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24.営業成績1位の男⑤
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「お前がどれほど最低な人間か、よくわかったよ。」
「今の発言は聞かなかったことにしてやるよ、で、どうするんだ?」
殺すこともいとわない。斎藤は言外にそう言っていた。
「わかった。お前の変態嗜好につきあってやるよ。終わったら、帰っていいんだな。」
扉の向こう側へ。一ノ瀬の身体はどれほど穢されていようと、そのことを感じさせなかった。
突く度突く度鴨居の掌の下で艶めかしい肉を内側から波立たせる。手の中にかき抱くほどに沼へ脚をとられたようになって離れがたい。鴨居は一ノ瀬の手足を戒めているロープを解いた。すぐさまくるりとベッドの上で仰向けになり片足を立て上半身を起こした一ノ瀬の突き刺すような視線、その下で口元の口角だけが和らかに上がっていくのだった。体温の上昇と共に。再びベッドの上でもつれあった。部屋に居る異物のことなど忘れ、その肉体に溺れ、どこまでも没入していく……。
どのくらい経ったか、斎藤はいなくなり、一ノ瀬の細い肉体だけがベッドの中心に、大理石でできた小さな彫刻か何かのように最初よりもずっと輝いて静かに、そこへ沈んでいるのだった。
鴨居が膝立ちになったその間ではまだ男根が半ば屹立したままになっていたが、もう何度出したかわからなかった。一ノ瀬の視線がくるりと鴨居を捕らえた。半ば勃ちだった雄根がまたその頂きの高さを上げようとするのを、一ノ瀬の視線が、じっと、追っていた。一ノ瀬は身体を半ばうつ伏せにしていたが、片脚を立て、開くようにしてその肉体の存分を鴨居へ見せた。勃起していた。
永遠に続けられるように思えた。いったいつ始まっていつ終わったのかさえ、鴨居は覚えていなかった。気が付いた時には、カーテンの隙間から光が差し、自分一人だけがベッドの上に残されていた。幻想、全部、夢だったのではないか。自分の欲望が、夢を見せただけなのではないか。
ベッドから降り、鏡を見た。鎖骨の下に、くっきりと楕円上の赤みが浮き上がっていた。彼の歯が、突き立った場所だった。鏡の中に一瞬一ノ瀬が後ろから身を抱いて、消えた。
身なりを整え、部屋から出た。誰も何もない。何事もなかったかように整っている。無人の部屋を横切りながら、少なくとも、一ノ瀬が何日も強姦されるようなことはなくなったのだと思ったと同時に、何日も使うはずの部屋がここまで整理されているのを見て、斎藤が本当にやる気だったのか疑問を覚えた。
しかし今は、誰とも何も話をしたくない。自分自身とさえ。
◆
一度自宅に戻り、一ノ瀬は会社に出勤した。
めずらしく仕事に没頭していた。気が付いた頃には正午も過ぎた。立ち上がると人の視線が自分の身体に蔦のように絡みついてくるような気がした。統合失調症のつもりか?と自嘲しながらランチに行く。道のりもずっと同じである。社員証を首にかけオフィス街を歩いている。この街になじんでいるようで、全然なじんでいない。ダメ社員として通っていた時の方が息がしやすかった。通常の人間なら、昨夜のようなことがあった後なら食欲もわかないかもしれない。しかし一ノ瀬の肉体は普段より空腹感を増していた。身体の中に大きな空虚があるような感覚が胃にまで拡張されていくようだった。
定食屋がつぶれてラーメン屋になっていた。店の外観を少しだけ残して。サラリーマンの多い町は、飲食店の激戦区である。勝者と敗者がここにも存在する。もっと淡白なものを食べたい気持ちと重いものを身体に入れて気を紛らわしたい気持ちと両方があり結局、どこにも入れない、自分で何一つ選ぶことができないままオフィス街を彷徨い、そのまま午後の営業周りに行くことにしたのだった。
そうすれば、勝手に向こうから、選んでくれるから。
夜、料亭で嗜んだ後、そのまま顧客の車に乗せられたところで、携帯が鳴った。一ノ瀬は反射的に電源を切ろうかと思ったが、電話の主の名前を見て手を止めた。
「すみません。少し失礼します。すぐ戻りますから。」
車から離れて電話に出た。しかし、電話の向こう側はこちらが出たことが意外だったのか、沈黙している。
