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二
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「…そんなに緊張しなくてもいいですよ」
サルト国王陛下は、私の様子を見ながらやさしく諭すようにお声をかけてくださった。だが、笑いそうに歪んだ口許を隠しながらだったのは明らかだ。
「私に、一体どんな御用でしょうか!?」
状況が見えない上に不審なことが多くて、とにかく早く話を済ませたい一心で声をあげる。
「…随分緊張させてしまったようですね。まぁ、立ち話もなんですし、どうぞ座ってください」
やさしい口調ながら、はっきりと着席を促されて私ははっとする。陛下は大変丁寧な物言いをなさるが、これは果たして命令なのだろうか。普通であれば陛下の御前で椅子に座るなど考えられないことだが、私は意を決して着座することにした。
「では、お言葉に甘えまして、失礼いたします!」
すると、侍従長が一枚の紙を持ってきて私の前に置く。
(……地図?)
「ディラン騎士、ヴィダルへ戻ってきてどのくらいになりますか?」
「は、三ヶ月です」
「では、私の娘のことはご存知ですか?」
その言葉にしばし考え、はっとする。
陛下には姫君が三人いる。それは当然国民が知っていることだが、わざわざお聞きになるということは。
「それは、あの…ソフィアさまのことでしょうか」
「左様。長年隣国で育ったと聞いていましたが、自国の内情も知っているようですね」
「も、もちろん、それは勉強しました…」
今まさに、その自信が揺らいでいたところではあるが、俯きがちな私の答えにも、陛下は満足されたようでにこりと頷く。
「では、話は早い。騎士ディランどの、そなたに、ソフィア王女の奪還を命じます」
私はたっぷり三十秒は呆然として、
「……はい?」
と、団長に向けた声より、数倍は間抜けに聞き返した。
*
十年前に王国ヴィダルを襲った悲劇。
それは、婚礼を控えた一の姫、ソフィアさまが行方不明になった事件である。
あまりにも忽然と姿を消したのは、ソフィア姫に横恋慕した魔法使いの男が姫を攫ったからだということがわかり、王国は混乱に陥った。
王国ヴィダルは森の国。王城を含む王国は巨大な壁面でぐるりと囲まれ、これまた巨大な門に閉ざされている。その周囲には鬱蒼とした森が、人間の手が殆どついていない、ありのままの姿で広大な自然を誇っている。周囲の国々と国交はあるが、皆この森に囲まれた国、ひいては国民をも田舎者と秘かに嘲り諸国から訪れる者も少ない。
一方で、他国から追われた者などが、こっそりと森に身を隠すことも珍しくなかった。ことに魔法使いと呼ばれる者の類はたちが悪く、普通の人間ならばかなりのサバイバルを強いられる森の暮らしも、多種多様な魔法によって随分快適に過ごせるらしい。そして極め付けは変装して王国の中へ入ることも簡単にできるということだ。たとえ入国手形を持っていなくとも、である。
そして、その魔法使いの男はどこかで姫を見初め、婚礼を知って凶行に出たのである。
陛下は私の返事を待たずに語り始めた。
「ソフィアが攫われてからというもの、私は毎年捜索隊を出しているんですよ。何せあの男は魔法使い、居場所は簡単にわかるんですが何故か誰も姫を連れて帰れない。そこで、ここ数年は規模を小さくして、姫の説得を頼んでいます」
「…それならば、簡単に姫君を連れて帰れるのではないですか?」
