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4.厄災編
4-1.温泉と白印① ※
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更新遅くなりました。申し訳ありません!
R18です。
**********
魔素計の観測器を中央ギルドに設置して、観測室を設けてから、半年経つと、その間に6回の【スタンピード】が起こった。
半年がたち、俺は23歳になった。
観測室に頻繁に出入りするにあたり、セフィリオは中央ギルドの臨時職員として形式上、就職した。
本人は、形ばかりであるが初めての就労をとても喜んで、嬉々として働こうとする姿は、とても可愛らしかった。
それ故に俺の不安が募ったのは言うまでもない。
何度、中央ギルドの職員や、訪れる冒険者に言い寄られ、食事に誘われ、力づくでどうこうされそうになったか分からない。もう数えきれない。
その度に、本人がかわしたり、断ったりとしていたが、俺やコンラートさんが牽制し撃退した数の方が明らかに多い。
もう少し危機感を持ってほしいと思うけれど、せっかく喜んでいるので、出来る限り見守ってあげたい。
肝心の、魔素濃度による【スタンピード】の発生予測に関しては、
「基礎値の違いや、環境変動に伴う変動もあるけれど、絶対値よりは各地点の変動率の方が【スタンピード】の発生予測に有用だと思う」
ということらしい。
中央ギルドは、国土のほぼ中央に位置していることから、俺の知覚は国土全体をほぼカバーしているようで、規模や距離にもよるが、6回の【スタンピード】を事前に感知し、時期、場所、規模ともほぼ予測と合致する結果となった。
もはや【スタンピード】探知機だな、と自身でも驚いた。
冒険者ギルド側も、回数を重ねるごとに予測の正確さを認知して、緊急発令による迅速な冒険者の招集やその規模、装備に至るまで、マニュアル化が進んで、コンラートさんがその隊長として、指揮を執った。
俺は、士気を高め、適度に緊張をとり安心を与えるからと、毎回なんとなく目立つ役回りをコンラートさんに押し付けられて、少し居心地悪く、毎回討伐に参加した。
そして、今回6回目の討伐が終わり、ようやく平常に戻った時分である。
昨晩で後処理まで一段落し、朝からゆっくりと過ごしている。のだが。
「今回は、規模に対して、討伐隊が多すぎたけれど、これはまあ、仕方ないね、回を重ねるごとに、参加する冒険者の認知度も数も増えているし。変に中弛みすることなく、この緊張感が続けばいいんだけど」
と、セフィリオは今回の討伐を振り返り、一人反省会を継続している。
「もう、少し頭を休めたらどうだ」
俺がいうと、
「そうだね。
……今回は、魔獣が比較的多い地域で、魔素濃度の基礎値は高かったけれど、上昇率は低くて、その通り規模は小さかった。けれど、魔素計との距離が遠かったこともあり、その数値をそのまま使うことは出来ないから、距離で補正して他の場所と比較を―」
駄目だな。
いや、分かるけどな。俺は実際に【スタンピード】を感知するだけで、あとは討伐に参加して終了だ。
しかし、セフィリオは、俺の感知した主観をもとに時期、場所、規模を魔素濃度と照らし合わせて算出し、【スタンピード】担当のギルド職人と協議の上、緊急発令の時期、討伐隊の規模、構成、装備を決定している。
討伐後も、実際の魔獣の種類や数、中心地の調査や範囲、さらに被害状況に至るまでを整理し、統計を取っている。
それと、実際の魔素濃度との関連を照らし合わせて解析する。
と、これを短い間隔の【スタンピード】で処理しなくてはならないため、正直心配になる忙しさだ。
もちろん、回を重ねるごとに、【スタンピード】担当のギルド職員も増えており、各数値の整理は分業しているようではあるが。