「なんだよ。今忙しいんだよ、俺。お前と違って。」
電話の向こう側で鴨居が息を吞む音がした。
「何。自分からかけておいて要件無し?」
『……いや一言言っておこうと思って』
「一言?お前が俺に一体何を言おうってわけ。」
向こう側の沈黙の密度が濃くなった。それは大きな黒い川を彷彿とさせた。肉体的な結びつきが発生するほどに、相手の姿が遠くなる。俺もお前も斎藤にはめられたんだから元気出せよな!”はめる”だけ!に、とクソ面白くもないジョークがこんな時頭をよぎるのだった。軽薄さは、人の面の顔を厚くする。
「これから仕事なんだよ。」
それだけで伝わったと思った。
「それとも、お前が代わりにやるのか?」
言ってから、いかにもサイコパスの斎藤が言いそうなことだと思って笑えた。
だが、斎藤に精神性が近づくということは、彼に勝ち越す可能性がまた強まったというだけだ。
最初は、斎藤が何にそこまで固執しているのか理解できなかった。しかし、わかった、一位であるということは彼にとって息をすることと同じなのだと理解した。彼のアイデンティティ、自信である。
それに引き換え今の自分は斎藤の固執しているものににアイデンティティを感じられない。感じたいと思うが、それはその場所に到達しなければ、感じられない、わからないことなのだろう。
今自分のアイデンティティを支配するのは、もっと別の物。自分が固執していないものを、固執している人間から奪い取ることは多少面白い。あくまで多少。面白いと言ってしまうと、自分の品性が一層下劣に思えてしまうから。
斎藤は俺を精神的に殺そうとした。斎藤は、堂々としているくせ、その実、心の底で危機を感じ追い詰められているということ、それこそ、息が、できなくなるくらいに。怯えてる。ずっとその状態では、苦しくて、たまらないだろう。だから、俺が、とどめを刺してあげる。お前異常に穢い手段で。俺が穢ければ穢いほど、お前の精神は追い詰められる。
この世界でただ一人、自分の社会的評価が脅かされているという理由だけで、こちらに執着して攻撃してくれる。だから痛めつけられても、構わない。それによって、傷ついていくのは、沼にまっていくのは、お前の方だから。全く痛くないわけじゃない、でも、お前を殺すことを思えば、いくらでも耐えられる快楽だ。
『もう、よせよ……』
「………。………。」
久しぶりに頭の奥がカッとしたが、すぐ、収まった。一ノ瀬は冷めた目で車体の後ろのナンバーを繰り返しなぞっていた。もう少し早く、と、頭をよぎらないでもない。鴨居が何か言っているが今は何も頭に入ってこない。
「今の発言は聞かなかったことにしてやるよ、で、どうするんだ?」
殺すこともいとわない。斎藤は言外にそう言っていた。
「わかった。お前の変態嗜好につきあってやるよ。終わったら、帰っていいんだな。」
扉の向こう側へ。一ノ瀬の身体はどれほど穢されていようと、そのことを感じさせなかった。
突く度突く度鴨居の掌の下で艶めかしい肉を内側から波立たせる。手の中にかき抱くほどに沼へ脚をとられたようになって離れがたい。鴨居は一ノ瀬の手足を戒めているロープを解いた。すぐさまくるりとベッドの上で仰向けになり片足を立て上半身を起こした一ノ瀬の突き刺すような視線、その下で口元の口角だけが和らかに上がっていくのだった。体温の上昇と共に。再びベッドの上でもつれあった。部屋に居る異物のことなど忘れ、その肉体に溺れ、どこまでも没入していく……。
どのくらい経ったか、斎藤はいなくなり、一ノ瀬の細い肉体だけがベッドの中心に、大理石でできた小さな彫刻か何かのように最初よりもずっと輝いて静かに、そこへ沈んでいるのだった。
鴨居が膝立ちになったその間ではまだ男根が半ば屹立したままになっていたが、もう何度出したかわからなかった。一ノ瀬の視線がくるりと鴨居を捕らえた。半ば勃ちだった雄根がまたその頂きの高さを上げようとするのを、一ノ瀬の視線が、じっと、追っていた。一ノ瀬は身体を半ばうつ伏せにしていたが、片脚を立て、開くようにしてその肉体の存分を鴨居へ見せた。勃起していた。
永遠に続けられるように思えた。いったいつ始まっていつ終わったのかさえ、鴨居は覚えていなかった。気が付いた時には、カーテンの隙間から光が差し、自分一人だけがベッドの上に残されていた。幻想、全部、夢だったのではないか。自分の欲望が、夢を見せただけなのではないか。