素朴な疑問を投げたつもりだったが、陛下は微妙な顔になった。
「そう簡単であれば、今頃ソフィアはこの国にいる筈ですね。…では、ディラン騎士に質問しましょう。年頃の姫君が魔法使いに攫われて帰ってこない。それは何故だと思いますか?」
「…その魔法使いの力が強いため、何らかの拘束を受けているから、だと思いますが」
正直、陛下の質問の意味がよく理解できなかったのだが、思ったことを答えてみた。しかし、陛下は更に複雑な顔になる。
「…では、それを確かめてきていただきましょう」
そう言うと先ほど侍従長が持ってきた地図の、印がついているところを指す。
「姫は毎年手紙を寄越すのですが、場所がいつも変わるのです。今年はここ――それほど遠くはありませんが、隣国の国境を少し過ぎています。ですから…」
それでようやく私は理解した。何故、このような大役が私のところにきたのかを。
「両国の国籍を持つ私なら、行き来が簡単と、そういうことですね」
納得した私に陛下は言葉を継ぐ。
「…特別急がなければいけない理由はありませんが、危険も伴うことですし、共を一人だけつけましょう」
そう言って陛下が合図をすると、部屋へ入ってきたのは、意外にも見知った顔だった。
「よろしくお願いします、ディラン騎士」
照れたように笑って右手を差し出したのは、最近近衛騎士団に入団したローリィという青年だった。歳は上だが後輩にあたるため彼は私に敬語を使う。
私は彼の手を握り返さず陛下に向き直った。毎日訓練で顔を合わせているのに今更握手が必要だとは思えない。それに。
「何故、彼を?」
失礼とは思いつつ陛下に質問する。陛下はきょとんとして当然とばかりに答えた。
「彼より強い者は今の近衛騎士団にはいないでしょう?」
正論だったので、それ以上の言葉が出ない。
「…しかし、それなら初めから彼に姫の捜索を命じればよいのではないですか?」
今度はやや嫉妬めいた感情が浮かんで、そのような発言をしてしまった。お叱りを受けるだろうか。だが納得がいかないものは仕方ない。
「魔法使いに剣は通用しませんよ、ディラン騎士」
陛下の代わりにローリィ騎士が答える。面白がっているようだ。
「それに、私は姫のいる場所へは入れません。入国手続きが恐ろしく面倒な上、王宮まで行かなければなりませんからね。隣国の辺境へ行くのに中央へ行ってからでは、何ヶ月かかるやら…」
大仰に両手をあげて嘆くそぶりを見せる後輩に苛々する。
要するに、両国の国籍を持つ私が条件としては適任だが、一人では頼りないと、そういうことだ。
「わかりました、お引き受けいたします」
もとより断れる筋合いでもないが、一応正式に返事をすると、詳細を侍従長から伺って陛下の執務室を辞した。ローリィ騎士がついて出てくる。
「姫君を無事奪還できた騎士は、姫と結婚できるとかいうご褒美でもあるんですかね?」
能天気なローリィ騎士に、私はびっくりした。
「何を言ってるんだ? 陛下はそのようなこと仰っていないではないか。それに、ソフィアさまは十年前、十八で失踪されたのだから…」
「二十八になった姫は年増すぎますか?」
意地悪な笑顔を浮かべて、私なら全然大丈夫だな、などとほざいている。どうせ私は子供だ。そのようなこと、考えてもみなかった。
「で、いつ出発します? ディラン騎士」
不機嫌な私の態度に気づきもせず、にこにこと浮かれているような態度にむ、とする。
「生憎だがすぐには出ない。準備も必要だし……思うところがある」