まあ、真剣な顔で考えこむセフィリオもいつまでも見て居られるのだけど。
「せっかく、温泉でのんびりしてるのに、頭は全然のんびりしてないな」
そう。
今は朝食のあと、屋敷の裏の温泉に二人で入り、今回の討伐の疲れを取っているところだ。
初めは、この開かれた場所で入浴することに抵抗があった俺だが、セフィリオの言う通り、ここは私有地であり、特に危険な生き物も生息していない。
加えて俺は、早朝や休日にこの森で鍛錬を行うようになり、その後に汗を流すにはこの温泉はもってこいの場所なのだ。
何度か利用したことで慣れた俺は、今となってはセフィリオよりも利用している。
俺は、隣で湯に浸かりながらも、ずっと独り言のように呟き思考を続けるセフィリオを見て、ため息をついた。
そして、ふと以前から気になっていたことを思い出す。
「セフィリオ一つ聞きたいことがあるんだが」
俺が言うと、
「なに?」
思考を中断し、こちらを見る。
「もう一つの白印は、どこにあるんだ?」
これまで、体中に触れているが、全然気が付かなかったことに驚くが。
白印は国王の子に彫られる白い刺青で、通常、身体の目立たないところにいれるものだと聞いたはずだ。
セフィリオは左の首筋にもあるけれど、身体にも正式な王家の紋章の白印がどこかにあるはずだ。
「……え?」
白い刺青は、セフィリオの肌と同化していて、暗いと良く見えない上、彼が身体同士がぴったりと触れていることを好むため、身体を離してまじまじと観察することがあまり無い。
今、明るい中なら、見えるだろう。
「いや、今まで見つけられないから」
「あー……、そうなの?そう…かも?」
なんだ。その反応は。
「えっと……聞いてどうするの?」
いや、そんなの。
「見るに決まってる」
そう即答する俺に、セフィリオは空を見て考えると、
「……今じゃないとダメなの?」
そんなことを言う。
今じゃ駄目なのか?
随分渋るな。
余計に気になる。
焦らされて、じわじわと、俺は暴きたい気持ちが強くなり、セフィリオに身を寄せると、左の首筋にあるもう一つの白印に触れて、優しく指を這わす。
「…んっ……アレク…」
その刺激に声を漏らす、その姿も俺を誘っているようで。
顔を寄せて首筋に口づけを落とすと、薄くなってしまった俺の印に重ねて、赤い花弁を散らす。リップ音が森に響き、そのまま首筋を舐め上げた。
「あ、もう、…アレク…っ…逆上せる…」
蒸気した肌が熱い。
俺は、セフィリオを抱えると、膝の上に向かい合わせに座らせる。先程よりも身体が浮いて、上半身が外気にさらされる。
「これで大丈夫だろ」
俺はいつもより温度の高い肌に舌を這わして、淡く色づいた胸の粒を捕らえると、くるくると舌先で周りをなぞる。
「あ、そんなこと、したら…んっ、あ…あ」
立ち上がってきた粒を舌で弾くように刺激すると、ぴく、と腕の中の身体が震えて、逃げていく。
「あ、あ、…も、…はっ…やあ…」
「どこにあるか、教えろよ」
繰り返し、ころころと弾くように舐めると、身体を震わせながら肩を掴む手に力が入る。吸い付くと、舌で先を押さえつけた。
「…あ、…ん…こえ、ひびいて…あっ…は」
「誰も来ないよ」
いつか自分が言われたことをそのまま返す。
ああ、身体がガチガチだな。
セフィリオは、いつもどこかに力が入っていて、身体の緊張が続いていることが多い。
放っておくと、ずっと頭を使い続け、寝食も忘れて没頭する。
熱心で良いところでもあるのだが、ここしばらく多忙で、しかも討伐から引き続きの興奮状態であり、そろそろ強制的に緩める必要がある。
というのは半分建前でもあって。
半分は……いや半分以上は単純に俺が、セフィリオ不足なだけだ。
胸の突起を強く吸うと、身体が反って湯が跳ねる。何度かそうして刺激すると、しがみつく手が震えて頼りなくすがる。