ベッドから降り、鏡を見た。鎖骨の下に、くっきりと楕円上の赤みが浮き上がっていた。彼の歯が、突き立った場所だった。鏡の中に一瞬一ノ瀬が後ろから身を抱いて、消えた。
身なりを整え、部屋から出た。誰も何もない。何事もなかったかように整っている。無人の部屋を横切りながら、少なくとも、一ノ瀬が何日も強姦されるようなことはなくなったのだと思ったと同時に、何日も使うはずの部屋がここまで整理されているのを見て、斎藤が本当にやる気だったのか疑問を覚えた。
しかし今は、誰とも何も話をしたくない。自分自身とさえ。
◆
一度自宅に戻り、一ノ瀬は会社に出勤した。
めずらしく仕事に没頭していた。気が付いた頃には正午も過ぎた。立ち上がると人の視線が自分の身体に蔦のように絡みついてくるような気がした。統合失調症のつもりか?と自嘲しながらランチに行く。道のりもずっと同じである。社員証を首にかけオフィス街を歩いている。この街になじんでいるようで、全然なじんでいない。ダメ社員として通っていた時の方が息がしやすかった。通常の人間なら、昨夜のようなことがあった後なら食欲もわかないかもしれない。しかし一ノ瀬の肉体は普段より空腹感を増していた。身体の中に大きな空虚があるような感覚が胃にまで拡張されていくようだった。
定食屋がつぶれてラーメン屋になっていた。店の外観を少しだけ残して。サラリーマンの多い町は、飲食店の激戦区である。勝者と敗者がここにも存在する。もっと淡白なものを食べたい気持ちと重いものを身体に入れて気を紛らわしたい気持ちと両方があり結局、どこにも入れない、自分で何一つ選ぶことができないままオフィス街を彷徨い、そのまま午後の営業周りに行くことにしたのだった。
そうすれば、勝手に向こうから、選んでくれるから。
夜、料亭で嗜んだ後、そのまま顧客の車に乗せられたところで、携帯が鳴った。一ノ瀬は反射的に電源を切ろうかと思ったが、電話の主の名前を見て手を止めた。
「すみません。少し失礼します。すぐ戻りますから。」
車から離れて電話に出た。しかし、電話の向こう側はこちらが出たことが意外だったのか、沈黙している。
「なんだよ。今忙しいんだよ、俺。お前と違って。」
電話の向こう側で鴨居が息を吞む音がした。
「何。自分からかけておいて要件無し?」
『……いや一言言っておこうと思って』
「一言?お前が俺に一体何を言おうってわけ。」
向こう側の沈黙の密度が濃くなった。それは大きな黒い川を彷彿とさせた。肉体的な結びつきが発生するほどに、相手の姿が遠くなる。俺もお前も斎藤にはめられたんだから元気出せよな!”はめる”だけ!に、とクソ面白くもないジョークがこんな時頭をよぎるのだった。軽薄さは、人の面の顔を厚くする。
「これから仕事なんだよ。」
それだけで伝わったと思った。
「それとも、お前が代わりにやるのか?」
言ってから、いかにもサイコパスの斎藤が言いそうなことだと思って笑えた。
だが、斎藤に精神性が近づくということは、彼に勝ち越す可能性がまた強まったというだけだ。
最初は、斎藤が何にそこまで固執しているのか理解できなかった。しかし、わかった、一位であるということは彼にとって息をすることと同じなのだと理解した。彼のアイデンティティ、自信である。
それに引き換え今の自分は斎藤の固執しているものににアイデンティティを感じられない。感じたいと思うが、それはその場所に到達しなければ、感じられない、わからないことなのだろう。
今自分のアイデンティティを支配するのは、もっと別の物。自分が固執していないものを、固執している人間から奪い取ることは多少面白い。あくまで多少。面白いと言ってしまうと、自分の品性が一層下劣に思えてしまうから。
斎藤は俺を精神的に殺そうとした。斎藤は、堂々としているくせ、その実、心の底で危機を感じ追い詰められているということ、それこそ、息が、できなくなるくらいに。怯えてる。ずっとその状態では、苦しくて、たまらないだろう。だから、俺が、とどめを刺してあげる。お前異常に穢い手段で。俺が穢ければ穢いほど、お前の精神は追い詰められる。
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