「へえ、じゃあ付き合いますよ」
「結構」
私は、この唯一と言っていい後輩が非常に苦手だ。背は高くすらりとして、およそ武人には見えない。柔らかな淡い金髪は優しく波打って、エメラルドのような瞳は澄んで美しい。肌は白く、滑らかで、絵に描いた王子様のように貴公子然としている。
まぁ、実際の王子様など見たこともないが。
実際、彼が入団してからというもの、近衛騎士団の訓練には常時王宮内外の婦人たちが詰め掛け、一目彼を見ようと大騒ぎである。迷惑この上ないし、不愉快ですらある。
しかし騎士団長は何も言わない。それは、やはりローリィが騎士団長を負かしてしまい、事実上騎士団一の実力者ということがわかったからで、団長も他の団員も彼を認めているのだ。
騎士団には、入団と同時に実力テストが行われる。どんな新人であろうと素人であろうと、実力を確認するためのものなので、直接昇格には影響しない。弱い者から順番に剣を交え、新人が勝てば次々実力者とあたっていく、という仕組みだ。私が入団した時は当然といえば当然だが、一番若手の先輩にも敵わなかった。
だが、彼は違った。あれよあれよと階級を遡り、副団長を破った瞬間、場内が割れんばかりの喚声に包まれた。そこでゆっくりと登場した団長の殺気とも取れるような緊迫した空気はいまだかつて見たことがなかった。
両者は拮抗した実力で終始緊迫した試合を続けたが、ほんの一瞬の隙を突いて、ローリィの剣先が団長の鼻先をまっすぐに狙った。
「…ま、参った」
降参した団長はむしろ清々しく、周囲の喚声は歓声に変わった。素晴らしい戦いを見せた両者に対する惜しみない賛辞である。
それからというもの、初めは私同様、彼に対して好感を持っていなかった者もすっかり彼に対して一目置くようになってしまった。仕方のないこととはいえ、私は非常に不満だったし不愉快だった。ほぼ同期とも言える時期の入団だったから尚のこと、比較されているような気がしてならなかった。体格にも腕力にも恵まれているとは言えないが、私も剣に自信がなかったわけではない。なのに彼と雲泥の差を見せ付けられたことが恥ずかしく悔しかった。
「ディラン騎士?」
愉快でもない考えを巡らせていると、ローリィ騎士が訝しげに顔を覗き込んでくる。
顔が近い。思わず仰け反って、ぐっと見上げなくてもいい位置へ離れる。この身長差も悔しい理由の一つだ。
「何でもない。…ローリィ騎士、君は確か自宅通勤だったろう? では、家に帰って旅の支度をしてきたまえ。明朝七時に正門前で落ち合おう」
「……わかりました」
何か言いたそうな顔をしている気はしたが、構ってはいられない。私はその足で、幾つかの場所を訪ね始めた。
サルト国王陛下は、私の様子を見ながらやさしく諭すようにお声をかけてくださった。だが、笑いそうに歪んだ口許を隠しながらだったのは明らかだ。
「私に、一体どんな御用でしょうか!?」
状況が見えない上に不審なことが多くて、とにかく早く話を済ませたい一心で声をあげる。
「…随分緊張させてしまったようですね。まぁ、立ち話もなんですし、どうぞ座ってください」
やさしい口調ながら、はっきりと着席を促されて私ははっとする。陛下は大変丁寧な物言いをなさるが、これは果たして命令なのだろうか。普通であれば陛下の御前で椅子に座るなど考えられないことだが、私は意を決して着座することにした。
「では、お言葉に甘えまして、失礼いたします!」
すると、侍従長が一枚の紙を持ってきて私の前に置く。
(……地図?)
