は入れるのではないかという広さの猫脚の美しい形の風呂が備え付けられていた。

立っているのもやっとなので、言われた通りに身を床に這わせると上からいきなり全身に冷水を浴びせかけれ、身体が跳ねた。容赦なくシャワーでいきおいよく身体中に水を浴びせかけられ、逃げ出したいが身体に力が入らない。

「…てめぇ…おゆに、しろよ……!」
「は?何贅沢言ってんだ。犬のくせにお湯だ?」
勢いが増したシャワーの水が股間に集中的に当てられはじめた。
「うあああ……!!あっ……あああ」
敏感になった箇所に集中的にあてられ、さらに上から触られ始め、一気に脳に何かを直接突き刺されたような激しい快楽の前兆がやってきた。普段よりすぐに声がうわずってしまい、止めようとすればするほど声が出た。

「穢れた下半身しやがって。一体何回男のチンポを咥え込んだんだ?ええ?俺は一部始終すべて見ていてやったぞ、最初は嫌がっていたお前が、徐々にだらしなくよがり、美味そうにチンポ咥え込んでいるのをな。そうだな……特に後ろから竜胆、前から久瀬に貫かれ、両手で奴らの舎弟の物を握らされていた時のお前と来たら、最高な面をしていたぞ…‥。怒り、悲痛と快楽にゆがみ、最後に快楽が全てに勝って、無様に射精させられていたな?」
「ああ……っ、」
ねちねちと傷を抉るような罵倒が始まり、冷水が秘所をなぶり、美里の指が恥部に侵入し始めた。身体が熱く渦巻き、下半身の熱量から最早完全に勃起していた。すっかり息が上がり、疲れてくる。

「おお……すっかり淫乱マンコにしてもらえて、良かったなァ。ちょっといじるだけで中出し精液が湧き出てくるぜ、ほら見てみろ。」

目の前に着きだされた彼の指は白い粘液で濁っていた。人差し指と中指が目の前でゆっくりとひらき、白く透明な糸が線を引いて途切れた。彼はそれを霧野の頬になすりつけて拭きふたたび肛門の方をいじり始める。

「うぅ……ああ……」
「汚ぇ穴だ。うちの便所の排水溝の方がまだましだ。今からお前の汚ぇここを奇麗にしてやるよ。」
「……」
尻に衝撃と共に肉がはじける音がして平手で尻を叩かれたと理解した。理解するより前に身体が性的な反応を起こして、高い声を上げた。
「『よろしくお願いします』くらい言えないのか?あ?」
「……」
黙っているとさらに平手がとんできて、身体をおかしくさせる。
「よ、よろしくおねがいします……」
屈辱がさらに身体を熱くさせた。
「そうだ、最初からそう言やいいんだよ。」

背後で水がとまり、キュルキュルとノズルを外すような音が聞こえてきた。
それから押し開かれた秘所にいつものホースのように、ヘッドが外されたシャワーホースがはいってきた。これから中に大量の水を噴射させられることを考えるだけで身体がぶるぶると震え、ついていた腕に力が入らなくなり、無様にも肘を床に突く形になった。

「ん。いい姿勢だな。洗浄待機か?ケツにホース突っ込まれ、期待に既に身体が震えて、こんな姿、他の奴に見られたらたまらんだろ?」
「……。」
「またすぐに黙る。返事はどうした。また平手されるのが良くって黙ってるのか?」
「ほかのやつにみられたら、たまらない…‥」
「そうだろうな。さらにこうしたらどうだ!」

体内に一気に冷水が流れ込んでいた。声にならない叫び、普段よりも数段高く、そして体の感じ方も尋常ではなく、水が体内に渦巻くあいだ中、身体がはね、よがり、完全に勃起していた。
水が止められホースが抜かれると、びゅるびゅると非人間的な音を立てて中の物が排泄されていった。排泄されたものは冷水より生温かく、腿や足に伝うたびに、自分が出したものだということを実感した。

美里の視線の先で、霧野の肩甲骨が跳ねるように蠢き、血管の浮いた腕が震え、その先の掌が震えながら閉じたり開いたりしていた。水でうなじに張り付いた髪の下で鳥肌が立っていた。普段より恥もなく大きな声を出し、風呂に耐えつつも耐え切れず叫ぶような声が反響して回った。
水を排出し切ると、それらの筋肉は呼吸に合わせて一定の速さで動いた。肛門は僅かに閉じ切っておらず、同じように呼吸にあわせて、水の混ざった精液を太ももにつたわせながら小さく口を開いたり閉じたりしていた。

「ぁぁ……ああ……」
「……。顔を上げて、自分で出したものを確認してみろ。」
最早誰の身体かもわからない身体をあげ、背後を確認すると真っ白く濁った大量の水が排水溝の方に流れていくところだった。羞恥に余計に身体がよくわからない疼きを覚え、顔を伏せた。
「感想は?」
「……はぁ?」
「見た感想は。」
「‥‥汚い。」
「そうだろう、まさに汚いな。便所のソレだ。それに、すごい量だ。少なくともあと3回はやらないとな。黙って耐えてろよ。感じるのは許可してやるから、勝手によがってろ。馬鹿。」
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