肩口に唇を落とすと、食むように触れて、舌ですうっと鎖骨をなぞった。
逃げないように右手で尻をつかみ、左手で背をゆっくりとなでた。
「俺に、集中して」
「…んっ…あ、あっ…だって、」
「セフィ、キスしたい」
俺が顔をあげて見つめていうと、潤んだ藍色の瞳がこちらを見て、赤く染まった目元が誘っているようで。
いつもより赤い頬と唇が甘い果実のように見えて、美味しそうで仕方がない。
おずおずと、セフィリオが唇を重ねてきて、何度もしているはずなのに、その柔らかな感触は毎回新鮮な刺激で、俺を興奮させる。
舌先で唇をくすぐると、薄く開いて、そこに舌を捩じ込むように侵入し、セフィリオの舌を捕らえると、執拗に追い回して絡めとる。
「あ、…はっ……あ、…あ」
「気持ちいいな」
キスの合間に口元で呟き、再びすぐに再開すると、波のように快感が拡がり、それはセフィリオもきっと同じで、強張っていた身体が柔らかくなって、しなだれるように俺に身をあずけてくる。
尻を掴む右手で、割れ目をくすぐると、ぴちゃ、とお湯が跳ねて呻きが漏れる。
「セフィ、もっと触れたい」
喉元に舌を這わせ、腰から背中を撫で上げて、後ろの蕾にふにふにと軽く触れる。
「んっ…あ、あ、…アレク、…もう…そんな、したら」
「セフィは?」
「…あ、…あ、ああっ…あ、だって…」
「もっと近づきたい」
耳を食みながら、舌を耳穴に捩じ込んで、音を響かせながら、蕾の襞を伸ばすように触れる。
「ああ、…あ、ぼく、…んぅ」
セフィリオが、蕾に触れる俺の手に重ねるように手を当てると、何かを呟いて、指を動かし、するといつもの気配がして、浄化魔術を使ったのだと分かる。
「…そんなの、僕もに、きまってる」
そう言って、俺の首に両腕を絡めてセフィリオから深いキスをしてくれる。舌の感触が甘くとろけるようで、流れ込んでくる唾液を啜るように飲み込んだ。
「いっぱい、さわって」
言われて、ここで
「それで、白印はどこにあるんだ?」
もう一度同じことを聞く。
「………………おしり」
随分と間が空いて、諦めたように答えが返った。
お尻?今まで何度も見てきたはずだが、気づかないことがあるのか?
R18です。
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魔素計の観測器を中央ギルドに設置して、観測室を設けてから、半年経つと、その間に6回の【スタンピード】が起こった。
半年がたち、俺は23歳になった。
観測室に頻繁に出入りするにあたり、セフィリオは中央ギルドの臨時職員として形式上、就職した。
本人は、形ばかりであるが初めての就労をとても喜んで、嬉々として働こうとする姿は、とても可愛らしかった。
それ故に俺の不安が募ったのは言うまでもない。
何度、中央ギルドの職員や、訪れる冒険者に言い寄られ、食事に誘われ、力づくでどうこうされそうになったか分からない。もう数えきれない。
その度に、本人がかわしたり、断ったりとしていたが、俺やコンラートさんが牽制し撃退した数の方が明らかに多い。
もう少し危機感を持ってほしいと思うけれど、せっかく喜んでいるので、出来る限り見守ってあげたい。
肝心の、魔素濃度による【スタンピード】の発生予測に関しては、
「基礎値の違いや、環境変動に伴う変動もあるけれど、絶対値よりは各地点の変動率の方が【スタンピード】の発生予測に有用だと思う」
ということらしい。
中央ギルドは、国土のほぼ中央に位置していることから、俺の知覚は国土全体をほぼカバーしているようで、規模や距離にもよるが、6回の【スタンピード】を事前に感知し、時期、場所、規模ともほぼ予測と合致する結果となった。
もはや【スタンピード】探知機だな、と自身でも驚いた。