「ディラン騎士、ヴィダルへ戻ってきてどのくらいになりますか?」
「は、三ヶ月です」
「では、私の娘のことはご存知ですか?」
その言葉にしばし考え、はっとする。
陛下には姫君が三人いる。それは当然国民が知っていることだが、わざわざお聞きになるということは。
「それは、あの…ソフィアさまのことでしょうか」
「左様。長年隣国で育ったと聞いていましたが、自国の内情も知っているようですね」
「も、もちろん、それは勉強しました…」
今まさに、その自信が揺らいでいたところではあるが、俯きがちな私の答えにも、陛下は満足されたようでにこりと頷く。
「では、話は早い。騎士ディランどの、そなたに、ソフィア王女の奪還を命じます」
私はたっぷり三十秒は呆然として、
「……はい?」
と、団長に向けた声より、数倍は間抜けに聞き返した。
*
十年前に王国ヴィダルを襲った悲劇。
それは、婚礼を控えた一の姫、ソフィアさまが行方不明になった事件である。
あまりにも忽然と姿を消したのは、ソフィア姫に横恋慕した魔法使いの男が姫を攫ったからだということがわかり、王国は混乱に陥った。
王国ヴィダルは森の国。王城を含む王国は巨大な壁面でぐるりと囲まれ、これまた巨大な門に閉ざされている。その周囲には鬱蒼とした森が、人間の手が殆どついていない、ありのままの姿で広大な自然を誇っている。周囲の国々と国交はあるが、皆この森に囲まれた国、ひいては国民をも田舎者と秘かに嘲り諸国から訪れる者も少ない。
一方で、他国から追われた者などが、こっそりと森に身を隠すことも珍しくなかった。ことに魔法使いと呼ばれる者の類はたちが悪く、普通の人間ならばかなりのサバイバルを強いられる森の暮らしも、多種多様な魔法によって随分快適に過ごせるらしい。そして極め付けは変装して王国の中へ入ることも簡単にできるということだ。たとえ入国手形を持っていなくとも、である。
そして、その魔法使いの男はどこかで姫を見初め、婚礼を知って凶行に出たのである。
陛下は私の返事を待たずに語り始めた。
「ソフィアが攫われてからというもの、私は毎年捜索隊を出しているんですよ。何せあの男は魔法使い、居場所は簡単にわかるんですが何故か誰も姫を連れて帰れない。そこで、ここ数年は規模を小さくして、姫の説得を頼んでいます」
「…それならば、簡単に姫君を連れて帰れるのではないですか?」
素朴な疑問を投げたつもりだったが、陛下は微妙な顔になった。
「そう簡単であれば、今頃ソフィアはこの国にいる筈ですね。…では、ディラン騎士に質問しましょう。年頃の姫君が魔法使いに攫われて帰ってこない。それは何故だと思いますか?」
「…その魔法使いの力が強いため、何らかの拘束を受けているから、だと思いますが」
正直、陛下の質問の意味がよく理解できなかったのだが、思ったことを答えてみた。しかし、陛下は更に複雑な顔になる。
「…では、それを確かめてきていただきましょう」
そう言うと先ほど侍従長が持ってきた地図の、印がついているところを指す。
「姫は毎年手紙を寄越すのですが、場所がいつも変わるのです。今年はここ――それほど遠くはありませんが、隣国の国境を少し過ぎています。ですから…」
それでようやく私は理解した。何故、このような大役が私のところにきたのかを。
「両国の国籍を持つ私なら、行き来が簡単と、そういうことですね」
納得した私に陛下は言葉を継ぐ。
「…特別急がなければいけない理由はありませんが、危険も伴うことですし、共を一人だけつけましょう」
そう言って陛下が合図をすると、部屋へ入ってきたのは、意外にも見知った顔だった。
「よろしくお願いします、ディラン騎士」
照れたように笑って右手を差し出したのは、最近近衛騎士団に入団したローリィという青年だった。歳は上だが後輩にあたるため彼は私に敬語を使う。
私は彼の手を握り返さず陛下に向き直った。毎日訓練で顔を合わせているのに今更握手が必要だとは思えない。それに。
「何故、彼を?」
失礼とは思いつつ陛下に質問する。陛下はきょとんとして当然とばかりに答えた。
「彼より強い者は今の近衛騎士団にはいないでしょう?」
正論だったので、それ以上の言葉が出ない。
「…しかし、それなら初めから彼に姫の捜索を命じればよいのではないですか?」
