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Ⅱ.体に優しいお野菜編
78.俺は、ルルドを成熟させたい② ※
しおりを挟む新しい夜着を買ってやると言う俺の意見を、ルルドが「ヴァルの匂いがするから、これがいい」なんて理由で、頑なに拒否したから。
それがまた、良くない。
良くて、最高に良くない。
ルルドが着た俺のシャツの、外し慣れたボタンを解いていく。
なんでそんなにキラキラした眼で見てんだよ。少しは、抵抗しろよ。
結局、何の抵抗も無く、ルルドの上半身があらわになって、ルルドの裸体は、やはり眩しいくらい綺麗だった。
傷の一つもなく、無駄な凹凸など何もない、均整の取れた筋肉を覆う完璧な肌。胸の先端には淡く色濃くした桃色の飾りが慎ましやかに並ぶ。
ただ、神がかった造形美がそこにはあった。
そして、その首にはめられた不完全でいびつな首飾り。不釣り合いな対比に、ずくりと腹の底から熱が昂る。
じっと視線を注ぐと、初めてルルドが身動ぎした。羞恥に身悶え、肌を桃色に染めるだけの、抵抗と言うには可愛すぎるささやかな動作。
胸に触れると、いつもより早い鼓動がトクトクと触れる。腹と胸、わき腹に腰を何度もめぐり、そのしっとりと吸い付くような滑らかさを堪能する。
触れたところからじわじわと昂る。
心地よい快感が掌から伝わってくるのは、ルルドが成長して触れたとこから黒い竜気を食えるようになったから、だけじゃない。
特にルルドはわき腹と、胸……特にその先端と、臍の肌の薄い部分が弱いらしく、そこを重点的に触れてやると、はぁはぁと甘い吐息が早くなった。
「あ、……ヴァル、これ……なんか…へん」
ルルドの中心が俺の与える刺激に反応して、ぴくぴくと俺の腹を押し返す。
ゆるゆると緩慢な動きで自分を俺に押し付けて、擦れるたびに溢れるように小さく喘ぎを零すルルドが堪らない。
もっと濃厚な交わりを、幾度となくやってきたはずなのに。
逆に、これまでのことが遊びだった錯覚を覚えるほど、俺は今昂っている。
もっと早く、こうしていれば良かった。マジでもったいないことしてた。今、俺は猛烈に後悔してる。
もっと、もっと、触れたい。触れて、俺の手で乱れるルルドが見たい。
そう思った時。
「ヴァル。僕、竜体になろっか?」
…………はあ?
こいつは、何を言ってるんだ。もしや、今の状況から抜け出すための作戦か何かか?
………いや、違うな。このきらきらした眼は、期待の眼差しで覚えがある。
俺の役に立った時に嬉しそうにぶんぶんと尻尾を振る、あのときと同じ輝きだよ。残念ながら。
これ、本気なやつだ。
こいつ。嘘だろ。
白い毛玉のこいつを撫でまわし、あの毛並みに癒される。そういう触れ合いだと、考えてんのか。
はぁ……マジか。そうくるか。
「あれ……違った、かな?」
全然違うわ、馬鹿。
これがとぼけんてんなら、むしろ救いがある。
いたって真剣に真面目にルルドは勘違いしている。
なんで、そうなる。お前の顔だって、体だって上気して、熱がこもってきてるってじゃねぇか。
ルルドだって、欲情してる。それなのに。
はぁ……つまりこれ、遠慮すんな、てことだよな?
白い滑らかな肌の首から下がる、異質な首飾りに目がいった。銀色の鎖と、黒い革。そして、肌の上に鎖の先の紫色の石が転がっている。
俺が作って、俺がはめた。首飾り……兼、首輪。こんなもので、竜を縛り付けられるなんて、思ってねぇ。
けれど、拒否することも、拒絶することもできるはずなのに、あっさり受け入れて。まるで宝物を見るかのように目を輝かせて喜んで。片時も外さずに、首からぶら下げて。
そして、自分の首にも、ルルドの作った同じ揃いのものがはめられている。
あー……たまんねぇ。ぞくぞくする。
俺は吸い寄せられるようにルルドの無防備な晒された首筋に顔をうずめ、そこに口づけ、べろりと舐めあげた。
「ふっ……ん、あ、……なに…?」
ルルドに触れた舌先にちりちりと甘美な痺れが走る。寄せた俺の横顔をすんすんとルルドが嗅いで、はぁ、と熱い吐息が耳を擽った。
その後もルルドは、自分は美味しくないだとか、俺に好きな奴はいないのか、だとか、驚きの迷走っぷりをみせる。
言っただろうが。「俺が、したいから」だって。
お前が「したかったから」なんて、あんな初々しい甘々な口づけを俺にしてきたんだろうが。
今もお前は、快感に打ち震え、ゆらゆらと腰を振って俺に擦り付けては、必死に悦楽に浸ろうともがいてんのに。
今俺は、お前に触れたくて、ぐちゃぐちゃに気持ちよくなって俺に溺れるお前が見たくて、欲望のままに許される限界を探ってんのに。
俺に好きな奴がいて、良いのかよ。お前以外の、好きな奴が。
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