冒険者ギルド側も、回数を重ねるごとに予測の正確さを認知して、緊急発令による迅速な冒険者の招集やその規模、装備に至るまで、マニュアル化が進んで、コンラートさんがその隊長として、指揮を執った。
俺は、士気を高め、適度に緊張をとり安心を与えるからと、毎回なんとなく目立つ役回りをコンラートさんに押し付けられて、少し居心地悪く、毎回討伐に参加した。
そして、今回6回目の討伐が終わり、ようやく平常に戻った時分である。
昨晩で後処理まで一段落し、朝からゆっくりと過ごしている。のだが。
「今回は、規模に対して、討伐隊が多すぎたけれど、これはまあ、仕方ないね、回を重ねるごとに、参加する冒険者の認知度も数も増えているし。変に中弛みすることなく、この緊張感が続けばいいんだけど」
と、セフィリオは今回の討伐を振り返り、一人反省会を継続している。
「もう、少し頭を休めたらどうだ」
俺がいうと、
「そうだね。
……今回は、魔獣が比較的多い地域で、魔素濃度の基礎値は高かったけれど、上昇率は低くて、その通り規模は小さかった。けれど、魔素計との距離が遠かったこともあり、その数値をそのまま使うことは出来ないから、距離で補正して他の場所と比較を―」
駄目だな。
いや、分かるけどな。俺は実際に【スタンピード】を感知するだけで、あとは討伐に参加して終了だ。
しかし、セフィリオは、俺の感知した主観をもとに時期、場所、規模を魔素濃度と照らし合わせて算出し、【スタンピード】担当のギルド職人と協議の上、緊急発令の時期、討伐隊の規模、構成、装備を決定している。
討伐後も、実際の魔獣の種類や数、中心地の調査や範囲、さらに被害状況に至るまでを整理し、統計を取っている。
それと、実際の魔素濃度との関連を照らし合わせて解析する。
と、これを短い間隔の【スタンピード】で処理しなくてはならないため、正直心配になる忙しさだ。
もちろん、回を重ねるごとに、【スタンピード】担当のギルド職員も増えており、各数値の整理は分業しているようではあるが。
まあ、真剣な顔で考えこむセフィリオもいつまでも見て居られるのだけど。
「せっかく、温泉でのんびりしてるのに、頭は全然のんびりしてないな」
そう。
今は朝食のあと、屋敷の裏の温泉に二人で入り、今回の討伐の疲れを取っているところだ。
初めは、この開かれた場所で入浴することに抵抗があった俺だが、セフィリオの言う通り、ここは私有地であり、特に危険な生き物も生息していない。
加えて俺は、早朝や休日にこの森で鍛錬を行うようになり、その後に汗を流すにはこの温泉はもってこいの場所なのだ。
何度か利用したことで慣れた俺は、今となってはセフィリオよりも利用している。
俺は、隣で湯に浸かりながらも、ずっと独り言のように呟き思考を続けるセフィリオを見て、ため息をついた。
そして、ふと以前から気になっていたことを思い出す。
「セフィリオ一つ聞きたいことがあるんだが」
俺が言うと、
「なに?」
思考を中断し、こちらを見る。
「もう一つの白印は、どこにあるんだ?」
これまで、体中に触れているが、全然気が付かなかったことに驚くが。
白印は国王の子に彫られる白い刺青で、通常、身体の目立たないところにいれるものだと聞いたはずだ。
セフィリオは左の首筋にもあるけれど、身体にも正式な王家の紋章の白印がどこかにあるはずだ。
「……え?」
白い刺青は、セフィリオの肌と同化していて、暗いと良く見えない上、彼が身体同士がぴったりと触れていることを好むため、身体を離してまじまじと観察することがあまり無い。
今、明るい中なら、見えるだろう。
「いや、今まで見つけられないから」
「あー……、そうなの?そう…かも?」
なんだ。その反応は。
「えっと……聞いてどうするの?」
いや、そんなの。
「見るに決まってる」
そう即答する俺に、セフィリオは空を見て考えると、
「……今じゃないとダメなの?」
そんなことを言う。
今じゃ駄目なのか?