今度はやや嫉妬めいた感情が浮かんで、そのような発言をしてしまった。お叱りを受けるだろうか。だが納得がいかないものは仕方ない。
「魔法使いに剣は通用しませんよ、ディラン騎士」
陛下の代わりにローリィ騎士が答える。面白がっているようだ。
「それに、私は姫のいる場所へは入れません。入国手続きが恐ろしく面倒な上、王宮まで行かなければなりませんからね。隣国の辺境へ行くのに中央へ行ってからでは、何ヶ月かかるやら…」
大仰に両手をあげて嘆くそぶりを見せる後輩に苛々する。
要するに、両国の国籍を持つ私が条件としては適任だが、一人では頼りないと、そういうことだ。
「わかりました、お引き受けいたします」
もとより断れる筋合いでもないが、一応正式に返事をすると、詳細を侍従長から伺って陛下の執務室を辞した。ローリィ騎士がついて出てくる。
「姫君を無事奪還できた騎士は、姫と結婚できるとかいうご褒美でもあるんですかね?」
能天気なローリィ騎士に、私はびっくりした。
「何を言ってるんだ? 陛下はそのようなこと仰っていないではないか。それに、ソフィアさまは十年前、十八で失踪されたのだから…」
「二十八になった姫は年増すぎますか?」
意地悪な笑顔を浮かべて、私なら全然大丈夫だな、などとほざいている。どうせ私は子供だ。そのようなこと、考えてもみなかった。
「で、いつ出発します? ディラン騎士」
不機嫌な私の態度に気づきもせず、にこにこと浮かれているような態度にむ、とする。
「生憎だがすぐには出ない。準備も必要だし……思うところがある」
「へえ、じゃあ付き合いますよ」
「結構」
私は、この唯一と言っていい後輩が非常に苦手だ。背は高くすらりとして、およそ武人には見えない。柔らかな淡い金髪は優しく波打って、エメラルドのような瞳は澄んで美しい。肌は白く、滑らかで、絵に描いた王子様のように貴公子然としている。
まぁ、実際の王子様など見たこともないが。
実際、彼が入団してからというもの、近衛騎士団の訓練には常時王宮内外の婦人たちが詰め掛け、一目彼を見ようと大騒ぎである。迷惑この上ないし、不愉快ですらある。
しかし騎士団長は何も言わない。それは、やはりローリィが騎士団長を負かしてしまい、事実上騎士団一の実力者ということがわかったからで、団長も他の団員も彼を認めているのだ。
騎士団には、入団と同時に実力テストが行われる。どんな新人であろうと素人であろうと、実力を確認するためのものなので、直接昇格には影響しない。弱い者から順番に剣を交え、新人が勝てば次々実力者とあたっていく、という仕組みだ。私が入団した時は当然といえば当然だが、一番若手の先輩にも敵わなかった。
だが、彼は違った。あれよあれよと階級を遡り、副団長を破った瞬間、場内が割れんばかりの喚声に包まれた。そこでゆっくりと登場した団長の殺気とも取れるような緊迫した空気はいまだかつて見たことがなかった。
両者は拮抗した実力で終始緊迫した試合を続けたが、ほんの一瞬の隙を突いて、ローリィの剣先が団長の鼻先をまっすぐに狙った。
「…ま、参った」
降参した団長はむしろ清々しく、周囲の喚声は歓声に変わった。素晴らしい戦いを見せた両者に対する惜しみない賛辞である。
それからというもの、初めは私同様、彼に対して好感を持っていなかった者もすっかり彼に対して一目置くようになってしまった。仕方のないこととはいえ、私は非常に不満だったし不愉快だった。ほぼ同期とも言える時期の入団だったから尚のこと、比較されているような気がしてならなかった。体格にも腕力にも恵まれているとは言えないが、私も剣に自信がなかったわけではない。なのに彼と雲泥の差を見せ付けられたことが恥ずかしく悔しかった。
「ディラン騎士?」
愉快でもない考えを巡らせていると、ローリィ騎士が訝しげに顔を覗き込んでくる。
顔が近い。思わず仰け反って、ぐっと見上げなくてもいい位置へ離れる。この身長差も悔しい理由の一つだ。
「何でもない。…ローリィ騎士、君は確か自宅通勤だったろう? では、家に帰って旅の支度をしてきたまえ。明朝七時に正門前で落ち合おう」
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