随分渋るな。
余計に気になる。
焦らされて、じわじわと、俺は暴きたい気持ちが強くなり、セフィリオに身を寄せると、左の首筋にあるもう一つの白印に触れて、優しく指を這わす。
「…んっ……アレク…」
その刺激に声を漏らす、その姿も俺を誘っているようで。
顔を寄せて首筋に口づけを落とすと、薄くなってしまった俺の印に重ねて、赤い花弁を散らす。リップ音が森に響き、そのまま首筋を舐め上げた。
「あ、もう、…アレク…っ…逆上せる…」
蒸気した肌が熱い。
俺は、セフィリオを抱えると、膝の上に向かい合わせに座らせる。先程よりも身体が浮いて、上半身が外気にさらされる。
「これで大丈夫だろ」
俺はいつもより温度の高い肌に舌を這わして、淡く色づいた胸の粒を捕らえると、くるくると舌先で周りをなぞる。
「あ、そんなこと、したら…んっ、あ…あ」
立ち上がってきた粒を舌で弾くように刺激すると、ぴく、と腕の中の身体が震えて、逃げていく。
「あ、あ、…も、…はっ…やあ…」
「どこにあるか、教えろよ」
繰り返し、ころころと弾くように舐めると、身体を震わせながら肩を掴む手に力が入る。吸い付くと、舌で先を押さえつけた。
「…あ、…ん…こえ、ひびいて…あっ…は」
「誰も来ないよ」
いつか自分が言われたことをそのまま返す。
ああ、身体がガチガチだな。
セフィリオは、いつもどこかに力が入っていて、身体の緊張が続いていることが多い。
放っておくと、ずっと頭を使い続け、寝食も忘れて没頭する。
熱心で良いところでもあるのだが、ここしばらく多忙で、しかも討伐から引き続きの興奮状態であり、そろそろ強制的に緩める必要がある。
というのは半分建前でもあって。
半分は……いや半分以上は単純に俺が、セフィリオ不足なだけだ。
胸の突起を強く吸うと、身体が反って湯が跳ねる。何度かそうして刺激すると、しがみつく手が震えて頼りなくすがる。
肩口に唇を落とすと、食むように触れて、舌ですうっと鎖骨をなぞった。
逃げないように右手で尻をつかみ、左手で背をゆっくりとなでた。
「俺に、集中して」
「…んっ…あ、あっ…だって、」
「セフィ、キスしたい」
俺が顔をあげて見つめていうと、潤んだ藍色の瞳がこちらを見て、赤く染まった目元が誘っているようで。
いつもより赤い頬と唇が甘い果実のように見えて、美味しそうで仕方がない。
おずおずと、セフィリオが唇を重ねてきて、何度もしているはずなのに、その柔らかな感触は毎回新鮮な刺激で、俺を興奮させる。
舌先で唇をくすぐると、薄く開いて、そこに舌を捩じ込むように侵入し、セフィリオの舌を捕らえると、執拗に追い回して絡めとる。
「あ、…はっ……あ、…あ」
「気持ちいいな」
キスの合間に口元で呟き、再びすぐに再開すると、波のように快感が拡がり、それはセフィリオもきっと同じで、強張っていた身体が柔らかくなって、しなだれるように俺に身をあずけてくる。
尻を掴む右手で、割れ目をくすぐると、ぴちゃ、とお湯が跳ねて呻きが漏れる。
「セフィ、もっと触れたい」
喉元に舌を這わせ、腰から背中を撫で上げて、後ろの蕾にふにふにと軽く触れる。
「んっ…あ、あ、…アレク、…もう…そんな、したら」
「セフィは?」
「…あ、…あ、ああっ…あ、だって…」
「もっと近づきたい」
耳を食みながら、舌を耳穴に捩じ込んで、音を響かせながら、蕾の襞を伸ばすように触れる。
「ああ、…あ、ぼく、…んぅ」
セフィリオが、蕾に触れる俺の手に重ねるように手を当てると、何かを呟いて、指を動かし、するといつもの気配がして、浄化魔術を使ったのだと分かる。
「…そんなの、僕もに、きまってる」
そう言って、俺の首に両腕を絡めてセフィリオから深いキスをしてくれる。舌の感触が甘くとろけるようで、流れ込んでくる唾液を啜るように飲み込んだ。
「いっぱい、さわって」
言われて、ここで
「それで、白印はどこにあるんだ?」
もう一度同じことを聞く。
「………………おしり」
随分と間が空いて、諦めたように答えが返った。
お尻?今まで何度も見てきたはずだが、気づかないことがあるのか?
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